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何故入院患者重症患者の情報が溢れないのか
2020年1月14日に厚労省が発表した肺炎患者が国内における新型コロナウイルス感染者第一号であります。この方は武漢に滞在歴があり、1/6に帰国し1週間弱の入院で回復退院しています。
それから以後・・・
- 武漢にいる日本人のチャーター機による集団帰国
- ダイヤモンドプリンセス号の騒動
などがありましたが、改めて俯瞰するにどうでしょう。
病床が肺炎治療患者で溢れかえり、ICU設備が追いつかず死亡者が増大の一方、ってなってるでしょうか? 違いますよね。
陽性で隔離治療を受けている患者さんがぞくぞく大変なことになっている、って聞かないでしょ。
政府が検査せずに隠してるとかって雑言は無視していいです。もし、本当に大変なことになっていたら、検査云々よりも、その悲惨な実態が病院から情報として伝わってきますよ。
もちろん大変は大変だけれど、そんな中、我々が信じるべきは事実だけです。
もしまだご覧になってなければ、別記事に示した中国CDCの7万人のデータを確認されてから続きをお読みください。
事実として押さえられるのは・・・
- 感染力は強いが特定持病をもたない50才未満の多くは軽症のうちに回復する
- 50才以上の特に特定の持病を持つ人の中には重症・重篤になる方もいる
- 感染力が強く罹患した人は回復後も2週間程度は人との接触を避けるのが望ましい
大雑把に言えば理解すべき事実はこれだけです。
あのね、未知のどっか宇宙から来たウイルスが人類を滅ぼすとかって話ではないのです。
風邪です、風邪。その原因となるコロナウイルスは何種類かいますが、今回のはかつて確認されてない型なので「新型」と命名してるわけです。
いつ自分がかかって死ぬかもしれないという恐怖を呼ぶ情報が出ないのは、軽症で回復する率が高いことと、肺炎になっても日本の病院の管理・治療力が高いからだと推測できます。
当初から「日本では医療崩壊が起きない限り克服できる」と何人もの医者が訴えていました。故ありです。
そういった事を踏まえて、厚労省の出した受診基準を考えます。
厚労省がいう4日以上の意味するところ
厚労省サイトにある「新型コロナウイルスに関するQ&A」の問28「熱や咳があります。どうしたらよいでしょうか?」をご覧ください。
ここに疑われる症状がある場合の行動(受診)指針が述べられています。この中に、新型コロナウイルス感染が心配な場合は、最寄りの保健所に設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせくださいとあります。
そして、問合せする基準として、「高熱状態(37.5°以上)が4日以上の場合(付帯条件がない一般的な場合)」とあります。
但し、強いだるさや息苦しさがある場合 高齢者をはじめ、基礎疾患(糖尿病、心不全、呼吸器疾患)がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方等は日を置かずすぐに問い合わせをします。
四日間の根拠は何か?
インフルエンザはいきなり高熱が出て、だいたい3〜4日で収まり快方へ向かいます。症状は鼻水・鼻詰まり・せき・のど痛などで、熱が高くなるとその副作用で頭痛・関節痛・食欲不振などが出ます。1週間あればほぼ回復に至ります。
一般的な風邪はインフルエンザと比べるとややゆっくりと発熱し、症状はインフルエンザとほぼ同じで、ただそれほど激しくはないです。これもほぼ1週間程度で回復します。
ただ、荒れた喉や鼻腔の粘膜が修復されるまでは、咳や端が残ります。
一方、新型コロナウイルス感染では、初期症状自体はほとんど変わりがなく見分けがつきません。ただ、症状の続く期間が普通の風邪・インフルエンザと比べて長いのが特徴です。
しかし、それでも8割強の感染者は1週間程度で回復します。問題は残りの2割弱の感染者で、この人たちは1週間あたりから重症化していくことがデータからわかっています。
以上のような諸々に加え、早期におけるPCR検査の陽性的中率やCT検査の確度を勘案し、厚労省は「4日以上」という基準を考え出したと思われます。それに、CTも検査体制も有限資源だということもあるでしょう。
希望者を全員検査したらどうなるか
政府も大きな声には反応して検査体制を拡充する、公的保険の対象にするとアナウンスしていますね。
検査を希望するニーズをできるだけすくおうって話ですが、私は良い方向性だとは思いません。
今、毎週のインフルエンザ患者増加数ってどれくらいかご存知ですか。約20万人ですよ。20万人。この人たちが、初期症状で不安になって検査を希望して殺到したらどうなるんですか?
それ以外に一般の風邪で微熱の人、本当の新型コロナウイルス感染の初期の人が加わったら、しかも今後しばらく総数は増えるわけですから、どんなに体制を拡充してもパンクしますよ。完全にパンク。
それに別記事で紹介した中国の医者も言ってますが、そもそもこの検査は正確性に乏しく、まして初期症状なら結果の正確性はさらに乏しく、偽陰性を信じた人たちが普通の生活をしてスーパースプレッダーになったら世の中の混乱が膨らむだけじゃないですか。
ですから正確性に乏しい検査を誰かれなく実施することは、本当に必要な重症・重篤患者の検査に支障をきたすとともにスーパースプレッダー増加要因にもなります。
更に、PCR検査を受けて陽性だと出たら、感染症法に基づく「指定感染症」と検疫法の「検疫感染症」に指定されてますから(2/1施行)、例え、軽い風邪症状として回復する可能性が高い若年層であっても、偽陽性であっても、全員2週間は強制入院になりますよ。
また、入院したところで直接叩く薬はないのです。肺炎を発症している人は酸素管理。あと、それ以外の人も含め、熱・咳・タンなどに対する対処療法だけです。
肺炎を発症していて酸素が必要な人はともかく、いくら無料とは言え、経過観察と称して2週間隔離されたいですか?
繰り返しますが、軽症な人たちで病床が埋まったら、本当に治療を必要とする、酸素吸入や酸素管理がいる重症・重篤者はどうするのですか?
厚労省の4日基準を守らず多くが病院に殺到したらどうなるか?
えらいことになりますよ、きっと。
- 間違いなく医療機関がパンクする=本当に診療を必要とする2割の人たちの診察ができなくなる。これは上記の通りPCR検査に関しても同じ。本当に必要としている2割の人に回らなくなる。
- 病院が感染場と化す可能性があります。見境なく診療希望者がやってくると、待合室で感染する、医師が感染する。
- 診療を受けるまでの待ち時間がものすごく長くなる可能性が高い。
そうなんですよ。インフルエンザ症状でやってきた患者が新型コロナウイルスを持って帰るなんてシャレにならないでしょう!?
問題は4日間の過ごし方
いずれにしても医療崩壊が起きると終わるので(武漢がまさにいい例)全体的なコントロールは不可避です。
そういう意味で厚労省の発熱後4日待機の決定には同意するのですが、問題が一つあります。
それは、4日間の過ごし方についての指針がないこと。本記事で一番あなたに訴えたいのはここです。この4日間の過ごし方がとてもとても重要なのです。
今現在、新型コロナウイルスを駆逐する方法は何ですか? 直接叩く薬がない以上、頼みは免疫力なんですよね。だから、免疫が十分に働ける環境を作ることが最重要です。
こんな大切な事を「4日間」だけ定めて一言も言及しないのは、いかにも片手落ちだと言わざるを得ません。
では、免疫が十分に働ける環境をつくるためには何に気を付ければ良いのでしょうか・・・
- とにかく安静にする:免疫力を発揮させる大前提。
- 脳を休める:本を読んだりしてストレスをかけない。
- 内臓を休める:意識の行きにくいところだが、体を休めるとともに内臓にも負担をかけないことが大切。
- ブルーライトを浴びない:スマホ・パソコン・LED照明の光は、睡眠リズムと免疫コントロールをするメラトニンの分泌を妨げるのでブルーライトを浴びないこととともに暗くすることも大切。
- 食べ過ぎないこと
- 消化の良い栄養価の高いものを食べること
- 酒を飲まないこと:体を消毒するってできるわけがなく単に肝臓に負担をかけているだけ
このように五体全部を休め、安静に寝ている間に免疫が働いて治していくのです。
風邪薬や解熱剤は使うのがいいのか否か
これは医者の意見が一致しているわけではないですが、使う必要も時と場合に応じてあります。
それはどう言う時かと言うと、リラックスして安静に寝ていることが困難な場合です。
- 熱が高すぎてグタッとしてしまって寝れない食べれないとなったら、辛いだけで意味がないので、7°くらいまで解熱剤で落とすことは熱を発生させる物質(プロスタグランジン)の過剰生成抑制のためにも必要である。
- ウイルスに対する過剰反応としての頻発する咳や鼻水は、安静状態を保てるほどに市販の風邪薬で抑えたほうがよいし、強い咳の連発による肺炎にもなりにくくできる。
- こう言う措置(薬を飲むこと)は結果的に、体の局所局所の免疫状態を健全にするから炎症も軽減し、それに伴い風邪症状も早く治ることになる。
最後に
この記事では、希望者全てにPCR検査を行うことが弊害になる理由と、厚労省の発表した「37.5°以上の発熱が4日以上続く場合」の意味、そして、その4日の正しい暮らし方等について述べてきました。
こういう感染症は、自分を守だけではなく、他人にうつさないことも非常に大切です。
ですから正しい知識を持って、今、何をすべきか何をしてはいけないかを多くの人が考え実行することで、後は政府・医療機関に任せて、そうして少しずつ収束していくのだと思います。
幸い、日本人の多くは手洗いやうがいが習慣づいているし、集団行動が得意なので、間違いなくそれらが寄与して、世界的に見ても増加率、或いは絶対感染者数も落ち着いています。
つまらない批判や誹謗中傷をしている場合ではありません。みんなで頑張って克服しましょう。
(4/2 追記)感染者が増えるに従い、若年者で重篤化する例も報告されるようになりました。当然そういうこともあるでしょう。特定の年齢層だけが感染症にかからないなんてことはありえないわけですから。
ただですね、母数との関係でいえば依然としてそれは物凄い低い確率なわけです。引き続き、高齢で既往症持ちの方がより危ないという事実に変化はありません。これは主観ではなくデータに基づく話です。
いずれにしても、まだまだ感染は続くし医療も崩壊するかもしれないし、抗体保有者が一定以上に増えるまでは収束しないかもしれません。医療の手が届かずにお亡くなりになる方の数も予想がつきません。
国民の多くが好き勝手していても感染症の収束日はいずれ来ます。ただ、その場合は社会も医療も疲弊しすぎて死者の数が多くなりすぎて立ち直りが困難になります。だから国の意思に従って行動する理由があるのです。
内閣官房:新型コロナウイルス感染症の対応について(随時更新)
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