目 次
近くて遠い新竹市
この記事は新竹市と周辺の観光情報を記載しています。
他の記事でもよく申し上げていますが、日本人観光客の9割以上が台北市あるいはその周辺だけを観光するそうです。
でも少し足を伸ばせば、台北周辺の超有名観光スポットとはまた違う台湾を発見できます。そこに気がつけば、あなたの観光がう〜んと広がるんですよね。
とはいえ今回ご紹介する新竹市は・・・
- 高鉄(新幹線)台北駅から約35分
- 高鉄(新幹線)桃園駅からはたった11分
そんなに近い距離なのです。まさに目と鼻の先じゃないですか。超気楽に行けるんですよ。その気になれば日帰りだって可能です。
じゃあ・・・
- 台北周辺と比べて何がいいの?
- 台北101や九份などの目玉があるの?
はい、まずその発想から離れないと本当の良さは見えてきません。
逆にお聞きしますが、超有名観光スポットを人に塗れて見て回って、何か心に残ったり感銘を受けたりしましたか? 決してそれを否定しませんが・・・
先入観をなくして・・・
- いろんなところを見て回りましょうよ
- いろんな人と触れ合っていきましょうよ
- その土地その土地の料理を食べ歩きましょうよ
ということで新竹観光のご案内です。
今回私の新竹旅行は2泊3日、市内を観光できたのは実質丸一日だけで、もう一日は人気上昇中の内湾線をぶらぶらしました。
一方、ビジネスの世界で新竹市といえば台湾を代表するIT都市として有名で、多くの日本人ビジネスマンが新竹市で仕事をしています。新竹科学園区はその象徴でもあるのです。
今回は時間の制約で残念ながら縁がありませんでしたが、いずれは記事にしたいなと考えています。
では早速スタートしましょう!!
アクセス
1. 桃園空港から
桃園空港で飛行機を降りて直接新竹市に向かう場合の方法です。
- 桃園空港到着
- 桃園捷運・(第一〜第三)航廈站で乗車
第一ターミナル・第二ターミナル(将来は第三ターミナルも)それぞれにMRTの駅があるので、無事入国できたら案内板をよく見て、MRTの駅(サイトトップ>乗車ガイド>駅紹介)にたどり着きましょう。 - 桃園捷運・高鐡桃園站で下車
MRT高鐡桃園駅は高架駅ですが高鐡桃園駅は地下です。「出口1」から直通なので、間違って外に出ないようにしましょう。 - 高鐡桃園駅で乗車
新竹駅に停まる列車に乗ってください。間違えると大変です。 - 高鐡新竹駅で下車
わずか10分ほどの乗車なので、あっという間もなく到着です。 - 台湾鉄道六家駅まで徒歩で移動
高鐡新竹駅の2Fから高架通路で繋がっているので、先にで高鐡新竹駅構内の2F部分をよく見ておいてください。
- 台湾鉄道六家駅で新竹駅行きに乗車
高鐡新竹駅から台湾鉄道新竹駅へ行く手段として新しくできた六家線です。だいたい30分に一本の割合で出ています。 - 台湾鉄道新竹駅で下車
2. 台北市内から
先に高鐡で台北駅から約35分と述べましたが、実際台北から行く場合は高鐡を利用せずに台湾鉄道の特急列車を利用します。だいたい70分くらいの乗車時間になります。
その方が六家線に乗り換えをしない分だけ早く新竹市内に入れます。
- 台湾鉄道台北駅で特急列車に乗車
- 台湾鉄道新竹駅で下車
ではいよいよ観光案内へと進みましょう。
新竹駅と駅前
台湾鉄道の新竹駅は1913年に松崎万長氏という日本人の設計師によって建てられました。松崎万長氏は台北市の西門紅楼も設計していますね。
新竹駅は実に築後100年を超え尚現役で活躍している台湾で最も古い駅舎です。台鉄台中駅の駅舎もその歴史と堂々たる風貌で双璧だったのですが、2016年10月で新駅と代わってその役目を終えています。
国の重要文化財にも指定されている現役の新竹駅はとても貴重で、やがては来るであろう新駅との交代日の前に実際に見て写真を撮っておきましょう。
尚、2015年の2月にはJR東京駅と姉妹駅提携をしています。日本と台湾の駅はたくさん姉妹提携をしていますが、そういうニュースに触れるたび何かしら心が温かくなります。
駅を出て正面に立つと、右前に太平洋SOGOの白いビルが建っています。あまり高い建物がない新竹では、方向がわからなくなった時に太平洋SOGOの白いビルが結構役に立ちますよ。
駅前の道路を渡って少し離れて、改めて駅舎全貌をつぶさに見ていると、建築に詳しくなくても何か胸にグッとくるものがあります。
- 駅のもつ優雅なフォルムが理由なのか
- 激変の歴史を見てきた建物だからなのか
- 台湾の人たちが大切に残しておいてくれたからか・・・
ホテル
今回宿泊したのは新苑庭園大飯店(Shin Yuan Hotels)というホテルです。事前知識なく、本当に適当に選びました。以下、宿泊時の印象です。
部屋はホテルサイト内「客室一覧」の一番上にある最安のものだったと思います。サイト内では一泊4800元とありますが、私が支払ったのは一泊2,780元の2泊で合計5,560元です。
- 一日だけで周辺を観光するのに便利な場所。かつ、駅から約300mと近い。目的地が近くてもキャリーバッグを転がす時はタクシー利用を推奨。
- 部屋は結構広くて綺麗で、キャリーバックを開いて夜店開店?の準備をしても足の踏み場がなくなるということはない。
- トイレのウォシュレットとバスタブが高得点。
- フロントに聞くと日本のビジネスマンが多いらしく2泊だけだがとっても静かだった。
- フロントの人たちはみんな結構日本語が達者でかつ親切だった。
- 朝食は大変食べやすくおいしかった。内容はごく普通な和洋中だが、どれも日本人の苦手な匂いや味がしなかった。
ということで価格を勘案すれば大満足なホテルでした。
尚、ホテルを選ぶ場合は新竹駅の北側に歩いていける観光スポットが多く、北側に宿泊する方が便利だと思います。
住所:新竹市大同路11号 A 館
電話番号:03-522-6868
予約:新苑庭園大飯店(Shin Yuan Hotels)
ホテルの予約
竹塹城迎曦門と東門護城河親水公園
新竹市は線路と平行な道とそうじゃない道があって、初めて行く人にとっては方向感覚が取りにくい街です。
とりあえず、新竹駅の北側右前の中正路を歩いて行くと、約270mで竹塹城迎曦門に到着します。
そして迎曦門から放射状に道が伸びているので、ここを起点にして、あと太平洋SOGOビルが見えれば参考にして方向感覚を掴んで行くと良いのではないでしょうか。
ちなみに後でご紹介する超有名な新竹都城隍廟は迎曦門から伸びる東門街通りをまっすぐ西に約460m歩けば到着します。
さて、この竹塹城迎曦門は国定第二級古蹟の指定を受けています。どんな歴史があったのでしょう。
竹塹(日本語読みで「ちくざん」)とは新竹の過去の名称です。1730年代に竹塹には堀を掘って城壁を整備し、以後何度か改修を重ね、より強固な防御ができるようになりました。
城壁都市といえば台北なんかもそうでしたね。
そして台北と同じように城壁には4つの門が設けられ・・・
- 北門を拱宸門
- 西門を挹爽門
- 南門を歌薰門
- 東門を迎曦門
と命名しました。
時代は変わり、日本が台湾を統治するようになると城壁や城門は壊され、唯一東門である迎曦門のみが残されたのです。都市整備計画の一環だったのでしょうね。
今回私は時間の関係で迎曦門の内部を見学できなかったのですが、もし来られる機会があば、是非迎曦門の中(下)まで行って歴史を感じてきてください。
さて、城壁の跡地は日本統治時代には濠に変わり、さらに近年になって抜本的にデザインし直され、護城河としてお目見えしました。下の動画はその工事の様子です。
そして同時に河の周辺は親水公園として生まれ変わり、全体の景観がとっても美しく落ち着いた空間を演出しています。
川沿いにはステージもあり演奏が披露されています。私が行った時は、一日目は若いお兄さんがギターの弾き語りを、二日目はおじさんがサックスを吹いていました。
朝に夕に散歩するにはもってこいの憩いと癒しの場所です。また、河に沿った両側の道には粋で洒落たお店もありますよ。あっ、スタバも。
Googleマップを開くと・・・
- 新竹駅の南東南約300mのところに南大路が
- 駅の東北東約440mには東大路が
- 駅の北西北約500mには北大路が
- 駅の西南西約480mには西大路が
あります。よければ確認してみてください。
学生時代は京都に住んでいたので思い出したのですが、京都にも同じ名前の通りがあります。しかし、京都には南大路通だけがないのです。さて、なぜでしょう?
新竹都城隍廟
新竹観光の超目玉といえば都城隍廟ですね。1748年に建立された台湾でも最も由緒ある城隍廟として名高いところす。
場所は中山路と東門街の接点あたりで、一番最初はわかりにくいのですが、出入り口が中山路に一箇所、東門街に二箇所あります。
台湾の廟の周りには必ず食べ物屋さん(屋台)が営業しており、 新竹都城隍廟でもそうなのですが、ここはちょっと特殊で廟の全面全部が屋台街になっています。
屋台の話は後回しにして簡単な城隍の説明を先にしますね。ここをしっかり読んでおくと、現地に行った時の見え方・感じ方がまるで変わってきます。
城隍について
城隍とは地域・地方を治める守護する神のことで、城隍爺が主神です。
面白いのは、昔、城隍爺は行政長官と捉えられており、所轄地域を治めることはもとより、地域民の心を推し量ったり、死後世界の統括まで権限が与えられたりしていたことです。
行政長官なので、治める地域によって・・・
- 省城隍
- 府城隍
- 県城隍
というふうにランク付けがされており、最高位は都城隍です。はいそうです、新竹都城隍廟は最高位なのです。
廟内の配置
城隍爺の後ろ後殿には夫人や二人の子供(大少爺・二少爺)も祀られており、写真の通り、都城隍爺夫人の前には、大人気の月老公(月下老人)もいます。
その他廟内には行政長官の手足となる神がたくさんいます。
城隍爺の左には武判、右には文判が。
- 文判は朱筆と閻魔台帳を持ち、死者の生前の行いについて調査・記録を任務とします。
- 武判は右手に振り上げた刀を持ち、死者に生前の罪があると判断すれば振り下ろすのでしょう。
今回写真を撮り忘れましたが、廟内上部には大そろばんがあり、これは生前の善行・悪行のプラマイを計算するのに使われます。当然マイナスだとえらいことになるのでしょう。
また城隍爺の秘書長を勤めるのが顔の半分が白で、残りの半分が黒の、ちょっと気味が悪い陰陽司が右に。この神は陰陽の境で人の生死に関わる善悪・正邪などをはっきりさせる役目です。
それから、正殿の両側には3人づつ六司官員の罰悪司・速報司・増禄司・糾察司・楽善司・延寿司が並び、それぞれの職責を果たしています。
そのほかにも沢山の部下神がいます。その他、子授け神として有名な註生娘娘も祀られてますね。
また敷地内には別棟で
- 弥勒殿
- 法蓮寺
があり、それぞれに弥勒菩薩と観世音菩薩が祀られています。
入口の龍の柱や壁・天井の装飾の素晴らしさも見逃せません。
ま〜とにかく台湾の他の有名な廟と同じく、この世のあの世のすべてのお願い事ができる場所であります。
食べ物屋台街
先に述べましたように廟の前は大きな屋台街となっていまして、私の知る限り、こんな風に廟の全面が完全に屋台街となっているところはほかにありません。
その他、隣接する道路に面してもたくさんの屋台があります。
廟に歴史があれば飲食店にも歴史があって、評価されているお店が残っていると考えてもいいのではないでしょうか。
さて、何を食べるかですが、是非とも押さえておきたいのが・・・
- 新竹ビーフン
- 魚のすり身団子が入った魚丸湯
- 肉のすり身団子が入った貢丸湯
- スルメイカのとろみスープである魷魚肉羹
- 肉圓(サツマイモ粉で作った皮に具を詰め蒸したものを低温油でじっくりコンフィのようにし最後に甘酸っぱいソースをかけて出来上がり)
この辺はやっぱり外せないでしょう。次にお店の紹介です。
阿城號米粉
新竹都城隍廟前の屋台街でもひときわ有名な新竹ビーフンのお店。この日注文したのは・・・
- 炒米粉
- 総合湯
新竹と言えばビーフンというくらい新竹ビーフンは有名ですね。阿城號のビーフン(40元)は非常にシンプルでビーフン以外は少しの肉そぼろともやしくらいです。
味は一口噛むと結構ニンニクの香りが広がりますが、二口三口と食べていくと感じなくなってくるので、強烈というほどでもありません。
塩加減は薄味の私にはちょうどよくて、その他少しの甘みと酸味が感じられます。ものすごく記憶に残るほどの味だとは思いませんが、十分に美味しいです。
3種類の貢丸湯が入った総合湯(55元)は出汁の効いたやや薄味のスープで、貢丸湯は普通のものと椎茸のみじん切りが入ったもの、そして一番大きいのは包餡大貢丸というのは中に豚まんの具のようなものが入っています。
普通に美味しいですが、特に包餡大貢丸は結構美味しさが記憶に残りました。
ビーフンも貢丸も歯ごたえ命ですが、すごい歯ごたえのあるものと比べると、まあ普通でした。両方とも日本人が食べつけない変な香料は使ってないと思います。
「百年の味」を過大に期待して行ったので普通の美味しさがやや期待はずれ・・かな。
阿忠肉圓
こちらで注文したのは・・・
- 葱肉肉圓
- 包餡魚丸湯
- 豚肉そぼろビーフン
この3品です。40元45元40元とまあまあリーズナブル。
葱肉肉圓は上にご説明の通り台湾独特の料理で、日本ではマスコミもあまり紹介しないから知らない方も多いかもしれません。
ここの餡は豚肉にネギと栗くらいで比較的シンプルです。最後に皿に乗せてピンクの特製ソースをかけて出来上がり。ま〜高カロリーでしょうね。
口に入れると、ニンニクの香りが膨らんで次に梅らしい酸っぱさと塩味、そして味つけられた餡の味が一体となり、モチモチっとした歯ごたえと、なかなか美味しいです。
が、日本人が食べているジャンルにはないような料理なので、人を選ぶかもしれません。味が極端に一方向に振られているということではないので食べられるとは思いますが・・・。
昨日は豚肉の丸湯を食べたので今日は魚の包餡魚丸湯にしました。と思っていたら、魚のすり身の中は豚中心の餡が入ってました。「包餡」を見落としてました。
これは普通に美味しいのですが、餡のない魚だけの丸湯の方がいいと思います。餡を入れるとそれぞれがいいところを相殺するようでもったいない気がします。
ビーフンは豚そぼろとにらとネギ。まあどこも具は似たり寄ったりですが、ここの最大の特徴は、脂っこいことです。
ビーフンも魚丸湯も脂っこくて昨日とは好対照です。油に旨味を乗せてニンニク風味と一緒にガツンとくるのがよければ阿忠肉圓がいいでしょう。
私は比較すればまだ昨日の阿城號がいいです。あっさりしていて味も濃くなく旨味が口に残るようなのが好きです。
阿忠肉圓のはちょっとしつこいかな。味は普通に美味しいけれど。
安忠冰店
廟を出て東門街通り沿いにあるお店です。
屋台からスタートして今や4階建のビルを持つまでに至った有名なかき氷店です。かき氷だけではありません。昔ながらの豆や芋団子のスイーツもあります。
トッピング材料が手作りの店で、かき氷ではパイナップルかき氷がオリジナルで有名です。
独自の手法でパイナップルを甘く煮詰めており、細かく刻まれて蜜とともに氷の上に乗ります。変な合成調味料の匂いがしなくいい感じです。
味は、がつ〜んとした甘さはなく割と上品です。非常に爽やかで美味しいと思いましたが、物足りないと感じる人もいるでしょう。
でも食後はこれくらいがさっぱりしていていいと感じますが、どうでしょう?
元祖郭家潤餅
今回はお腹いっぱいで食べられなかったのですが、このお店も創業百年越えで超有名です。安忠冰店の並びにあって、前のマーライオンみたいな大きな鯉が目印です。
潤餅(ルンビン)は焼いた小麦粉の薄い皮の中に細切り干豆腐・細切り干大根・もやし・肉の甘デンブなどを入れ巻き、粉ピーナッツの塩味で食べるものです。
味の想像がつくので特別な食べ物ではありませんが、未経験なら、一度は食べてみましょう。ハマる人もいます。見た目より結構お腹にきますよ。
台湾人を原告とする裁判で有名になった番組。
この番組の中で、寺廟整理という「神社参拝の強制」と「寺廟の破壊」について紹介されている。つまり、理由はともかく、当時の総統府は台湾の寺廟を破壊する方針を立て実行して行ったのである。
しかし、公の統計によると、寺廟の数は1938年がピークで3471、1942年には3398であり、大号令による台湾全土の寺廟取り潰しと言える数でもない。(1942年以降の統計はない)
そこには単なる「弾圧と取り潰し」というようなものではない思考や迷いが行政側にあったのは、少し資料で確認すればすぐわかる。
事実、1941年には当時の長谷川清総督がこの政策を一時中止している。
第一、「あの番組はおかしい」と日本語世代の台湾人の多くが話されている。だからこそ裁判にもなったわけで、「当時の」「台湾人の」歴史感覚や感情をNHKも裁判官もわかっていない。
「本質を見抜けないで、ただ自虐的結論に持っていけばいいというのは、台湾人にも日本人にも何のためにもなりません。」と流暢な日本語で90歳を超えた台湾人が語ってくださいました。
一方、台北にある台灣省城隍廟などのように取り壊された廟があるのは事実で(再建された)、 新竹都城隍廟がほとんどその被害に遭っていなかったのは非常にラッキーだ。
新竹市消防博物館
中山路にある新竹都城隍廟の出入り口から東へ340mくらい歩くと、新竹市消防博物館があります。 現在の消防局はここにはなく、西大路を北に上がったところにあります。
この建物は日本統治時代(1937年)にできたもので、もう80年くらい前のものですが非常にいい状態で、おそらく主に地元の子供達の校外学習の場として活躍しています。
1階の展示室にあるトヨタ製の消防自動車金徳號がとっても象徴的でかっこいいですね。その他2階も含め消防に関する展示や体験施設があります。
3階以上は階段だけ(部屋はあるかもしれないが入れない)で6階にあがると外に出ることができます。日本統治時代はここが一番高く、まさに火の見櫓だったのです。そして火事を発見したらいち早く鐘を鳴らして知らせたんですね。
というのも新竹は昔から強風の吹く場所として有名で、特に冬の強烈な季節風は頻繁に火事を発生させるので消防に力が注がれたわけです。
私はここに立ちたかったのです。今でこそこの6階よりも高い建物ができていますが、それでもまだまだ遠くまで見渡せる方向はあります。あなたにも是非ここに立っていただきたいです。
そして、目の前東側には新竹市政府の建物が、南側には新竹市警察局の建物が美しい表情を見せていますが、なんと両方とも日本統治時代に建てられたもので尚健在なのです。
さて、博物館の中をウロウロと見ていたら一人の若者が案内しましょうと親切にあれこれ説明をしてくれました。
速射砲のような話の半分も聞き取ることはできませんでしたが、想像でつないでなんとか形にしています。
最後にブログに載せてもいいか聞いたらみんなが集まってくれました。新竹市消防局の皆さん、ありがとう。
新竹市消防博物館
住所:新竹市中山路 4 号
電話番号:03-522-2050
開館時間:9:00~12:00 13:00~17:00(土曜は21:00まで)
休館日:毎週月曜、旧正月大晦日〜2日
Facebook:新竹市消防博物館
新竹市政府と新竹市警察局
新竹市消防博物館のすぐそばにあるこれら2つの建物は記述の通り日本統治時代の建物ですが、非常に芸術的で美しく、是非そばでご覧ください。
特に新竹市政府の建物は美しさが際立っていますが、元は新竹州庁舎として建てられたものです。
1895年に日本が台湾統治をはじめるめるまでは、新竹の建築物は清朝時代のものでしたが、統治後すぐには建て替えずしばらくは道路や水道の整備を優先しました。
やがて1926年になってようやく完成した新竹州庁舎は、その後1944年には連合軍の空爆で一部損傷を受けましたが解体せず、修復によって現在もその重厚荘厳なる姿をとどめています。
もし現地に行かれたら忘れずに見て欲しいのが屋根です。斜めに切って瓦を載せていますね。まさに日本建築の屋根そのもので見事な和洋折衷建築になっています。
行った時は時間があったのに、なぜか建物内部を見るという発想がなく、惜しいことをしました。次回に譲ります。
新竹市政府
住所:新竹市中正路120号
電話番号:03-521-6121
開館時間:月曜から金曜 8:00~12:00 13:00~17:00
ホームページ:新竹市政府(日本語)
新竹市美術館暨開拓館
新竹市政府の南を走る中央路に面して建っているのが新竹市美術館暨開拓館です。この建物は1930年に建てられた旧新竹市役所です。
建物としては新竹市政府庁舎と通じるものがありますね。1階は美術館としての展示、2階は色々な企画がなされています。
私が訪問した時は玩具展をやっていました。
建物を見て、中に入って、もし気に入った展示や催しがあれば時間を使ってもいいんじゃないでしょうか。
新竹市美術館暨開拓館
住所:新竹市中正路116号
電話番号:03-524-7218
開館時間:火曜から日曜 9:00~17:00
休館日:月曜日、祝祭日
facebook:新竹市美術館暨開拓館
辛志平校長故居
名称の通り辛志平という校長先生が40年間住んでいた宿舎です。
辛志平は戦後、それまでの日本教育を払拭し中国国民党の目指す教育をするために大陸からやってきた人で、戦後の初代新竹中学校校長です。
この校長宿舎自体は資料はないものの1922年頃に建てられたと推測されており、元々は日本統治時代の校長が住んでいたところです。
ではどうして辛志平校長故居という名称になったかですが、よくはわかりません。
なので推測ですが、方向性はどうであれ、当時、人的にも物的にも財政的にも厳しい中、長期にわたり全力を投じて教育環境を整えた功績がある、と評価されているのかなあと考えています。
とうことで名称はイマイチですが、実はおすすめの場所です。本当に美しい日本建築です。
建物は・・・
- 元住居
- 「藝文館」と称される建物
この二棟があって、間の可愛い池には蓮の葉が浮かんでいます。
藝文館はちょっと一服するのにぴったりの場所で、写真でわかってもらえるかどうかですが、本当に落ち着いて冷たいコーヒーをいただける場所です。
今時LPレコードでジャズが流れる店なんて粋でしょう。少し天井が高くて木造なので、音が邪魔にならないんですね。
元住居の方はとっても若い説明員がいらしてすごく親切です。日本語はダメですが、英語はOKです。学生時代を思い出して英語で説明を聞いてみてください。きっと彼らの心が伝わってきます。
経緯はともあれ、純和風建築が新竹の人の手で大切に守られていることに感謝します。
辛志平校長故居
住所:新竹市東門街32号
電話番号:03-522-0351
開館時間:平日11:00~17:30 週末10:00~17:30
休館日:月曜
案内ページ:辛志平校長故居
新竹公園
新竹市で一番大きな公園で、しかもたくさんの要素が詰まっていて、非常に美しく楽しい場所です。
何があるのか? はい、色々あるんですよ。
- 麗池
- 玻璃工芸館
- 湖畔料亭跡
- 動物園
- 孔子廟
- その他
ホテルは新竹都城隍廟側に取ることが多いと思うのですが、その場合、この公園は新竹駅の反対側なので・・・
- 東大路の高架を渡るか
- 駅のやや東側から地下道を通るか
いずれかの方法で行きます。
歩いていく場合は迷わないように、時々振り向いて太平洋SOGOの白いビルを見ながら確認をしていきましょう。
東大路から公園に近づいてゆくと真正面に大きなメインエントランスが見えて来ます。公園に面して左右に公園路があり、もしこの辺に宿泊しているのであれば毎朝散歩したくなるような風景です。
エントランスの左側には綺麗な麗池が東の方へ広がり、公園路を歩くとやがて麗池にかかる美しい九曲橋が見えて来ます。
九曲橋を渡り歩くと、途中に小島があって鳥が餌を啄んでたりして、のどかですね〜。でもよく見るとこんなところにまで「ヘビ注意」の看板が。
なんでやねん( ; ; )
気を取り直して渡りきると池を眺める階段椅子のある屋根付き休憩所みたいなところが。そして左側に少し歩くと日本家屋が数棟建っています。
これは日本統治時代の高級料亭(湖畔料亭)で、よく修復されていて見ごたえがあります。
さて、メインエントランスに戻って正面から公園に入ると、左側はこの公園の目玉である玻璃工芸館です。
工芸館を左に見て進むと動物園の出入り口があります。今回は動物園には入りませんでした。
また、メインエントランスを入った正面にはあんまり趣味の良くない壁みたいなのがありますが、この左右が階段で、奥は公園散歩道になっています。
一番奥まで行くと、なんと孔子廟があるではありませんか。何にも確認しないで歩いていたので発見した時はちょっと感動しました。
新竹市立玻璃工芸館
この公園に来た直接の目的はここにあるガラス工芸館を見て見たかったからです。しかし、残念ながら改修工事中で入ることが出来ませんでした。
新竹のガラス製品は、日本統治時代に一般的な必需品生産から始まり、次第にそのレベルを上げ、芸術的デザイン的に高い評価を受ける製品を生産するようになりました。
工芸館はそう行った新竹のガラス工芸品を展示するとともに、歴史についても学べます。
さらにここの一大特徴として、創作施設が完備されており実際にガラス工芸品作成の体験ができます。
また、この魅力的な工芸館の建物は日本統治時代の1936年に建てられたもので、時代とともに、その用途があれこれと変遷してゆく中、1999年12月に今日のような形に収まったのです。
すごく見たかったので残念。
新竹市立玻璃工芸館
住所:新竹市東大路1段2号
電話番号:03-562-6091
開館時間:9:00~17:00
休館日:月曜、祝祭日
入場料:50元
ホームページ:新竹市立玻璃工芸館(「この接続ではプライバシーが保護されません」と出た場合、これは新北市政府がサイト証明書を更新していないからで心配はありません)
なんだかんだで見ごたえ歩きごたえのある公園でした。晴れてあまり暑くなければぶらぶらするのに最高ですよ。
内湾線
台湾鉄道の三大支線といえば・・・
- 平渓線
- 集集線
- 内湾線
この三線です。
全て日本統治時代にできたこれら線路の目的は、いずれも木材や石炭その他資材運搬用であったので廃線になってもおかしくなかったのですが、いずれも観光利用で蘇っています。
そんな中でも一番地味なのが内湾線です。細かいことは知りませんが、合興駅が若いカップルに人気が出始めて、内湾線も徐々に盛り返して来たという印象です。
今では、特に週末は結構な混雑になるそうで、沿線を訪れる観光客の年間総数は約350万人にもなるそうです。
その気になれば台北からの日帰りも十分可能な内湾線。その見所は・・・
- 山間の素朴な景色
- 愛情駅の合興駅
- 客家文化の内湾駅
主だったところはこの三点です。
行き方
台湾鉄道新竹駅と台湾高鉄新竹駅の間には直通列車が走っています(新竹駅ー六家駅)。そしてその間に竹中駅があり、竹中駅と内湾駅の間にも直通列車が走っています(早朝夜は新竹駅ー内湾駅直通もある)。
従って高鉄新竹駅から行く場合は
- 高鉄新竹駅下車
- 六家駅で新竹駅行き乗車
- 竹中駅下車・内湾駅行きに乗り換え
また台鉄新竹駅からいく場合は
- 六家駅行きに乗車
- 竹中駅下車・内湾駅行きに乗り換え
となります。尚、新竹駅ー六家駅間はだいたい30分に1本、竹中駅ー内湾駅間はだいたい1時間に1本の割合で列車が走っています。
列車の発車時刻確認は重要
他の記事でも申し上げてますが、列車の発車時刻を確認しておくことは極めて重要です。うかっとしていると、すぐに1時間くらいロスします。
そういう意味でスマホアプリ台湾等公車(Bus Tracker Taiwan)を使い慣れておくとものすごく重宝します。
合興駅
竹中駅を出発ししばらく走り九讃頭駅をすぎると、俄然山の中に入っていっぺんに景色が変わります。
そして程なくして到着するのが合興駅です。この駅はスイッチバックを利用していたことで有名です。今は使われてない名残が敷地内にあります。
そしてもう一つこの駅を爆発的に有名にしたのが「愛」の物語です。
二人の愛が合興駅を救う
合興駅を利用して通学をしていた地元の曾春兆と彭智惠は、紆余曲折を経てやがてめでたく結婚をしました。1960年代の話です。
一日の乗降客もほとんどおらず、もはや駅としても意味さえなくなって、廃駅を検討されていた合興駅のことを知った二人は、そうさせてはいけないと保存管理するようになりました。
そうした経緯で廃駅の危機を免れた合興駅は、愛の駅として知られ報道されるようになり、更に、2014年には「薫衣草森林」が愛をテーマに駅を作り変えたのです。
な〜んか出来過ぎてて「ホンマかいな?」と思うオジさんはこの駅に降りる資格がないのかも^^
それはともかく、写真をご覧いただけば一目瞭然、右も左も愛・愛・愛です。台湾の若者に人気のスポットですね。
スイッチバックが使われていた時の駅が今はお土産屋さんになっています。
ここで愛する二人は板を買って愛の言葉を書いて(お店でマジックペンを貸してくれます)吊り下げたり、鍵を買って二人の名を書いて、専用の網板に取り付けたりするようです(この鍵の発想はちょっと怖いような・・)。
お土産屋さんには2匹の猫がいますが、おとなしくて可愛いです。オジさんは猫がいいわ。
敷地内は愛のオブジェがいっぱい。廃車はマンガ図書館やカフェとして利用されています。そういえばお花がすごく綺麗でした。
今や愛の聖地となった合興駅は北海道の幸福駅と平成28年10月に姉妹駅協定を結びました。
しかし、悪天候の(途中から大スコール)平日に行ってよかった^^ 週末の晴れた日には山のようなカップルでごった返します。
内湾駅
さて終点の内湾駅で帰りの列車の時刻を確認したら、街へ出て見ましょう。
昔から客家人が多く住んでいて客家文化のある街です。客家人といえば節約上手で賢い民族、それが料理にも表れていると言われてます。
また客家人には客家語があります。元からの台湾人には台湾語があります。原住民にはそれぞれの言葉があります。それが台湾文化なのですね。
日本統治時代は石炭や木材の運び出しで多くの労働者がやって来て、それに伴い飲食店や映画館などの施設ができて華やぎました。九份の記事にも述べていますが同じですね。
ここ内湾は、そういう面影が駅前から伸びた老街にもあります。私が行った日は結構強い雨が降っていて寂しく、あまりウロウロ出来ず、ちょっと残念でした。
今回、客家料理と客家甘味店を紹介しますが、そのほかにも沢山お店があるので好きなところに入られたらいいと思います。
内湾戯院
現存する建物の中でも代表格は映画館だった「内湾戯院」です。
今は入り口のところがお土産ショップで元の映画館内は客家料理を食べさせてくれる食堂になっています。
今でもスクリーンには昔の映画が流れていて、食べながら見ることができます。
元映画館ですから天井が高くて客家レトロなデコレーションをしてもり、落ち着いた雰囲気がゆったりとした気分で食事をさせてくれえいい感じです。
そして、ここの客家料理は本格的で相当にいけます。しかも日本人が食べてもクセや変な匂いがあまりなく、醤油ベースでもあり、とっても美味しく食べられると思います。
客家料理を意識して食べることはあまりないでしょうから、こういうチャンスにじっくりと食べてみるのはいい体験だと思います。
価格は料理により数十元から数百元と幅があるので食べるものによって金額はかなり変わります。
さて、私が行った時に注文した料理は・・・
- 阿嬷孝順菜 干し椎茸・玉ねぎ・人参・コーン・イカ・ソラマメなどが入った甘酸っぱい餡を、豚肉・クワイ・ねぎなどで出来た団子にかけた料理。ピリ辛やにんにくはなし。
- 野薑花烘蛋 野薑(ショウガ科シュクシャ属)の花が入った台湾卵焼き? よくわかりませんが、複雑な旨味が感じられるシャクシャクふわふわな卵焼きでした。
- 客家炒茄子 茄子・ソラマメ・ネギをピリ辛ニンニク風味のしっかりした醤油味で、最後に片栗粉でとろみをつけている。より美味しく食べるにはご飯が必要。
- 客家炒板條 客家料理の代名詞になっている板條(きしめんみたいな麺)です。にら・人参・干し椎茸・ネギ・豚肉などと板條をバッチリニンニクを効かせ醤油で味付けしている一品。
何日か台湾料理を食べていて、いきなり客家料理を食べると、どの料理もすごくしっかり味付けがしてあり、ちょっと新鮮です。
とともに、ご飯かビールがないとちょっと寂しいですね。
内湾戯院にスタッフは皆さん人懐っこくて親切でした。頼んだ料理の名称をメモに書いていたら、わざわざ大きな字で印刷してくださいました。
また、店内では伝統のお茶である擂茶も飲むことができます。
これは材料をすり鉢でズリズリとすりつぶしお湯を入れてお茶として飲むもので客家独特です。今回はあまりにも満腹でパスしましたが、一回は経験して見るのもいいでしょう。
内湾戯院
住所:新竹県橫山郷内湾村中正路227号
電話番号:03-584-9260
開館時間:11:00~18:00
休館日:月曜、火曜
facebook:內灣戲院人文客家菜館
山中傳奇
客家のスィーツ屋さん。店の前に乳牛がいる割とお馴染みのお店です。
かき氷や豆花も定番としてありますが、どうもこの店の売りはミルクを練りこんだ鮮奶麻糬(牛乳お餅)みたいです。
丸い鮮奶麻糬を甘いピーナッツの粉を合わせたり、甘いあずきを合わせたり、生姜かき氷を合わせたり、といった感じですね。
今回私がいただいたのは「牛浣水」という超変な名の商品。
これは鮮奶麻糬の周りにかき氷を敷いて全体にナッツ類を振りかけているものです。店のお姉さんが雄弁に紹介していたので自慢の逸品なのでしょう。
鮮奶麻糬は無糖でほのかに牛乳の味がします。周りのかき氷は甘い生姜味で、これが強烈です。もちろん甘いのですが、もうここまでくると辛苦いでしょ〜ってくらい口がヒリヒリします。
だからナッツか? 食後の口は確かに爽やかになりますが、この一品は人を選ぶでしょうね。単純に美味しいとか不味いとか言えない味です。
久しぶりに予想できない味に出会えていい思い出にはなりました。
山中傳奇
住所:新竹県橫山鄉內湾村光復路18号
電話番号:03-584-9290
開館時間:11:00~18:00
休館日:月曜、火曜
facebook:山中傳奇
まとめ
今回の新竹のご案内のポイントは四つありました。
- 新竹市内に残されている日本統治時代の建物
- 新竹市の顔とも言える都城隍廟
- 新竹市の近代史的博物館
- 愛と客家の内湾駅
見ても歩いても食べても「あ〜ここが新竹なんだ、ここが内湾線界隈なんだ」って感じる旅でした。
そういったことも含め、私の紹介していない観光スポットも合わせ、この2分間の観光動画はよく出来ているので一度ご覧ください。
新竹市観光ビデオ
また、もし晴れてあまり暑くなければ市内観光にはYouBikeは時間的にも経済的にも相当有力な手段です。
もし利用してみたい方はステーションの確認をしてみてください。結構沢山便利な場所にあります。
最後に、市をあげて日本人を歓迎してくれている新竹のビデオで終わります。
さあ行きましょう新竹へ。新竹はあなたを待っています!!
✈ Time for Taiwan !!
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