目 次
今週の振り返り(日経平均・TOPIX)
日経平均・TOPIXの動き
2月16日(金)は、
- 日経平均終値は39,149.43円(前日比 -312.04円)
- TOPIXは2,759.21ポイント(前日比 -6.38ポイント)
と、週末にかけて調整局面を迎えました。
市場動向と主な要因
円高進行と輸出株の下落
- ドル円相場は1ドル=152.60~152.70円台と円高基調が強まり、自動車や電機といった輸出関連株が下落。
- トヨタやソニーなどの主力輸出企業が売られたことで市場全体の押し下げ要因となった。
米国市場の影響
- 米CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回ったことで、FRBの利下げ時期が後ろ倒しになるとの見方が広がった。
- これにより、米国株市場はまちまちな動きとなり、S&P 500とナスダックは小幅に上昇した一方、ダウ平均は下落。
- 日本市場にも影響が及び、円高進行と相まって輸出関連株が売られる要因となった。
企業決算の影響
- ソニーグループは好決算を発表し、短期的に買い優勢。
- キーエンス、三菱UFJなどは堅調だが、全体として市場の方向性を決定づけるほどの動きはなし。
週末の調整
- 週末を控えたリスクオフの動きが広がり、短期的なポジション調整が目立った。
今週の注目イベントと展望
今週の市場は以下のイベントに注目。
主要経済指標
米国
- 2月19日: FOMC議事録公開 → FRBの利下げ姿勢の変化を探るカギ。
- 2月20日: 新規失業保険申請件数 → 労働市場の強さを確認する重要指標。
- 月21日: 2月ミシガン大学消費者態度指数 → 消費者心理がインフレ懸念にどう影響するか注目。
日本
- 2月17日(月): 2024年10-12月期 GDP速報値発表→ 成長率が予想を下回れば、日銀の政策修正観測が強まり円高要因に。
- 2月19日(水): 貿易統計発表→ 円高の影響が輸出減少につながるか注目。貿易赤字拡大なら円安要因。
- 2月21日(金): 1月消費者物価指数(CPI)発表→ インフレが加速すれば日銀の利上げ観測が強まり、円高・株安要因に。
企業決算
- ブリヂストン(2月17日)→原材料価格や為替影響、EV向けタイヤの需要動向などが注目ポイント。
- トレンドマイクロ(2月18日)→AIを活用したセキュリティ対策の進展や、米国市場の成長が焦点。
- 横浜ゴム(2月19日)→海外市場の動向や、物流・建設機械向けタイヤの需要が重要。
日銀の金融政策
今週は特に注目すべき点はありません。
地政学リスク
米中貿易摩擦
トランプ政権が対中制裁関税を強化する可能性が浮上し、半導体・EV関連企業に影響が出る可能性あり。
日本国内政治
今週の国内政治で投資家が注視すべきは、
- 2025年度予算案の審議進展(公共事業・補助金関連銘柄に影響)
- 春闘の賃上げ動向(消費関連・日銀政策に影響)
- 米国の相互関税対応(輸出企業・日本製鉄の動向)。
業種別の動向
上昇セクター
- 石油・石炭製品: 原油価格の安定やエネルギー需要の増加が追い風となり、関連株が堅調に推移しています。
- 電気機器:好調な企業決算や技術革新への期待が高まり、投資家の関心を集めています。
- 銀行業:金利上昇や新しいNISA制度の開始が追い風となり、業績向上が期待されています。
下落セクター
- 非鉄金属:円高による輸出減少懸念で売りが拡大。
- 医薬品:業界特有の規制強化や競争激化により、業績への懸念が広がっている。
- 繊維製品:原材料費の高騰や海外需要の減少が影響し、株価が下落している。
注目テーマ株
- 半導体関連:米NVIDIAの決算発表が日本の半導体関連株の動向を左右する可能性。特に東京エレクトロンやアドバンテストに影響が大きい。加えて、TSMCの設備投資計画やASMLの業績動向も重要な要素となる。
- EV関連:テスラの生産計画見直しにより、一部の自動車部品メーカーは影響を受ける可能性がある。一方で、BYDや欧州のEV市場は引き続き成長を見せており、EVバッテリー関連(パナソニックHD、GSユアサ)やパワー半導体関連(ローム、三菱電機)にはポジティブな要素も残る。
テクニカル分析(週初めの視点)
2月16日(金)時点でのテクニカル指標は以下の通り。
サポート・レジスタンス
日経平均
- サポートライン 39,000円
- レジスタンスライン 40,000円
TOPIX
- 2,750ポイントが下値支持線
- 2,800ポイントが上値抵抗線
移動平均線
- 25日移動平均線: 39,106.77円
- 75日移動平均線: 39,028.20円
- 200日移動平均線: 38,647.56円
RSI(相対力指数)
- RSI(9日): 48.9%(中立水準)
MACD
短期線が長期線を上回る傾向が続いており、テクニカル的には強気を示唆。
今週の投資戦略とリスク管理
短期トレード
- 円高局面での輸出株の調整を狙った押し目買いを検討。
- ボラティリティの高い半導体関連株は慎重に売買判断。
中期投資
- 日銀の金融政策を考慮し金融株の動きに注目。
- 小売・サービス業の回復期待銘柄に分散投資を検討。特にDXを積極的に推進する企業は競争力を高めている。
リスク管理
- 米国市場の変動リスク: VIX指数が上昇するか注視。
- 政治リスク: 米中関係や日銀の金融政策変更に伴う市場影響を考慮。
まとめ
今週の日本市場は、日経平均39,149.43円、TOPIX2,759.21ポイントと週末に下落。円高の影響で輸出関連株が売られました。
来週は、日銀の金融政策、企業決算、地政学リスクが重要なポイントとなります。テクニカル的には39,000円のサポート維持が鍵となり、短期的な値動きに注意が必要です。
投資戦略としては、円高の影響を受けにくい内需株や好決算銘柄に注目し、リスク管理を徹底することが求められます。
ただし、市場は常に変動するため、最新の情報を基に柔軟な投資判断を行うことが重要です。
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