目 次
情報の取捨選択と正確な理解
ステロイドについては多くの情報がネット上で氾濫しており、かえって理解の妨げの要因になっていたりします。
また、そうした情報を鵜呑みにして掛かりつけの医者のアドバイスを聞かずに症状が悪化した人もいらっしゃるようです。
そこで改めてステロイドについてまとめてみたいと思います。
そもそもステロイドって何ですか?
両方の腎臓の上側には副腎がくっついていますが、この副腎の中の副腎皮質と呼ばれる部分で作られるホルモンの総称です。
副腎皮質ホルモンの役割と一日の体内の量的変化は?
- 糖の代謝やたんぱく質・脂質の代謝に関する作用。
- 炎症を抑える作用。
- 免疫を抑制する作用
など、さまざまな役割を担っています。
一日の量的変化は
- 体内では夕方から朝方にかけて多く生産され
- 日中に消費され
- 夕方にかけて体内の量は減少してゆきます
塗り薬としてのステロイドと効果は?
元々、内服用・注射用に開発されましたが副作用も多く、局所にだけ効果を発揮させるように外用薬つまり塗り薬が作られました。
ステロイドの外用薬は部分的なアレルギー症状・炎症を強力に抑える事ができるので湿疹の治療には大きな効力を発揮します。
外用薬は下に別途示していますが、普通に使っている分には副作用の心配はありません。
塗り薬としてのステロイドの種類は?
- Week(弱い)
- Mild(穏やか) 顔面・陰部そして子供は吸収力が高いので1ランク落と
して使います。 - Strong(強い) 一般的に体に塗布されるのはこのクラス
- Strongest(一番強い) 炎症の状態が非常に悪い時に使用。大きな効果
が期待できるが、同時に副作用の危険があるの長期間の使用には適さない。
塗り薬としてのステロイドの副作用は?
- 皮膚の細胞の増殖を抑えるので皮膚が薄くなる。
- 皮膚表面の免疫力を弱くする。
しかし・・・
体に一ケ月あたりStrongクラスを30g〜50g以上塗らないと、顔だと一ケ月あたりMildクラスを5g以上塗らないと、まず副作用は出ないとされています。
よほど例外的な使い方をしないとこんなに多くの量にはなりません。こちらの「市販のステロイド外用剤の強さと成分の量」にくわしく解説されています。
脱ステロイドの恐怖とは?
1990年代に「脱ステロイド」という考え方が生まれました。あるニュース番組がその原点であるとも言われています。またステロイド不要説を唱える医者までが登場しました。
その結果どうなったでしょう?
とんでもない悪徳業者が蔓延り、効果のないクリームや温泉水や酸性水と称するものを無茶苦茶な価格で売りつけているのです。
悪徳業者の論点には共通している部分があります。
- ステロイドは悪者である
- ステロイドの使用そのものがアトピーに悪い
- ステロイドを使わなくても治せます
そして、もし効果が出なければステロイドのリバウンドです。もう少しで抜けきります。
こういったものを信じた患者さんは一体どうなっているのでしょうか? ごく僅かに例外もありますので全てとは申しません。
がしかし、多くの患者さんが脱ステロイドを信じ実行した結果、とんでもない地獄を経験しておられるのです。
頭から「脱ステロイド」をうたう病院も信じていいのでしょうか?
なにがなんでもステロイドと申し上げたいわけではなく、例えばドクター牧瀬というお医者さんは複合的な治療を行っておられるので参考にしてください。
最後に
一番大切なことを申し上げます。
それは、信頼できる医者を探すことです。ご自身の体にとってこれ以上に大切なことはありません。
信頼できる医者とは、
- 患者さんの言い分をよく聞いて理解し、
- 症状を見極めて状況を正確に判断し、
- 最適な強度の薬を最適な期間処方し、
- 十分に使い方を患者さんに説明できる人です。
二番目に大切なことを申し上げます。それは、
- 信頼できる医者の処方・説明を信じて
- 100%実行する事です
- そして、次回医者と面会した時に経過をきちんと説明する事です
私はアトピーではありませんが、温度変化アレルギーで年中錠剤を飲み軟膏を塗っています。なので湿疹で苦しんでおられる方の気持ちがよくわかります。
どちらにしても一朝一夕に治るものではありません。気長に戦ってゆきましょう。
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