米国株の最新状況と解説|S&P500・ナスダックの短期・中期予測(2月13日)

藤原
インフレ懸念が再燃する中、FRBは利下げを急がない姿勢を示しており、投資家は今後の経済指標や追加発言に注目しています

目 次

S&P500の動向と分析

終値・変動幅

S&P500指数は2月12日に6,051.97ポイントで取引を終え、前日比0.3%の下落となりました。

短期分析(1週間視点)

過去1週間でS&P500は0.4%上昇しました。

重要な上下のライン(サポート・レジスタンス)

現在、6,000ポイント付近がサポートライン、6,100ポイント付近がレジスタンスラインとして意識されています。

テクニカル指標(移動平均線・RSI・MACDなど)

50日移動平均線をわずかに上回っており、RSIは中立圏、MACDは弱気シグナルを示しています。

「上回ると〜」「下回ると〜」のサジェスチョン

6,100ポイントを上回ると上昇トレンドが強まり、5,950ポイントを下回ると下落リスクが高まります。

中期分析(1〜3ヶ月視点)

インフレ指標の悪化やFRBの金融政策が市場に影響を及ぼしており、特にエネルギーや生活必需品セクターが堅調です。

 

ナスダック総合指数の動向と分析

終値・変動幅

ナスダック総合指数は2月12日に19,649.95ポイントで取引を終え、前日比ほぼ変わらずでした。

短期分析(1週間視点)

過去1週間でナスダックは0.6%上昇しました。

重要な上下のライン(サポート・レジスタンス)

19,500ポイント付近がサポートライン、19,800ポイント付近がレジスタンスラインとして機能しています。

テクニカル指標(移動平均線・RSI・MACDなど)

50日移動平均線をわずかに上回り、RSIは中立圏、MACDは弱気シグナルを示しています。

「上回ると〜」「下回ると〜」のサジェスチョン

19,800ポイントを上回ると上昇トレンドが強まり、19,500ポイントを下回ると下落リスクが高まります。

中期分析(1〜3ヶ月視点)

ハイテク株の調整が見られるものの、企業の好決算が下支えとなっています。

 

テクニカル以外の要素(S&P500・ナスダック共通)

FRBの金融政策・金利動向

パウエルFRB議長は「当面は引き続き制約的な政策を維持したい」と述べており、利下げを急がない姿勢を改めて表明しています。

経済指標(雇用統計、CPI、PMIなど)

1月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3%上昇し、市場予想を上回りました。

企業決算(GAFAM・半導体・金融)

CVSヘルスが強い第4四半期の利益を報告し、株価が上昇しました。

 

本日の見通しと戦略

先物市場の動き

2月13日(米国時間早朝)の時点で、S&P500先物は+0.2%、ナスダック先物は+0.3%と小幅な上昇を示しています。

市場は前日に発表された1月の消費者物価指数(CPI)の結果を受けて、インフレ圧力の高まりとそれに伴うFRBの金融政策の動向に注目しています。

重要なニュース

CPI発表 

1月のCPIは前年同月比で3.0%上昇し、市場予想を上回りました。これにより、FRBの利下げ観測が後退し、金利上昇を嫌気した売りが強まる可能性があります。

米国債利回りの動向 –

10年債利回りが4.2%を超えると、株式市場に圧力がかかると予想されます。逆に4.0%を割り込めば、ハイテク株を中心に買いが入りやすい状況となるでしょう。

GAFAM決算の影響 

直近の決算では、マイクロソフトやアップルは堅調な業績を報告しましたが、半導体関連株の動きは鈍化しています。エヌビディアの決算を控え、短期的な調整の可能性があります。

今日の注目ポイント

CPI発表後の市場の反応

1月のCPIは市場予想(2.9%)を上回る3.0%となり、インフレの粘着性が意識された。これを受け、S&P500は0.3%下落、ナスダックは横ばい。FRBの利下げ時期が後ずれするとの見方が強まり、米国債10年利回りは4.62%に上昇。

FRBのスタンスと市場の織り込み

CPIの結果を受け、3月の利下げ確率は低下。6月の利下げも不透明感が増し、FRB高官の発言が市場の方向性を決めるカギとなる。

金利とハイテク株の動き

利回り上昇を受けて、ハイテク株は選別色が強まる可能性。特に半導体関連はエヌビディアの決算待ちの様子見ムードも。

対中関税の実施と影響

トランプ政権は2月4日から中国からの全輸入品に対し、既存関税に追加で10%の上乗せ関税を実施。これを受け、中国も2月10日から米国からの輸入品に最大15%の報復関税を発表。

  1. 影響:半導体、電気自動車、消費財メーカーに打撃。米国側では消費財価格の上昇懸念が高まり、インフレ圧力が強まる可能性。
  2. 市場の反応:関税発動直後、米中関連の貿易銘柄は売られたが、一部の国内製造業支援政策を受けた企業には買いが入っている。

減税政策の進展

法人税率の引き下げ(21%→20%、国内製造企業は最大15%)が既に発表されており、現在は議会承認待ちの状態。

  1. 市場の注目点:減税による企業利益の押し上げ効果を市場は織り込む段階だが、財政赤字拡大への懸念もあり、議会での承認プロセスが焦点。
  2. 影響:製造業・エネルギーセクターを中心にポジティブ要因。金融市場では、政府支出拡大がインフレを助長し、長期金利上昇につながる可能性も。

インフラ投資・補助金政策

国内製造業強化を目的としたインフラ投資拡大策が準備中。特定産業への補助金政策も検討中。

影響:エネルギー、建設、輸送関連銘柄にプラス要因。特に、国内製造企業向けの優遇措置により、米国内での生産拡大を進める企業が恩恵を受ける可能性。

市場の評価:議会通過の難易度次第で、影響の強さが変わるため、今後の政策決定プロセスがカギ。

 

今後のポイントと投資戦略

市場のボラティリティとVIX指数の動向

CPI発表後、VIX指数は15.85と前日比で1.00%低下し、市場の警戒感はやや和らいでいます。
しかし、インフレ率の上昇を受けたFRBの金融政策や、地政学的リスクの変動により、今後のボラティリティが再び高まる可能性があります。

FRBのスタンス(市場の織り込み状況と今後の利上げ/利下げの可能性)

CPIが予想を上回ったことで、FRBは利下げを急がないとの見方が強まりました。
市場は、今後の経済指標やFRB高官の発言を注視し、金融政策の方向性を見極める必要があります。

経済指標と企業決算(市場が特に注目するポイント)

今後の経済指標として、2月15日の米国小売売上高や、2月21日のエヌビディアの決算発表が注目されます。これらの結果は、消費動向やハイテク業界の業績見通しを判断する上で重要な指標となります。

テクニカル分析を踏まえた投資戦略(リスク回避戦略、短期・中期投資の方針)

  1. 短期:主要株価指数が重要なサポートラインを維持できるかを注視し、下回った場合はリスク回避を検討します。
  2. 中期:インフレ動向やFRBの政策を見極めつつ、業績が堅調なセクターや銘柄への投資を検討します。
  3. リスク回避:市場のボラティリティが高まった場合、ディフェンシブセクターや安全資産への資金シフトを検討します。

地政学リスクと政策動向

米中間の関税措置や中東情勢など、地政学的リスクが市場に影響を及ぼす可能性があります。最新の情報を収集し、投資判断に反映させることが重要です。

 

まとめ

  1. CPI発表を受け、FRBは利下げを急がないとの姿勢を示したが、市場は今後の経済指標や追加発言を注視している。
  2. S&P500の6,100ポイント突破、ナスダックの19,800ポイント突破が強気シグナル。
  3. FRBの利下げ時期が後ずれする可能性があり、市場は慎重な姿勢を維持。
  4. 半導体・AI関連銘柄の決算動向に注目。

市場は短期的に不安定な動きを見せる可能性があるが、中期的には利下げ期待が支えとなる展開も考えられる。今日の相場を慎重に見極めながら、戦略的な投資判断を行いたい。

 

参考リンク|市場指標・経済データをチェック

市場の最新データを確認するための主要サイトを掲載します。

S&P500・ナスダックの最新終値・チャート

  1. Yahoo Finance(S&P500)
  2. Yahoo Finance(ナスダック総合)
  3. Investing.com(S&P500・ナスダックのリアルタイムチャート)
  4. TradingView(S&P500チャート)

米国市場の経済指標と金利動向

  1. FRB(連邦準備制度)公式サイト
  2. 米国労働統計局(雇用統計・失業率)
  3. 米国商務省(GDP・PCE価格指数)
  4. 米国財務省(10年債利回り)

経済カレンダー(今週の重要イベント)

  1. Investing.com(米国経済カレンダー)
  2. Bloomberg(FOMC・CPI・PCEなどの予定)

企業決算情報(GAFAM・半導体・金融)

  1. Nasdaq Earnings(ナスダック上場企業の決算スケジュール)
  2. Yahoo Finance(決算速報・企業業績)
  3. CNBC(GAFAM・半導体セクターの決算分析)

政治・地政学リスクのチェック

  1. CNN(米国の政治ニュース)
  2. Reuters(米中関係・ウクライナ情勢)
  3. The Wall Street Journal(米国経済政策)

***

注意事項

本記事は、昨晩の市場の振り返りと分析を提供するものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資にはリスクが伴います。情報の正確性には細心の注意を払っていますが、将来の市場動向を保証するものではありません。最終的な投資判断は、ご自身で慎重に行ってください。

シェアをお願いします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です