目 次
台北のパワースポット
ここでいうパワースポットとは、「気」や「パワー」を持つ台湾自然界の場所や物あるいは土地のことをいうのではなく、台北にある霊感あらたかな廟のことを指しています。
過去の記事でも・・・
- 台北行天宮
- 艋舺龍山寺
- 台北指南宮
- 台北孔子廟
などの廟を詳しくご紹介してきました。
今回はちょっと角度を変えて、日本ではあまり知られていない廟も含め、台北では歴史があって多くの信仰を集めている、強いパワーがみなぎる廟を一挙に5つご紹介します。
長い人生を生きていると色んな経験をし、疲れ苦しみ、心身ともにズタズタになってしまうことがあります。
また、どんなに努力しても自分の力だけではどうにもならないと強く感じることも一度ならずあります。
そういう時に今回ご紹介する5つの廟を参拝し、心身を回復するエネルギーを受け、運気が上へと広がるパワーを受けましょう。
私は実際にゆっくりと小一日かけてまわりました。誰でもが半日あれば5つの廟で参拝することができます。
時間がなければしょうがないですが、折角だったらせかせかせず、廟の周辺も見て回りましょう。何も特別に観光しなくても、歴史や文化をいっぱい吸収できますよ。
そうなんです。これらの廟はある意味台北の歴史そのもので、同時に5つ巡ると必ず時の流れを感じることができます。
どうしてこの5つ?
選定した基準ですが・・・
- 便利で周りやすい。松山慈祐宮だけちょっと離れていますが、どうしても必要だと思いました。
- 歴史があってパワーが溢れている
20年近くの訪台で、連れて行ってもらったり話を聞いたり、ということがベースになっているので、あんまり理屈はないんですよね^^
なお、参拝のの手順・方法については龍山寺と行天宮の記事に詳しく述べていますので、そちらを参考にしていください。
占いはお勧めしない
他の記事でもお話ししてますが、私は台湾での占いやマッサージなど直接人的サービスをお勧めしていません。
理由は簡単。私の周りでもネット上でも苦情や失望があまりに多いからです。なぜこうなるのでしょうか。
- 言葉の壁がとても大きい
- 気質が違いすぎる
大きく括るとこの二点です。
占いとはご承知の通り、将来の運勢・吉凶を判断したり、神の意向を問うたりするものであり、純粋に学問です。
しかし一方日本では、依頼人が発する言葉の抑揚・トーンや顔の表情などから多くの情報を得てこれを分析利用するとともに、そういう個々の違いに合わせるということも仕事の一部です。
でもはっきり言って、対面する依頼人の個性や言葉を読み解き、その心に添うような技を台湾の路上占い師に求めても、それは無理と言うものです。
それどころか、既婚だと最初に言っているのに「結婚運がない」と言われた、そんなレベルの苦情はいくらでも聞きます。
占い師が日本語を喋れるといってもしれてます。日本人が普通に無意識にわかる、言葉の細かいニュアンスなんて全く通じません。
また、我々とは気質がまるっきり違います。「愛想悪くされた」ってよく聞きますが、それ台湾では「普通」なんですよ。
言葉の壁と気質の違いは大きいです。
例えば「違うな」「説明が足りないな」と感じて喋ろうにも、(日本人から見て)占い師の嫌な顔や鬱陶しそうな顔はあなたの口をふさぐのです。
- 話の意味を理解してもらえないわ
- ブスッとして事務的にいい加減なこと言われるわ
そう感じて気分を悪くされるくらいなら行かないほうがいいです。無駄です。
ここで私は、台湾の占い師の悪口を言いたいのではありません。海外は日本とは違う、ということを申し上げているだけです。歴史も気質も気候も味つけも全て違います。
でもね、リピーターになるとハードルはどんどん下がっていくんですよ。再訪したくない人はリピーターにならないでしょうし。
何度も行くうちにね、異質な部分を楽しめるようになったり気にならなくなったりしていくはずです。そうなるまでが結構ね・・・
さて、このブログは台湾初心者の方を対象に作成しています。その線に沿って申し上げます。パワーある立派な廟が沢山あるのですから、お願い事や悩み事は神様にお話ししてパワーをいただきましょう。
台湾の宗教
台湾の廟を浮くつか訪れると、自ずと疑問が湧いてくると思います。つまり、一つの廟の中に幾つかの宗教の仏神や神格化された人物が合祀されていて、その数が半端じゃないんですね。
- 媽祖
- 仏教
- 道教
- 儒教
などなど。さらにそれらが混然一体化して独自の台湾民族宗教みたいになっている例もあって、滅茶苦茶多彩です。
最初は私もびっくりしました。一つの廟にですね・・・
- 媽祖
- 観音菩薩
- 関帝
- 天上聖母
- 文昌帝君
などなど、まだまだ一杯。しかも結構平等に祀っているみたいで、一体どうなってるの?
また、お参りに来た人たちを見ていると、仏教信者は仏教関係だけ、媽祖信者は媽祖だけということもなく、あっちにもこっちにも線香を持った手をあげています。
勿論、狭義の信仰もあるようですが(特に出家した人たち)、今までお付き合いした範囲で言いますと、一般的にはそれほどこだわりはないように感じます。
例えば、知り合いの台湾人は「私は観音信仰だ」と言いながら、事あるごとに行天宮(関帝)にも参拝に行ってます。それを「なんで?」と野暮な質問しても答えは返ってきません。
数から言えば、民間信仰(土地公・媽祖)+道教+仏教の神仏を合祀する廟が圧倒的に多いです。
もう一つの大きな特徴は、修行や自力の努力で解決してゆくのではなく、呪術の類というか神の意向で将来を見たり決めたりする傾向が極めて強いです。台湾映画を観てるとその辺がよく理解できます。
以上から台湾人の宗教観はかなり多重構造的で、日本人のそれとは全く異なっていると感じます。
そういった世界を知らずにお参りするのと、少しでも知って意識して台湾人と一緒に廟の門をくぐるのでは、大きな違いがあるように思うのです。
廟に祀られている神
上で説明しましたように、台湾の廟には沢山の神様がおられます。ここでは主だった神様の紹介と、それぞれのご利益について簡単にまとめてみました。
特定のお願い事を受ける神様がいれば、「なんでも持ってらっしゃい」という神様もいます。私は簡略化していますが、それぞれの神様はもっともっと多くのことを聞いてくださるみたいですよ。
では、いよいよ5つの廟をまわりましょう。
大稻埕霞海城隍廟
日本語読みすると「だいとうてい かかいじょうこうびょう」と言います。
台湾一の乾物問屋街・迪化街の中にあって、永楽市場の北側に位置します。迪化街で買い物をされる日本人は非常に多く、そのど真ん中にあるので便利ですね。
また、この廟は2013年11月に内政部が選定発表した「台湾宗教百景」にも含まれています。
建立が1850年代と言われてますから、もう160年以上の歴史があるんですよね。
主神は城隍爺です。城隍とはお城の堀のことで城隍爺はその守護神。つまり、その地域・場所・都市を守る神として古くから各都市に祀られてます。
城隍爺は管轄地域の行政長官として認識されていたので仕事の守備範囲は広いのですが、死の世界までも管轄し、勧善懲悪の捌きをなす神として、そういう意味でも多くの信仰を集めています。
ところで、日本の案内には真っ先に書かれている「月下老人」の神体奉納は1971年で随分後の話です。従って、誤解されている方もいますが、月下老人は廟の主神ではありません。
さて、この霞海城隍廟は僅か50坪に満たない狭い場所に600体以上の仏身が祀られています。実際に行けばわかりますが、本当に狭く人が溢れています。
できれば週末や休日は避けた方が良いと思います。お祭りの日(旧暦5月13日)の人出も凄いですが、この日は人に揉まれても一度は見る価値があります。
さて、霞海城隍廟に祀られている主だった神仏の紹介するとともに参拝手順の説明をします。以後紹介する廟での参拝手順は省略します。(ここでの説明と上の参考記事の説明で理解してください)
参拝順序
- 本殿横のおばちゃんから金紙(死後世界のお金)を買う(50元)。
- 本殿受付でお供え一式を買う(初参拝時のみ・260元)。
- 表に「點香処」と書かれた火付け場所があるので、そこで3本の線香(必ず3本を一度に)に火をつける。線香以外はお供え台に置いておく。
- 本殿正面の香炉の前で神様(天公)に以下のことを告げる。線香は持ったまま次の動作に移る。
氏名・生年月日・住所・お願い事
(次に以下の順番で神様に参拝する。順番は廟内にも説明されている) - 主神・城隍爺
- 月下老人 以下のことをお伝えする。
氏名・生年月日・住所・相手の名前(相手が決まってない場合は望む異性の特徴)と最終どうなりたいか。 - 義勇公(悪・危険からの守護)
霞海城隍廟は元々福建省から渡って来たが、渡来当初は艋舺にあった。いざこざの絶えなかった当時、1853年に頂下郊拚という争いが勃発し、これから海城隍廟を守るため現在の地に運んで来たが、その途中38人(義勇公)が命を落とした。 - 城隍夫人
- 菩薩(仏教:知恵と平和)
台湾の仏教は複雑で、元からの観音信仰・日本統治時代に持って来た日本式仏教・戦後中国で弾圧を受けて台湾に流れた仏教が存在している。 - (お参りが終わったら建物から出て)正面の香炉に線香を立てる。沢山線香が立っていると触れて火傷する可能性があるので気をつけて。
- 平安茶をいただく
- お供え一式の中の「喜糖」は平安茶の材料となるので置いておく
- 鉛錢と紅絲線は手に持って、香炉の上で右回りに3回まわした後、大事に財布に入れておきます
- 金紙は「金紙放置處」という赤い箱に入れます(廟が手続きを踏んで別所で燃やす)。
金紙を燃やす炉を金亭というが、台湾を巡っていると、よく金亭に金紙をほり込んでいる姿を見かける。
1. ご利益とお供え物
月下老人のご利益が灼たかなのは、「もう一歩・最後の一押し」の場面とも言われています。「ここぞ!」というタイミングでお願いに行く。
お供え一式に入っている鉛錢と紅絲線は月下老人へのもので、ともに良縁が結ばれる意味が込められています。喜糖もそうですが、こちらは台湾式語呂合わせで良縁をすくい上げる意味があります。
2. 絶対に結ばれたくない人に関するお願い
この場合も結ばれたい場合と同じくきちんと情報をお伝えした上で「絶対に結ばれませんように」とお願いします^^
3. お祭りの日
- 2月14日(バレンタインデー・西洋情人節)
- 旧暦7月7日(情人節)
- 旧暦8月15日(月下老人の誕生日)
年に3回。これらの日に訪れると派手やかで賑やかな様子を体験することができます。人満杯!
台北天后宮
さあ二つ目です。
臺北天后宮天上聖母はMRT西門駅から成都路を西へ僅か200m足らずと、ものすごく便利な場所にあります。
霞海城隍廟からは、歩いて南下しMRT松山線北門駅で乗車し、西門駅で下車します。
大稻埕霞海城隍廟も狭かったですが、こちらも間口が狭く足早に歩いていれば見逃してしまうくらいです。
しかし・・・門をくぐるとどうしてどうして、なかなか堂々たる佇まいです。
入って左側には綺麗な山水の小庭を作っていますが、如何せん、そこを含む全体の手入れが悪くて美しくない。勿体無い話です。
さて、台北天后宮の主神は天上聖母ですが、この廟の最大の特徴は、日本の弘法大師が一緒に祀られていることです。台湾において唯一無二です。
これはもうお参りに行くしかないでしょう。
主だった神々と参拝順序。参拝順序は廟内にも表示されてます。
- 玉皇大帝
- 天上聖母(媽祖)
- 観音仏祖
観音菩薩に対する日本人の理解とは少し違います。そもそも仏教でいう仏祖はお釈迦様ですよね。それと台湾では、道教と仏教の区別があるようなないような。若しくは同体化している(媽祖は観音の化身)ようなのです。ともあれ観音信仰も台湾では非常に厚いです。 - 関聖帝君
こちらで物凄く詳しく解説しています。 - 弘法大師 ご存知、高野山に真言密教の聖地を開いた人。
- 地蔵王菩薩
- 福徳正神
- 虎爺(財運向上)
よくわかりませんが、台湾では民間信仰の神として土地神と一緒に祀られていることが多いです。村の守り神。また子供の守護神でもあります。さらに、虎爺の前に水を入れた椀の中に小銭を入れておくとお金が貯まるそうです。そういえば龍爺というのもいますね。
日本人から見た台北天后宮の最大の特徴は、弘法大師をお祀りしているところです。
実は日本が台湾統治を初めた時、同時に日本式仏教の布教も行っていったのですね。これも植民地同化政策の一環でしょう。
その内、高野山真言宗は1899年に艋舺に基盤を築き、1910年には西門町に新高野山弘法寺という名称で寺院を建立しました。
当時台北市内には「台北新四国八十八箇所霊場」なるものが設けられ、新高野山弘法寺が霊場1番札所となっていました。多くの日本人が来ていた証ですね。
やがて終戦を迎え、日本から来ていた坊さん達も引き上げました。
一方、元々地元で熱心な信仰の対象であった媽祖は、弘法寺の正殿を改造して新しい祠祀としました。
なぜなら1746年に建立された新興宮という媽祖廟が、防空道路建設名目で潰されたために、以後、龍山寺の後殿に預けられていて、いわば仮住まいだったからです。
しかし、その弘法寺も1953年に発生した近隣の火事で消失してしまいます。金がなく、とりあえず仮殿で運営してましたが、やがて1959年に本殿が再建され、逐次増築され今日に至っています。
それにしても不思議なのは、終戦後日本人が引き上げて、忘れ去られようとしていた真言宗の弘法大師像がなぜ今もって合わせ祀られているかですね。
何れにしても、この台北天后宮は、台湾で媽祖と弘法大師を一緒にお祀りしている台湾で唯一無二の廟なのです。
艋舺清水巖祖師廟
続いて三つ目。
MRT龍山寺を降りて康定路を約570m北上すると右側に進入路があります。なのですが、上の台北天后宮からは僅か800mなのでMRTなんか使わずに歩いた方が早いです。
この艋舺清水巖祖師廟は今回ご紹介する5つの廟では最も地味な廟です。そして、私が訪れた時は工事中でブルーシートで覆われていたりして、ちょっと残念な景観でした。
しかし、艋舺清水巖祖師廟はですね、大龍峒保安宮・艋舺龍山寺とともに台北三大廟の一つと言われているおり、古跡にも指定されています。
まあそうは言え、実際に行かれたら、他の廟と比べあまりに地味で、ちょっとびっくりされるとは思いますが。
さて、艋舺清水巖祖師廟は1787年に建立されましたが、大稻埕霞海城隍廟の義勇公の項でも説明しましたが、1853年の頂下郊拚という争いで壊され1867年に再建されました。
主神は清水祖師で本名を陳昭応といい、中国福建安渓人の守護神です。従って、台湾で建立された清水祖師廟も、福建から渡って来た安渓人の守護廟です。
台湾北部の三峡・淡水・艋舺に建立されている清水祖師廟は台北三大祖師廟と呼ばれています。つまり安渓人が早くから台北周辺に移り住んで来て、開拓し集落を作ったということでしょうね。
艋舺の清水祖師廟は、特に、三川殿の屋上の装飾が芸術的価値が高いと言われてますので、ぜひ見て欲しいのですが、その前に工事のブルーシートが外れないとね。
清水祖師についてははっきりと伝わっているわけではなく諸説があるようですが、生前インフラ整備や雨乞いで功を成し、多くの尊敬を集めました。
また非常に有名な話として、天変地異を察知すると自分の鼻を落として周囲に知らせたことから「落鼻祖師」とも呼ばれています。
公職引退後、福建省安渓県清水巌に住んでいたので清水巖祖師と呼ばれています。
毎年、旧暦5月6日には祖師爺祭りが賑やかに開催されます。
艋舺清水巖祖師廟でも沢山の神が祀られていますが、主だったところでは・・・
- 清水祖師・主神
- 天上聖母
- 関帝
- 文昌帝君
- 地蔵王菩薩
- 福徳正神
- 魁星(学問の神)
などです。なお参拝順序はわかりません。廟内にはなかったと思うのですが見落としかもしれません。でも決まりがあるわけではなく、上に列記した順番で問題ないと思います。
さて艋舺清水巖祖師廟のある一帯は、台北の下町なんですが、と同時に台北の原点でもあるんですね。
清水巖祖師廟にお参りするとともに「龍山寺」の記事に詳しく述べている剥皮地区なんかを散策して、台北という街の歴史文化に触れることはすごく貴重な体験です。
またこの廟は、大ヒット映画「モンガに散る」(←見る価値大!) のロケ地で、多くのカットで清水巖祖師廟を観ることができます。
台北市の西南西に新北市三峽区という、観光スポットとしても味わい深いところがありますが、ここに上でも少し触れましたが有名な三峽祖師廟があり、やはり清水巖祖師が祀られています。
ちょっと不便なのですが機会があれば是非お参りしてください。三峽祖師廟は彫刻が兎に角滅茶苦茶にすごくて、表現できないくらい緻密で精巧です。おそらく誰もが感動すると思います。
それと、もし行かれたら忘れずに名物の金牛角というパンを食べてください。クロワッサンみたいですが違います。食べてみましょう。美味しいですよ。
台湾省城隍廟
四つ目まできましたよ〜、もう少しです。
艋舺清水巖祖師廟からは、台北下町界隈を散策してからMRT板南線龍山寺駅で乗車し、次の西門駅で下車、徒歩600mくらいです。
「城隍廟」については上の霞海城隍廟で説明しました通りです。
台湾省城隍廟は1882年に今の場所より300mほど西北に建立されたのですが、しかし
でも述べてますように、日本統治時代に破壊されました。そして1947年に現在の場所に再建されたのです。城隍廟としてはとっても由緒ある廟です。
台北は城郭都市だった
1884年に台北城が完成しています。そうだったんですね。で、お城という限り城壁があり城門もありました。
やがて日本による統治が始まり、やがてインフラ整備のために城壁は全て取り壊されました。しかし、城門に関しては・・
- 北門(承恩門)
- 東門(景福門)
- 南門(麗正門)
- 小南門(重熙門)
が残されたんですね。ただし残念ながら北門以外は原型を留めていません。それから、全ての門名がMRTの駅名になってますが、東門駅だけは全く離れた場所にあります。東門の最寄駅はMRT淡水線の台大醫院駅になります。
じゃあ、北京城郭ってどこからどこまでって話ですが、だいたいMRTの・・・
- 板南線
- 淡水信義線
- 松山新店線
の3路線に囲まれた長方形の部分だと思われます。
従いまして、台湾省城隍廟もまさに城隍(お城の堀)の神様としてできたものなんですね。
さて、本廟の大きな特徴は、中に入るとすぐ右側に黄金に輝く観音菩薩像が祀られていることです。独立してこんな形で祀られているのは珍しいです。
そして、祀られている主な神仏は・・・
- 城隍爺(主神)
- 城隍夫人
- 文昌帝君
- 福徳正神
- 孚佑帝君
- 濟公禅師
- 釈迦如来
- 阿弥陀如来
- 薬師如来
- 観音菩薩
- 地蔵王菩薩
などです。こちらは仏教関係が多いですね。
参拝手順は廟内に案内があるのですがよくわかりません。
間違いないのは(上にも述べてますが)・・・
- 香炉の前で天公に申し上げる
- 城隍爺(主神)を参る
ここまでは不動です。廟内導覧では次に観音菩薩となっているのですが、その先が不明です。そういう時、私は気にせずに並んでる順番にお参りをしてます。
さてこの界隈はまさに昔の台北城内で、総統府や国立台湾博物館などがすぐそばにあって歴史の宝庫です。また、台北駅に近く、新光三越もごく近く、歴史と賑やかさが同居していて、とっても楽しいところですね。
松山慈祐宮
ついに最後の五つ目です。
台湾省城隍廟から来る場合は、MRT台北駅の方に行かず、MRT西門駅に戻って松山新店線に乗って終点松山駅で下車してください。
MRT松山駅といえば何といっても饒河街夜市です。総合的に勘案すれば、台北で一番の夜市は、ここ、饒河街夜市ではないかと思っています。
こちらの記事の「五分埔服飾広場」の項で詳しく解説しています。
やっぱり松山慈祐宮と饒河街夜市はセットで行かなくっちゃね。お参りをしてから夜市をぶらぶらが台湾らしくていいです。
松山慈祐宮は1753年に建立されているので、すでに260年以上の歴史がある非常に特徴的な廟です。
何が特徴的かと言いますと、本宮がなんと6階建で各階に神仏が祀られていて、今まで述べてきた主だった神仏は全ておられます。
しかも空間的ゆとりがあって、狭い場所に混然と並べられているのではないので、参拝する側もゆったりとした気持ちでお願いをすることができます。
また、霞海城隍廟でもご説明しましたが、本廟も「台湾宗教百景」に選ばれています。
参拝時には是非ともご覧いただきたいものが二つあって・・・
一つは、三河殿正面を守って左右に立つ石獅子です。石獅子も廟によって表情や全体の形状は違っており、本廟は姿も表情もシンプルですね。また、雄は口を開き、雌は閉じていますが、これも廟によって違います。何れにしてもこの石獅子は本廟の重要物です。
二つ目は屋根の装飾です。MRTから降りて近づいてゆくと、三河殿の屋根に三仙人と龍が鮮やかです。本宮の上階からも、屋根の装飾が真側に見られて貴重です。
なぜ最後にこの松山慈祐宮を選んだのかは、実際に行ってもらえればわかります。
さて、参拝の順序と主だった仏神は次の通りです。主神に参拝したら、右側の階段を登って、2階から参拝し順に上へ行きます。
6階まで参拝したら1階に降りて、最後に左側(註生娘娘階段の反対側)の神を参拝します。
- 1F正殿 天上聖母(媽祖・主神)・(千里眼將軍・順風耳將軍)
- 2F註生殿 註生娘娘・(十二婆姐・杜玉娘夫人)
- 2F太歲殿 太歲星君(祟りをもたらす神、該当する年の神に参拝)・(斗姥元君・護法神左輔右弼大將)
- 3F仏祖殿 千手観音・南海観音・(各菩薩・十八羅漢)
- 4F帝君殿 関聖帝君・(関平太子・清水祖師・文昌帝君・孚佑帝君)
- 5F三清殿 三清道祖(元始天尊<商売繁盛.入試合格>・霊宝天尊道<精神集中.怨霊除去>・道徳天尊<家庭円満.良縁成就>)道教の最高神・三教教主(老師・孔子・釈迦)
- 6F凌霄殿 玉皇大帝・三官大帝(天官<招福>・地官<免罪>・水官<除厄>の総称)
- 1F 地蔵王菩薩
- 1F 福徳正神
- 1F 虎爺
素晴らしい芸術鑑賞を兼ねてゆっくりと参拝して回りましょう。
場所の確認
これまでご紹介してきた廟の位置関係を確認しておきましょう。
まとめ
今回は台北中のご利益を全部いただくために^^、特別に5つの廟巡り廟参りを計画し実行し、それをあなたにもお勧めする記事となっています。
長く生きれば生きるほど多くの経験を積み、その中で耐えられないような苦しみを味わったり、越えられないような壁に直面したりするものです。
私は無心論者で特定の宗教にも興味がありません。でも、「苦しい時の神頼み」はします。綺麗事で人生渡れれば苦労はしません。
人間は気の持ちよう一つで困難に立ち向かうことができます。昨日まで「絶対に無理」と思っていても。その「気」をもらえるようにお願いをしましょう。
ありえないと諦めずに最愛の人と結ばれるようにお願いをしましょう。世の中に「絶対(不可能)」がないとしたら、赤い糸で結んでもらえる可能性はあるのです。もし幸せが訪れれば必ずお礼参りもしましょうね。
商売も努力プラス時の運も必要です。ここぞという時に城隍爺や福徳正神や関帝にお願いに行きましょう。
- 家族が円満安全であるように
- 試験が合格するように
- 病気が治るように
- 商売が繁盛するように
- お金が貯まるように
- 子供が授かるように
台湾の神様仏様は聞いてくれないことはないと言います。さあ、あなたも台北中のご利益をいただくために5つの廟を訪ねましょう。
たくさんのお願い事を抱えて台湾に行って、美味しいものをたくさん食べて、信仰熱心な台湾人と一緒に八百万の神々にお願いをすれば、必ずや、良い方向に導かれていくでしょう。
なんだか「インチキ宗教の宣伝か?」と言われそうですが、全文をきちっと理解してもらえれば決してそんなことを申し上げているのではないと、わかっていただけるはずです。
いろんな角度から、あなたの台湾旅行が有意義であるように記憶に残るように、そのお手伝いができればいいなと思っています。
コメントを残す