目 次
- 1 なぜ今「Apple純正メモ」なのか?
- 2 iPhoneの中にあるスキャナーで紙資料は全部PDF化
- 3 メモアプリだけでパスワード管理・秘密の記録も安心
- 4 声で書いてすぐ整理(音声入力と文字起こし)
- 5 チェックリストで「やるべきこと」が可視化できる
- 6 重要な情報は“画面トップ”に
- 7 写真を撮るだけでテキスト化:レシートや看板もデータに変わる
- 8 フォルダとタグを使えば1年後でも「すぐ探せる」ノートに
- 9 Safariと連携して「あとで読む」リストも一元管理
- 10 iOS18で追加された「計算」「折りたたみ」「ハイライト」
- 11 ロック画面から即アクセスできる「クイックメモ」
- 12 罫線・方眼表示が可能になり手書きの仕上がりがキレイに
- 13 手描きから画像自動生成というマジック
- 14 まとめ:純正メモアプリが到達した新たな完成形
なぜ今「Apple純正メモ」なのか?
洗練された3rdパーティー製アプリ
Notion、Evernote、Bear・・・
メモアプリの世界には、魅力的な3rdパーティー製の選択肢が数多くあります。しかも、どれも独自の美しさや柔軟性、強力な整理機能を備えており、長年愛用している方も多いでしょう。
実際、特定の用途に特化したメモアプリの方が使い勝手がいいと感じる場面もあります。
しかし、今あえて言いたいのです。
「それでも、Apple純正のメモアプリはいい!」
静かに確実に進化した純正メモ

実は近年、このアプリは静かに、しかし着実に大きな進化を遂げてきました。もはや「ちょっとしたメモを書くだけのアプリ」ではありません。
iCloudとの連携、手書き・音声・スキャン・数式対応といった多彩な機能、そして何よりApple製品との統合された使い勝手の良さは、多くのユーザーが再評価するきっかけになっています。
純正だからこその「消えない安心感」
さらにもう一つ、Apple純正ならではの「消えることのない安心感」も見逃せません。
3rdパーティーのアプリは、その存続が開発元の経営や方針に左右されがちです。機能は優れていても、ある日突然サービス終了や大幅な仕様変更に見舞われることがある。
Apple純正メモには、そうした不安がありません。iOSやmacOSの一部として、これからも着実に更新され続けていくことが約束されているのです。
それでは、Appleメモアプリの今の実力を13の機能に分けてご紹介していきます。
iPhoneの中にあるスキャナーで紙資料は全部PDF化
紙の書類やレシートをもらったとき、あなたはどうしていますか?
机に積み重ねて忘れる、あるいはわざわざスキャナーを使って取り込む・・そんな時代はもう終わりました。
実は、iPhoneのメモには高性能なスキャナーが標準で内蔵されています。
- メモを立ち上げ新規メモを開く
- 画面下段のツールバーにあるクリップアイコンをタップする
- 選択肢の中から「書類をスキャン」をタップする
- 対象の書類などを画面に収まるようにセットするとシャッター音とともに自動取り込みがされる
- 連続して取り込みが出来る
- 自動取り込みがされない場合は画面下側にあるシャッターアイコンをタップして手動取り込みをする
- 取り込み作業が終了したら画面右下の「保存」ボタンをタップする
以上で一つのメモとして保存されます。言葉にすると長いですが、作業自体は一瞬です。
なぜ「メモ」でPDFなのか?
OS組み込みの簡単さが命
メモを開いて原稿を画面内にセットするだけで自動スキャンが完了し、同じ画面で文字起こし(自動OCR)や注釈まで可能・・このワンストップ体験こそがメモの使命です。
保管場所としての価値
メモ内で関連メモ・チェックリスト・録音と並べて置けるため、プロジェクト管理や学習ノートなどの作業の流れが途切れません。つまり別のアプリ間を行き来する必要がないのです。
また「共有メニュー」から「ファイル」アプリや他の専用アプリに簡単に外部へ移せます。
iCloud同期とマルチデバイス展開
iCloudでiPadやMacのメモに自動的に反映するので、Apple Pencilでの手書き編集やMacで本格編集も簡単に行えます。この動線の低さもメモに機能を置く理由の一つです。
- Appleの説明ページ:「メモ」でiPhoneのカメラを使ってテキストや書類をスキャンする
メモアプリだけでパスワード管理・秘密の記録も安心
メモアプリにも秘密を守る機能がある
人に見られたくない内容、ありますよね。たとえば、銀行の口座情報、パスポート番号、日記のような個人的な記録。
これまでは「メモに書くのはちょっと不安・・」と思われていたかもしれません。
ですが、Appleのメモアプリには“ロック機能”が備わっています。Face ID、Touch ID、または自分で設定したパスコードで、個別のメモごとにロックをかけることが可能です。
設定は簡単だが高い安全性
設定は簡単です。
ロックをかけたいメモを開き、右上の「共有ボタン」から「メモをロック」を選択するだけ。
これにより、たとえ他人があなたのスマホを開けたとしても、中身はロック解除しない限り見られません。
手軽な「鍵付き引き出し」として使える
この機能を使えば、メモアプリがそのまま簡易的なパスワード管理ツールや、プライベート記録の保管庫として使えるようになります。
しかもiCloudで暗号化されているため、Appleのサーバー上にあっても内容は保護されたまま。高機能なセキュリティアプリをわざわざインストールする必要はありません。
すでにiPhoneの中にあるメモアプリで、情報を“鍵付きの引き出し”にしまっておける。安心感と手軽さが、ここに同居しています。
メモのロックを解除するパスについて
メモを初めてロックするとき、アプリが「鍵を開ける方法」を尋ねてきます。選べるのは、、
- iPhoneのパスコード連動
- メモ専用カスタムパスワード
のどちらかです。
気をつけたいのは専用パスワード。安全性は高いですが、忘れるとロック済みメモは二度と開けないので注意が必要です。
- Appleの説明ページ:iPhoneやiPadでメモをロックする/ロック解除する方法
声で書いてすぐ整理(音声入力と文字起こし)
メモアプリには、便利な音声による入力機能があります。これを上手に使いこなせば、より一層メモアプリが便利になります。
話した言葉を即メモに(音声入力)
メモ作成画面のキーボード右下にあるマイクアイコンをタップすると、話した言葉がそのままテキストとして記録されます。
句読点や改行もある程度自動で補正され、短いメモやアイデアを素早く整理できます。
この入力補助としての音声入力機能は、従来からiOSに搭載されてきた便利な手段ですね。
長時間の録音と文字起こし:新しい「録音+リアルタイム文字起こし」
さらにiOS18では、これとは別に、録音を伴う「リアルタイム文字起こし機能」も加わりました。
画面下段のツールバーにあるクリップアイコンをタップすると「オーディオを録音」があるのでこれをタップします。
会議や講義、インタビューなどの長時間にわたる音声を録音しながら、同時に文字起こしも行えます。
録音ファイルと文字起こしテキストは、ペアで同じメモに保存される仕組みです。
特に、会議の書記役はメチャクチャ助かるでしょう。文字起こしとともに要約もやってくれるので、会議レポートの作成時間が大幅に短縮します。
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一時的なメモには「音声入力」を(音声は残らない)、しっかり記録したい内容には「録音+文字起こし」を(音声がファイル化されて残る)。
状況に応じて使い分けられるのが、iOS18の進化したメモアプリの新しい魅力です。
- Appleの説明ページ:iPhoneの「メモ」でオーディオを録音して文字に起こす
チェックリストで「やるべきこと」が可視化できる
日常の中では、公私とも「やらなきゃいけないこと」が沢山あります。
「やるべきこと」を頭の中だけで覚えておこうとすると、どうしても抜け漏れが出てしまいますよね。
そんなときに役立つのが、メモアプリのチェックリスト機能です。
項目をリスト化して可視化する
新規メモの作成時、画面下部にあるツールバーの一番左のアイコンをタップするだけで、チェックリスト形式のメモが作れます。
項目ごとに「やるべきこと」「準備するもの」を並べるだけで、頭の中が整理され、タスクの見通しが格段に良くなります。
さらに、リストの順番をドラッグで並び替えたり、グループ化して見やすく整理したりすることも可能です。
長いリストでも、重要なタスクを上に持ってくるなど、直感的な操作で整えられます。
完了チェックで達成感を積み上げる
タスクを一つ実行するたびに、チェックボックスをタップして完了にする。この「小さな達成感」を積み重ねることは、心理的にも非常に効果的です。
目に見える形でタスクが減っていくことで、モチベーションが保ちやすくなり、「あと少し頑張ろう」という前向きな気持ちにつながります。
Apple純正のメモアプリでは、チェック済み項目を自動でリスト下部に移動させる設定もできるため、「残りタスクだけが自然に目に入る」スマートな運用も可能です。
- Appleの説明ページ:メモアプリでチェックリストを作成する
重要な情報は“画面トップ”に
必要なメモが埋もれる、あのストレスを解消
メモが増えてくると、本当に必要な情報ほど探しにくくなってしまう。そんな経験は誰にでもあるはずです。
どれだけ整理していても、検索やスクロールが面倒になる瞬間は避けられません。
ピン留め機能で最重要メモを一発表示
メモアプリには、よく使うメモや大切なメモをトップに固定できる「ピン留め」機能が備わっています。
やり方は簡単。メモ一覧画面で、ピン留めしたいメモを右スワイプし、出現したピンのマークをタップするだけ。
もう一つの方法は、該当のメモをタッチしてホールドすると下にメモに関する選択肢が表示されるのです、その中から「メモをピンで固定」をタップします。
これでそのメモは、常に画面の最上部に表示されるようになります。
ピン留めを活用するとこんなに変わる
例えば、進行中のプロジェクトのまとめメモや、旅の予定表、日々更新する目標リストなど。
いちいち探す必要なく、アプリを開いた瞬間にすぐ確認できるのは、地味ですが圧倒的な時短効果があります。
日常の小さなストレスを消し、必要な情報に最速でアクセスできる・・それがピン留め機能を活用する最大のメリットです。
- Appleの説明ページ:メモをピンで固定する
写真を撮るだけでテキスト化:レシートや看板もデータに変わる
紙の情報をそのままメモに残したい・・でも、いちいち打ち直すのは面倒。
そんなとき、写真に写った文字を自動で読み取ってテキスト化する機能が、メモアプリには搭載されています。
写真から文字を抽出する簡単ステップ
やり方は簡単です。
- メモ画面下のツールバーにあるクリップアイコンをタップし「テキストをスキャン」を選択する
- カメラに、被写体の中の抽出したい文字部分が入るようにセットする
- テキストが選択できたら「挿入」をタップする
以上です。ただ、iPhoneを器具固定ではなく手で持つと微妙に揺れるので慣れが必要です。
実際にやってみれば、慣れるまでやや面倒ながらも、大いに使えるということが実感できます。
たとえば、、
営業時間などのメモ
レストランの張り紙や看板をカメラで撮影したあと、画像をタップして「テキストをコピー」を選びます。
コピーした営業時間情報をそのままメモ本文に貼り付ければ、文字情報として保存され、あとからキーワード検索も可能になります。
記事の抜粋
本や雑誌の記事の一部を写真に撮り、同様に画像内の文字を長押しして選択し、メモ本文にコピペすれば、気になる情報を簡単に整理できます。
必要な箇所だけ抜き出して、まとめノートとして活用することもできます。
ホワイトボード整理
手書きのホワイトボード内容も、カメラで撮影後に画像を開き、認識された文字部分をタップしてコピーすれば、きれいなテキストデータとして保存できます。
写真のまま残すより読みやすくなり、共有もしやすくなります。
支出管理メモ
レシートを撮影した場合も同じです。撮影後、画像から金額や日付部分を抜き出してコピーし、メモ本文に整理しておけば、あとで支出管理や精算処理が非常にスムーズになります。
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これまでは「画像のまま」保存していたものが、検索可能なテキストとしてメモに残せるため、後から必要な情報をすぐに呼び出せます。
高精度な文字認識でストレスなし
特に便利なのは、手書き風フォントや曲がった写真でもかなり正確に認識できる点。AIによる文字認識精度が年々向上しており、これだけでも一つのアプリに匹敵する機能です。
つまり、メモアプリは単なる「書くツール」にとどまらず「情報を拾うツール」としても一級品。
もう文字の打ち直しで疲れる必要はありません。
- Appleの説明ページ:「メモ」でiPhoneのカメラを使ってテキストや書類をスキャンする
フォルダとタグを使えば1年後でも「すぐ探せる」ノートに
メモが増えてくると、必ず直面するのが「どこに書いたっけ?」という探しづらさです。
これは単にメモが散らかっているというより、整理の仕方が決まっていないことに原因があります。
メモをすぐ探せる整理術:「フォルダ」と「タグ」
そこで活用したいのが、メモアプリの「フォルダ」と「タグ」機能です。
まず、フォルダはメモアプリ内に自由に作ることができます。
たとえば、「仕事」「プライベート」「旅行計画」「アイデア」「家計管理」といった具合に、自分の生活スタイルに合わせて分類すれば、必要な情報を探す時間が激減します。
フォルダとタグで二重に管理する
さらに、タグ機能を使えば、横断的な検索が可能になります。
たとえば、「#重要」や「#買い物」などのタグをメモの中に書いておくだけで、タグ検索から一発で目的のメモを見つけることができます。
これは、同じ内容を複数の視点で管理したいときに特に効果的です。
- フォルダ:「仕事」
- タグ:「#来月の締切」「#上司に提出」
こうしておけば、「仕事フォルダの中で、来月までに終わらせるタスク」といった絞り込みが一瞬でできるわけです。
「記録する」だけじゃなく取り出せるメモへ
一時的なメモも、蓄積されれば立派な情報資産になります。その価値を最大化するために、メモは「記録する」だけでなく「取り出せる」ことが重要なのです。
メモを探す時間を減らす。それが、フォルダとタグの最も大きな意義です。
- Appleの説明ページ:iPhone や iPad のメモでタグとスマートフォルダを使う
Safariと連携して「あとで読む」リストも一元管理
「このページ、あとで読もう」と思うことは割としばしばあります。けれども、肝心な時にブックマークしたことを忘れて、読みたいサイトにたどり着けなかったりします。
情報の保存場所がわからなくなってしまうのは、日常的によくあることです。
Safariからメモに直接保存する方法
そんな悩みも、メモアプリとSafariの連携で解消できます。
Safariで気になるページがあったら、「共有」ボタンをタップし「メモ」アイコンを選ぶだけでURLが新規メモとして保存できます。
単なるリンク保存で終わらせない
この機能の何が便利かといえば、単なるURL保存では終わらない点です。
例えば、、
- 旅行情報のリンクのメモに「○○さんおすすめ」とコメントしておく
- 商品ページURLのメモに「来月買う予定」とコメントしておく
- ある記事リンクのメモには「この視点はプロジェクトに使える」とアイデアコメントを残す
こんなふうにしておけば、単なるリンク集ではなく「自分にとって意味のある情報リスト」が構築されていきます。
フォルダ・タグと組み合わせて活用する
さらに、先述のフォルダやタグ機能と組み合わせれば、あとで必ず見返すべきリンク集として機能するようになります。
ブックマークとメモ保存の違い
ブックマークが「保管」だとすれば、メモへの保存は「活用」です。
ネット上の情報を「一時保存」ではなく「活きた情報」として再利用したい人にとって、この使い方は大きな武器になります。
iOS18で追加された「計算」「折りたたみ」「ハイライト」
Appleのメモアプリは、派手な見た目ではなく、「静かな進化」を続けるアプリです。
iOS18で加わった3つの新機能は正にそれで、一見地味ながら、使ってみると「もう元には戻れない」と感じるほどの利便性をもたらします。
数式計算(Math Notes)
iOS 18では、メモアプリに数式を記述すると、等号(=)を入力するだけで、その場で回答が自動計算される「計算メモ」機能が加わりました。
加減乗除といった基本的な定数計算はもちろん、変数にも対応しており、たとえば「x = 5」と定義し「x + 5 =」と入力すれば、即座に計算結果が表示されます。
さらに、手書き入力にも対応しており、同様に回答が自動計算されます。
これにより、出費の計算や作業メモの中に、わざわざ電卓アプリを開く必要がなくなりました。
- Appleの説明ページ:iPhoneの「メモ」で数式や方程式を入力する
折りたたみ機能
長文のメモではスクロールが多くなり、必要な情報を探すのに手間がかかることがあります。
そこでiOS 18では、メモ内の特定の見出しごとに、その下の内容を折りたたんで整理できる機能が加わりました。
使い方は簡単です。
- メモの本文中で折りたたみたい部分のテキストを選択する。
- キーボードが表示されたら「あぁ」ボタンをタップし、さらに「見出し」または「小見出し」を選択し、画面上部の「完了」をタップする。
- 改めて、そのテキストをタップすると先頭に折りたたみアイコンが出現する。
- この折りたたみアイコンをタップすることで、見出しの下の本文を折りたたんだり、展開したりできるようになる。

この機能は、特に議事録や長期プロジェクトの進捗管理、あるいは長文の学習ノート作成に最適です。
必要なときだけ詳細を開き、それ以外はコンパクトにまとめられるので、情報量の多いメモでもスムーズに把握できるようになります。
- Appleの説明ページ:iPhoneでメモを作成する/書式を設定する
ハイライト(マーカー)
メモの中で特に重要な箇所を強調したいとき、5色のハイライト機能が使えるようになりました。
ピンク・紫・オレンジ・ミント・青から選べるので、用途別に色を使い分ければ情報の視認性が格段にアップします。
「折りたたみ」設定の説明と同じように、、
- メモの本文中でハイライト表示したい部分のテキストを選択する。
- キーボードが表示されたら上部の「あぁ」ボタンをタップしたら展開されるメニューから色を選択する
これで選択したテキストがハイライト表示されます。
- Appleの説明ページ:iPhoneでメモを作成する/書式を設定する
ロック画面から即アクセスできる「クイックメモ」
アイデアが浮かぶのはいつも突然でタイミングを選びません。何かを見た瞬間に浮かぶこともあれば、通勤中や会話の最中に突然ひらめくこともあります。
そうした「とっさのひらめき」を逃さないために役立つのがクイックメモ機能です。
設定は簡単、コントロールセンターに「メモ」アイコンを追加しておくだけです。
これで、ロック画面のみならず他のアプリ使用中でも即座に新規メモを立ち上げられるという仕組みです。
瞬間のひらめきがチャンスに繋がることもあります。「クイックメモ」を有効に利用しましょう。
罫線・方眼表示が可能になり手書きの仕上がりがキレイに
メモアプリを手書きで使いたい人にとって、背景が真っ白なままだと文字の大きさや行間が揃わず、使いにくいと感じることが少なくありません。
特にApple Pencilで入力するiPadユーザーにとって、こうした「書き心地の整え方」は実用性に直結する問題でした。
見やすいメモを作るための「罫線と方眼」機能
iOS 18では、背景に「罫線」や「方眼(グリッド)」を表示できる機能が追加され、メモ作成時の視覚的なガイドラインを自由に選べるようになりました。
使い方はシンプルです。
iPadでは特に効果を発揮
この機能は特に、iPadとApple Pencilの組み合わせで本領を発揮します。
きれいに文字を揃えたり、図や表を書き込んだりするときに、視覚的な補助線があるだけで作業効率が大きく変わります。
iPhone利用時の注意点
なお、iPhoneでも罫線や方眼を表示して手書き入力を行うことは可能ですが、通常モードのままでは罫線に沿って書くことはできません。
iPhoneで利用する場合は、メモアプリの「手書きツール」を有効にします。
画面下に出現したツールバーの右側にある「+」をタップすると4つの選択肢が現れるので「テキストを追加」をタップしてください。
テキスト枠がでてきましたね。この中に文字を打って、そして枠ごと場所を調整して罫線や方眼に合わせます。
あまり頻繁に使えるとは思いませんが、方法として知っておくと役に立つときもあるでしょう。
手描きから画像自動生成というマジック
Apple純正メモアプリは、iOS 18.4から新たに「画像マジックワンド」という機能を搭載しました。これは、手描きのスケッチをもとに、AIが関連する画像を自動生成する機能です。
説明を読むよりも手順にやったほうが納得が早いです。
- 手書きツールをタップし手書きツールを出現させる
- 手書きペンで適当に絵を描く
- 画像マジックワンドツールで囲む
- 絵の特徴を文字で表す
- 画像が自動作成される
- スワイプして好きな画像を決める
- 「完了」をタップする

手順は以上です。
この機能も作成方法を覚えておけば、さまざまなシーンで活用できます。また、電車・バスなどで移動している時の暇つぶしにも使えそうですね。
また、生成された画像は編集や再生成が可能で、ユーザーの意図に合わせた調整も行えます。
対応デバイスは、iOS 18.2以降を搭載したiPhone 16シリーズ、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、iPadOS 18.2以降を搭載したM1以降のiPadモデルなどです。
- Appleの説明ページ:Apple Intelligenceに〜
まとめ:純正メモアプリが到達した新たな完成形

Appleの純正メモアプリは、もはや単なる「メモを取るだけ」のツールではないことがわかっていただけたと思います。
iOS 18で加わった新機能群は、記録・整理・検索・創造・・このすべての局面で、日常の作業スタイルを大きく進化させています。
特に注目すべき変化は三つです。
- 入力方法の革新:手書き、音声、画像、数式等、あらゆる手段で瞬時にメモが取れるようになった。
- 整理と検索の自在化:フォルダとタグ、折りたたみ表示、Safari連携により、情報資産化と即時アクセスが現実のものに。
- 創造支援ツール化:罫線・方眼表示や画像マジックワンドによって、単なる保存だけでなく、アイデアの発展までアプリが支える領域に踏み込んだ。
まとめると、純正メモアプリは「思考の流れを止めない記録装置」であり、かつ「蓄積した知識を自在に呼び出すアシスタント」へと進化したと言えます。
NotionやEvernoteに比肩する実力を、ついにポケットに収めた今、あなたの日々の作業も、思考も、メモから確実に変わり始めるはずです。
用途に応じた使い分けも大事
この記事は純正メモのプレゼンなので、その目的に即した内容です。
確かに純正メモは大きく進歩して便利になったし、私も非常によく利用しています。
とは言え、数多くあるメモアプリは其々によい特徴があるので、用途に応じて使い分けるのが現実的だと思います。
例えば、私の場合、ネット記事のクリッピングはEvernoteを、PDFの管理はGoodnotesを使っています。両方とも、iPhone、iPad、そしてMac、Apple製品のどのデバイスでも使えるのが魅力です。
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