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ペルセウス座に一大流星ショーが!
天文ファンにとって8月の大イベントと言えばペルセウス座流星群ではあるのですが・・・
そもそも日頃ほとんどの方は夜空を見上げる事などないんじゃないでしょうか。特に人口の集中する都市部に住んでいれば、夜でも街は明るく、逆にそれだけ星は遠くなります。
ましてや流星を見る経験なんて持てないでしょう。きっと今まで一度も流れ星を見た事がない人は大勢おられると思います。
でも、もし日本アルプスのような空気の澄んだ夜がとっても暗い高地へ行って、落ちてきそうな大きな星を、光る尾を伴って流れてゆく星を沢山見る事ができたなら、とても幸せになれると思いませんか?
一度も経験がなければ、かつて私もそうでしたが、想像すらできない自然が作り出すショーです。「息を飲む」という表現がぴったりです。人工の光がない世界でありえないことが具現化するのです。
今回ご紹介するペルセウス座流星群は三大流星群の一つに数えられ、最も流れ星が見やすい、自然が作り出した夏の夜の一大ページェントです。
では早速ご紹介してゆきます。
三大流星群とは
1.しぶんぎ座流星群(1月に出現)
2.ペルセウス座流星群(8月に出現)
3.ふたご座流星群(12月に出現)
1月や12月に夜通し観察となると南極越冬隊みたいな防寒体制も必要になる可能性があるわけですが、8月はその点観察月としては非常に適しています。お子さんに体験させるのには一番の流星群です。
名前の由来
ペルセウス座流星群は放射点がペルセウス座の方向にあるのでこの名前がついています。
じゃあペルセウスって何?っていう話ですが、ギリシャ神話に登場する人物の名前です。ペルセウスはかのゼウスの子で、羽が生え空を飛ぶ馬ペガサスに乗り、アンドロメダ姫を嫁にもらうという、壮大なドラマがあります。
放射点とは
流れ星がある点を中心に四方に飛び出すように見えますが、その中心点を放射点若しくは輻射点と呼びます。
地球は流星の元となるチリの中へ入ってゆきますが、その際チリは地球のそばのごく限られた範囲では全て平行に流れていると考えられています。つまり流れ星は一点から発生しているのではないのです。
例えば、幅200mの直線道路があったとします。その真ん中に立ち、向こうを見るとだんだん一点になってゆきます。その十分に遠い地点から100台の車が並んで走ってきたら、どうですか?
実際は全ての車が平行に走っているのに、道路の真ん中に立っているあなたから見れば、一点からだんだん広がって来るように見えるはずです。それと全く同じ理屈です。
放射点からの流れ星の位置と見えかた
放射点に近い流れ星はこっちに向かって飛んでくるので、しっぽ(軌跡)が短く、逆に放射点から遠い流れ星はしっぽ(軌跡)が長く見えます。
このことから、あまり放射点方面ばかりを見る必要はないと言えます。
ペルセウス座流星群の活動期間
7月22日頃から8月24日頃までで、極大の日から遠いほど見える流れ星の数は減ってゆきます。
極大とは
極大とは流星群の活動期間中で最も多くの流れ星が現れることです。2019年の極大の日時は8月13日午後4時頃です。残念ながらまだ日が沈まないしフルムーンに近いので、かなり明るい流星に期待するしかありません。
でも、そんなに残念な事でもありません。
何故なら、極大から5時間程度のズレがあっても、流星出現数は5%前後の減にしかならないからです。更に12時間程度ズレてもなお極大に見える総数の75%は見えるのです。
2019年の観測条件は悪い!
最も観測に適した日時
見頃は・・・
- 13日 0時頃から夜明けまで(ベスト)
- 14日 0時頃から夜明けまで
という事ですが、今年はピークが13日の16時頃なので、しかも下記の通り月が明るくて条件としてはよくないです。どうしても月明かりを避けてみる必要があります。
放射点が高いほど見やすくなるのですが、最も放射点が高いのは夜明け前頃です。しかし、放射点が低い時に見える流星はテールの長さや見えている時間が違い、それはそれで見ごたえがあります。
月
流星観測に適している自然条件は2つあります。一つは晴れていること。もう一つは月が天上にいないことです。
2019年はどうでしょう?
実は8月13日がほぼ満月なのです! 流星が綺麗に見えるのは空が暗い時なのに満月では・・・
適した場所
暗くて視界の開けた場所です。都会では街そのものが明るいので、少し離れないと条件の良い場所はないでしょう。
私が初めて本当の星を見たのは北アルプス立山の山上からです。都会で観るものとは比較できない全くの別物でした。流星群となるとその圧倒的な星の中を飛んでゆくのだから2重3重の感動を生むことは間違いないです。
各地の天文台がペルセウス座流星群に関しては企画を発表するでしょう。もし興味があるようでしたら、お近くの天文台で確認してみたらいかがでしょうか。
十分に視界が広く十分に暗ければ1時間に30個以上の流れ星を見られそうです。
観察・観測グッズ
- 明け方は温度が下がります。特に高地で観察を予定されている場合は服装に注意してください。寒さ対策は非常に大事です。
- 敷物。長時間空を見上げるので寝てみるのが一番です。それに適したレジャーマット、地面の温度が伝わりにくいマット等。
- 観察記録を残す場合は筆記具、ノートや紙やジャーナル、時計など。
- 懐中電灯。特に多くの人が観察に参加している場所では、赤いセロファンで発光部を覆うなどの工夫で、強い明かりで照らさないようにしなければ迷惑がかかります。気をつけましょう。
その他注意事項
野生動物が生息している活動しているとわかっているところに行く場合は十分に気をつけましょう。特に、大型のクマやイノシシには十分に注意しましょう。
ツアーや企画
ペルセウス座流星群を見るツアーや企画が毎年いろいろと計画されます。興味があれば、検索してみてください。
最後に
今回ご紹介のペルセウス座流星群は、観測時期が夏場であるのと見られる流星の数の多さで圧倒的な人気を誇っています。
お子さんの夏休みの自由研究にもぴったりうってつけです。単に課題をこなすに止まらず、自然に対する特別な感情のスイッチが入るきっかけになるかもしれません。
あなたもまだ一度も体験していないのであれば是非自然が織りなす感動ショーをご覧になってください。仕事で疲れている心も、きっと癒されますよ。
夜中の行動になるのでちょっと厳しいですが、デートとしても思い出深いものとなること請け合いです。
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