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遂にLRT第1期区間全線開通
今まで高雄市の路線交通手段は台湾鉄道かMRTでした。
特にMRTの南北に走る紅線(レッドライン)と東西に走る橘線(オレンジライン)が非常に便利で、日本人観光客にとってもわかりやすく安心して乗れます。
さて、高雄は2017年9月26日にLRT(高雄軽軌車両)の第1期区間(哈瑪星間-籬仔内8.7キロ)が開通し、ますます便利になってきました。
LRTは昔日本のあちこちで走っていた路面電車と一般鉄道の中間的存在で、う〜ん、路面電車よりかな。ただ文化が発達した分、おしゃれでスマートになっています。
第1期の走行区間は後で詳しくご説明しますが、非常に泣かせるような渋いところを通っていて、観光に買い物に新しい便利さを提供してくれています。
台湾が大好きで、あなたには様々な記事を通してご紹介していますが、その私にとっても今回のLRT開通はめちゃ嬉しいですし、ご案内のしがいがあります。
将来全線が開通すれば、中心地をぐる〜っと囲むように線路が敷かれる予定です。MRTが中心をクロスして走っているので、LRT全線完成で高雄市の都市鉄道網は完璧になりますね。
車掌の役目をする人はいません。乗降時にドアを開けるのは乗客です。
ドアの中央に赤い部分があるのでこれを押すだけです。動画で確認してください。(19秒後あたり)
では次に、乗車代金の支払い方法についてお話しします。
運賃の支払方法
第1期区間の乗車料金は、どこからどこまで乗っても一律30元です。で、支払い方法は下記の2種類が用意されています。
1. 現金で乗車券を買う
各駅に1台づつ発券機が設置されているのでそこで購入します。「正常営運中」であれば利用可能ですが「暫停服務」の場合は使えません。
利用できない場合は反対側のホームの発券機で購入します。現場に行けばわかりますが、反対側へは簡単に渡れます。
発券機の利用方法は説明不要なほど簡単です。高雄でMRTのチケットが買えるなら、料金が30元固定な分だけ、操作がより簡単です。
2. ICカードを利用
各駅と車内に読取機が設置されているので、そこにカードをかざします。1回のみかざし下車時には再度かざす必要はありません。
利用できるカードは・・・
- 親元の高雄捷運が発行する一卡通(iPass)
- 遠鑫電子票證の有錢卡(HappyCash)
この2種のみです。
ICカードで支払いをすると、2018年2月末までは運賃は10元です。
しかし???そうです、悠遊カードが使えないのです。これは酷い。
高雄捷運がいくら自分たちの一卡通が可愛いのか利害関係がぐちゃぐちゃなのか知りませんが、悠遊カードを利用不可にするなんてありえないでしょう。利用者にソッポ向かれるのはわかりきったことじゃないですか。
ニュースを見ているとぐずぐず言い訳をしていますが、要は大所高所に立てないのです。利用客観光客の利便性を無視しており、本当に腹が立ちます。(怒りモード全開(`(エ)´)ノ_彡☆)
台北では・・一卡通を利用して、台北MRTに乗ることができますし、各駅でチャージもできます。
一方高雄では・・悠遊カードを利用して高雄MRTには乗れますが(やっとそうなった)、チャージはコンビニに行かないとできません(=`(∞)´=)
私の説明で感じた方もおられると思いますし、実際に利用すればもっとはっきりしますが、やろうと思えばいくらでも無賃乗車ができるのです。
思い切った人件費削減方式をとっており、かつシステムも安価に収まる工夫がされていますが、それが性善説を前提にしているのが気にかかります。
同社では、職員が車内で乗車券の確認に回り、不正乗車が発覚したり検察に応じなければ罰金を徴収するとしていますが、果たして期待されるような効果を発揮するのでしょうか。
以上、カード支払いに関しては不満タラタラの私ですが、気を取り直して、次は沿線情報に参りましょう。今、高雄に一番欲しかった線と言えるくらい良い所を走っています。
LRT沿線の観光スポット
第1期区間には14の駅があります。上の路線図と下の地図上の路線を見てください。
C14哈瑪星駅は日本統治時代に作られた高雄臨港線の高雄港駅があった場所で、ここが第1期区間の始点・終点です。
そして高雄港沿いに時計回りに東に進み愛河を渡って南下していきます。愛河の東側は戦後発達した地域で、南下する線路沿いも長期間工事が行われています。
線路は統一時代百貨店を回るように東に向きを変え陸内に入り、第1期区間の始点・終点であるC1籬仔內駅へと続きます。
というわけで美しいベイエリアを走っているLRT第1期区間ですが、次に、具体的に沿線のスポットをご紹介していきましょう。
以下、各章のタイトルになっている駅名をクリック(タップ)すると、高雄捷運HPの該当ページに飛び、各駅の写真とグーグルマップ上の位置が示されています。
そのマップの下には「檢視較大的地圖」の文字があり、これをクリック(タップ)するとグーグルマップが拡大され、駅周囲の状況がよりよくわかります。
C14哈瑪星駅周辺
打狗鉄道故事館(高雄鉄道博物館)
哈瑪星駅を下車したら、そこが博物館の出入り口です。めちゃ便利。
日本統治時代から続いた駅の建物と関係品、そして、今は公園になっている広大な引き込み線広場は一見の価値があるでしょう。
書店喫茶 一二三亭
哈瑪星駅から海側に約260m歩くと、日本統治時代の料亭を再利用した一二三亭があります。
建物が時代ものなのでかなりボロっちく、ちょっと見つけにくいかもしれませんが、お店の中に入ると、そこは日本人にしかわからない極上の落ち着いた空間になっています。
たくさんの日本の本が置いてあり、邪魔にならない品のいいジャズが流れています。
美味しいコーヒーを飲みながら、しばし過去に想いを馳せてはいかがでしょうか。
鼓山輪渡駅
旗津へ行くフェリー乗り場。旗津へ海鮮料理を食べに行くのも高雄旅行の楽しみの一つです。
打狗英国領事館
清朝時代にイギリスが建てた官邸と領事館。建物の修復度が極めて高く、また等身大の人形で当時の様子を演出しています。
官邸裏庭から見る高雄港の風景は一見の価値があります。また官邸の紅茶の美味しさ。そして、領事館の展示品の数々にも興味が惹かれます。
台湾海峡も綺麗に見えますよ。晴れた日には中国大陸も・・・流石にそれはないですね、見えません^^
寿山動物園
高雄市の動物園ですね。お時間があれば。
忠烈祠と展望台
ここの忠烈祠の建物もなかなか立派です。展望台から見る高雄港の風景は恐らく最高です。「LOVE」オブジェと写真に収まるのがお約束。美しい一枚を記念にどうぞ!
打狗英国領事館・寿山動物園・忠烈祠と展望台へはタクシーが無難です。10分程度で大したことはないんですが、歩くにはちょっと距離があります。
C13駁二蓬萊駅とC12駁二大義駅周辺
駁二藝術特区
旧高雄港駅からの貨物列車が活躍していた日本統治時代には、港沿いに巨大な倉庫群が連なっていました。
その跡地をその建物をリノベーションして今の姿となっているのが駁二藝術特区です。
その広大な敷地内には芸術・ショップ・レストランなどが溢れており、また軍港が隣接しており間近で軍の船を見ることもできます。
なんと、その敷地内をLRTが走っていて駁二蓬萊駅と駁二大義駅があるんですね。通過時にちょっと騒音はちょっとするけれど、風景としては全然邪魔にならないところがいいですね。
潮風を感じながら見たり・食べたり・買ったりと、若いエネルギーが創り上げた空間を楽しんでください。
C11真愛碼頭駅周辺
真愛碼頭
まあ如何にも取って付けたような名称ですが、若いカップルの思い出になるような雰囲気を作っています。
愛河の河口部分にあたり、来るのであれば断然夜です。高雄港越しのビルの灯りが綺麗です。
愛河沿いは近年整備が進んで、絶好の散歩コースになっています。特に週末の夜には河の西側に夜店もたくさん出てなかなか楽しいですよ。
真愛碼頭から愛河を遡っていくと、河沿いに高雄市電影館(映画歴史館)や高雄市二二八和平公園、そしてその向かいには高雄市立歷史博物館もあって、なかなか充実しています。
以上LRTに沿ってご紹介した旧市街地につきましては、下の二つの記事に、他の観光スポットとともに詳しくご説明しているので、是非ご一読ください。
C10光榮碼頭駅とC9旅運中心駅周辺
光榮碼頭駅から南の方へベイエリア再開発が大々的に行われ、まさに様変わりしています。
以前のこのエリアしかご存じない方が今行かれたら、それが同じ場所だとはわからないくらい徹底的に変わっています。
この2駅周辺は特にご紹介するポイントはありませんが船着場があって、何年か前に巨大なラバーダックが来て人気を呼んでいましたね。
さて、この辺りの開発風景およびその他高雄港がよくわかる素晴らしい動画があるのでご紹介します。
下の動画はその開発模様を空撮しています。LRTの線路を真ん中に置き、最初は北から南を見て、右に高雄展覽館、そして左に高雄85大樓が、現在の高雄市を象徴するように美しく輝いています。
次に南から北を写し、さらに旧市街地区から左に振って高雄港の全貌を見せ、その左には統一時代百貨店の観覧車も見え、まさに高雄ベイエリアを一望できる素晴らしい映像です。
C8高雄展覽館駅周辺
高雄展覽館
新しい高雄港のシンボル的存在である高雄展覽館は、多くの展示ブースやホールを備えた国際見本市会場で、日本で言えば東京ビッグサイトや幕張メッセのような場所です。
催しがなければ特に寄る理由はないでしょうが、一つの象徴として写真に収めるのはいいかもしれません。とにかく滅茶苦茶デカイです。
そして斜め横には、高雄に来たら一度は宿泊したい高雄85大樓がそびえています。
LRTが開通したので、高雄85大樓宿泊客が高雄鉄道博物館方面(旧市街地)に行くのに非常に便利になりました。
高雄85大樓(85スカイタワー)
高雄の「高」を模して作られたこの非常に象徴的なビル、高雄のランドマークといえば高雄85大樓ですよね。
出来上がったのが1996年なのでもう新しくもないのですが、それでも堂々の347m。今でも高雄市で一番の高さを誇っています。一度見たら忘れられないフォルム。
そして、37階から85階が君鴻國際酒店(85スカイタワーホテル)で、五つ星です。高雄に来たら一度は泊まりたいですね。そして泊まるなら西向きオーシャンビュー。
もしシティービューの部屋なら、特別こちらを選ぶ理由はないと思います。
全体が非常にゆったりとした造りになっており、落ち着いて過ごせると思います。それは間違い無いんですが、実は私も随分以前に一回泊まったきりで、細かい記憶がないんですよね^^
74・75階は展望階になっており泊まらなくても展望はできます(展望のみは1階でチケット要購入)。・・でも大人180元は高いので、やっぱり宿泊ですね^^
君鴻國際酒店(85スカイタワーホテル)ホームページ(日本語OK)
85スカイタワーホテルの予約案内
所有権だか経営権の移転で休業中みたい。もう、このビルはダメかも・・・
以前、高雄の友人と食事をしていた時のことです。
同席していた友人の友人が「高雄は景気が良くない」とボヤいていまして、その人に「高雄の経済規模からしたら、高雄85大樓は一つのビルとしてのキャパは大きすぎないか?」と質問しました。
そうしたら「当初入居していたところもかなり出て行って、今はガラガラ状態」とのことでした。細かいことはわかりませんが、ちょっと複雑で残念な気持ちです。
高雄市立図書館
高雄85大樓の南側を東西に新光路という道路が走っており、その道向こうに台湾を代表する素晴らしい高雄市立図書館があります。
建物自体が大きくて、どの階もセンターが吹き抜けで開放的で、まさに読書に勉強にうってつけの空間です。もちろんPCを持っていって文章を作ったりするにも最適です(4・5F)。
そして、屋上は木々が美しい庭園となっており一息をつく場所として絶好です。また、ここから眺める高雄港もいいです。
建物は8階建で1・3階ではお茶したり食事をしたりできます。
何も用事がなくても一度行って見てください。きっと「こんな図書館もあるんだ!」と感動されるでしょう。
一度のぞいて見てください。日本語不対応ですが写真も多く充実しています。
三つのデパート
LRTの駅からは少し離れるのですが、高雄85大樓からすぐ近くなのでもう一つご紹介します。
高雄85大樓の北側に隣接して「三多四路」という道路が東西に走ってますが、この道を東に500m程歩くとMRT三多商圈駅がある交差点に到着します。
そして・・・
というわけで3つのデパートが競っており「三多商圈」である由来ですね。
この辺一帯が買い物スポットで、その他のお店も沢山あるので、最初からここに的を絞って時間を使うのもアリだと思います。
C7軟體園區駅とC6經貿園區駅周辺
MLD台鋁
両駅のちょうど中間(軟體園區駅から250mくらいでやや近い)くらいに位置し、日本統治時代のアルミ工場1000坪ほどをリニューアルし再利用している複合施設です。
入っているお店は、映画館・大型書店・スーパー・パン屋・カフェ・レストランといったところで、近くにはIKEAとカルフールもあります。
施設としては新しく、今後発展定着して行くかどうかはまだわかりません。映画館は最新設備なので、ここで一本見て食事をするってのも悪くないですね。
元倉庫なので2階建です。そういえば上階の本屋も一度寄る価値はあります。めちゃデカイ。
MLD台鋁のホームページは日本語がありませんが、最初のスライド写真が雰囲気をよく表しています。
C5夢時代駅周辺
今回のLRT開通で俄然便利になった施設の一つがここ夢時代でしょう。この駅はまさに夢時代のために出来たと言っても過言ではないでしょう。
夢時代は2007年にできた大型ショッピングモールで、延べ床面積は78,000坪という半端じゃない大きさです。地下2階地上12階のフロアには各種ブランドが煌星のごとく並んでいます。
今では珍しくもないですが、スポーツクラブあり映画館あり披露宴場あり、そして屋上はお約束の観覧車に代表される遊戯施設もあります。
そして、日本の阪急百貨店やニトリも入っており、お馴染み、台湾の生活工場や誠品書店もありますよ。その他7階レストラン街には日本食のお店が10件前後も入っています。
下の記事で紹介している「京華城」とコンセプトはそっくりですね。でも夢時代の方が垢抜けていて活気があるような。京華城よりも新しく、何と言っても統一グループが手がけてますからね。
いづれにしましても、一度は行って損はないと思いますよ。とにかく広いので目移りしながら一通り巡ったらいい運動にもなります。
このモールは結構日本贔屓なので、このコンセプトが崩れないように沢山の日本人に行って欲しいと、個人的には願っています。
夢時代のホームページは日本語があるので、一度見に行ってください。
C4凱旋中華駅・C3凱旋之星駅・C2凱旋瑞田駅・C1籬仔內駅周辺
この4駅近辺はあまり知りません。特にお知らせするような場所も施設もなかったと思いますが、次回一応確認に行くようにはします。
何かあれば、また追加でお知らせします。
まとめ
高雄市の新しい交通手段LRTの第1期区間正式開通に合わせ、沿革や運賃支払いについて、また駅毎の観光スポットを簡単にご紹介しました。
港湾都市高雄市にまさに出来るべくして出来たLRT第1期区間は、高雄港の北から東側へ湾岸の非常に美しいところを走っています。
それはまた、日本統治時代に栄えた市街地と近年高雄市が本腰を入れて開発に注力して来たベイエリアを結ぶ線路でもあります。
ですから観光スポットも状況そのままに、リノベーションのお手本のような旧市街地の各エリアと、何もかもが新しい眩いエリアを結んでいます。
観光の目的の一つがその都市を知ることだとすれば、LRT第1期区間の周辺は本当にドンピシャです。
また、お買い物が目的であれば旅運中心駅から夢時代駅の間がぴったりです。本文に出てくるデパートだけでも一日では回れないでしょう。少し三多の方まで足を伸ばせば、星の如く大小のお店が軒を連ねています。
ということで、あなたも高雄市に行かれた折には是非是非LRTに乗って、素敵な高雄ベイエリアを堪能してください。
上にもご紹介しましたが下記の記事をご一読ください。この記事と合わせ、3本読んでいただければ、大まかな高雄市の観光情報はほぼ揃うと思います。
また、高雄空港からMRTを利用して台湾鉄路への移動についての詳細は以下記事をご覧ください。
高雄空港・MRT・台鉄新高雄駅の繋がりを詳しく解説
✈ Time for Taiwan !!
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