目 次
どこが進化して何が可能になったか?
まずは変わったところと新たに可能になったことを羅列します。
- 音質が飛躍的に向上した
- 電話やネット会議における自分の声相手の声が劇的にクリアになった
- ノイズキャンセリングがスマートに且つ圧倒的になった
- 突発的な強音を抑えられるようになった
- バッテリーの持ちがワンランク上がり利用可能時間が大幅に向上した
- 音量調整がAirPods Pro本体でできるようになった
- 充電方法が増えた
- 紛失した充電ケースを正確に探せるようになった
- 充電ケース底面にスピーカーがつき音で知らせてくれるようになった
- ストラップループを取付可能になった
- イヤーチップのサイズが一つ増えて4つになり、より耳にフィットするものを選択できるようになった
- 充電ケースにもIPX4等級の耐汗耐水性能がついた
ね、凄いでしょ。これだけの進化を一発でできるのは普通じゃない。
では、早速一つずつ確認していきます。
箱もケースも本体も変わってない
見てください↓。左側が第一世代で右側が第二世代です。笑ってしまうほど見た目が変わってないでしょ、箱も充電ケースも本体も。
中身で勝負なんですよw。
イヤーチップはcomply
イヤーチップなんですが、実はわたしはオリジナルを使ってません。
他のイヤホンも含め、全てcomply製品と取り替えて使っています。
このイヤーピースは粘弾性のある通気性のあるポリウレタンフォームで構成されていて、どんな耳にもフィットします。
そしてパッシブノイズリダクション技術が、音漏れや騒音をシャットアウトし、原音を忠実に再現します。
ということでちょっと高いけれど、どのメーカーのイヤホンを買ってもイヤーチップは必ずcomply製品に付け替えています。
このしっかりフィットしているのに圧迫感がなくて、そして原音に近づける感覚は、何物にも代えがたいです。
恐るべき進化の立役者
すごい進化を実現するためにはその立役者がいるわけで。そうです、見た目は変化なくても中身がまるっきり入れ替わっています。
じゃあ、本体の中にはどんなに凄いものが入ったのでしょうか。
H2チップ
なんと言っても第一の立役者は新しく設計されたH2チップです。
深い低音も透明感溢れるきらびやかな高音もH2チップがあってこそです。
新しいドライバ・アンプ・マイク
詳しく後述しますが、新しいAirPods Proには専用に特別に設計されたドライバやアンプそれにマイクがH2チップと連携し素晴らしい音を再現しているのです。
それだけではありません、臨場感たっぷりの3Dサウンドにとても賢い強力なノイズキャンセリングも、バッテリーをより長持ちさせられるのも、全てH2チップが同時に処理していればこそなのです。
U1チップ
失くした充電ケースの場所を正確に探し出せるのは、新搭載のU1チップのおかげです。
それでは、いよいよAirPods Pro 2魅力を詳しく説明していきます。
音楽を聞くのがとても楽しみになる進化
音の進化が一番良くわかるのは、あなたが好きないつも聞いている曲で確認することです。
初代と比べ、明確に音が良くなっているのがわかります。
初代も癖がなくフラットで、上から下までまんべんなく音が出ていて、かなりの逸品です。ず〜っとこの製品のままでもいいくらい良い音を再生しています。
第2世代は更に良くなったのだから、これは素直に驚きです。
ナチュラルなのに、低音は形がよりはっきりした豊かさで物凄くのびています。
また、高音も同じくナチュラルなのに、一層透明感が高く素直にのびています。
じゃあ声は?って話ですが、3Dで聞くと非常によくわかりますが、まるで目の前で歌っているような臨場感があります。そしてとてもクリアです。
全体としては、上下にとても良くのびていて豊かになりました。また、音が非常にくっきりしていて各楽器や声の定位や距離感がより一層よくわかるようになりました。
以上のような大幅な改善が、無理したり色を付けたりして実現しているのではないと申し上げておきます。
兎に角ナチュラルで長時間のリスニングでも疲れない。
ではどうやってこのような素晴らしい改善を行ったのか?ですよね。
ドライバやアンプだけでは不可能な再生音作り
昔からイヤホンには必ずあるドライバやアンプという再生機能だけでは、例えそれがどんなに優れていてもAirPods Pro 2の音にはたどり着きません。
実は、Appleは驚きの方法で高質再生音を実現していました。それは、、、
- iPhoneのTrueDepthカメラで耳の形状を取り込んでプロファイルを作成します。
- 一方AirPods Proの内向きマイクがあなたの聞いている音を測定します。
- 1と2を元に、リアルタイム処理であなたの耳用のチューニング(アダプティブイコライゼーション)をして、あなたの耳に一番適切な圧倒的でのびのある最良音を届けてくれるのです。
耳の形状の取り込み方法
耳の形状取り込みで私が最初失敗したので、そこの部分だけちょっとコツをお話します。
左右の耳をiPhoneのカメラに写すのですが、私は最初、耳だけを写すと勘違いして、何度やってもOKが出ず無駄に時間を浪費しました。
正しくは、耳をカメラに向ける際に顔ごと写るようにすることです。
もう一つ、耳をカメラに向けている時は、その状態を見ることができません。なのでiPhoneは音を出してくれます。
それでうまく行けばいいですが、私は洗面室の大鏡を見ながら作業しました。
ノイズキャンセリング
AirPods Pro 2のセールスポイントの一つが静寂空間を作ることにあって、「一世代前のモデルと比べて最大2倍の雑音を消すノイズキャンセリング機能を搭載」と説明しています。
それに加えてもう一つ、サイレンや電動工具など騒音度の高い音を最小限に抑える技術も追加されています。
アクティブノイズキャンセリング(ANC)
Appleの造語ではなくノイズ減衰技術の名称です。結構前から存在しているものです。
DTMをやっている方の中にはご存知の方もおられると思いますが、音楽でもただの雑音でもなんでもいいので録音して音声ファイルとします。
今度は作成した音声ファイルの逆相波を作って(簡単にできる)、時間軸上でズレの無いようにピッタリ合わせて両方を同時に再生するとあら不思議、音が完全に消えます。
この原理を応用し実用化した技術が、AirPods Pro 2で使われているANCです。
じゃあ身の回りの環境音をどうやって消すか?ですが、AirPods Pro 2に内蔵されているそれ用のマイクで環境音を拾って逆相にし、そして実音にぶつけているのです。
これを、タイムラグがそれほどなく実現するためには当然高速処理が必要ですが、ここでも新登場のH2チップが頑張っています。
さて、上に示したDTMの例で完全無音になるのは静的な状況であるからであり、動的な状況下では、恐らく完全無音化は無理です。
適応型環境音除去
もう一つの静音化対策である適応型環境音除去ですが、これはサイレンやクラクション音など強度の騒音を最小限に抑えるというものです。
これはANCとは違って、実感するのは難しいかもしれません。
原理が説明されていないので推測ですが、恐らくスレッショルドを超えたデシベル値の音が入ってきた時にリミッターがかかるようになっているのではないかと思います。
そう考えると、この機能は耳の保護が目的なのでしょうね。
実際のノイキャン効果はどうか?
大切なのはここですよね。
AirPods Proの1と2を持って以下のような場所を歩いて検証しました。
JRの貨物駅がある真横の道で、且つその向こう側には東海道本線があるという状況です。なかなかシュールですよね。
東海道本線はロングレールで、列車は「シャー」という音を立てて走ります。兎に角、普通に快速、新快速、特急とひっきりなしに走っていてなかなか賑やかです。
対して貨物列車の線路(ショートレール)は貨物駅の両側に、多いところで4本4本くらいあって、それぞれを繋ぎ線で結んでいます。
ここを貨物列車が通ると、線路を跨ぐケースが多いようで、余計にガタンゴトンと、ま〜あうるさいの一言です。
こんな騒音源の真横を歩いたのですが、果たしてどうなったか?
どっちにしても音が完全に消えることはありません。上に説明した原理を知っていれば納得です。
問題は、どれくらいの精度で音を拾って逆相化し、どれくらいのスピードで原音にぶつけるかです。
AirPods Pro 1で聞くと、列車の通過音はかなり遠くに聞こえます。続いて音楽を聞くと、ポップスやロックのような常に一定の音量のある音楽では全く無問題です。
クラシック音楽の場合、ピアノ部分(音の小さな部分)では列車の通過音は聞こえる場合もあります。聞こえはしますが、音楽の邪魔にはなりません。
続いてAirPods Pro 2を装着しましたが、環境音は聞こえるけれど更に遠くなります。1より確実に進化しているのを実感できます。
音楽を聞いてみると、如実に進化がわかります。とはいえ、クラシック音楽なら先程と同じように、本当に遠くではありますが列車通過音はやはり聞えます。
ただ何度も言いますが、それでリスニング環境が悪いと感じたり、イライラしたりとかは一切ありません。
寧ろこの環境でAirPods Pro 2を聞いていても、各楽器の再現性がとても向上していて、ノイキャン調査なのに、ついついそっちに耳が行ってしまいます。
さて、効果確認を行っている時に別の件で一つ気付いたことがあります。
本体の軸部分を長押しするとノイズキャンセリングが解けて環境音が耳に届きますが、切り替わった時の聞こえ方が1と2では全然違います。
理由は外部音の取り込みモードが大きく進化したからで、外出時には安全確保のため少し環境音も聞きながら音楽を楽しみたいという方には、まさにぴったりになりました。
ボリューム調整
AirPods Pro 2複数ある新機能の一つが、本体のみでボリューム調整が可能になったことです。
これを待っていた方は本当に多かったと思います。早速試してみましたが、なかなかご機嫌に音量変化してくれます。
やり方は簡単、軸部分を下から上に指を滑らせばボリュームアップ、上から下へ指を滑らせればボリュームダウンです。
で、軸部分とはどこか?って話です。
当初説明も何も読まないで、耳にした状態で軸部分上で指を滑らせても音量が変わらない。えっ、なんで?
はい、どこでもいいんじゃなくて、この↓平面部分を滑らせるのです。ボケているのは私だけかもしれませんが一応、、、
利用可能時間が大幅に向上
AirPods Pro 2は電池持ちがかなり良くなりました。
音楽連続再生可能時間は最大6時間(1は最大5時間)。そして充電ケースを併用すると、最大30時間の再生が可能になります(1は24時間)。
成田-高雄なら余裕。羽田-ホーチミンの場合は微妙で着陸前に切れてしまうかもしれません。
6時間とはそれくらいの感じです。一回の充電でここまで使えるようになったんですね。
充電が便利になる
便利になりました。Apple Watchの充電器、MagSafeの充電器が使えて、Qi規格の充電器も使えます。
充電ケースを探すことが可能になった
ポロッと耳から外れたことに気が付かなかったとかじゃなかったら、失う時はケースに入った状態が多いんじゃないでしょうか。
それって見つかるの? はい、大丈夫です。
AirPods Pro 2の充電ケースには新たにU1チップが搭載されたことにより、iPhoneの「探す」アプリ中の「正確な場所を見つける」でもってピンポイントで探すことができます。
ストラップループが取付可能になった
紛失防止だけが目的じゃないでしょうが、ストラップループを取り付けることが可能になりました。
個人的にはバッグやかばんにくっつけとくのは好きじゃないですが、要望は多いような気がします。
穴が4mmと小さく、少し紐が太いと通らないのでこの点注意が必要です。
ケースが音を出して存在を知らせてくれるようになった
この機能も紛失時の対策用だけじゃないでしょうが。
充電ケースの底にスピーカーが内蔵されました。で、これが音で知らせてくれるのです。
紛失した時、バッテリー残量が減った時、ペアリングが完了した時など。
しかし、よくこんな細かなところまで考えつくもんですね。まさに至れり尽くせりの感が。
イヤーチップの大きさが4種類になった
いろんな性能をちゃんと活かすためには、AirPods Pro 2が耳にジャストフィットしていることがマストです。
ということで、イヤーピースのサイズが一つ増えてXS、S、M、Lの4種類になりました。
これでより多くの人にフィットすることでしょう。
充電ケースも耐汗耐水性能をもった
AirPods Pro 1では本体のみに耐汗耐水性能があったのですが、AirPods Pro 2では充電ケースも本体と同じIPX4等級の耐汗耐水性能を持つようになりました。
IPX4とは?
この際おさらいですが「IPX4ってボチャっと水につけても大丈夫ってことですか?」。
いいえ違います。
「あらゆる方向からの水の飛沫を受けても有害な影響を受けない」との定義なので、水滴とか軽い水しぶきならOKですが、手を洗っている時の水流やシャワーはNGということになります。
耳から外した状態での誤動作がなくなった
AirPods Pro 2では新しく「肌検出センサー」を設置し、これによってイヤホンが耳にあるのか外れているのかを正確に判断できるようになりました。
今までのように、ポケットやバッグの中で誤動作し、知らない間に電池切れになったりすることはもうありません。
AirPodのモデル間の比較
Appleのサイトで確認してください。
- ★★AirPodsのモデルを比較する★★
耳の機能差とグラフィックイコライザー
さて、ここまで新しく出たAirPods Pro 2についてお話してきました。その中でも音に関しては全て私自身の耳が判断基準です。
実はそれが問題でして、、、
なぜなら耳の機能の個人差は結構大きいのです。聞こえている音は皆同じではないとも言えます。
聴力には元々個人差があって、更に、年齢とともに低下していくのが一般的です。
本当に健康な耳は50Hz〜20000Hzくらいが聞こえると言われています。しかしそういう方であっても、全帯域に亘って満遍なく聞こえているのかはまた別の話です。
そして年齢とともに一般的には高域が聞こえづらくなっていきます。
興味のある方は「蝸牛」でググってみてください。
なので結論を申し上げますと、買う買わないの最終判断は必ずご自分の耳を基準にしてくださいということです。
実はAirPods Pro 2の記事は随分読んでいるのですが、音に対する評論に疑問を感じることもあります。
しかし、その私の感想自体が自分の耳に頼っての判断であり客観性はないのです。
おそらく、唯一客観的に判断できる方法があるとすれば、音をグラフィックイコライザーにかけてみることです。
そうすると音が周波数分布のグラフとなって視覚的に表現されるので主観の入り込む余地がありません。
そんなわけで再度申し上げます。
音を聞くのはご自身の耳です。買う前にはできる限りご自分でAirPods Pro 2を耳にして、どう聞こえるか確認することを強くおすすめします。
まとめ
この度新しく出たAirPods Pro 2を実際に購入し、その感想を中心にして、そして新しく付加された機能を以下の項目に沿ってご紹介をしてきました。
- 進化の内容
- 見た目の変化はない
- 内部は総入れ替え
- 音が更に素晴らしくなった
- ノイキャンと適応型環境音除去の効果
- ボリューム調整が可能になった
- バッテリーの持ちが向上した
- 充電ケースの紛失に対応した
- イヤーチップの大きさが4種類になった
- 充電ケースも耐汗耐水性能を持った
- 耳から外しても誤動作しなくなった
- 購入時の注意
こんなに派手に進化し多くの機能を一度に追加した商品は、過去、なかなかないと思います。
魅力いっぱいのAirPods Pro 2ですが、加えて、私の購入動機としては、Apple製品同士が物凄く便利に連携している点です。
そのおかげでAirPods Pro 2の接続と初期設定操作なんかも、めちゃくちゃ簡単です。
最後に、AppleのAirPods Pro 2専用サイトも一度覗いてみてください。
それは漠然としたものではなく、はっきりと言葉にして伝えられる長足の進歩で、まさかここまで成長しているとは考えていなかったので感動したし、この文の作成にも熱が入ります。
では、できるだけ細かくお話していきます。