離婚後の共同親権とは? 日本の家族法の新たな試み



藤原
日本の家族法は、社会の変遷と共に新たな転換期を迎えています。特に注目されるのは、離婚後の共同親権の導入に向けた動きです。
真依
これまでの単独親権制度は、沢山の課題を抱えていて、社会情勢の変化に対応するための見直しが求められています。
藤原
この記事では、共同親権導入の提案、家庭裁判所の役割、DVや虐待問題といった懸念、面会交流と養育費の新規定等について探ります。
梨紗
これらを通じて、日本の家族法がどのように進化していくのか、そしてそれが子どもたちや社会にどのような影響を与えるのかを一緒に考えましょう。

 

現行制度の限界:単独親権の問題点

親権を持てない親と子の接点と養育費問題

世界各国との比較では、日本の離婚率は特段高いとは言えません。しかし、それでも毎年少なくない件数の離婚が発生していることは事実です。

離婚率の高い国と低い国

数値の単純比較は問題も有るので、あくまでも参考程度です。

高い国

  • アメリカ:2.28
  • スウェーデン:2.28
  • エジプト:2.21

低い国

  • ペルー:0.17
  • メキシコ:0.73
  • ベトナム:0.22

・・・

日本:1.5

そして、日本における単独親権制度は、沢山の問題を内包しています。

その結果、今の制度の下では、非監護親と子どもの間の関係が希薄化する傾向があり、子どもの心理的安定性に悪影響を与えることが指摘されています。

例えば、離婚後に親権を得た親と子どもの関係は維持されるものの、親権を持たない親との関係が急速に悪化し、子どもが精神的なストレスを受ける事例が報告されています。

また、単独親権が決定した後の養育費の不払い問題も深刻で、子どもの経済的な安定が脅かされることも少なくありません。

これが本当に最悪で、なんと不払い率は7割を越えており、最早異常と言うべきではないですか?

共同親権実施国の例

一方で、国際的な比較データを見ると、共同親権を導入している他国では、離婚後も子どもが両親との関係を維持しやすいというデータがあります。

たとえば、オーストラリアやスウェーデンなどの国々では、共同親権制度により離婚後も子どもが両親と均等に時間を過ごすことが促進され、子どもの心理的な安定に寄与しているという報告があります。

離婚率とは?

私は「既婚総数の内の(一年間の)離婚総数」だとばかり思ってました。

しかし、実際に各国が算出をするために使う算式は、

  • 離婚率 = 年間離婚届出件数/人口 × 1,000

なのですよ。

つまり離婚率とは、既婚者がどれくらい離婚したかを見るものではなく、離婚がどれだけ人口に対して頻繁に発生しているかを示す指標なのです。

今は、理屈の上では理解していますが、まだ、感覚的には納得できていません。あなたはどうでしょう?

 

法改正への道筋:共同親権導入の提案

親権の形態

離婚後共同親権導入に向けた法改正の提案は、日本の家族法の根本的な変革を目指しています。

法制審議会による最近の動きは、離婚後の親権に関する現行の単独親権制度を見直し、共同親権の導入を検討しています。

この改正案は、離婚後も父母が子どもの親権を共有し、共同で育児に参加することを可能にするものです。

提案されている離婚後共同親権制度では、

  • 父母が協議を通じて親権の形態を決定する
  • 協議不成立の場合は家庭裁判所が親権者を指名する

これにより、子どもの最善の利益を考慮しながら、より柔軟に親権の形態を決定できるようになるとされてます。

共同親権の弊害と対策

また、DVや子どもへの虐待がある場合には、子どもの安全を最優先に考え、単独親権を維持するという規定も盛り込まれています。

このような状況を考慮することで、子どもの福祉と保護を確保するとともに、親権制度の悪用を防ぐことが可能です。

共同親権の導入は、日本の家族法における大きな一歩であり、父母双方の子どもに対する責任と権利を強化することを目指しています。

しかしながら、この新しい制度の実効性には、法の運用と社会的なサポートが鍵となります。

 

国際社会の圧力と日本の家族法:世界との乖離とその影響

離婚後無断で子を日本に連れ帰る

日本の単独親権制度は、もう長い間国際社会からの一定の圧力を受けています。

多くの主要先進国では、共同親権が一般的な親権形態として採用されており、日本の制度はこれらの国々と異なる独特のものとされています。

特に、国際結婚が増加する中で、

  • 離婚後に子どもを一方の親が連れ去る事例

が問題視されていることが、単独親権制度に対する批判を加速させています。

海外の共同親権

海外では、離婚後も両親が子どもの養育に共同で関与することが一般的であり、政府による養育費の自動的な天引きなど、養育費に関する具体的な制度が整備されている国も多いです。

このような国々では、離婚後も父母が協力的な関係を築き、子どもと交流を持ち続けることが社会に浸透しています。

日本の単独親権制度と国際基準との乖離は、日本の家族法改正に対する外圧の一因となっており、特にハーグ条約など国際的な枠組みとの整合性を求める声が高まっています。

外圧と法整備

この国際的な圧力は、日本の家族法の見直しを促進する重要な要因となっており、離婚後共同親権の導入に向けた法改正の動きに影響を与えていると考えられます。

今後益々国際結婚が増加するでしょうし、離婚して日本人元妻が勝手に子を日本に連れ帰るなんて状況が続いていては、そりゃ「いいかげんにしろよ」とはなるでしょうね。

ですが、いつまでたっても外圧頼みって何か違うと思うのですが。一応、日本も世界の先進国の一つでしょう?

 

家庭裁判所の新たな役割と判断基準

家裁の判断基準は子供の利益

離婚後共同親権制度の導入に伴い、家庭裁判所の役割と判断基準は重要な変化を迎えることになります。

これまでの単独親権制度の下では、家庭裁判所の役割は限定的でしたが、共同親権の導入により、親権決定における裁判所の役割がより重要になります。

特に、両親が親権の形態について合意に至らない場合、裁判所が子どもの最善の利益を考慮して親権者を決定することが求められます。

  • 離婚した場合の親権が単独か共同かは原則父母が協議して決める
  • 協議が不可能な場合若しくは協議不調な場合は家裁が判断する

家庭裁判所は、親権の決定に際して、子どもの意見や状況をより深く考慮し、子どもの福祉を最優先する必要があります。

特に家裁の判断として、

  • DVや虐待のリスクがある家庭は子どもの安全を確保するために単独親権選択が可能
  • 面会交流や養育費に関する決定も子どもの利益を中心に判断
  • 共同親権制度の下での新たなガイドラインや基準を確立するための役割もある

また、養育に携わる機会のある祖父母なども、面会交流を求める審判を請求できることになります。

これらは、離婚後共同親権制度の実効性を高め、子どもの最善の利益を確保するために不可欠です。

しかし、こういった内容が決まったとして、家裁にはそれを処理する能力があるのでしょうか? この点が心配です。

 

共同親権に対する期待と懸念:DVと虐待問題の視点から

離婚後共同親権のメリット・デメリット

離婚後共同親権制度の導入には大きな期待とともに、特にDV(ドメスティック・バイオレンス)や子どもへの虐待という観点からの懸念も存在します。

離婚後共同親権のメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 子どもが両方の親と交流でき精神的な安定を保ちやすくなる
  • 国際的に多くの国で導入されており国際離婚問題に対応しやすい環境が整備される
  • 両親共に養育に関わることが子どもの心身成長の非常大きなメリット

一方、離婚後共同親権のデメリットとしては、以下の問題点が考えられます:

  • 親間で意見がぶつかり子どもが両親の板挟みになる可能性あり
  • DVやモラハラが離婚原因の場合、共同親権は子どもの更なるストレス源になる可能性が

 

離婚後共同親権の実現を目指して

さて、先程から申してますように、国際的な視点からは、日本以外の多くの先進国では離婚後も共同親権が認められています。

例えば、イタリアやドイツ、フランスなどでは共同親権が導入されており、子どもの福祉を優先する観点から支持されています。

日本の現行制度とこれらの国々の制度を比較すると、離婚後共同親権の導入がもたらす可能性の大きさが浮き彫りになります。

離婚後共同親権制度の導入には、

  • 親権争いを避けるための法的な枠組みの整備
  • 家庭内の平和を保つための支援体制

などが必要です。

このような懸念に対処することで、離婚後共同親権制度は子どもの福祉を高め、家庭の安定に寄与することが期待されます。

 

子どもの最善の利益:面会交流と養育費の新規定

面会交流

離婚後共同親権制度の下で、子どもの最善の利益を保護するためには、面会交流と養育費の問題が重要な位置を占めます。

改正案では、これらの問題に対する新しいアプローチが提案されています。

面会交流に関して、改正案は、離婚後も子どもが両親と定期的に交流を持つことを促進する方向での変更を提案しています。

家庭裁判所は、調停中であっても、試験的に面会交流を行うことを促すことができるようになります。

これは、離婚後の親子関係の維持と子どもの心理的な安定を図るための重要なステップです。

ただし、DVや虐待のリスクがある場合は、これらの面会交流は行われないよう配慮されています。

DVを見抜けず面会を強要する判決

タイトル通りの事が現実に起こっています。

DV元夫の面会要請を、子も元妻も拒否しているにも関わらず、裁判所が認めてしまうケースがあります。

最後の砦とも言うべき裁判所がこういうミスをしていては、「共同親権」なんて、もっと怖くて反対する人たちがなくならないのも当然です。

被害にあっておられる親御さんは、兎に角証拠集めを怠らないでください。

録音・録画・写真、病院の診断書など。

自分たちを守れるのは結局自分たちなのです。

養育費

養育費に関しては、支払いが滞った場合に優先的に財産の差し押さえができるようにするとともに、「法定養育費制度」の導入が検討されています。

これにより、養育費の不払いを防ぎ、子どもの経済的な安定を保障することが目指されています。

養育費の支払いは、子どもの物質的な福祉を確保するための重要な要素であり、親が離婚後も子どもに対する経済的責任を果たすことを保証するものです。

これらの新規定は、共同親権制度の下での子どもの最善の利益を守るための重要な要素であり、親子関係の健全な維持と子どもの福祉の向上に寄与することが期待されます。

ただ、本格的な議論はこれからであり、まだどういう形になるのかは、今の時点ではわかりません。

養育費を離婚成立要件にしづらい理由

養育費の取り決めをしない離婚も多く、また、取り決めをしても、非監護親(直接子供の面倒を見ない側の親)が2〜3回だけ支払いをして音信不通になったりするケースが多くあります。

現実がそうであるならば、養育費に関する定めを離婚の成立要件として、そこがきちんとしてなければ、離婚を役所が受け付けないとすることも制度としては考えられます。

また、これが正しいようにも思えます。

しかしもう一歩踏み込んでみると、例えば、父母が離婚に合意していても、養育費に関する事項で揉めて収束の見込みがないケースが考えられます。

このケースで、子を引き取る母が早期の離婚を物凄く望んでいて、やむなく、養育費の金額や期間を著しく不適切な条件で目を瞑る可能性があります。

これは、子の利益に反する行為です。

そもそも、婚姻中のモラハラやDVなどが原因で、父母の話合いが出来なくて、家裁に調停申請すら出来ないケースもあります。

こういった諸々に配慮するならば、養育費を離婚の成立要件とするではなく、代わりに、離婚は成立させるが「法定養育費」を導入して、これを縛りとしようという発想です。

 

日本の家族法の未来:社会の変化と法の進化

日本の家族法は、社会の変化と共に新たなステージへと進化しています。

離婚後共同親権制度の導入は、この進化の中心的な部分であり、現代社会の多様な家族の形に対応するための重要なステップとなります。

法制度の改正は、単に法律の文字を変更するだけでなく、社会の基本的な価値観や態度に影響を及ぼし、新しい家族の形態を社会的に認め、支持する動きを加速させます。

離婚後共同親権制度の導入により、子どもの最善の利益をより効果的に保護することが可能になります。

この制度は、離婚後も父母が子どもの育成に共同で関与することを促進し、子どもに安定した家庭環境を提供するための枠組みを整備します。

また、法改正によって、DVや虐待の問題に対してより敏感に対応することが可能になり、子どもの安全を守るための法的保護を強化します。

しかし、法律の変更だけでは十分ではなく、離婚後共同親権制度の成功は社会全体の理解と協力に依存します。

親権問題における教育、意識向上、および家庭内の対話促進など、法律以外の側面も重要です。

法律の運用、家庭裁判所の対応、関連する社会サービスの質と範囲も、この新しい制度の成功には不可欠です。

離婚後共同親権制度の導入は、日本の家族法における大きな一歩であり、社会の変化に適応し、子どもの最善の利益を中心に据えた家族法の進化を示しています。

今後も、法改正と共に、社会の意識と行動の変化が求められるでしょうね。

毎度そうですが、今回の件も、法案そのものに反対、まるごと反対、という姿勢で舌鋒鋭く反対そのものが目的のような人たちがいます。

しかし「離婚後共同親権」の議論は大切ですよ。真正面から幅広く議論する姿勢は大事ですよ。

いずれにしましても、日本の将来が子たちにとってより良い社会となることを願っています。

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