新型コロナウイルス 休校やイベント中止要請の意味と中国から渡航全面禁止の無意味



総理大臣には権限がない

今、日本全国で新型コロナウイルスの感染拡大阻止に躍起になっているところですが、この記事ではその対策や考え方の理解を深めるために私なりの説明をしていきます。

安倍総理大臣は2月29日記者会見にて、全国の小中学校に一斉休校を要請したと発表しました。但し、これは強制ではなくあくまでも要請です。

例によって多くの人たちが主観を述べていますが、非常に気になる点があります。

一番気になる点は、根本的な誤解ですね。

日本は法治国家です。法律に基づいて国家運営がなされています。総理大臣と言えども法律に基ない指示・命令などは一切できません。

そういう点からいうと、安倍総理には休校を指示する法的権限はありません。、ましてや一般の企業や個々の人々に臨時休暇や移動の制限を強制する権限なんてありません。

だから、要請なのです。

「学校に丸投げか?」などと、とにかくなんでもイチャモンをつけたくなる人たちがいますが、丸投げも何も権限がないんですから。

 

 

権限は首長にある

じゃあどこに権限があるか、という疑問ですが、学校保健安全法によると、それは学校の設置者にあります。

学校保健安全法第二十条

第二十条 学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。

つまり、県立高校なら県知事、市町村立学校ならそれぞれの市町村長ということになります。

後で述べますが、過去、実際に休校指示を出した知事がいました。

 

それからもう一つ考えねばならないことですが・・・

では、地方に全てを放任し、国はそれなりの要請をしなくてもいいのでしょうか? 

いいえ国には国の役割があります。

しかし、例え、国及びその後ろに控える役所や専門医たちがどんなに知恵を絞って方向性を出したり補正予算を組んだりしても、自分の立場に合わない人たちや、常に主義主張が優先する人たちはこぞって反対するのです。

それに、後手後手になって指示が遅れたりしたら、それはそれで、またまた批判の的に晒されるのです。

「困った人たちがいるもんだ」なんて言いたいのではありません。どんな方策にしても、全ての人が満足する方向性なんて、最初から存在しないんだと言うことを申し上げたいのです。

そして私たち一人一人は、状況が混沌とすればするほど、落ち着いて百家奏鳴なノイズを排除して正確な情報を援い取り、自分の行動に役立てなければならないです。

さて話を戻して、だれが大反発覚悟で休校指示を出したのか?

 

 

実際に権限を発動した首長がいた

他ならぬ、私が生まれ育った、そして今なお住んでいる大阪府の橋下徹元知事です。彼は、大阪府下で2例目の高校生感染者が出たところで号令をかけました。

橋下元知事は「はっきりとした指示の根拠はなかった」と明確に仰ってます。

わからんのですよ、誰も正しい方向なんて。その中において、その状況でベストだと考える方向性を打ち出すのが政治家の役目です。

では、橋下元知事は「明確な根拠はない」とはいえ、決断時に脳裏には何が横切っていたのでしょうか。

 

二つの予備知識

  1. スペイン風邪流行時、移動制限措置を取ったセントルイスとなんら措置を取らなかったフィラデルフィアでは、明らかに感染度合いに差が出たこと
  2. 決断の半年前にWHO幹部が府庁舎に表敬に来た際、橋下元知事の「パンデミック発生時に政治家がすべき事は」という問いに「人を移動させない事」と教わった事

私もよく覚えていますが、今の政府バッシングと同じように、ここぞとばかりに橋下バッシングに余念のない人たちがいました。

しかし3年後、全国対象の検証が行われたのですが、結果、大阪府は明らかに感染した生徒が少なかったという結果が出たのです。

 

橋下元知事の狙い

こういった感染症は短期間にピークを迎えると一度期に患者が病院に押しかけ機能を麻痺させてしまうから、なだらかな推移と低いピークで推移させなければならない、と考えていたようです。

つまり橋下元知事は、はなから一斉休校で感染がストップできるとは考えてなくて、感染スピードを緩めようとしていたわけです。

(余談ですが、素晴らしい決断をした橋下元知事ですが、他の多くのことも合わせ考えた時、再度の出馬があるならば私は応援できません。どんな事も是々非々です)

 

緊急時の対応と協力

しかし、だからといって今回の安倍総理の要請決断が成功するのかどうかは誰にもわかりません。もう一回言います、正しい方向性なんてわからないんですよ。

また、緊急時対応には付随して困ることが幾つもでてきます。だからそこに該当して困る人たちは声をあげているわけで、それこそ、そんな時こそ、各自治体や学校そして各企業が知恵を出し合うべきです。

既に、具体的な方針を打ち出している学校や企業もあるようです。

また、マスコミは「こんなに弊害がある、国民はこんなに反対している」とか愚にもつかぬ報道ばかりをしないで、今こそ丁寧に取材をして、全国の貴重な対策の具体例を報道すべきです。

 

 

クラスター

橋下元知事の決断の話の中に出てくる「人を移動させない事」の重要性について、もう少しここでお話しします。

最近、よく「クラスター」という単語を目に耳にしますが、これは「集団」という意味ですね。

 

集団に感染者がいて濃密接触すると、すぐに集団感染になってしまいます。その内の一人が別の集団に行くとまた新しい感染クラスターが発生して爆発的患者が増加していくのです。

だから、一斉休校はやるべきだし、働き盛りを抱える会社も非常事態なりの決め事をするべきです。非常事態なんですよ。

 

社会が守るべきは高齢者

ただ、中国CDCの記事でも述べたように、50才未満の人達って、クラスターを積極的につくっているそういう人達は感染しても、ほとんど軽症で回復します。

怖いのは、家庭で同居している「治りにくい」年齢の人たちなんです。再度、中国CDCの記事にあるデータを見て欲しいのですが、こういう年代は重症化しやすい傾向がはっきりと現れています。

クラスターが感染者クラスター を呼び、その構成員は若くてほとんどは風邪のような症状でたいしたことがなくても、その人たちが帰るお家に高齢者がいたらどうなりますか?

社会が本気で高齢者を守るべく行動しないと取り返しがつかないことになりますよ。

 

 

中国から渡航全面禁止の無意味

話はガラッと変わって、まぁこちらも新型コロナウイルスに関するものには違いないのですが、よく「何故中国からの渡航を全面禁止しないんだ?」って言ってるじゃないですか。

それが無意味であるという解説です。

 

爆発的ともいえる中国の感染者数・・そうなのですが、じゃあ、発生源の武漢の感染者数の割合って、どの程度か知ってますか?

おおよそ1,000人に1人です。もう一回述べますよ、最震源地の武漢で1,000人に1人です。

 

さて、中国からの入国制限は湖北省と浙江省からのみで、これに不満(不安?)を持つ人たちから大バッシングが起こってます。

今確認できる中国全土の治療中の感染確認者数は・・・

  • 全土・・46,522人
  • 湖北省・・39,572人
  • 浙江省・・272人

よって、制限をかけていない中国人の来日の可能性がある感染者数は6,678人です。

 

これに対し、来日の可能性がある中国人の総数は、全人口-(湖北省と浙江省の人口)ですから、それを計算すると約12億8千万人です。

よって、来日する可能性のある全ての中国人の内、来日する感染者の割合は0.0052%です。

1ヶ月に入国する中国人の数は約24,000人ですから、つまり日本に入ってくる中国人の感染者は1ヶ月に1.2人レベルだと結論づけられるのです。どうですか?

元々感染者ゼロなんてありえないし、ことここに及んで全中国人入国拒否なんて意味がないのです。感情じゃなく、きちっと数値で判断してください。

更に、感染者数は広東省・河南省より浙江省の方が低いという議論がありますが、10万人単位あたりの感染者数は、浙江省は2.20人・広東省1.19人・河南省1.35人であり、浙江省を入国拒否対象にするのはちゃんとリスク率を考えての決断なのです。

藤原かずえさんがもっと緻密なお話をなさってます:新型肺炎の風評で日本はまた国益を失うのでしょうか

とにかく私たちの国の与党も役人も、アンチがいうほど馬鹿じゃないのは確かです。ちゃんと根拠のある政策を実行しているとは思いませんか?

 

 

最後に

ここで解説した休校の意味や渡航禁止地区の意味は分かっていただけたと思います。どうか、つまらない煽りに乗らないでください。

今は非常事態です。自分たちの政府や首長を信じて、今、それぞれが行うべきことをちゃんと継続的にやっていくことこそこの非常事態を乗り切る策だとは思いませんか。

政府や役人に対し肯定的な意見を述べていますが、批判や修正点の指摘等は社会が十分に落ち着いた時にまたやればいいと考えています。

別に、自民党や安倍総理が好きでも手放しで支持しているわけでもないです。

そうではなく、今は非常事態なのです。

内閣官房:新型コロナウイルス感染症の対応について(随時更新)



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