iPhoneで写真や動画を撮り続けていると、どんどん増えてきて減ることはないので、いつかはストレージ不足に悩むこととなります。
この問題を解決する方法として、iPhone内のデータを外付けストレージ(SSDやHDD)に移動する方法があるのはご存知でしょう。
本記事では、iPhone本体の圧迫されているストレージに余裕をもたせるための具体的な方法を解説します。
また、外付けストレージをバックアップ先として利用する際のポイントも紹介します。
目 次
対応条件と基本知識
iPhoneで外付けストレージを使用する条件
iPhoneと外付けストレージを正常に連携させるためには、以下の条件を満たす必要があります
- iOS 13以降を搭載していること
- 外付けストレージがexFAT形式でフォーマットされていること
- 外付けストレージがType-C接続に対応していること
外付けディスク購入の際はフォーマットに注意
多くは最初からexFAT形式でフォーマットされています。なぜなら、exFATがWindowsとMac、さらにはiPhoneやiPadなどのデバイスで広く互換性があるためです。
しかし、もしNTFSやHFS+など、別のフォーマットがなされた製品を確認せずに買ってしまった場合は、フォーマット変更しなければならず、WindowsかMacが必要になってきます。
以上の理由から、購入の際には十分に注意してください。
「ファイル」アプリを介したデータ操作
iPhoneの「ファイル」アプリを使用することで、外付けストレージとの間でデータを移動したり保存したりすることが可能になります。
これが、iPhone本体からデータを移すための基本的な方法となります。
iPhoneにはFinderがない
MacのようにFinderがなく、しかも+X(カット)もないので、このような操作をMacでの作業に慣れきっている人が初めて行う場合は戸惑うかもしれません。
iPhoneの場合はとりあえずコピーをして、そして「フォルダ」アプリの中にある外付けディスクを開いてペーストするという作業手順となります。
その後、元ファイルが不要な場合は、それを消去するという手順を踏みます。
使用可能な外付けストレージの種類
以下の外付けストレージがiPhoneで利用可能です。
外付けSSD
高速かつコンパクトで、持ち運びに便利。色んなタイプがあり、スティックタイプの指先サイズから7cm-10cmくらいのボックスタイプまで、本当にたくさん出ています。
SSDは、読み書きを連続して行うと非常に高温になります。勿論、それを前提に製造されているので壊れることはありませんが、自動的に保護機能が働くとサーマルスロットリング状態となり、かなり速度が低下します。
実際、SSDにデータを入れた状態で、それを編集しているとやけどするくらい熱くなります。
なので、こういう使い方をするなら、直挿しスティックサイプのSSDはiPhoneに悪影響を与えるかもしれないと個人的には考えています。
外付けHDD
コストパフォーマンスに優れ、大容量データを保存可能。
最近の外付けHDDは割とスピードの出るタイプが有り、そういう製品はUSB 3.2 Gen1or2に対応していて、一昔前のHDDでは考えられないほど読み書きが早くなってます。
詳しい注意点などは後ほど説明します。
外付けストレージのフォーマット方法
先ほど、外付けディスクのフォーマットはexFATである必要があると説明しました。
もし、あなたの手元にある製品がそうでない場合はフォーマットのやり直しをする必要があるので、それをここで説明します。超簡単です。
先に述べましたようにMacかWindowsが必要ですが、ここではMacでの手順を説明します。
Macでのフォーマット手順
- 「ディスクユーティリティ」を開きます。
- 使用する外付け媒体を選択。
- 「消去」をクリックし、フォーマット形式としてexFATを選択。
- 「消去」を実行して完了です。
ね、簡単でしょう!?
実際の使用手順
iPhoneと外付けストレージの接続方法
- Type-Cケーブルで外付けストレージをiPhoneに接続。直挿しタイプはコネクタをそのままiPhoneに接続。
- 「ファイル」アプリを開くとブラウズ画面になり、外付けストレージが認識されることを確認できます。
写真や動画を外付けストレージに移動する方法
- 「写真」アプリを立ち上げる。
- 「選択」(画面右上)をタップした後、移動したい写真や動画を指定する。
- 「共有」ボタン(画面左下)をタップし「ファイルに保存」を選択。
- 「ファイルアプリ」が立ち上がるので外付けストレージを指定してペーストする。
利用上の制限とその理由
iPhoneの仕様による制限
今までの説明から察していただけるでしょうが、iPhoneの「カメラ」アプリで撮影した写真や動画を、ダイレクトに外付けストレージに保存することはできません。
これは、iOSが外付けストレージを保存先として指定する機能をサポートしておらず、写真も動画も「写真」アプリに自動保存する仕様だからです。
なのでめんどくさいですが説明してきたように、「ファイル」アプリを使って移動しなければなりません。
おすすめの外付けストレージ
星の数ほど商品が出回っているので、好きなものを購入すればいいのですが、一応無難な製品を紹介しておきます。
- サムスン T7 SSD:高速転送が可能で、耐久性も高い。
- SanDisk Extreme Portable SSD:防水・耐衝撃性があり、屋外での利用にも最適。
- 外付けケース+M.2のSSD(組み合わせが多すぎて紹介できないが、低価格に釣られないことが大切)
- WD_BLACK P10 Game Drive:「USB 3.2 Gen1」に対応し「最大130MB/秒2の速度」の性能。
個人的には、編集作業はMac、保存もMacなので、iPhone用の外付けSSDは使っていません。
が、WD_BLACK P10 Game Drive(6TB)はiPhoneにも繋いでます。外付けHDDとしては凄く高性能で気に入ってます。
お気に入りの外付けHDD
上で紹介したWD_BLACK P10 Game Drive(6TB)が大のお気に入りです。早いし安定しているし。
購入を検討されるなら、WDオンラインストアがいいです。登録しておけば、サービス価格の案内が来たりします。
外付けHDDをUSBハブ経由で接続する場合の注意点
電力供給が必要な外付けHDD
外付けHDDはSSDよりも多くの電力を消費するため、iPhoneにダイレクト接続では十分な電力供給ができない可能性が大きいです。
このような場合、セルフパワー型のUSBハブ(ACアダプタで電力を供給するタイプ)を使用する必要があります。
つまり、ACコンセントに接続しているUSB-CハブにiPhoneと外付けHDDを繋ぐわけです。↓
ここで蛇足かもしれませんが、Macなんかを同じUSB-Cハブに繋いだら、iPhoneはちゃんと外付けHDDを認識できるのか?という疑問について解説しておきます。
Macや他のデバイスがUSBハブに接続されている場合のホストは?
USBハブにMacが接続されている場合、状況に応じて動作が異なります。また、デバイスをつなぎ直すとホストが変わる場合もあります。
ケース1:MacがUSBハブを「ホスト」として動作
この場合はiPhoneではHDDを認識しない可能性があります。
これは、USBハブがMacを優先してデータの管理を行うためです。
ケース2:USBハブが独立したデータ接続を管理
iPhoneもMacもHDDを認識しますが、HDDに対して同時にアクセスできるわけではありません。
つまり、サーバを介して複数人が同時にアクセスして同時にエディットしてということが結構当たり前になってますが、これがができないわけです。
私が使っているセルフパワー型USB-Cハブの紹介
一応名の通っているメーカー品でポートがUSB-Cオンリーというのが気に入っており、価格もそう高くはありません。
尚、この製品のUSB-Cポートは5つですが、そのうちひとつだけ最初から接続コードが付いており、これに繋いだデバイスがホストとして固定されるので、上記の一般的説明とは少し違います。
トラブルシューティング
復習です。
媒体が認識されない場合の対処法
- 媒体がexFAT形式でフォーマットされているか確認。
- 電力不足の場合、セルフパワー対応製品や電力供給可能なUSBハブを使用。
- 「ファイル」アプリで外付けストレージが表示されない場合はiPhoneのiOSバージョンが最新かどうかを確認する。
(おまけ)サードパーティー製アプリを用いたデータ転送方法
使うかどうかはそれぞれのご判断ですが、サードパーティー製のバックアップアプリもあるよ、という紹介をしておきます。
それはバッファローの「写真バックアップ」アプリで無料です。
ダウンロードして初期設定を済ませると、即使えます。
また、その後はUSB-C接続の外付けストレージをiPhoneに接続するだけで、アプリが自動的に写真や動画を検出し、バックアップを開始するようになります。
- 新しいデータのみを検出してバックアップする差分保存機能。
- アプリ内から直接データを確認・復元できる。
というように使い勝手もいいです。
詳しくはバッファローの説明サイトをご覧ください。
バッファロー自体は有名で問題ない企業。そしてアプリも変な縛りがなく非常に使いやすいです。
なので安心は安心。
ただ、サードパーティーはいつアプリが終了するかわかりませんので、もし使われるなら、その点だけ理解しておいてください。
まとめと応用例
iPhoneのストレージ不足は、多くのユーザーが直面する課題です。しかし、外付けストレージを活用することで、この問題を効果的に解決できます。
本記事で紹介した方法を活用すれば、iPhone本体のストレージに余裕を持たせるだけでなく、データ管理や安全性も向上させることが可能です。
iPhoneで外付けストレージを活用する3つのポイント
ストレージ不足の解消
写真や動画を外付けストレージに移動することで、iPhone本体のストレージを空けることができます。この方法は、特に大容量の動画やRAW形式の写真を多く撮影するユーザーにとって有効です。
データの安全な保管
外付けストレージをバックアップ先として利用することで、大切なデータをiPhone内だけでなく外部にも保管できます。これにより、iPhoneの紛失や故障によるデータ喪失のリスクを軽減できます。
複数デバイス間でのデータ共有
外付けストレージを利用することで、MacやWindows PCなど他のデバイスとのデータ共有が簡単に行えます。これにより、iPhoneのデータを簡単に編集したり、他のデバイスで閲覧することが可能です。
応用例:さらに便利な外付けストレージの活用法
旅行や出張時のデータ管理
長期間の旅行や出張では、iPhone内のストレージが不足しがちです。旅行先で撮影した写真や動画を定期的に外付けストレージに移動することで、ストレージ不足を防ぎながら、データを安全に保管できます。
動画編集やクリエイティブ作業
外付けストレージにデータを保存しておけば、MacやPCでの本格的な動画編集や画像加工にすぐに移行できます。特に高解像度データを扱う場合、外付けストレージを経由したスムーズなデータ管理が役立ちます。
家族や友人とのデータ共有
家族の写真や動画を外付けストレージに保存し、そのまま簡単に家族間で共有することができます。特にスティック型SSDは持ち運びに便利で、手軽にデータを渡せます。
クラウドサービスとの併用
iCloudやGoogle Driveなどのクラウドサービスと併用することで、物理ストレージとクラウドの両方にデータをバックアップできます。これにより、データの安全性とアクセス性がさらに向上します。
データ管理をより便利にするポイント
定期的なデータ整理
外付けストレージを使う際には、定期的にデータを整理し、不要なデータを削除することでストレージの効率を高めましょう。
複数の外付けストレージを活用
複数のストレージデバイスを用途別に使い分けると、データ管理がさらに便利になります(例:旅行用、仕事用など)。
外付けストレージを活用することで、iPhoneの使い勝手が格段に向上します。本記事を参考にして、あなたの生活に合った方法でデータ管理を始めてみてください。
コメントを残す