
目 次
(移行前の準備)これをやっておくとスムーズ!
OSのバージョンを確認する
移行作業を始める前に、WindowsとMacのOSバージョンをチェックしましょう。
- Windows 10 / 11ならスムーズに移行可能(古いWindowsでは一部機能が制限される)
- Macは最新のmacOSにアップデートしておく(互換性を保つため)
データの整理とバックアップをする
移行中にデータが消えるリスクを減らすため、次の準備をしておくと安心です。
- 不要なファイルを削除し、移行するデータを最適化する
- 重要なデータは、外付けHDDやクラウドストレージにバックアップしておく
- フォルダを整理しておくと、移行後の管理が楽になる
Macで使えるアプリを確認する
Windowsで使用していたアプリがMacでも動作するとは限りません。以下を事前にチェックしておくとスムーズです。
- Microsoft Office(Mac版あり)
- Adobe Photoshop / Illustrator(Mac版あり)
- 一部の業務用ソフト(Mac非対応の場合、代替アプリを探す)
次に移行方法の説明を方法ごとに詳しく説明します。
どの方法が最適かは、移行するデータ量や環境によって異なります。それぞれの特徴を比較し、自分に合った方法を選びましょう。
移行アシスタントを使う(環境を丸ごと移行)
Windowsのユーザーアカウント・設定・ファイル等をまとめてMacに移行したい人に最適な方法です。
手動でファイルをコピーするのとは異なり、Windowsの環境をMac用に適応させながら移行できるのが大きな特徴です。
移行手順
1. 両方のPCを同じWi-Fiネットワークに接続する(最初に行う)
- MacとWindows PCが同じWi-Fiネットワークに接続されているか確認。
- より高速な転送をしたい場合は、イーサネット(有線LAN)で接続すると時間短縮になる。
- ネットワークが不安定だと転送が途中で中断される可能性があるため、強いWi-Fi環境で作業するのが理想的。
2. Windows PCに「Windows移行アシスタント」をインストールし、起動する
- まずはWindows側の準備を整える必要があります。
- Appleの公式サイトから「Windows移行アシスタント」をダウンロードし、インストール。
- インストールが完了したら、Windows PCで「Windows移行アシスタント」を起動し、案内に従って進める。
3. Macで「移行アシスタント」を開く
- Windows側の準備が完了したら、Macで「移行アシスタント」を開く。(アプリケーション>ユーティリティ)
- 「Windows PCからデータを転送」を選択し、次へ進む。
4. Macの移行アシスタントで転送する項目を選ぶ
- MacがWindows PCを検出すると、転送可能なデータの一覧が表示される。
- 選択できる主な項目
- ユーザーアカウント(Windowsのログイン情報・環境設定を引き継ぐ)
- デスクトップやドキュメントフォルダのデータ
- 一部のアプリケーション設定やデータ(ただし、Windows専用アプリそのものはMacに移行できません)
- システム環境設定(フォント・言語設定など)
- 単なるファイルコピーではなく、Macのシステムに適応した形でデータが転送されるのがポイント。
アプリの移行は出来ない
例えば、Microsoft Outlookのメール設定やAdobe Photoshopのカスタムプリセットなどは移行できますが、Windows専用アプリそのものはMacでは動作しません。代替アプリを探す必要があります。
Windowsで使っていたアプリのMac版がある場合(例:Microsoft Office、Adobe Creative Cloudなど)、Macにインストールし直せば同じデータや設定を利用できることがあります。
5. Macがデータを整理しながら移行を開始する
- 転送には時間がかかるため必ずMacとWindowsの電源を確保しておく。
- 転送完了後、Macを再起動すると、Windowsの環境が反映されたMacのアカウントが利用できる。
この方法のメリット・デメリット
メリット
- Windowsのユーザーアカウントや設定をそのまま引き継げるため、新しいMacでもすぐに使い始められる。
- 手作業が少なく、Windowsのデータ整理も不要。
- フォルダ構成や環境設定がそのまま反映されるので、移行後も馴染みやすい。
デメリット
- ネットワーク環境によっては転送に時間がかかる。
- Windows専用ソフトは当然ながらMacでは動作しない。ただし、Mac版が提供されているアプリ(例:Microsoft Office、Adobe Photoshopなど)はMacに再インストールすることで利用できる。
- どうしてもWindows専用ソフトをMacで使いたい場合は、Boot Campや仮想環境(Parallels Desktop、VMware Fusion)を利用する必要がある。
移行アシスタントを使うべき人は?
「Windowsの環境をできる限りそのままMacに移行したい人」に最適な方法です。逆に、特定のファイルだけ移したい場合は、外付けHDDやクラウドストレージの方が適している。
外付けHDD/SSDを使う(整理しながら移行)
必要なデータだけを選んで移行したい人におすすめの方法です。
この方法では、Windows PCから外付けHDD/SSDにデータをコピーし、その後Macに接続してデータを移行します。
クラウドを使わずに済むため、インターネット環境に依存せず大容量データでも高速に移行できるのが特徴です。
移行手順
Windows PCに外付けHDD/SSDを接続する
- まず、外付けHDD/SSDがWindows PCで認識されていることを確認します。
- exFAT形式でフォーマットされているかチェック(exFAT以外のフォーマットの場合、Macで認識されない可能性がある)。
- exFATでない場合は、Windowsの「ディスクの管理」ツールを使って再フォーマットする。
移行したいデータを選んでコピーする
- 不要なデータを整理し、必要なファイルだけをHDD/SSDにコピー。
- 「ドキュメント」「ピクチャ」「デスクトップ」など、よく使うフォルダを優先的に移行すると便利。
- Windowsのフォルダ構成をそのまま維持するか、整理しながら移行するかを決める。
HDD/SSDをMacに接続しFinderでデータをコピーする
- Finder(Macのファイル管理ツール)を開きHDD/SSD内のデータをMacにコピー。
- 必要に応じて、デスクトップやドキュメントフォルダに振り分ける。
フォルダを整理しながら管理する
- 移行後、不要なフォルダを削除しMac上で整理しやすい形に整える。
- Windowsとはフォルダ構成が異なるためMacのFinderに慣れると管理が楽になる。
この方法のメリット・デメリット
メリット
- インターネット不要で高速に移行できる
- 必要なデータだけを選んで移行できる(環境を整理しながら移行可能)
- HDD/SSDをバックアップ用ストレージとしても活用できる
デメリット
- HDD/SSDがexFATでフォーマットされていないとMacで使えない
- 手作業でファイルを整理する必要があるため、フォルダの管理が面倒になる可能性がある
- アプリケーションの設定やユーザー環境は移行できないため、必要に応じてMacに手動で再設定が必要
クラウドストレージを使う(Google Drive / OneDriveなど)
データ移行の方法のひとつとして、「クラウドストレージ」を利用する方法があります。
クラウドストレージとは?
クラウドストレージとは、インターネット上にデータを保存できるサービスのことです。
パソコンやスマホなどのデバイスにデータを直接保存するのではなく、オンラインのサーバーに保存するのが特徴です。
これを使うことで、異なるデバイス間でデータを共有したり、どこからでもアクセスできたりするというメリットがあります。
クラウドストレージにはいくつかの種類がありますが、代表的なものとして以下のサービスがあります。
- Google Drive(Googleが提供するストレージ)
- OneDrive(Microsoftが提供するストレージ)
- Dropbox(多くの企業や個人が利用するストレージ)
クラウドストレージを使えば、Windows PCでアップロードしたデータを、Macで簡単にダウンロードして利用できるため、データ移行の手段としても便利です。
iCloud Driveを別立てで説明している理由
クラウドストレージの一種として、Appleが提供する「iCloud Drive」があります。
これは、Google DriveやOneDriveとは異なり、Apple純正のクラウドサービスでありMacやiPhoneやiPadとの統合が深いのが特徴です。
そのため、本記事ではサードパーティー製のクラウドストレージ(Google DriveやOneDrive)とは区別し、詳細は別立ての次の章で詳しく説明しています。
クラウドストレージを使う前に準備すること
クラウドストレージを使ってデータを移行するには、事前にいくつかの準備が必要です。
クラウドストレージのアカウントを作成する(Google / Microsoftなど)
- Google Drive → drive.google.com でアカウント作成
- OneDrive → Microsoft OneDriveでサインイン
- Dropbox → dropbox.com でアカウント作成
Windows PCにクラウドストレージのアプリをインストールする
- 公式サイトからアプリをダウンロードしてインストール
- ログイン後「同期フォルダ」を指定し、データを保存できるようにする
Macにもクラウドストレージのアプリをインストールする
- MacでGoogle DriveやOneDriveのデータを利用するには、Windows PCと同様にクラウドストレージのアプリをインストールする必要がある。
Webブラウザからのアクセス
Webブラウザ(ChromeやSafari)からでもクラウドストレージにアクセスできますが、大容量データの転送や同期を考えると、アプリをインストールするのが最適です。
手順
Windows PCでクラウドストレージにデータをアップロード
- Google Drive、OneDrive、Dropbox などを利用し移行したいファイルをクラウドに保存。
- 大容量のデータをアップロードすると時間がかかるため、必要なファイルだけを厳選するとスムーズ。
Macでクラウドストレージにアクセスしデータをダウンロード
- Macで同じクラウドストレージにログインし、必要なファイルをダウンロード。
- ストレージサービスによってはMacのFinderと自動同期できる機能があるため必要に応じて設定する。
各クラウドサービスの無料・有料プラン
無料プランの容量は以下のとおりです。当然ごく限られた容量なので、本格的にこれらを使って移行するなら有料プランを検討するほかはないです。
この章の最初に「少量のデータを手軽に移行したい人向けの方法 です。」とご説明をしたのは、無料仕様を前提としたからです。
無料プランの容量
- Google Drive:15GB
- OneDrive:5GB
- Dropbox:2GB
有料プランは、各社の料金変更があったりするのでリンク先で確認してください。
各クラウドの特徴を簡単に補足
- Google Drive:Androidユーザーとの親和性が高くGoogle Docsなどのクラウドアプリと統合しやすい。
- OneDrive:Microsoft Officeとの連携が強力で、WordやExcelファイルをクラウド上で管理しやすい。
- Dropbox:ファイルのバージョン管理が優れており、過去のファイルを復元しやすい。
この方法のメリット・デメリット
メリット
- すぐに始められる:インターネット環境さえあれば、特別な機器を用意する必要がない。
- デバイス間でデータを同期できる:一度クラウドにアップロードすれば、Macだけでなくスマホやタブレットからもアクセス可能。
- 外付けHDD/SSDを持ち歩く必要がない:データがオンライン上に保存されるため、物理的なデバイスを管理する必要がない。
- 大容量のデータ移行も可能(回線環境による):高速な光回線を利用すれば、数十GB以上のデータもスムーズに移行できる。
- 2TBや5TBの有料プランを契約すれば、ストレージ容量の制約も解消可能。
デメリット
- 回線速度によっては時間がかかることがある:光回線なら比較的高速に移行できるが、ネット環境によってはデータ移行に物凄く時間がかかる場合がある。
- 無料プランではストレージ容量に制限がある:無料プランでは大量のデータ移行が難しい。
iCloudを使う方法
iCloudは、Appleが提供する純正のクラウドストレージであり、Mac・iPhone・iPadとのシームレスな連携が特徴です。
WindowsでGoogle DriveやOneDriveを使っていた人でも、Macへの移行を機にiCloudをメインにすることで、Appleデバイス間のデータ管理がよりスムーズになります。
iCloudを使うメリット
- Macに標準搭載されており追加のインストールが不要
- iPhoneやiPadともスムーズに連携しApple製品間でデータ管理が統一できる
- 2TB以上の有料プランを契約すれば、大容量データの移行も可能
- Windows版のiCloudアプリを使えば、Windows PCともデータを同期できる
事前準備
iCloudを活用するには、以下の準備をしておきましょう。
iCloudのストレージ容量を確認する
- 無料プラン(5GB)では、移行できるデータが限られる。
- 大容量データを移行する場合は、50GB・200GB・2TB・6TB・12TBの有料プランを検討。
料金プランの確認
Windows PCにiCloudをインストール
- Windows PCでiCloud Driveを利用する場合、基本的に「iCloud for Windows」のインストールが必要です。
iCloudを使ったデータ移行の手順
Windows PCでiCloud Driveを開き移行したいデータをアップロードする
- iCloudアプリをインストール済みならエクスプローラーの「iCloud Drive」フォルダにデータをコピーするだけでOK。
MacでiCloud Driveを開き必要なデータをダウンロードする
- Finderの「iCloud Drive」に自動的に同期されるため特別な操作は不要。
- 必要なファイルだけローカルに保存することも可能。
ブラウザ上のiCloud.comを利用する方法
WindowsPCにiCloudアプリをインストールする代わりに、ブラウザ上のiCloud.comを開いてデータをアップする方法もあるにはあります。
iCloudを使うデメリット
- 無料プランでは5GBまでしか使えず、大容量移行には有料プランが必要
- アップロードの進行状況が見えにくく転送速度がGoogle DriveやOneDriveに比べて遅く感じることがある
- Mac側のiCloudは至れり尽くせりだがWindows版iCloudは機能が限定的でGoogle DriveやOneDriveほど自由度は高くない
- 「Macストレージを最適化」機能をオンにするとローカルのストレージ容量が少ない場合、一部のファイルがクラウドのみになり、オフラインではアクセスできなくなる可能性がある
移行時のトラブルシューティング
データ移行は基本的にスムーズに進むことが多いですが、環境や設定によっては思わぬトラブルが発生することがあります。
移行作業中に問題が起きた場合、慌てずに原因を特定し、適切な対処を行うことが大切です。この章では、よくある移行時のトラブルとその解決策を紹介します。
移行アシスタントが遅い・止まる
原因
- Wi-Fi接続が不安定または通信速度が遅い
- Windowsのセキュリティソフトが通信をブロックしている
- 転送するデータが多すぎる
対策
- 有線LAN接続に切り替える(Wi-Fiより安定して速い)
- セキュリティソフトを一時的に無効化し、移行完了後に再度有効化する
- 転送データを減らし不要なファイルを削除してから移行する
iCloudの同期が進まない
原因
- iCloudのストレージが不足している
- ネットワークが不安定
- Windows版iCloudの設定ミス
対策
- iCloudのストレージ容量を確認し必要ならプランをアップグレードする
- Wi-Fiではなく有線LANを使用する(速度と安定性を確保)
- Windows版iCloudを再インストールしアカウント設定をやり直す
外付けHDD/SSDがMacで認識されない
原因
- Windowsで「NTFSフォーマット」のまま使用している(Macでは書き込み不可)
- 接続ポートやケーブルの問題
- 外付けドライブが壊れている可能性
対策
- 外付けドライブを「exFAT」にフォーマットし、Windows・Mac両対応にする
- 別のUSBポートやケーブルを試してみる
- 別のPCに接続し、正常に認識されるか確認する
クラウドストレージのアップロードが遅い
原因
- 回線速度が遅い(特にWi-Fi環境)
- 一度に大量のファイルをアップロードしようとしている
- クラウドストレージのサーバー負荷
対策
- 光回線を利用し、夜間など混雑していない時
- 小分けにしてアップロードする(数GB単位で試す)
- Google DriveやOneDriveの場合、専用アプリの同期機能を活用する
まとめ
データ移行には複数の方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
- 全データを簡単に移行したいなら → 移行アシスタント(環境をそのまま引き継げる)
- データを整理しながら移行したいなら → 外付けHDD/SSD(不要なデータを省きつつ、手動で管理できる)
- 少量〜中程度のデータを手軽に移行したいなら → クラウドストレージ(光回線や有料プランを活用すれば大容量移行も可能)
- MacとiCloudをメインに使うなら → iCloud Drive(Appleエコシステムと統合されたクラウド環境を活用)
どの方法を選ぶ場合でも、事前の準備とバックアップが成功のカギです。
移行前に環境を確認し、必要なストレージ容量やネットワーク環境を整えておくことで、スムーズにデータをMacへ移行できます。
「どの方法がベストか」は、移行したいデータの量・使いやすさ・今後の運用によって異なります。
あなたにとって最適な方法を選び、新しいMac環境を快適にスタートさせましょう!
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