ガッテン 短期集中ダイエットで脂肪肝になる不思議!

脂肪肝



正しいダイエットが大切なわけ

この記事はNHKの「ためしてガッテン」で放映された、ダイエットと肝臓についての内容を要約し、それを元にし、さらに足りない部分を少し付加して作成しています。

とにかくダイエットしたい人は多く、永遠の流行といってもいいでしょう。その反面、私の他の記事でも散々主張していますが、誤解に基づく間違ったダイエットが多すぎます。


それは主義主張の問題にとどまらず、体そのものを傷めてしまう可能性があります。そして、そういう傾向に拍車をかけるのがダイエット業界そのものです。

なんでも売れればいいとばかりに、根拠のないいい加減な広告宣伝を繰り返し、イメージ戦略で消費者を巻き込んでいく姿を看過することはできません。

とはいえ、その根底にある精神は業界を攻撃したいというところにあるのではなく、ダイエット実践者が不利益を被らないように、お金と時間が無駄にならないように、体を傷めないようにという思いです。

今回の記事は直接業界とは関係がないのですが、誤った方法でダイエットをすると臓器をいためる危険性があって延いては病気にまで繋がるということを述べています。

次に、では「臓器を傷めない正しいダイエット法とは」にわかりやすく言及しています。ダイエットを健康なままで成功させたいあなたの一助になれば幸いです。

 

 

 

短期ダイエットが引き起こす臓器障害

美容のため健康のためダイエットを頑張っている人は多いですが、しかしダイエットで、ある臓器にとんでもない異常を引き起こすことがわかったのです。 

短期間にダイエットを成功させたと自覚する人たちをエコー検査してみると、なんとある臓器がパンパンになっていたのです。そして、これを放置するとやがてガンになる場合もあります。

一体体の中で何が起きていたのでしょうか?

今回参加された人、つまり短期間ダイエット成功者は自信満々に成功談を語りました。

体重計

体重計

  • キャベツやモズクだけを食べて成功しました。
  • ウォーキングを毎日して、食事は野菜を最初に食べるようにして5kg痩せました。
  • 年間1,000km走る目標を立て、3年で10キロ痩せました。
  • ダンスダイエットで17キロ痩せました。

しかしこういった自信満々の方達の肝臓をエコー検査してみると、次々と異常が見つかったのです。

今回対象となった25人のダイエット成功者のうち、なんと・・

  • 11人が肝臓パンパン状態、しかも
  • そのうち3人は少し深刻な状況

になっていました。

肝臓パンパン状態とはどういうものかというと、つまりフォアグラ状態になっていることを指すのです。

 

 

 

ダイエット中なのにフォアグラ状態になる理由

アヒル

アヒルに餌をどんどん無理やり食べさせて肝臓がパンパンになるのはわかりますが、ダイエットで極めてカロリーの低いものしか食べてない人がどうして肝臓パンパン状態になるのでしょうか。

そもそもパンパン状態とはどういう状態なのでしょうか。それは肝臓の中に脂肪がたくさんある状態なのです。そう、上に述べました通りフォアグラ状態であり、つまりは脂肪肝になっているということです。

全肝細胞の3割以上が脂肪化してしまった肝臓を脂肪肝と言います。

再度疑問です。ダイエットは肝臓をフォアグラ状態にしないために行っているのにどうして脂肪肝になるのでしょうか?

 

その理由は短期ダイエットにあった!

どういうダイエットをする人が脂肪肝になるのか調査してみると、

  • わずかの期間に一気体重を落とし、そして
  • 体重が戻ってきたら、また一気に落とし

を繰り返す人に多いことがわかりました。

つまり、一気にドカンと体重を落とし、目標達成で食べて体重を戻し、また一気にドカンと・・・を繰り返す人に多いのです。

それにしても、体重が戻るから再度ダイエットしているのに、どうして脂肪肝になってしまうのか?ここがわかりにくいですよね。

 

 

 

肝臓の役割と脂肪

そもそも肝臓は約500種類ほどの機能を持っているスーパー臓器なのです。その機能の一つに「脂肪の出し入れ」というのがあり、これがポイントになります。

血管には脂肪などのエネルギー源が流れていますが、これが多すぎると判断すると、血管から取り出して肝臓に貯めます。

逆に血液中の脂肪が不足していると認識した時には、肝臓から脂肪を放出します。このように血液中に流れる脂肪の量が一定になるように調節しています。

では、これがどうしてフォアグラ状態へと進むのでしょうか? その原因は急激なダイエットにあったのです。

 

ダイエットと脂肪肝のメカニズム

では、どういう時にダイエットをしたくなるのか? それはお腹に見るからに余分な脂肪がついてきた時ですよね。

「ダイエットしよう! する以上はすぐに結果が欲しい」こういう人が多いのです。では、性急なダイエットで体内はどうなっていくのでしょうか。

  1. 極端な食事制限ダイエットをする
  2. 血液中から脂肪分などの栄養素が減る
  3. そうすると皮下に溜め込んだ脂肪が血液中に大量に放出される
  4. 結果的に皮下の脂肪は減りお腹がへっこむ
  5. ところがこの時肝臓は、飢餓状態と判断して血液中から肝臓にどんどん脂肪を蓄える
  6. 次に体重が減ってきて目標を達成すると、今度は逆に食べるので、それはそれで血液中の脂肪が増えてしまう
  7. その状況を肝臓は血中脂肪が増えすぎと判断して、さらに肝臓に脂肪を溜め込む

つまり急激なダイエットで肝臓に脂肪がたまり、リバウンドでさらに肝臓に脂肪がたまるのです。

そうして、ダイエットを一生懸命やっているつもりで、気がつけば肝臓はパンパンになっているのです。しかも、肝臓が多く持っている機能にも悪影響が出てきます。

 

飢餓状態での体の対応

番組中ではおよそ上のような説明であったのですが、ちょっと説明を省略していて誤解を招くので補足しておきます。

絶食或いは食事制限をすると、口から入るエネルギー源は少なくなります。そうするとそれを補うために体は多段的な方法を実行して簡単には体がへこたれない仕組みを持っています。

  1. 栄養が供給されないと体が判断すると、肝臓や筋肉に蓄えられているグリコーゲンが使われる
  2. 肝臓に貯蓄されていたグリコーゲンが残り少なくなってくると、次に肝臓に貯蓄されていた脂肪が分解されてエネルギーとして使われる
  3. さらに脂肪も少なくなってくると、今度は筋肉に蓄えられている糖原性のアミノ酸が使われるようになる

激しい運動をするアスリートはしばしばアミノ酸を運動前に飲みます。それは、エネルギー源が消耗しアミノ酸放出にまで及ぶと上記の通り筋肉に悪影響が出るからです。

とにかく、「急激」が良くないのです。

そしてダイエットで痩せてくると、筋肉が落ちてしまうとともに、じっとしていても寝ていてもエネルギーを消費する基礎代謝も落ちてしまいます

つまり、エネルギーを消費しにくい体ができてしまいます。そうなった状態でリバウンドで食べてしまうと、その分脂肪が肝臓に溜まりやすいのです。

肝臓の負担

ですから、短期間のダイエットとリバウンドを繰り返すことがよくないということがわかります。

一つの目安として、血液検査でALTが40を超えたら脂肪肝の可能性があり、要注意です。そして自覚症状がないので、これを長期にわたって放置すると、やがて肝硬変や肝臓癌になっていく可能性があります。

貯めようとする肝臓

昔は酒飲みや肥満の人に脂肪肝が多かったですが、最近は太っていない非肥満の人でも脂肪肝になっている人がいることがわかってきて、全人口の25%が脂肪肝だと言われています。

例えば、拒食症の人なんかでも脂肪肝の人が多いです。なぜか?

人類の全期間を見ると、そのほとんどが食事の量を安定的に確保できず、今食べたら次はいつ食べられるかわからなかったのです。

ですから人間の体は、飢餓状態で食べると生き延びるためにできるだけ使わず蓄えようとしました。 

今ではいつでも好きなだけ食べられる時代となりましたが、体はその状態に合わせて変化・進化はしていません。

内臓脂肪レベルが高い原因と危険性 そして平均以下に落とす方法
https://retrygogo.com/naizosibo/

 

 

 

 

理想的なダイエットのスピード

じゃあ、どれくらいのスピードでどれくらい痩せていくのがいいのでしょうか。

ダイエットハイと言って、もっと痩せようもっと痩せようという欲が出ますが、そこは我慢をして、あまり上下動が出ないようにして体重を落としていくのがいいのです。

そのために・・

  • 体重管理をするとともに
  • 運動を併用すること

が非常に大切です。短期間で痩せて「頑張った感を満足させる」のは体に良くなく、間違っています。

で、体重を落とす適正なスピートですが、目安としては・・

  • 1ヶ月2kg程度
  • 半年で10kg程度

というように徐々に進めるのが良いのです。

ダイエットのスピードはわかりましたが、パンパンになってしまった肝臓。この肝臓から脂肪を減らしてゆくにはどうすればいいのでしょうか?

 

 

 

肝臓の再生能力と脂肪肝撃退法

健康な肝臓には強い再生能力があります。7割も切り取られて、しかし数ヶ月後には、ほぼ元どおりの肝機能が回復します。

では・・

  • 間違いダイエットや
  • アルコール過飲や
  • 病気

によって通常の再生能力が衰えた肝臓はどうなるのでしょうか?

実は健康な肝細胞には見られないけれど、ダメージを受けた肝細胞には肝前駆細胞が現れます。これが活躍して、ダメージを受けていても機能を回復することができるのです。

しかし、どんなに柔軟な能力を持っている肝臓でも、とことん悪化したらもう終わりますよ!

ですから、検査で悪い結果が出ても可逆可能なうちに自覚して、正しい方法で健康を取り戻さなくてはなりません。

 

適切な食事と適切な運動

何にも難しいことはないのです。

食事と運動の両方を用いて年間1割程度の減量を目指して毎日実行すると、その過程で脂肪肝も改善されていきます。痩せていてそれ以上の減量ができない場合は、体重をキープしていくことによって肝臓は健全になっていきます。

一汁三菜

 

肝脂肪撃退法

  • 減量は無理をせずに、少しご飯を減らす程度で普通の食事を続けます。組み合わせとしては、特に日本食の一汁三菜が良いです。
  • 1日30分程度のウォーキングをセットにします。少し早く大きく手を振って歩きます。
    朝30分のウォーキング継続で6つの健康効果が!
  • 間食も含め、寝る前の飲食は要注意です。
  • 無駄な夜更かしをせずに最低6時間以上しっかりと睡眠をしっかりとることが必要です。その理由は、寝ている間に交感神経がリラックスし、肝臓に溜まった脂肪が筋肉や心臓が使うからです。
  • ダイエットは1ヶ月に2kgくらいまでとし、長期に取り組むのが良いのです。そうすることで、負担なく健康な肝臓に戻っていきます。
ウォーキング

夜の過ごし方は特に大事

夜更かしと早寝の脂肪消費量の差を見ると早寝した方が消費量が多くなります

日中は糖を栄養源とする脳をフル回転させているので、肝臓は糖放出モードです。それに対して、睡眠中は脳が休み、あまり糖を必要としなくなって、代わりに体は脂肪をエネルギーにするモードに変わるのです。

しかし、睡眠といっても無呼吸症候群が起きるような浅い眠りの人には、このような正常なメカニズムは働きにくいのです。夜の遅い人と睡眠が浅い人は脂肪肝が改善しにくくなります。

また、夜遅い食事も肝臓に脂肪が溜まりやすくなる要因です。仕事の関係で帰宅が毎日遅く、夕飯を食べる時間が遅くて、朝起きてまた即朝食というパターンはよくないです。

 

 

 

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絶対にダメなダイエット

何がダメなのか?

今までのところを読んでくだされば、すでに理解されていると思いますが・・

  • 肝臓にダメージを与える急激なダイエット
  • 基礎代謝がおちるダイエット
  • 栄養バランスが崩れるダイエット

がダメなのでしたね。そうならないために・・

  • 急激に摂取エネルギー量を減らさないで
  • 適度な運動を毎日して
  • 万遍なく栄養をとる

のが良いのでした。

これがよく理解できていたら、絶対にやってはいけないダイエットもわかりますね。一言で言いますと、流行のダイエットはほぼダメなのです。例えば・・

  • 一種類の食品しか食べないダイエット
  • 一食置き換えダイエット

もう本質的に根本的にダメだ、という理由がよくわかるはずです。

  • バナナ
  • りんご
  • トマト
  • ゆで卵
  • スープ

などなど。何を持ってきても超ダメダメです。人間の体ってそんな単純なものじゃないのですよ。逆に、正しいダイエットの原理原則さえわかっていれば世の中の流れに惑わされることはなくなります。

それにしても・・これだけ世の中が進歩して調べればなんでもわかる時代に、明らかに体に悪いダイエットが「〜ダイエット」と称して人々の間に流行る理由はなんなのでしょうか?

急激ダイエット、もう一つの危険

急激なダイエットで脂肪肝になると同時に、糖尿病予備軍になってしまうケースが非常に多いです。

肝臓の働きの一つに、食後、血中に増加する糖を貯める働きがあります。この働きのおかげで血中の糖の量を一定に保つことができるのです。

ところが、脂肪肝のように肝臓に脂肪がたくさんあると、食後増える血液中の糖をあまり蓄えられなくなります。結果高血糖となり、これが糖尿病の引き金になるのです。

もうひとつ大切なこととして、血糖は筋肉にも蓄えられますが、運動を伴わないダイエットは筋肉も痩せるので糖を蓄えられなくなるのです。

ですから、短期間のダイエットリバウンドの繰り返しはどんどん高血糖になっていくことでもあります。

結果として、糖尿病や肥満になって、その結果、脳卒中や心筋梗塞になる確率も上がっていきます。体内で「死の四重奏」を奏で出したら完全に赤信号です。

 

 

 

まとめ

いい肝臓と悪い肝臓

間違ったダイエットがなぜ肝臓を痛めるのか。それが延いては体にどんな悪影響を及ぼすのか、よくわかっていただけたと思います。

おさらいです。ダイエットに必要なことは単純化して覚えておきましょう

  • 食事を抜いたり極端なことをせず、口に入れるエネルギー源を少しだけを減らす
  • 偏りなく栄養をとる
  • 適度な運動を欠かさない

さらに、もう二つ付け加えますと・・

 

管理をする

これが極めて重要です。体の変化を1ヶ月単位で記録して、それを見返して状態の変化を理解するのです。その他、多機能体重計の数値を記録していくのも励みになります。

また、献血をすると無料で血液検査をしてくれるので、3ヶ月に一度献血をして、肝臓に関する項目(ALTやγ-GTPなど)の数値変化を追っていくのも非常に良いと思います。

 

タンパク質(アミノ酸)摂取量を落とさない

筋肉を構成しているのはタンパク質です。また、体を構成する固形物の半分がタンパク質です。ダイエットにおいては、体に必要なタンパク質の量を落とさないことが極めて重要です。

タンパク質摂取+運動=筋肉量の維持→基礎代謝が落ちない

ダイエットにおいて基礎代謝を落とさないことは最大と言っていいくらい大切なことです。

余分な脂質を伴わないで気軽にタンパク質を摂取する方法はプロテインを活用することです。私も長年利用していますが、アミノ酸スコア100のプロテインは本当に重宝します。

プロテインは純タンパク質で、それ以上でも以下でもないので、必要な分量を飲んでいる限り全く不安はありません。

どうか、理にかなった無理のないダイエットで、どうぞ健康な体の維持に努めてください。

 

 



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