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財布を失くして折れてるだけではダメ
あなたは財布を失くしたり盗難にあったりしたことがありますか? 私は人生で一度だけあります。
それは大学生時代、当時付き合っていた彼女とデートしていた日です。ブレザーの胸ポケットに入れていたんですけれどね、それを暑いから手に持っていたのが間違いでした。
どこかでスルッと落ちた財布は、二人でどんなに捜しても見つかることはありませんでした。
今とは違い、手持ち現金は財布の中身がほぼ全てでしたからね。「ショック」なんて生温い言葉では言い表せない絶望的な気分になったのを覚えています。
ただ、財布の中身は現金オンリーだったので、それ以上の被害はありませんでした。結局、彼女が黙って自分のお金を私のポケットに入れてくれたのでなんとかなりました。
さて、今の社会人が財布を落としたり盗難にあったりした場合、大学時代の私の経験とはかなり状況が異なります。なぜなら、財布に入っているものが現金以外にたくさんあるのが普通だからです。
そういう財布がなくなったら、「しょげてしばらく呆然として動けない」ではすみません。どんな精神状態であっても、即やるべきことがあります。
そうしないと現金被害以外にも多くの損害を被る可能性があるからです。それを一刻も早く行動して食い止めなければなりません。
この記事では、財布の紛失・盗難時にやるべきことと、それに加えて付随する事を詳しく解説していきます。
そしてもう一つ、そういう状況になってしまった事から逆に考えて、日頃どういう備えがあればいざという時に役に立つかについても考えます。
そう、愕然として俯いている場合ではないのです。
財布の中身と手続き
財布の中身は一般的には以下のものが入っているでしょう。
- 現金
- キャッシュカード
- クレジットカード
- 交通系ICカード
- ポイントカード
- 免許証
- 健康保険証
これらが丸ごとなくなってしまうのですから、そりゃ大変です。なにが大変かって? その後の手続きが、です。
一つ一つ手続きをしていかないといけません。一括の手続きはないのです。
財布がなくなった時は動転しているし失くしたものは多いし、で訳が分からなくなっているでしょうが、急を要するものから一つづつ手続きします
しかし、盗難ではなく紛失の場合は各種届け出手続きをする前にすべきことがあります。警察に届けるにしても、これをしたか必ず聞かれます。
それが次の話です。
紛失ならまず探す
その日どういう状況であったのかにもよりますが、普通の日常であればいつもの行動パターンでしょう。
盗難ではなく紛失で間違い無いなら、まず探します。
- 自宅
- 自宅から駅の間
- 駐輪場
- 駅
- 途中立ち寄った店
などなど。
探している途中は今日の行動をよく思い出しましょう。どこかで座ったか、どこかで支払いをしたか、どこかで財布の入ったバッグを開けたか、駅やコンビニでトイレに入らなかったか、どこかでバッグを落としたり転けたりしなかったか。
そんなふうに一生懸命探しても、どうしても見つからない時は次の行動に移ります。キーワードは「被害を最小限に」です。
手続きの優先順位
財布が盗難にあったとして、現金以外で一番金銭的被害に短時間で直結するのはクレジットカードとデビットカードです。
即利用できるし、お店にパスワード入力を求められても「サインにしてください」と依頼すれば手書きで済み、難なく買い物されてしまします。
しかも、短時間で大きな金額を買われてしまう可能性もあります。
一方、キャッシュカードも現金被害に合う可能性はありますが、4桁の暗証番号(組み合わせは一万通り)が必要で、しかも3回間違うとロックがかかって使用できなくなります。
したがって、財布に一緒に入っているもの(免許証とか保険証)から類推できなければ、3回以内に正しく4桁を打つことはほぼ不可能です。
元銀行員として思い出すのは、キャッシュカードの暗証番号が殊の外すぐにバレるものが多いことです。ダメですよ!
誕生日は勿論絶対ありえないし、その他ダメなのは・・・
- 同一番号:1111・2222など
- 連番:1234・4321など
- 二組の連番:0101・6969
- 暗証番号パネルの縦列・2580
など、要するに規則性のある番号はダメなのです。絶対ダメです。
もう一つ覚えておいて欲しいのは、大きな事件や話題になった「年」を使うのも危険です。
もし、該当する方はこの際是非番号の変更を真剣に検討してください。
逆に、先に警察署に遺失届・盗難届を出すのが、健康保険証・運転免許証です。
以上の理由から、紛失・盗難手続きの順番は・・・
- 1番:クレジットカード紛失届
- 2番:デビットカード紛失届
- 3番:キャッシュカード紛失届
- 4番:警察への届け出
- 5番:健康保険証と運転免許証の再発行依頼
ということになります。
素早くこの1〜3番を実行してストップをかければ被害は最小限に食い止めることができるはずです。
カード会社と銀行その他への連絡と手続き
諸々述べてきましたように、一番先に連絡すべきはカード会社と銀行です。
遺失届や盗難届が頭に浮かんで警察署が先だと直感するかもしれませんが、そうでないのは前述の通りです。
スマホでパソコンで・・・
- クレジット会社名or銀行名(支店名)
- カード
- 紛失or盗難
と入力して検索すると、対応しているサイトが表示されるので、そこに記されている電話番号に電話します。
もしネット環境がなく電話のみであれば、「104」にクレジット会社名もしくは銀行名と、カード紛失・盗難で使用停止依頼をしたい旨を告げると、該当する電話番号を教えてくれます。
尤も、クレジットカードもキャッシュカードも連絡先はカードの裏面に記されていますので、カード番号とともに電話番号を控えておけば、いざという時に非常に役に立ちます。
代表的なクレジットカードの使用停止依頼用の電話番号
- VISAカード:+1 303 967 1090(でもカード発行会社に直接電話する方が良い)
- 三井住友VISAカード:0120-001-384
- JCBカード:0120-794-082
- Masterカード:リンク先のサイトに発行会社別の電話番号が記されている
- 楽天カード:0120-86-6910
- セゾンカード:0120-107-242(0570-064-107)
クレジットカードの紛失再発行について
電話でのお話をよく聞いて、所定の手続きを行えば、2週間ほどして再発行されたクレジットカードが届きます。
注意点は紛失・盗難でカードが再発行される場合はカード番号が変わるという事です。
なので、クレジットカードで電話料金や公共料金を自動払いしている場合は、番号の変更が必要になります。忘れずに手続きを行ってください。
都市銀行のキャッシュカード利用停止依頼用の電話番号
- 三菱UFJ銀行:0120-544-565(店番と口座番号が分かっている場合はスマホアプリでも可能)
- 三井住友銀行:0120-56-3143(夜間0120-956-999)サイトに登録していればログインしてそこで手続き可能
- みずほ銀行:各店舗の電話番号もしくは0120–415–415(みずほはネット受付なし)
もし登録していなければ、これを機会に検討してみてください。極めて大切です。
というは、紛失・盗難の手続きそのものが、三井住友銀行のようにネットの自分のページでできる場合があるし、口座の入出金明細がいつでも確認できます。
キャッシュカードの利用確認とともに、下に述べるように、紛失・盗難のデビットカードの利用状況もリアルタイムで把握できます。
クレジットカードは、加盟店が出さないと利用内容はネット上の自分のページに反映されないので即時把握はできませんが、それでも利用状況がいつでも一覧で見れるので、やはり登録して自分のページを作っておくべきです。
デビットカード
デビットカードはクレジットカードとは違い、使った瞬間にその代金が口座から引き落とされるカードです。
なので、もしこの種のカードを紛失・盗難の場合は、急いでロックの依頼をしなければなりません。
基本的には普通預金の残高一杯まで使えるので、しかも即口座残に響くので本当に急ぎます。
ただ、国内で盗難利用された場合はだいたい50万円〜100万円の範囲で保証されることにはなっています。
しかし、これを使うんならクレジットカードの方が管理面からもいいと個人的には思います。
定期券
定期券も特に6ヶ月期間のものは金額も大きいし、これの紛失・盗難も限りなく痛いです。
なので当然、駅で届け出をするのですが、その前に知っておく必要があることを述べます。
定期券には次の二種類があります。
- 磁気式定期券・・・定期券に顧客情報が入っておらず、使用停止も再発行もできない。
- IC定期券・・・ICOCA定期券やSUICA定期券は残高やその他個人情報をカード内に保有しており、紛失手続きをすることで申し出人の本人確認ができるので、現カードの使用停止と新カードの再発行ができる。
IC定期券は再発行が可能です(再発行完了と同時に旧カードは無効になる)、仮に失ったのが磁気式定期券であったとしても紛失届けは必要です。なぜなら、紛失以後新しい磁気式定期券を購入していても、もし見つかった場合は日数に応じた払い戻しが受けられるからです。
健康保険証
警察に届け出をした上で・・・
- 国民健康保険:管轄の市役所(区役所)で再発行手続きをする
- その他健康保険:会社員なら勤務先の関連部署に再発行のお願いをする
健康保険証は身分証明として金融関係のトラブルの元になる可能性があります。例えば、サラ金契約とかクレジットカード作成なんかですね。
スマホ契約の際の身分証明なんかにも使われます。
ですから、そういうことをされる場合に備えて二重被害に遭わぬようにしなければなりません。
ところが、保険証の業務先である役所や協会では、紛失・盗難の届け出という概念がありません。ただ、再発行をしてくれるだけです。
ですから、先に警察署で届け出をする必要があるのです。(適切に警察に届けていれば無効を主張できる)
運転免許証
健康保険証と同様の理由で先に警察署に届けておく必要があります。
その上で再発行の手続きを行います。手続き場所は・・・
- 警察署
- 運転免許試験場
- 運転免許センター
のいずれかになります。が、都道府県によっては警察署が取り扱っていない場合もあるので、事前に、例えば警察に遺失・盗難届を出す際に確認しておいた方がいいです。
警察への届け出
クレジットカード会社と銀行の手続きが終わったら警察への届け出を行います。
交番や駐在所は最小人員で仕事をしているので、もし警察署に行けるならその方がいいと個人的には思います。
そして、受け付けてもらったら、必要になるかもしれないので受理番号を確認しておいてください。
他人に盗み取られた場合には盗難届を出します。そうでない場合は遺失届を出すことになります。
しかし、その違いは微妙で、よくわからない部分があります。
警察のサイトでは「カフェのトイレに財布を置き忘れて、1日経過したあと、取りに戻って見るとなくなっていた」というケースは、盗難届ではなく遺失届として出すのがふさわしい、と述べられてます。
そうですか? 失くなっている以上は盗まれた可能性も高く、防犯カメラなどの確認も必要かもしれないと思うのですが。
この点を踏まえ、実際に電話で警察の総合相談窓口に確認をしましたが、極めて不親切且つ不明瞭でよくわかりませんでした。
以上のようなことから、対応した警察官の判断によるところが大きいのではないか、というのが私の結論です。
手続きに行った時に事情を話して、どちらを出すかは警察官の判断に任せるしかないでしょう。
遺失届
届け出用紙の様式は各都道府県の警察によって違います。ここでは、大阪府と三重県を例としてあげておきますので、要記載内容について参考としてください。
盗難届
一方、盗難届は国の犯罪捜査規範により様式が定められていますので、こちらも事前に記入項目を見ておいてください。
以上で、紛失・盗難と届け出に関するお話は終わりです。最後に、日頃からの管理の重要性についてお話しします。
記号番号管理の重要性
ここまで記事を読まれて何か感じたりしたことはありませんか?
実はこれからここに述べることがこの記事の中でも非常に大切な部分です。それは、紛失・盗難被害に遭う前に日常的に行っておくべきことのお話です。
実際に被害・盗難届を書く時に、失くしたもの、つまり各種カード類、健康保険証、運転免許証などの記号番号を書けますか?
全く不可能でしょう!? 何故? 答えは簡単、そんなもの、誰も覚えてはいないからです。ですよね。
じゃあ逆に、スラスラとこういうものが記入できればどうですか? 受けつける側は本人特定に大きく役立つし、申し出人を信頼できますよね。
紛失や盗難の時だけではなく、何かの届け出時に必要な記号・番号はいっぱいあるでしょう。
私は台湾によく旅行するのでパスポート番号などはしょっちゅう使います。もちろん覚えてはいません。
では考えましょう。どうすれば記号や番号がすぐに出てくるでしょうか? 答えは一つ、日頃の管理をキチッとしておくことです。
最適な方法は人によるかもしれないので、ここでは私がベストだと思い長年実行している方法をご紹介します。
1Password
ありとあらゆる記号番号を保管保護してくれるアプリが1Passwordです。
私はこのアプリの中で、各種カード・健康保険証・運転免許証・パスポートの記号番号を保管し、且つ、自分が登録しているログインが必要なすべてのサイトのパスワードも保管しています。
このアプリの優れているところは・・・
- 高度な暗号化で高いセキュリティシステムを実現している
- Mac・iOS・Windows・Android・Linux・Chrome OSに対応同期しており、何時でもどこからでも確認ができる
- 高度なパスワードを自動生成してくれる
- 登録しているサイトに記号番号を入力することなく、1Passwordから一発で入ることができる
- 海外に出る時など、特に重要な記号番号は一時的に消すことができる(勿論即再現可能)
以上のように、これさえあれば出先でカードなどの記号番号が必要になっても、自分のスマホからすぐに確認することができます。
また、ネット上に記号番号を入力するためにクレジットカードやパスポートが必要になった時でも、一々現物を用意する必要はなく、1Psswordを開けばすぐに入力できます。
そうはいえ、管理ソフトは絶対に1Passwordである必要はないです。他の類似製品もたくさんあります。
ただ、敢えて1Passwordを推すのは2005年創業と歴史が長く、着実に安定して発展してきており、信頼実績が十分にあるからです。
ぽっと出の企業の製品を使っても、僅か数年に潰れたりしたら面倒なだけです。
いかがですか、すべての番号記号を一元管理することの重要性がわかっていただけたでしょうか。ここでしっかりと管理すれば、もう自分の記号番号で困ることはありません。
是非、その意味価値を理解して導入してください。課金がありますが月額にして300円ほどです。こんなところで渋る理由はありません。
この管理方法はリスクがある? 確かに。しかし、それを言えばスマホを持ち歩くことが、もう十分にリスキーです。
大切なことは1Passwordが求めている運用ルールを守ることです。それで格段にリスクは低下します。
1Password – Password Manager
AgileBits Inc.無料posted withアプリーチ
まとめ
この記事では、財布が紛失・盗難に遭った時の対処の順番と詳しい方法、そしてそれぞれの時の心得、更に、日頃の記号番号管理の大切さについてご説明してきました。
だれも大切な財布の被害に遭いたいなんて考えているはずがありませんが、それでも遭う時は遭います。
ですから、そういう可能性がある以上、普段から心得は持っておくべきで、そういう意味においてこの記事は価値があると考えます。
それから、本文中には書きませんでしたが、カード類の再発行には必ずではないですが手数料のかかるケースが多いです。キャッシュカードやクレジットカードは1,100円程度で、運転免許証は3,500円かかります。
最後に、記号番号管理について、この時点で未だ軽く考えているのなら再度同章を読んで理解してください。これほどくどく申している理由を考えてみてください。
そうは言え、願わくば誰もそんな不幸に見舞われませんように!!
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