米国株の最新状況と解説|S&P500・ナスダックの短期・中期予測(2月14日)

藤原
主要株価指数は堅調な上昇を見せていますが、経済指標や企業決算に引き続き注目が必要です

 

S&P500の動向と分析

終値・変動幅

S&P500は2月13日に6,115.07ポイントで取引を終え、前日比+63.10ポイント(+1.04%)の上昇となりました。

短期分析(1週間視点)

S&P500は過去1週間で約2.3%上昇し、10日移動平均線を上回る推移が続いています。

特に、金利据え置き観測が強まる中で大型株が主導し、機関投資家の買いも確認されています。一方、RSIが70付近に達しており、短期的な調整が入る可能性もあります

重要な上下のライン(サポート・レジスタンス)

現在のレジスタンスは6,128ポイント付近、サポートは6,050ポイント付近と見られます。

テクニカル指標

  1. 移動平均線:10日移動平均線を上回り上昇基調を示唆しています。
  2. 相対力指数(RSI)は70付近で推移しており過熱感が見られます。
  3. MACDラインがシグナルラインを上抜け強気のシグナルが点灯しています。

中期分析(1〜3ヶ月視点)

1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%の上昇となり、インフレ圧力の持続が示唆されました。 これにより、FRBは当面の間、政策金利を据え置く方針を明らかにしています。

金利の高止まりは、特にハイテクセクターなどの成長株に下押し圧力をかける可能性があります。投資家は、金利動向や経済指標の発表に注視し、ポートフォリオの調整を検討することが重要です。

業種別の強弱

エネルギーセクターが堅調で、特に原油価格の上昇が関連銘柄を押し上げています。一方、ハイテクセクターは金利上昇の影響で一部銘柄に調整が見られます

 

ナスダック総合指数の動向と分析

終値・変動幅

ナスダック総合指数は2月13日に19,945.64ポイントで取引を終え、前日比+295.69ポイント(+1.5%)の上昇となりました。

短期分析(1週間視点)

ナスダック総合指数は過去1週間で約3.1%上昇し、特に半導体・AI関連銘柄が強い買いを集めました。10日移動平均線を明確に上回り、出来高も増加傾向にあります。ただし、RSIが72付近まで上昇しており、短期的な過熱感が意識される局面です。

重要な上下のライン(サポート・レジスタンス)

レジスタンスは19,950ポイント付近、サポートは19,500ポイント付近と見られます。

テクニカル指標

  1. 移動平均線は10日移動平均線を上回り、上昇トレンドを示唆しています。
  2. RSIは68付近で推移し、やや過熱感が見られます。
  3. MACDラインがシグナルラインを上抜け、強気のシグナルが点灯しています。

中期分析(1〜3ヶ月視点)

12日のCPI発表を受け、FRBは当面の利下げを見送る可能性を示唆しました。これを受け、ナスダックは金利に敏感なハイテク株の一部で利益確定の動きが見られるものの、生成AI関連銘柄の堅調さが指数を下支えしています。今後は、FRBの追加発言や経済指標の変化に応じたボラティリティ上昇に注意が必要です。

業種別の強弱

ハイテクセクターが堅調で、特に半導体関連銘柄が市場を牽引しています。一方、金利上昇の影響で一部の高PER銘柄には調整が見られます。。

 

テクニカル以外の要素(S&P500・ナスダック共通)

FRBの金融政策・金利動向

1月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比3.5%上昇し、市場予想の3.2%を上回りました。これにより、インフレ圧力の持続が示唆され、FRBが利下げを9月まで見送るとの見方が強まっています。

経済指標(雇用統計、CPI、PMIなど)

新規失業保険申請件数は21.3万件と予想の21.5万件を下回り、労働市場の堅調さを示しています。

また、1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇し、インフレの加速が確認されました。

企業決算(GAFAM・半導体・金融)

主要企業の決算発表が続いており、GEヘルスケアやディアが市場予想を上回る業績を報告しました。

一方、アプライド・マテリアルズ(AMAT)の決算は、半導体設備投資の回復度合いを測る指標として注目されています。 特に、受注残の増加やAI向け半導体製造装置の需要が堅調かが焦点となっており、同社のガイダンス次第で半導体セクター全体のセンチメントに影響を与える可能性があります。

政治・地政学リスク

米国と中国の貿易関係や中東情勢の不安定さが市場に影響を及ぼす可能性があります。特に、米国の「相互関税」政策に関する動向が注視されています。

 

本日の見通しと戦略

先物市場の動き

米国株式先物は、発表された生産者物価指数(PPI)の結果を織り込みつつあり、インフレ懸念の高まりから様子見の展開となっています。市場はインフレ指標の結果を見極めようとしています。

重要なニュース

FRBの金融政策に関する発言や、主要経済指標の発表が市場の注目を集めています。特に、インフレ指標の結果が今後の金利動向に影響を与えると見られています。

今日の注目ポイント

本日は、PPI(前年比+3.5%)の結果を受けた市場の動向に注目。特に、S&P500の6,128ポイント突破の可否や、ナスダックのテクノロジー株への影響が焦点。加えて、アプライド・マテリアルズなど主要企業の決算が市場の方向性を左右する可能性あり。

 

今後のポイントと投資戦略

市場のボラティリティとVIX指数の動向

インフレ指標の結果やFRBの金融政策に対する市場の反応により、ボラティリティが高まる可能性があります。VIX指数の動向を注視し、リスク管理を徹底することが重要です。

FRBのスタンス

CPIの発表を受け、市場はFRBの金利据え置きを織り込みつつあります。一方で、インフレ指標が予想を上回ったことで、早期利下げ期待は後退し、利下げ開始時期が6月または9月になるのかに注目が集まっています。

経済指標と企業決算

今月の主要経済指標や企業決算は概ね発表され、市場はその結果を消化しつつあります。今後は、FRBの政策動向や次回の経済指標発表(小売売上高やPMIなど)を踏まえた市場の反応に注目が必要です。

テクニカル分析を踏まえた投資戦略

本日のS&P500は6,128ポイントを明確に突破すれば、短期的な上昇トレンドが加速し、6,180ポイントを目指す展開が予想されます。一方、6,050ポイントを割り込むと、短期の調整局面に入りやすいため、押し目買いのタイミングを慎重に見極める必要があります。

ナスダックは19,950ポイントの突破ができるかが焦点となる。ここを上抜けると、20,200ポイント付近まで上昇する可能性が高です。反対に、19,500ポイントを下回った場合は、一時的な調整局面に入る可能性があり、利益確定の売りが増えることが予想されます。

RSIはS&P500・ナスダックともにやや過熱感があるため、新規のエントリーは慎重に行い、押し目を狙う戦略が有効でしょう。短期トレーダーはレジスタンスライン付近での利確、サポートラインでの逆張りエントリーを意識しつつ、ボラティリティ上昇に備えるべきです。

地政学リスクと政策動向

直近では、米国政府が半導体関連の対中規制をさらに強化する方針を示し、エヌビディアやAMDなどのハイテク企業に影響を与える可能性があります。

また、中東情勢ではイスラエル・ガザ紛争の影響が続き、原油価格の変動要因となっています。これらのリスクが市場のボラティリティを高める可能性があり、最新の動向に注視する必要があります。

 

参考リンク|市場指標・経済データをチェック

市場の最新データを確認するための主要サイトを掲載します。

S&P500・ナスダックの最新終値・チャート

  1. Yahoo Finance(S&P500)
  2. Yahoo Finance(ナスダック総合)
  3. Investing.com(S&P500・ナスダックのリアルタイムチャート)
  4. TradingView(S&P500チャート)

米国市場の経済指標と金利動向

  1. FRB(連邦準備制度)公式サイト
  2. 米国労働統計局(雇用統計・失業率)
  3. 米国商務省(GDP・PCE価格指数)
  4. 米国財務省(10年債利回り)

経済カレンダー(今週の重要イベント)

  1. Investing.com(米国経済カレンダー)
  2. Bloomberg(FOMC・CPI・PCEなどの予定)

企業決算情報(GAFAM・半導体・金融)

  1. Nasdaq Earnings(ナスダック上場企業の決算スケジュール)
  2. Yahoo Finance(決算速報・企業業績)
  3. CNBC(GAFAM・半導体セクターの決算分析)

政治・地政学リスクのチェック

  1. CNN(米国の政治ニュース)
  2. Reuters(米中関係・ウクライナ情勢)
  3. The Wall Street Journal(米国経済政策)

***

注意事項

本記事は、昨晩の市場の振り返りと分析を提供するものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。情報の正確性には細心の注意を払っていますが、将来の市場動向を保証するものではありません。最終的な投資判断は、ご自身で慎重に行ってください。

シェアをお願いします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です