【中国の安すぎる物販会社Temuの実態】低価格の代償は個人情報のリスクか?

Temuとは何か?

Temuは、中国の大手企業PDD Holdingsが運営するオンライン物販プラットフォームで、日用品やファッションアイテムなどを驚くほど安価に提供しています。

消費者に直接商品を届ける「ファクトリー・トゥ・コンシューマー」モデルを採用しているため、中間マージンがカットされ、これが価格を大幅に下げる要因となっています​。

 

価格の魅力とその裏に潜むリスク

Temuの安価な商品は多くの消費者にとって魅力的ですが、品質や実用性の面で多くの不満が報告されています。

例えば、ある消費者が購入した「高評価」とされるスマートフォンケースは、すぐに破損し保護機能を果たさないことが判明。

また、衣類に関してはサイズが異なり着用できなかった、素材が薄すぎて耐久性がないといったレビューもあります。

他には「ベッドのプラグが発火し、家具や壁を焼損させたが、適切な補償がされなかった」といった具体的な事故報告も見受けられます​。

さらに、Temuが個別に小包を発送する配送システムは環境にも影響を及ぼしており、商品が少額であっても大量の小包がCO2排出量を増加させる要因となっています。

これらの問題は消費者の環境意識と相反するものであり、環境保護を重視する消費者にとっては利用に対する大きな懸念です​。

 

個人情報の取り扱いと信頼性:どれだけ危険か?

Temuの信頼性:BBBによる低評価

Temuはアメリカの信頼評価機関「Better Business Bureau(BBB)」から「C評価」を受けていますが、これは主に顧客対応や商品の品質に対する数多くの苦情が原因です。

BBBは1912年に設立されたアメリカとカナダで活動する非営利団体で、企業の信頼性や顧客対応の評価を行っています。

消費者が信頼できるビジネスを選択できるよう、企業に関するレビューや苦情、評価を公開しており、アメリカでは信頼性の指標として広く認知されています。

「C評価」の意味するところ

これは同機関の基準で言えばかなり低い評価にあたります。

BBBは、評価を「A+」から「F」までの9段階で行っており、「C」は「改善が必要で、顧客に満足を提供する点で課題が多い」企業に与えられるものです。

たとえば、「A+」や「A」は信頼性の高い優良企業に付与される一方で、「C」は満足な対応が行われていない企業を示します。

BBBの評価は、企業の対応能力、苦情への処理状況、透明性、サービス品質などを基準にしているため、「C評価」は消費者からの苦情が多く、適切に対応しきれていないことを意味しています。

BBBには過去3年間で3,000件以上、直近1年で1,900件を超える苦情がTemuに関して寄せられており、「配送の遅延」「商品が広告と異なる」「返金手続きの複雑さ」といった内容が多く、顧客対応の不備が指摘されています。

こうした評価や苦情は、Temuの顧客サービスや製品品質に関する問題を浮き彫りにしており、日本の消費者もこれらの問題に注意を払うべきです。

個人情報リスク:Temuアプリの危険性

また、TemuのアプリはBluetoothやWi-Fiネットワークのアクセス権を求める権限があり、必要以上に広範なデータを収集している点が問題視されています。

2024年、アーカンソー州ではTemuが「悪質なマルウェア」として訴えられ、アプリがユーザーのプライバシー設定を無視し、カメラやメッセージへのアクセスまで許可していたとの報告があります​。

こうした事例は他のプラットフォームには少なく、消費者のプライバシーへのリスクが大きいと考えられています。

 

過去のセキュリティ問題とその影響

Temuの親会社PDD Holdingsは、データプライバシーとセキュリティに関する問題を抱えてきました。

特に「Pinduoduo」は、2023年にGoogle Playから削除され、マルウェアが含まれていたという報告がされており、ユーザーの個人情報やデバイスのセキュリティが脅かされる事態が発生しました。

この影響により、Temuに対してもセキュリティリスクの懸念が広がり、米国では複数の州で訴訟が提起されています​

 

安全にTemuを利用するための方法

これだけ注意すべき事実があるにもかかわらず、それでもTemuを利用するのはありえないと考えますが、そこは個人の自由です。

なので、それでもTemuを利用したい場合は、以下の安全対策を取ることでリスクを軽減できるという話を添えます。

  • 仮のメールアドレスを使用してアカウントを作成する
  • プリペイドカードやバーチャルクレジットカードを利用して支払いを行う
  • VPNを利用してIPアドレスを隠し、位置情報の取得を防ぐ
  • ブラウザのクッキーやキャッシュを取引後に削除する​

これらにより、Temuが収集できる情報を制限し、個人情報の漏洩リスクを軽減できます。

 

 

結論:Temuは利用すべきか?

Temuの低価格には確かに魅力がありますが、それは品質やデータプライバシー、環境面でのリスクと隣り合わせです。

もし価格が優先事項で、個人情報のリスクに対する許容度が高い場合、Temuは利用する価値があるかもしれません。

しかし、個人情報や環境に配慮する必要がある場合は、他の選択肢を検討することを強くお勧めします。

Temuは短期的な節約には適していますが、長期的なリスクも伴うサービスであるため、消費者は慎重に利用を判断するべきでしょう。

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中立的に表現すれば上記のようになりますが、「これだけリスクがはっきりしているのに利用するのはいくらなんでも馬鹿げている」と個人的意見を付記せざるを得ません。