目 次
メルカリの取引で返品は可能なのか?
メルカリで商品を購入しものの、なんらかの事情で返品をしたくなる場合もあるでしょう。しかし、あなたの希望に沿って解決できるかどうかはケースバイケースです。
そこで今回は・・・
- 返品できる場合とできない場合
- あなたの心変わりと返品の可能性
- 出品者の事前の告知とキャンセルは有効か
- 返品できるできないタイミング
- 実際に返品する際の実務
などについて購入者の立場から詳しく解説していきます。
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- 安価で
手に入ることはいいことですね。
しかしそれは、あくまでも売り手と買い手にトラブルなくスムーズに取引が終了する、ということが前提での話です。
忘れてはいけないのは、この世の中の揉め事で精神的にも物理的にも一番ややこしくなるのが金銭がらみだ、ということです。
ですからそういう観点からも、楽しく気持ちよく取引するためにトラブルを避けるために、事前に知っておいた方が良いことを「返品」に焦点を当ててお話しします。
返品できる理由とは?
メルカリ利用規約を読みますと・・・
本サービスの利用にあたり、出品後、及び商品の注文後のキャンセルはできないものとします。
(引用 – メルカリ利用規約第11条5項)
とあります。確かに明確な理由もなくキャンセル乱発となれば、サイトも利用者も困るでしょう。ですから一番基本的な「建前」であり、必要な文言ではありますよね。
でも購入者であるあなたは、漠然と気にする必要はないと思います。
というのも、規約の第11条5項では文言の続きとして、返品・キャンセルができる場合の説明がはっきりと記されているからです。
- 商品に瑕疵(傷や欠点)がある場合
- 説明にある商品と届いた商品と明らかに違う場合
- 偽物の場合
- 商品が破損状態で届いた場合
などのような場合です。
もしあなたの手元に届いた商品がそのような状態だった場合は、キャンセル・返品をしなければ、そしてお金を返してもらわなければなりません。
そういったことは起こらない方がいいけれど起こる可能性はゼロではありません。ですから、もしそうなっても、予め知識を持つことにより、戸惑うことなくスマートに対処しましょう。
返品の理由としては微妙なケース
一方、返品の申し立て理由としては微妙もしくは難しいケースもあるので、それについても見ていきましょう。
色違い
例えば商品説明の写真の色と送られてきた商品の色が違う(と感じる)、ようなケースが該当します。
自分で写真を撮っていればよくわかりますが、被写体に当たっている光線の性質によって色はかなり変わります。
そして、その事実は特別な人だけが知っているのではなく、多くの人が知っています。
ですから、「出品者に悪意がある」と明確に説明ができないと、返品は難しいのではないでしょうか。
冒頭にするしましたように、「返品・キャンセルできない」のが基本ルールです。ということは、原則、購入に至るまでに気になる微妙な部分は質疑応答で解決しておかなければなりません。
迷いを払拭できるまで購入せず、よく考えるのは大切なことです。でも、そうしている間に誰かが購入したらそれまでです。
誰かが黙ってす〜っと購入しても、それはルール違反ではありません。メルカリでは早い者勝ちです。
そうなった場合は誰にも文句は言えないし、そういうルールーなのであっさり諦めましょう。
また、返品は出品者・購入者双方の合意が必要なので、仮にあなたが「色が違うから返品したい」と申し立てても、出品者が「素人が撮った写真なので、光線で多少の違いは感じるかもしれませんが、その点につきましてはご容赦願います」と丁寧に返してきた場合は難しいです。
もちろん中古商品の出品なのにamazon.comなんかから持ってきた写真を掲載していたのであれば、これは当然購入者であるあなたに分があるので、もし話し合いで埒があかなければ(説得力を持つ証拠を持って)事務局に相談しましょう。
購入した後に返品したくなった場合(自己都合)
出品者には何の過失も商品の異常もないのに、到着した商品を見て気が変わり、自分の都合で返品・キャンセルするのは明確に規約違反です。
再度申し上げますが、「商品注文後のキャンセルはできない」ルールなのに、それを覆すことができるような特別に強力な理由もなく返品・キャンセルはできません。
しかし「返品したい」要望に出品者が応じる可能性はあります。そういう優しい方もおられるでしょう。
それと「ルールを違反する」という行為は別の話です。
こういうケースを放置するとマーケットの健全性を担保できないので、相当の確率でペナルティを受けます。最悪の場合・・・
- アカウントの停止処分
- 強制退会処分
が来る可能性もあるでしょう。それは出品者が対応してくれたとしても同じです。事務局は見ています。
売主の事前表記と返品
出品者の記載或いは交渉の過程で次のような文言がある(出る)場合があります。
- 買主に商品が到着し確認する前に「受取評価」を催促する文言
- 「代引き」を持ちかける文言
- 特定の人購入用「専用」出品
- 即購入禁止・購入前コメント必須という文言
- ノークレーム・ノーリターン・ノーキャンセルをうたい返品に応じない文言
これらはぜ〜んぶ規約違反です。メルカリに自主ルールなんてありませんし、それを作って良い訳がありません。にもかかわらず平気で作っているのであれば、無視するしかありません。
購入者側であるあなたは従う必要がありません。
ですから、返品に値する十分な理由がある場合は、こういった違反文言があっても返品の妨げとしての効力はありませんし、それ以外についても、こうした売主の言い分は通用しません。
出品者・購入者間のルールはあくまでもメルカリ利用規約のみです。
ただ難しいのは、出品者がどんな人なのかわからない点です。原理原則をきちんとわかる人ばかりではありません。無茶で一方的な考えを持っている人の可能性もあります。
ですから、一方的に出品者に返品・キャンセルが生じた責任があっても、話し合い自体は慎重に丁寧に行なってください。
なぜなら、記入メッセージは記録として残り、事務局の判断材料になるし、最終的に出品者から理不尽な悪評価を受ける可能性もあるからです。
返品のタイミング
まず気をつけたいのが、返品をするタイミングです。
たとえ送られてきた商品が・・・・
- 壊れている
- 説明されていたものと違う
などの、購入者が当然に返品を主張できる理由があったとしても、タイミングを間違うと返品が非常に難しくなります。
逆にいうと、タイミングを外すと、いかに正当な理由があると申し立てても返品は困難になります。これは非常に大切な部分なので、是非覚えておきましょう。
では、返品が可能な期間とはいつからいつまでを指すのでしょう? それは・・・
発送が行われてから受取評価をするまでの取引期間中
この間です。
キモは「売買契約が終了」していない状態にあることです。「受取評価」をしてしまうと契約が有効に成立し終わってしまいます。
ですから、買主のあなたが、何かしら・・・
- 商品に疑問を抱いた場合
- 納得できない理由を持った場合
絶対に「受取評価」をしてはいけないのです。
返品・キャンセルできるのは「受取評価」するまで、と覚えておいてください。
返品キャンセルの手順
では実際に「返品できる理由とは?」で羅列したようなことが原因で、返品・キャンセルすべき事態になった時、実際、どういう手順を踏めばいいかについてここで述べます。
まずメルカリ利用規則を読んで確認しておきましょう。
ユーザー間の売買契約、出品、購入等の保証等に関しては、すべて当事者ユーザーの自己責任とし、弊社は自ら売買を行うものではなく、売買の委託を受けるものでもありません。
引用 -メルカリ利用規則第1条
つまり、当事者間の出来事は当事者間で解決してね、というのがメルカリの基本的立場です。
もう一つ
出品者、購入者の間で商品等に関してトラブル発生した場合は当該ユーザー間で解決するものとします。
引用 -メルカリ利用規則第11条4項
ここでも売買に関して何かあっても「当事者で解決してね」とメルカリは言っています。
しかし11条4項には続きがあって「但し、必要に応じてメルカリ側が介入することもある」という意を追記されています。
上記の規則に沿って解決するためには、まず出品者と話し合いをしなければなりません。話し合いとは「取引ページ上のやりとり」です。
上記11条4項にあるメルカリが介入するケースで大切なのが「取引ページ上のやりとり」です。これはメルカリの大きな判断材料となるので、言葉を選んでしっかりとやらねばなりません。
さて、これを踏まえ真っ先にすべきは・・・・
1.「出品者に返品希望の意思と理由を伝えるためコメントをする」ことです。
「返品できる理由とは?」で列記した理由であれば、100%出品者にその責があるので、当然送料は出品者持ちです。
誰が読んでも納得できる内容であれば、問題なくことは運ぶでしょう。メッセージで合意を成立させます。
ここでクドイですが大切なことを再度申し上げますと、出品者に対するメッセージは、どこまでも丁寧で冷静な内容・言葉遣いに終始しましょう。
これは、メルカリが経緯や両者の意思確認をするための唯一の手段なので非常に重要です。
実態はあなたに有利でも、やりとりでの文言が不適切であれば、のちに揉めてメルカリを巻き込んだ場合どう転ぶかわからないので、くれぐれも慎重に適切な文章を送りましょう。
2.返品の手続きを行う
取引ページでのやりとりで完全合意ができたと確信が持てれば、次は商品の返送作業です。送料は当然出品者持ちなので「代引き」による返品にしましょう。
もし出品者が匿名にこだわるなら、郵便局留などの方法もありますが、返品・キャンセル手続きが完全終了まで何があるかわからないことを勘案すると、出品者の住所・氏名は知っておいた方がいいです。
但し、その辺りについては「返品」についての話し合いの決着がすっきりしていれば拘らなくてもいいかもしれません。
着払い条件で出品者から商品を送られてくる場合、つまり商品到着時にあなたが運送業者に運賃を支払う場合。これが着払いですね。
この場合、送料は商品代金に入っていない(メルカリが受領していない)ので、手順を追って返品手続きしても、メルカリから帰ってくるのは当然商品代金だけです。
ということは別途、出品者に代引き送料金額の返還を請求しないといけません。
でも、手続きとしては口座への振込や現金書留など、いずれにしても直接取引となって、これは規約に抵触する可能性も出てきてややこしいです。
ですから購入するときは「送料込み」の価格で買うようにしてください。そうすれば、返品という事態になっても「送料込み」の金額を返金してもらえます。
3.返品到着の確認をしあう
これも取引ページで、出品者と購入者双方の確認記述が必要です。
返品について合意ができているようでも、出品者から「返品した商品が届かない」などと言われる可能性を感じるのであれば、必ず追跡サービスのついた発送を行なってください。
4.メルカリ事務局への申し出
- 取引ページで出品者と購入者の返品に関する合意が成立
- 実際に商品の返品を行う
- 返品されたことの確認を出品者と購入者が取引ページで行う
以上の3点ができたら、いよいよメルカリ事務局にキャンセルの申請をします。事務局は取引ページに残されたやりとりを読んで判断します。
そして、キャンセルの申し出に応じても良い、と判断したら返金がなされます。
その要領は、メルカリの「返品・返金ポリシー」に
お問い合わせフォームから、商品名・取引相手のニックネーム・経緯などを明記の上、ご連絡ください。
と記されており、また、返金に要する時間は、
お問い合わせの混雑や深夜のお問い合わせなど、お問い合わせいただくタイミングによって、ご連絡、払い戻し処理にお時間をいただく場合がございます。
と記されています。
その他「返品・返金ポリシー」には、返品・返金に関する一通りの事が説明されているので、1度目を通しておいた方がいいと思います。
まとめ
メルカリを利用して商品を購入したのはいいけれど、返品したい事情が発生した場合の基本的な考え方や手順についてご説明しました。
大切な点をもう一度簡単にまとめますと・・・
- 返品可能な理由かよく考える
- その上で返品をする場合は絶対に受取評価をしない
- 返品について双方が取引ページで合意を形成する
- 手数料に関する話し合いもする
- 合意ができたら商品を返送する
- もし不安がある場合は必ず追跡サービスのある発送方法で返品する
- 返品が完了したら取引ページ上で確認をしあう
- お問い合わせフォームからメルカリ事務局にキャンセルの申し出をする
- 返金されるのを待つ
ざっと以上のような手順です。
この中で特に大切な点は・・・・
- あなたの言い分に客観的な合理性があること
- 取引ページでのやりとりは禍根を残さぬよう丁寧に徹する
相手が誰かわからないし対面取引でもないので、気配りは重要です。誰に対して重要か? もちろん「あなたご自身」に対してです。
ネットの世界では非常に感情的になりやすく、罵詈雑言が飛び交っています。メルカリも例外ではありません。
あなたはそれに絶対乗らないようにしてくださいね。ネット上のやりとりは全て記録であり判断される材料です。
もし仮に、二進も三進もいかなくなったら、取引相手に汚い言葉で返すのではなくメルカリ事務局に相談してください(必ずあなたの思い通りになるかは不明ですが)。
最後に、メルカリ上で行う行為は売買契約です。法律行為で規則に則って行為です。
この記事を作成するにあたってトラブル事例を色々と読んだのですが、びっくりするのは、メルカリ利用規約を知らないか無視しているケースが無茶苦茶多いことです。
何かあった時に根拠となるのは、どこまで行ってもメルカリ利用規約です。
ですから、ご自分を守る意味でも一回はじっくりとメルカリ利用規約を読んでおいてください。そして規則に則って楽しく利用しましょう。
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