
- iPhoneで連絡先を1件ずつ、すばやく共有する方法
- 複数の連絡先をまとめて共有する方法
はじめに:この記事で得られること
iPhoneで連絡先を共有したい場面は、日常の中で意外と多くあります。
名刺代わりに自分の情報を相手に伝えたいとき、友人や家族に連絡先をまとめて渡したい時など、状況によって最適な方法は変わります。
「とりあえずAirDropで送ればいいのでは?」と思いがちですが、実際には、
- 相手のデバイス環境(iPhoneかAndroidか)
- 共有したい連絡先の数(1件か、複数か、大量か)
といった条件によって、使うべき手段は大きく違ってきます。
この記事では、そうした利用シーンごとに分けて最適な方法を紹介していきます。
1件の連絡先を素早く共有したいなら
ちょっとした自己紹介や、仕事相手への連絡先交換。そうした場面では「1件の連絡先をすぐに渡せる方法」が求められます。
ここでは、iPhoneで最も手軽かつ確実な3つの手段を紹介します。
NameDrop:iOS 17以降の新機能
近づけるだけで情報を共有できるのが、iOS 17で導入されたNameDropです。
手順
- 2台のiPhone(またはiPhoneとApple Watch)の上部を数センチ近づける
- 自動的に自分の「連絡先カード」が画面に表示される
- そこで 電話番号またはメールアドレスをタップ して共有対象を選ぶ
- 画面下部に表示される 「共有」ボタンをタップ
- 共有が完了したら 「完了」をタップ
メリット
- 手間がほとんどかからない
- 情報の受け取り手を確実に特定できる
注意点:登録済みの連絡先更新には使えない
既に登録済みの連絡先を更新したり、最新情報に自動で上書きする仕組みはありません。
たとえば、相手が電話番号を変えたので「NameDropで新しい番号に更新しよう」と思っても、既存の連絡先が自動で書き換わることはなく、新しい連絡先カードとして追加されるだけです。
AirDrop:近距離で確実に渡す
もし相手がAppleユーザーであればAirDropも非常に便利です。NameDropより前からある定番の共有手段です。
手順
- 「連絡先」アプリを開き、共有したい人を選ぶ。
- 画面下部の「連絡先を送信」をタップ。
- 表示された送付用の連絡先カードで不要な項目のチェックを外し「完了」をタップ。
- 画面下部に出た共有ウインドウで「AirDrop」をタップし相手を選ぶ(相手側で承諾すれば送信完了)。
AirDropの一般的な使い方は以下のAppleの解説動画で確認してください。
メリット
- 写真やファイルと同様に暗号化されて送れる
- インターネット接続が不要
事前設定と距離に関する注意点
- 相手の受信設定が「連絡先のみ」や「全員」に切り替わっていないと届かない
- 数メートル以内の近距離でないと使えない
メッセージやメール:相手がAndroidでもOK
もし相手がAndroidやPCを使っている場合は、メッセージやメールで連絡先カードを送るのが最適です。
手順
- 「連絡先」アプリを開き、共有したい人(相手に送りたい人)を選ぶ
- 画面下部の 「連絡先を送信」 をタップ
- 送付内容が表示されるので不要な項目のチェックを外し 「完了」 をタップ
- 表示された共有メニューから メッセージやメール を選び送信先を指定して送信
メリット
- Apple以外の端末にも送れる
- 遠方の相手にも対応可能
ファイル形式と更新に関する注意点
- 送られるファイルは「vCard(.vcf)」形式で相手の端末環境によって表示形式が変わる
- 送信後に連絡先の内容をを更新しても当然ながら自動では反映されない
まとめますと、、、
- Apple同士で最新環境ならNameDrop
- 近距離で確実に渡すならAirDrop
- 相手がAndroidやPCならメッセージ/メール
と覚えておきましょう。
次章では、より実用的なニーズである「複数の連絡先をまとめて共有・移行する方法」を解説していきます。
複数の連絡先を一度に共有・移行したいなら
1件だけでなく、複数の連絡先をまとめて相手に渡したい場面は多くあります。
例えば、職場の同僚リストを一括で共有したい場合や、新しいiPhoneに機種変更するときに移行したい場合などです。
連絡先リストを作成して書き出しメール送付する
iPhoneの「連絡先」アプリでは、複数の連絡先をまとめたリストを作成できます。このリストをエクスポートすれば、一括で相手に送ることが可能です。
少し手順は長いですが、実際に手順に沿って作業をすれば、ほぼ迷いなく問題なく進めるはずです。
新しい連絡先を作成して、その中に送付したい人たちの情報を入れ、これを書き出してファイル化し、メール送信するという流れです。
手順
- iPhoneの「連絡先」アプリを開く
- リスト画面が表示されていない場合は、画面左上の 「< リスト」 をタップ
- リスト一覧画面の右上の 「リストを追加」 をタップ
- 表示される選択肢から 「iCloud」 を選び名前をつける
- リスト一覧に今作成したリストが表示されているのでタップする
- 画面中央下の 「連絡先を追加」 をタップする
- 加えたい連絡先を複数選択し右上の 「完了」 をタップする
- リスト一覧に戻り、今作成したリスト名を長押しする
- 表示された選択肢から 「書き出す」 をタップし、右上の 「完了」 を押す
- 共有方法の一覧から 「メール」 を選び送信する
メリット
- 複数の連絡先をまとめて一度に渡せる
- vCard形式なので多くの端末で読み込み可能
補足:大量の連絡先を常に最新で共有したい場合
この記事の本題とは直接関係しませんが、数百件規模の連絡先を常に最新版で複数人と共有したいケースについて参考までに触れておきます。これはiPhoneを持つ個人利用ではなく、会社や学校などの組織単位での利用を想定したものです。
iPhone標準機能では「常時同期して全員に最新を反映する」ことはできません。
そうしたニーズがある場合は、Google WorkspaceやMicrosoft 365といった外部サービスを使って連絡先を一元管理し、権限を持つメンバーが更新を行うのが一般的です。
個人利用の範囲では、必要に応じて最新リストを再送するのが現実的で安全です。
よくある質問 Q&A
ここまで紹介してきた内容をQ&A形式でおさらいしましょう。
Q1. iPhoneの連絡先をまとめてLINEで送れますか?
LINEにはiPhone標準の「連絡先共有」機能が直接組み込まれていません。そのため、まず連絡先をvCardファイルとして書き出し、それをトークに添付する形になります。
ただし、相手の端末環境によっては読み込みがうまくいかない場合があるため、確実に届けたいならメールやAirDropを使う方が安心です。
Q2. NameDropとAirDropの違いは何ですか?
NameDrop:iOS 17以降の新機能。主に「新しい連絡先を1件交換する」ための手段で、端末を近づけるだけで素早く共有できる。
AirDrop:古くからある機能。写真やファイルと同じ仕組みで「連絡先カード」を共有でき、渡す項目を取捨選択できる。近距離限定だが、柔軟性は高い。
Q3. 相手がAndroidの場合はどうすればいいですか?
最も確実なのはメールやSMSで連絡先カード(vCard)を送る方法です。相手は添付ファイルを開いて電話帳に登録できます。
複数件をまとめて渡したい場合は、第3章で紹介したように、連絡先リストを作成して書き出しし、そのvCardを送れば対応できます。
Q4. 連絡先を共有するとき、プライバシーが心配です。
iPhoneの共有機能は送信前に「どの項目を渡すか」を選択できます。電話番号だけ、メールだけ、といった限定が可能です。
さらに、NameDropやAirDropは相手が承諾しない限り共有されない仕組みになっています。
このため、勝手に情報が流れることはなく、安心して利用できます。
Q5. 大量の連絡先を常に最新状態で共有することはできますか?
iPhoneの標準機能では「常に最新版を他人と自動で同期する」ことはできません。これはプライバシーやセキュリティ上、個人利用では避けるべき仕組みだからです。
なお、これはこの記事の本題から外れますが、会社や学校など組織であれば専用のサーバや外部サービスを利用してメンバー全員で最新の連絡先を共有する仕組みを導入することもあります。
個人利用では、更新があるたびに最新のリストを送り直すのが現実的で安全です。