目 次
設定の見直しが大切なわけ
iPhoneは「設定次第」で大きく変わる

iPhoneは買ったそのままでも十分便利に使えますが、実は、設定を見直すかどうかで、快適さや安全性が大きく変わります。
通知に振り回されてストレスを感じたり、知らないうちに電池が減っていたり、位置情報が意図せず共有されていたり・・・。
これらの多くは「設定を少し調整するだけ」で防ぐことができます。
本記事の目的
本記事では【iPhoneの設定】に注目し、「絶対に見直したいおすすめ20選」を厳選して紹介します。
対象となる読者は以下のような方です。
- iPhoneを買ったばかりで、まず何を設定すればいいのかわからない
- 通知や電池の減り、プライバシーなど、日常で小さな不満を感じている
- 安全に、そして効率よくiPhoneを使いこなしたい
単なる小技紹介ではなく、「快適さ」「安全性」「使いやすさ」の観点で、本当に役立つ設定をまとめています。
本記事でわかること
これからご紹介する設定を見直すことで、次のような効果が期待できます。
- バッテリーの持ちが改善する
- 不要な通知に邪魔されず集中できる
- 個人情報やプライバシーが守られる
- 機能を効率よく活用できる
つまり、「iPhoneを持っているのに十分に使いこなせていない」と感じている人にとって、最短で理想の使い心地に近づけるのがこの記事の狙いです。
記事の構成について
本記事は、基本から応用までステップを踏みながら進めます。
まずは必ず押さえておきたい基本設定、次に快適さを向上させる通信・バッテリー系の設定、さらにセキュリティやプライバシーを守る権限管理へと続きます。
設定アプリを開いて、この記事を読みながら設定操作を重ねるとよいです。
基本設定(まずこれだけはやっておきたい)
なぜ「基本設定」が大事なのか
iPhoneを手にしたら、まず最初に見直すべきなのが「基本設定」です。
これらは派手な機能ではありませんが、端末の安全性や日常の使い勝手を根本から左右するものです。
ここをしっかり押さえておくことで、安心してiPhoneを使える土台が整います。
パスコード/Face ID/Touch ID の設定
最初に取り組むべきは、端末ロックの強化です。
- 設定 > Face ID と パスコード
Face IDやTouch IDは、パスコード入力の手間を省くだけでなく、不正利用を防ぐ最前線となります。
特に注意すべきは「簡単すぎるパスコード」を避けること。
「123456」や「0000」などは一瞬で突破されてしまいます。6桁以上、できれば英数字混合のパスコードを設定することが望ましいです。
パスコードに関するAppleの説明
「iPhoneを探す」で盗難・紛失対策
紛失や盗難時の保険として必ずオンにしておきたいのが「iPhoneを探す」。
- 設定 > Apple ID (設定の中の一番上) > 「探す」→「iPhoneを探す」をオンにする
万が一iPhoneを落とした場合、地図上で位置を確認したり、遠隔でロック・初期化ができるため、個人情報流出を防ぐ最後の砦になります。
「探す」に関するAppleの説明
通知プレビューの制御
通知のプレビュー(メッセージ内容がロック画面に表示される機能)は便利ですが、時にのぞき見のリスクにもなります。
プレビューの表示はロックを解除したときのみにしておきましょう。
- 設定 > 通知 > プレビューを表示 >「ロック解除時のみ」を選択
通知機能に関するAppleの説明
集中モードと通知制御
通知の洪水に悩まされている人は少なくありませんが、そんな時に役立つのが「集中モード」です。
仕事中は業務関連アプリだけ、睡眠中は最低限の通知だけ、というように状況ごとに通知を最適化できま、これにより、作業効率が上がり、ストレスが減少します。
- 設定 > 集中モード
集中モードに関するAppleの説明
ここまでの4つの基本設定を整えるだけで、iPhoneは格段に安心して使えるようになります。
- 不正アクセスを防ぐ
- 紛失・盗難時も情報を守れる
- プライバシーを守れる
- 通知を整理し集中できる
この基盤があるからこそ、次章で紹介する「通信・バッテリーの最適化」や「プライバシー強化」の設定がさらに活きてきます。
通信・バッテリー最適化設定
なぜ通信とバッテリーを最適化する必要があるのか
iPhoneを使う上で、
- 電池がすぐ減る
- 通信量が気づかないうちに膨らむ
という悩みはよく聞かれます。
これらは設定を少し見直すだけで大幅に改善できます。特に日常的に外出先で使う人にとっては、通信とバッテリーの最適化は快適さに直結します。
バッテリー残量を数値表示にする
iOS 16以降では、ステータスバーにバッテリー残量を「%表示」できるようになりました。
- 設定 → バッテリー →「バッテリー残量(%)」をオン
体感ではなく数字で把握できるため、充電のタイミングを逃さず、モバイルバッテリーの利用計画もしやすくなります。
バッテリー残量設定に関するAppleの説明
低電力モードを活用する
バッテリーが減ったときに頼りになるのが「低電力モード」です。
- 設定 → バッテリー → 電力モード →「低電力モード」 をオン
これで、バックグラウンド更新や自動ダウンロードを抑制し、消費電力を減らしてくれます。
一時的に性能を抑える代わりに、残り10〜20%でも数時間持たせることが可能です。特に外出先や旅行中には必須の設定です。
低電力モードに関するAppleの説明
バックグラウンド更新を制御する
アプリが裏で通信を続けていると、電池も通信量も無駄に消費します。
- 設定 → 一般 → アプリのバックグラウンド更新 → 「アプリのバックグラウンド更新」を「Wi-Fi」に設定
その上で、下に表示される全アプリの一つ一つについて、オンかオフを設定します。SNSや地図アプリは必要でも、ゲームや通販アプリは必ずしも常時更新する必要はありません。
Wi-Fi自動接続と安全設定
iPhoneは、一度接続したネットワークに自動的に再接続しますが、初めてのフリーWi-Fiには自動では繋がりません。
設定 → Wi-Fi 内の設定項目は3つで以下のとおりです。
- 「Wi-Fi」:「オン」にして通信を許可
- 「接続を確認」:「通知」にして新規Wi-Fi接続を手動確認
- 「インターネット共有へ自動接続」:「しない」にして誤接続を防止
モバイル通信の節約設定
データ通信量を抑えるには、まず「設定 → モバイル通信」を見直しましょう。
この画面では、アプリごとの通信許可を切り替えられるほか、「Wi-Fiアシスト」や「iCloud Drive」も個別にオフにできます。
特にWi-Fiアシストをオフにすると、Wi-Fiが不安定なときに勝手にモバイル通信へ切り替わるのを防げます。
また、iCloud Driveをオフにしておけば、外出先での自動同期が止まり、通信量を大きく節約できます。
プライバシー・権限管理
iPhoneは便利=情報も集めやすい
iPhoneはとても便利な反面、アプリやサービスが多くの個人情報にアクセスできる仕組みになっています。
位置情報や連絡先、写真、マイク、カメラなど、利用者が意識しないうちにアプリが必要以上のデータを収集していることがあります。
ここでは、安心して使うために見直しておきたい基本のプライバシー設定を整理します。
アプリのアクセス権を見直す
- 設定 → プライバシーとセキュリティ
この中では、位置情報・連絡先・写真・カメラなどの項目ごとに、どのアプリがアクセスを許可されているか確認できます。
ここから各項目の不要なアクセスを制限しましょう。特に注意したいのは次の項目です。
- 位置情報サービス:地図アプリなど必要なもののみ「アプリ使用中のみ許可」に設定
- 写真・カメラ:SNSや画像加工アプリは「選択した写真のみ」推奨
- 連絡先・マイク:利用目的が明確なアプリ以外はオフ
これらを定期的に確認しておくことで、不要なデータ共有を防げます。
アクセス権に関するAppleの説明
Appのトラッキング要求を制御する
アプリの多くは、広告配信や分析目的で利用者の行動を追跡します。
- 設定 → プライバシーとセキュリティ → トラッキング →「アプリからのトラッキング要求を許可」をオフに
これで、全アプリからの追跡を一括で拒否できます。特定アプリだけを許可したい場合は、アプリごとに個別設定も可能です。
トラッキングに関するAppleの説明
AirDropの受信設定を見直す
AirDropは写真やファイルを簡単に共有できますが、公共の場では不用意な受信リスクもあります。これを防ぐために、
- 設定 → 一般 → AirDrop →「連絡先のみ」を選択
そして、必要に応じて「10分間だけ全員」を選択すると安全に便利に使えます。
AirDropに関するAppleの説明
デバイス名とApple ID情報の見直し
フリーWi-FiやBluetooth接続時には、デバイス名が他人に見えることがあります。
- 設定 → 一般 → 情報 → 名前 から個人を特定できない名称に変更しておくと安全
また、Apple IDに登録している名前やメールアドレスは、設定 → 自分の名前 から確認・修正が可能です。不要な公開設定がないか一度チェックしておきましょう。
表示・インターフェース系のカスタマイズ
見やすさ・操作性は設定で変わる
iPhoneは初期設定でも十分に使いやすく設計されていますが、表示や操作の細かな調整によってストレスを減らし、使いやすさを向上できます。
ここでは実用性を重視した表示・操作系の設定を紹介します。
ダークモードと自動切替
目の疲れを軽減しつつ、画面を暗くして目立たない表示にするのがダークモードです。
- 設定 → 画面表示と明るさ →「ダーク」にチェック
また、その下にある「自動」をオンにすれば、昼間はライト、夜はダークへ自動切替されます。
日中と夜間で画面の明るさ感が違う人には特に効果的です。
True Tone と Night Shift
環境光に応じて画面を自然な見え方にする True Tone と、夜間に目を守る Night Shift は、多くの人にとって効果が実感できる機能です。
- 設定 → 画面表示と明るさ → 明るさ
と入ると、True Tone と Night Shiftのコントロール項目があります。
True Toneは明るさの調整ができます。Night Shift は時間帯指定ができ、夜間はブルーライトを抑える色合いになります。
コントロールセンターのカスタマイズ
コントロールセンターはよく使う機能に即アクセスできる場所です。ここに、よく使う操作を登録しておくと、アプリを探す手間が減り操作効率が向上します。
コントロールセンターの開き方は機種によって異なり、
- Face IDを搭載したiPhone:画面右上から下にスワイプすると表示される。
- ホームボタン搭載のiPhone:画面下部から上へスワイプすると表示される。
コントロールセンターに関するAppleの説明
ホーム画面とウィジェットの整理
アプリが散らかっていると、探すストレスが増えます。ホーム画面の整理は使い勝手に直結します。
ウィジェットを配置することで、天気・カレンダー・バッテリー残量などを一目で確認できます。
また、アプリをフォルダ整理したり、Appライブラリを活用して不要なアイコンを隠すことも有効です。
ウィジェットに関するAppleの説明
機種・機能別おすすめ設定
最新のiPhoneはモデルごとに機能が異なり、設定できる項目も変わります。
この章では、対応機種で使える便利な設定や、最新のiOSで追加された注目機能を取り上げ、実際の使い方と効果を紹介します。
常時表示ディスプレイ(対応機種)
対応機種ではロック中でも時刻や通知を暗い表示で確認できます。
- 設定 → 画面表示と明るさ → 「常に画面オン」をオン
表示内容は常時表示の中にある壁紙を表示と通知を表示を個別にオンオフできます。低電力モードや就寝時刻、端末を伏せた状態などでは自動で消灯します。
カメラの高度設定(RAW・露出補正・撮影スタイル)
iPhoneのカメラは、設定を調整するだけで作品の仕上がりが一段と変わります。ここでは画質・明るさ・色味を自在にコントロールする三つの設定を紹介します。
1. RAW撮影で細部まで残す
- 設定 → カメラ → フォーマット → 「ProRAWと解像度コントロール」 をオン
- カメラアプリ撮影画面左上部から HEIF か RAW を選び 24MP か 48MP を切り替える
iPhone 17 Proでは、広角(1x)・超広角(0.5x)・望遠(4x)のすべてが48MPセンサーを搭載しており、十分な光量下ではRAW撮影で48MP解像度が有効になります。
RAWでは細部の質感や明暗の階調をそのまま保持できるため、後から明るさや色味を調整しても画質が劣化しにくいという大きな利点があります。
なので、風景や商品撮影など、編集を前提に高精細な写真を残したい人に特に向いています。
ProRawに関するAppleの説明
2. 設定を保持して撮影環境に合わせやすくする
- 設定 → カメラ → 設定を保持
この中では、前回の撮影に関する12個の設定をどこまで引き継ぐかを選べます。
たとえばフラッシュのオン/オフやナイトモード、マクロ、自分で設定した露出補正値などを保持しておくと、同じ条件での撮影を繰り返す際に便利です。
一方で、毎回カメラが自動で最適化してくれる方が良い人は、すべてオフのままで構いません。
カメラ設定保持に関するAppleの説明
3. 撮影スタイルで発色を統一
撮影スタイルを変更するには、カメラアプリで「写真」または「ポートレート」の状態で、画面右上部のアイコン(6つ点)をタップし、表示されるカメラコントロールの中から「スタイル」を選びます。
表示されたスタイル画面では、左右にスワイプして、
- 標準
- リッチコントラスト
- 鮮やか
などを切り替え、トーン(明暗)と色の強さをスライダーで調整できます。
設定したスタイルはすべての撮影に適用されます。SNS投稿や商品撮影など、統一感を重視する場面に向いています。
iOSの便利機能を取り入れる
最新のiOSには、日常の使い勝手を高めるための補助機能が多数追加されています。
ここでは、その中でも、
- 自動化
- 視認性
- アクセシビリティ
という三つの観点から役立つ機能を紹介します。
集中モード(自動化)
通知を制限し、必要なときに集中できる環境を自動で整える機能が「集中モード」です。
- 設定 → 集中モード
と入ると、用途別に細かく設定ができます。時刻・場所・アプリの起動などに合わせて自動的にオン/オフを切り替えられます。
仕事中は通知を制限し、帰宅後は家族との連絡だけを許可するなど、状況ごとにスマートに切り替え可能です。
集中モードに関するAppleの説明
スタンバイ(視認性)
iPhoneを横向きで充電中に時刻やカレンダー、ウィジェットなどを表示できる機能です。
- 設定 → スタンバイ → 表示
と入ると、自動消灯や継続表示を選べ、卓上時計や情報パネルとして使えます。
スタンバイに関するAppleの説明
パーソナルボイス(アクセシビリティ)
- 設定 → アクセシビリティ → パーソナルボイス
と入ると、自分の声を録音・生成し、文字読み上げ時にその声を使えるようになります。声が出にくくなる病気や障がいに備えて、今の自分の声を保存しておく機能です。
パーソナルボイスに関するAppleの説明
設定見直しのタイミングと注意点
「設定を変えたまま」ではなく「最適を保つ」
iPhoneの設定は、一度整えたら終わりというものではありません。アプリの導入、OSのアップデート、使い方の変化に応じてベストな設定は変化します。
この章では、いつ見直すべきか、どこまで制御すべきか、そして見直しの際に注意すべき点を解説します。
定期的に見直すべき設定項目
数か月に一度チェックしておきたい設定を4点挙げます。
- アプリの権限:使わなくなったアプリが位置情報や連絡先にアクセスしないか確かめる
- 通知設定:通知が増えて煩雑になっていないか、優先順位を再設定
- バッテリー使用状況:バッテリー消費が異常に多いアプリがないかチェック
- モバイル通信量:月末に通信制限を回避するため、上限近いアプリを制限
これらを定期確認するだけで、無駄やトラブルの芽を早めに摘めます。
制限しすぎるリスクと使いやすさのバランス
プライバシーや省電力を意識するあまり、すべてを制限すれば不便さが生じます。具体例を示します。
- 位置情報を完全にオフにすると、地図・天気アプリが使えなくなる
- バックグラウンド更新を全て制限すると、メールやチャットの通知が遅れる
- 通知を厳しく絞りすぎると、重要なメッセージを見逃す
大事なのは、自分の使い方に合った最小限の制限を見極めて適用することです。
大きな設定を変える前はバックアップを取る
設定を大きく変える前には、iCloudバックアップを確実に行っておくべきです。
- 設定 → Apple ID → iCloud → iCloudバックアップ をオン
こうしておけば、自動でバックアップされます。手動でバックアップを取りたいときは「今すぐバックアップ」も可能です。
但し、「モバイル通信経由でバックアップ」はオフにしておいたほうが良いでしょう。
バックアップにより、設定変更で不具合が起きても元に戻すことができます。
Q&Aで振り返るiPhone設定の要点
この記事では、iPhoneの設定を見直すための項目をたくさん紹介してきました。
最後に、よく寄せられる疑問をもとに、章ごとの要点と補足すべき重要設定をQ&A形式でまとめます。
Q1 安全性のために最初に見直すべき設定は?
A:パスコードやFace IDなどの認証強化と、「iPhoneを探す」の有効化が最優先。これを整えるだけで、紛失時や盗難時のリスクを大幅に減らせる。
Q2 電池の減りを抑える設定は?
A:バックグラウンド更新を制限し、低電力モードを活用する。Wi-Fiやモバイル通信の自動接続を整理すれば、外出時の電池消費が減る。
Q3 プライバシーを守るには何をすればいい?
A:アプリの権限を最小限にし、トラッキングの拒否、AirDropの受信制限を行う。これにより、不要なデータ共有や情報流出のリスクを抑えられる。
Q4 見やすさと使いやすさを高めるには?
A:ダークモードやNight Shiftを使い、目の疲れを軽減する。コントロールセンターやホーム画面を整理し、必要な操作を最短で行えるようにする。
Q5 最新モデルをより活かすには?
A:常時表示ディスプレイやProRAW撮影など、機種固有の設定を確認して有効にする。OSアップデート後は、新しく追加された設定項目を必ず確認する。
Q6 この記事で触れきれなかった重要な設定は?
A;
- Apple IDの二段階認証を有効にしログイン時の不正利用を防ぐこと。
- 通知を一括で整理できる通知要約の利用。
- iOS・アプリの自動アップデート設定をオンにして常に最新の安全状態を保つ。
- Siriと検索の学習データも定期的にリセットし不要な個人情報の蓄積を防ぐ。
最後に
すべての設定を一度に完璧にする必要はありません。
まずはセキュリティ、バッテリー、プライバシーの三分野から手を付け、慣れてきたら自動化や新機能にも踏み込んでいきましょう。
見直しを重ねるたびに、あなたのiPhoneはより安全で、自分らしいツールへと近づいていくでしょう。
対応機種