目 次
口臭という匂い
人は誰でも口臭がどんなものかを知っています。口の臭い人と間近で話をした時の強烈な不快感を経験しているからです。
だから、自分は口臭で人に迷惑をかけたくないと思うのですが、残念ながら自分の口臭がどんな匂いはわからないのです。
おならも嫌な匂いという意味では口臭と双璧ですが、これが困ったことに、自分のおならだと強烈に臭くても「嫌な匂い」だと感じない人が多いのですね。臭ければ臭いほどいい匂いとか・・^^
そんな具合に、人は自分の匂いはわからないし、とっても無頓着でいられるのです。
でも突然、強烈なショックとともに痛いほど自覚させられる時があります。
例えばある日、突然好きな人に「あなたの口、すごく臭いね。近くでお話しできない」とかって言われた時ですね。脳天に電気が走るような衝撃でしょ。
改めて他人から受けた口臭のクサさを思い出すわけです。なんとしても自分の口臭を消さなくてはいけない。冷や汗タラタラにそう思いますよね。
- 周りの人に迷惑をかけたくないという思い
- とても恥ずかしいという気持ち
なんとかしたい! そこで今回の記事です。口臭の原因を探り、対策を一緒に考えていきましょう。
読み進んでいただくとわかりますが、原因の種類が多くて奥が深いんですね。付け焼き刃で解決するようなものではないんです。
じっくりと理解し、原因別に対策を考え、そして口臭を軽くする努力をしていきましょう。
とはいうものの、毎日自分でやるべきは短時間ですむ簡単なことです。要は毎日やるかやらないか。
とその前に、自分の口臭がどの程度かって、どうして確認すればいいのでしょうか? まずはそこからスタートしましょう。
自分の口臭の程度を知る
まずは自分の口臭の程度ですね。これを知りたいと考えている人は多いでしょう。なので、その方法について述べます。
歯医者で確認
定期的に歯垢取りなどで歯医者さんに行き慣れている方は、先生に確認するのが一番です。
行きつけの歯科医が口臭外来を兼ねていれば専用の機器も備えているので尚詳しいお話が聞けるでしょう。
口臭外来で確認する
口臭外来とは、口臭の診察・治療を行う医院のことです。「口臭外来 地域名」などで検索すると、お近くの病院がヒットするでしょう。
口臭外来では、実際には歯医者さんがかねている場合が多いのです。
口臭外来では以下のような項目について詳しく調べてくれます。
- 匂いの有無と匂いの程度を数値化
- 匂いを構成するガスの成分と濃度
- データをもとに生理的口臭か病的口臭かを特定
- 口腔内の水分状態の測定
そして歯や歯茎の治療で改善する場合は治療をしてくれますし、カウンセリングが必要な場合は応じてくれます。
また、歯科に直接関係しない要因で臭う場合で、別の専門医の治療が必要な場合は適切な病院を紹介してくれたりします。
口臭外来はそれが専門なだけに、非常にピンポイントで原因が判明する可能性が高く、問題解決への近道と言えるかもしれません。
ただし虫歯や歯周病の治療以外は自費の可能性が高く、また、時間を限定して行なっている歯科医もあるので、事前に必ず電話で確認しておくことが大切です。
口臭チェッカー
口臭チェッカーによる測定は誰にも知られずにできる、自分一人でできる、最も簡単でお手軽な方法です。
チェッカーはおおよそ3,000円から6,000円くらいで売ってますが、仕組みは、ある特定のガス(匂い)を内蔵のセンサーで感知し数値化するものです。
主要メーカーであるTANITAの商品説明では次のように解説されています。
口臭を分析すると、揮発性硫化物や炭化水素系ガスなどが主成分としてあげられます。「ブレスチェッカー」では、呼気中の口臭の主成分を総合的にはかっています。
そしてその他、商品利用上の注意事項なども書かれていますので、同様の製品に関心をお持ちの場合は、まずTANITAの商品取扱説明の全文を読んで参考にされるのもいいかと思います。
匂いというものは非常に微妙であることがわかります。そして機器側にも口側にも一定の理解を持って、ちゃんと準備をして測定する必要があることがわかります。
そこが理解できれば自ずとわかるのですが、あなたの口臭のレベルは一定ではありません。臭さは条件で変化しますし一日のうちでも変化します。
口に空気を通さないで閉じ続けていれば口臭は強くなります。また、食事前や緊張で唾液の分泌量が減っている時も口臭は強くなります。
つまり、一日のうちで口臭が強くなるときは・・・
- 朝起床時
- お腹が空いている時
- 黙々と仕事をやり続けている時
- 緊張やストレスで口が乾いている時
などで、こういう時は口臭が強くなり、逆にリラックスしてお喋りを続けている時は口臭も弱くなります。
以上から、口臭チェッカーを利用すると言っても、基本的理解がないと測定結果を理解することはできないわけです。
ただし口臭チェッカーの能力は限界があります。医者が使っている高価な測定器のような性能はありませんし比較のしようもありません。もしお使いになるのであれば、そこも理解しておく必要があります。
親兄弟姉妹に聞く
自分で指を歯茎に押し当て、或いは指でベロを擦り、その匂いを嗅ぐ方法もありますが、判断はなかなか難しいかもしれません。
やはり自分以外の人に聞くのがよりいいでしょう。そうすると、一番ストレートに物を言ってくれる或いは聞きやすいのは、親兄弟姉妹(勿論それ以外でも)じゃあないでしょうか。
しかも遠慮せずに何度も確認できるので、日日の努力の経過も確認できますね。
口臭の原因と対策
口臭には、非常にたくさんの原因があります。
生活の習慣からくるもの。これは自ら努力することで解決へ近ずくことができます。とは言え、気にしているのにもかかわらず具体的な策を講じず毎日を送っている方も多いでしょう。
結局、周囲へ迷惑をかけたくない意識と羞恥の意識の大きさ強さが行動の原動力かもしれません。
一方、病気が原因のケースもたくさんあります。これは悩んでいてもしょうがないです。早く病院へ行って治療を受けることが解決への道です。
病気の場合は、結果としての口臭もさることながら、病気が及ぼす体への直接の悪影響が怖いです。とにかく早く治療をしてもらって直すことが最優先でしょう。
では具体的に一つ一つ見ていきましょう。
生理的口臭1
唾液に分泌が減少し細菌が増殖して揮発性硫黄化合物(VSC)が多く作られると、それが口臭として匂います。
上でも述べましたが、唾液が減少している時、或いは唾液が減少する原因は大きく分けて・・・
- 起床直後
- 空腹時
- 緊張時
- 疲れている時
などがあります。
そして、これだけが原因であれば・・・
- 食事をする
- 水分を補給する
- 歯磨きをする
- 十分な休息をとる
などによって、唾液を増やしたり、口内をリフレッシュしたりするだけで、口臭は激減します。
また、生理的口臭は病気ではないので・・・
- 特別に特有のきつい匂いがするわけではない
- 通常相手と話す距離であればそれほど感じない(30cm以上)
ということです。
体の状態やストレスの程度で生理的口臭の程度も変わりますが、生活上の習慣で改善することができるので、それだけが原因の口臭であれば治療の必要はありません。
生理的口臭2(ストレス・心理的口臭)
緊張が継続したりストレスがかかり続けたりすると唾液の分泌量がが少なくなります。そうすると、口内細菌が活発化して口臭が発生します。
自律神経のうち交感神経が優位になり、その影響で唾液の分泌が抑えられてしまうからです。
現代人はストレスと同居しているようなもんですから、ストレスから逃れることは不可能です。だからこそ恒常的なストレスとの付き合い方が重要になってきます。
しかし上手に付き合うといっても、同じ方策を講じても、ある人にはストレス解消に有効で、ある人にはかえって悪化させることもあるので、なかなかデリケートな問題です。
そうである以上、自分にあったストレス解消法を自分で見つけて実践する以外にはありません。にもかかわらず、現実は解消法を考えたり実践したりする人は少ないようです。
でも、それでストレス口臭に悩むのであれば矛盾しています。自分で解決策をいろいろ試してみましょう。
私の知っている範囲で、一般的に効果がある方法は・・・
- 好きな音楽を割と大きな音で聴きながらジョギングかウォーキングをする
- 一人カラオケで思い切り歌う
この二つは一人でできて、かつ効果大です。是非お試しください。
逆に、やっても解消にならないどころか悪影響しかでないことはNGです。例えば・・
- 度を越した買い物・・取り返しのつかない経済負担となることも。物で心は楽にならない。
- 度を越した飲酒・・酔いから覚めたら、かえって心中は酷くなるし、依存が強まると社会人として生活できなくなる可能性もあります。
- ギャンブル・・長期的には必ず負けるし、安定的なストレス解消法とは程遠いです。中毒化して社会復帰できなくなる可能性もあります。
ということで、取り返しのつかない道には入らないようにして、あなたなりの解決法を見つけて、上手にストレス解消し唾液分泌量が減らないようにしましょう。
これね、さらっと述べてますけれど本当にキモです。また、薬物なんかに手を染めるとギャンブルや酒以上に抜け出せなくなる可能性が高いです。
生理的口臭3(ホルモンバランスの崩れ)
また、その他の生理的口臭としては、ホルモンバランスの変調が原因となる場合があります。、具体的には・・・
- 生理・妊娠時
- 思春期
- 更年期
などの時期に出る口臭ですが、何れにしても、病気ではありませんし、一過性のものです。
生理的口臭4(飲食やタバコによる口臭)
よくご存知のように・・・
- 食事(にんにく・にら・ねぎなどの匂う食品)
- 飲酒
- 喫煙
などで口臭が発生します。
食事や飲酒による口臭は時間が経過すれば消えるので、食後のスケジュールを考えた飲食によってコントロールできます。
喫煙による口臭は消えません。
喫煙が原因の匂いは口臭だけでなく、衣服などからも匂い、喫煙者の側で話をした時に受ける臭いの不快感は独特のものがあります。
「話をする」どころか狭い部屋なら、喫煙者がいるだけで何とも言えない匂いがします。
また、恒常的な飲酒や喫煙は、そうでない人に比べ歯周病になりやすいという報告もあります。口臭や体調管理を考慮して、恒常的な飲酒や喫煙をしている方は、一度よくよく考えた方がいいのではないでしょうか。
病的口臭の種類と解決策
病気に起因する口臭は、その原因となる病気の範囲も種類も多いです。また、歯垢・歯石のように、そこに至る途中状況というべき状況もあります。
もちろん加療が必要なのはいうまでもありませんが、生理的口臭の対策も兼ねて毎日やるべきことがあります。
その辺を症状別にお話ししていきます。
歯垢・歯石・虫歯・歯周病
歯垢は歯の表面にへばりついている細菌の塊とその代謝物で、我々が食事をした食べかすを栄養源としています。そして、歯垢は時間の経過とともに石灰質の歯石を作っていきます。
歯垢は雑な歯磨きではなかなか取れず、少しずつ増加していき、尚のこと取れにくくなっていきます。そして歯石が口内に増加してくると口臭もひどくなっていきます。とともに虫歯にもなります。
虫歯の穴には食べ物などが溜まるので匂いがするし、穴が大きくなるにつれ口臭もひどくなり、やがて神経が侵されると口臭も一層ひどくなります。
歯医者で年4回の定期検診を受け、歯垢や歯石を取ってもらい、虫歯ができていれば即治療してもらいましょう。
きちんと歯医者にさえ通っていれば、この手の問題は口臭も含め深刻にはならないんですが、通わない人が多いのです。友人の歯医者が愚痴ってました。「もっと早くくればこんな風にならなくて済むのに・・・」
次に歯周病についてですが、歯垢・歯石や虫歯の放置はやがて恐ろしい歯周病へと繋がって行きます。
歯周病の困る点は、全く自覚なく痛くも痒くもなく静かに進行するところです。
そしていつの頃からか、ちょっとしたことで歯茎から血が出るようになり、やがて血に膿が混じるようになってきます
病状の進行につれ、口臭もひどくなっていきます。重症化すれば抜歯せざるを得なくなり、口臭どころではなくなってしないます。
特に30過ぎの女性は要注意で、家庭を持ち幼児を抱え仕事をし、その多忙がストレスを生み、加齢も重なって、歯周病になる危険が増します。
ここで自覚すべきとっても大切なポイントがあります。それは・・・
歯の病気は悪化一方向のみで自然治癒はありえない
という点です。風邪なら放置していても免疫機能で治りえますが、歯の病気は悪化するのみで口臭もどんどんひどくなるのみで、最終的には抜歯以外に手はなくなってしまいます。
ですから、絶対的なマストは繰り返しますが・・・
歯医者で年4回の定期検診を受け、歯垢や歯石を取ってもらい、歯周ポケットの状況をチェックしてもらい、虫歯ができていれば即治療してもらう。
これに尽きます!
そして通っていれば、口内に関する質問もしやすくなるし、大切なことを教えてもらえるでしょう。しつこいですが、これ以外に方法はないし、故にめちゃくちゃ大切なポイントです。
歯が歯茎が悪くて口臭がしているのに歯医者に行かず悩むのは、あるいは何かを買ってそれで抑えようとするのは、全く意味がありません。とにかく歯医者に行きましょう。
もし口臭の主原因が歯医者の専門外であれば、それはそれで、どこで診療を受ければ良いのかを教えてくれるでしょう。それもこれも歯医者に通っていればこそです。
舌苔
体調が崩れてくると、舌の表面が細菌の塊で白くなる場合があり、これを舌苔といって口臭の大きな原因になります。故に悩んでいる人も多いようです。
原因は色々あります。
- ホルモンバランスの崩れ
- 疲労・ストレスの増加
- 代謝不良
- 喫煙
- 消化器の不良
- 薬の影響
- 薬の影響
こう見れば、舌苔って一種の危険信号のようでもありますね。
また普通に健康であっても、思春期や多忙な社会人生活、更年期など、生きているうちに原因は何度も発生します。
そして、舌苔内では食べ物のカスや表皮細胞のカケラなどが腐敗して、口臭の元である硫化水素が発生し臭うのです。口臭を心配する時、舌苔の存在は見逃せません。
舌苔の発生を抑えるためには、まず当然ですが、上記の原因で解消できるものは取り除き、治療すべきものは治療します。
その上で、日頃から・・
- 顎をよく動かす(噛みごたえがある)食事をして顎の筋肉を鍛える
- 舌の運動で唾液腺を刺激します
とにかく唾液をよく出すことが、口腔内を清潔にし口臭を抑えるために、思いの外大切なのです。
次に、舌苔を取る方法ですが、最初に押さえておきたいのは、全部完全に取ろうとするのはよくないということです(←これ大事)。取りすぎると過敏になり余計に増えて、最悪、収拾がつかなくなります。
一番簡単なのは、舌を上顎に擦り付けて前後左右に動かして取る方法です。
また、一番効果があるのは、舌ブラシを使用する方法です。この際、鏡を見て舌の奥から手前へ引いてください。そして水でブラシを濯いでまた同じ動作を繰り返します。
ポイントは、一日一回だけとし、舌を傷つけるような強い力をかけないことです。舌の粘膜を傷つけては元も子もありません。
ドライマウス
唾液には・・・
- 口内の粘膜保護
- 口内の洗浄作用
- 細菌の増加防止
など大切な働きがあります。したがって唾液出が悪くなると虫歯になりやすくなり、口臭発生の原因となります。
そうなのです。
唾液の出が悪くなる→口内の細菌が増加する→口臭が発生する
というパターンが非常に多いのです。
すでにご説明していますように、唾液の出が悪くなる原因は・・・
- ストレス
- ホルモンの乱れ
- 加齢
などがあります。誰にでもあるのです。ですから全ての人が意識して唾液の量が落ちないように努力する必要があります。
一番簡単なのは、水を飲んで補給することです。こまめに何度も水を飲みましょう。それだけで・・・
- 口内細菌が流れ落ちる
- 唾液分泌促進効果がある
ということです。
さらに、恒常的にやって効果があるのは舌の運動です。とにかく・・・
口の中で舌を上下左右に動かして唾液腺を刺激しましょう。
繰り返しますが、口腔内の健康を保つために口臭を発生させないために唾液を出すことが殊の外重要なのです。
入れ歯・クラウン
入れ歯のプラスチック部分は匂いを吸着するので口臭の原因となります。日頃からまめに手入れをしましょう。放置して匂いがついてから無臭にするのはかなり手間です。
但し、研磨剤の入った歯磨き剤は入れ歯を傷める可能性があるので使用しない方がいいです。そして、入れ歯に付着した菌を取り除く意味でも毎日の洗浄が大事です。
入れ歯洗浄剤は種類が豊富にあるので、あなたにあったものを使ってください。例えば・・・
- コーヒーなどをよく飲んで着色しやすい場合は漂白力の強い洗浄剤
- タバコを吸う方であればヤニ取り効果が高い洗浄剤
といったところです。
また、歯に被せたクラウンに穴が開いたり不良化すると食べかすなどがたまり口臭の原因となります。
これは鏡を見れば自分で確認できますね。この場合は自分で解決する方法はありません。歯医者さん直行です。
痰・膿栓
鼻や口からは、常に細菌やウイルスが空気とともに出入りしています。これらにしょっちゅう感染していては体が持ちませんから、防御しなくてはいけません。
そこで、口の奥から喉の奥・食道に至るあたりまで、扁桃細胞(口の奥両側には扁桃腺)がびっしりあります。
扁桃細胞は感染を防御するために、ネバネバの免疫物質を出しています。
そして、免疫物質の戦った証が痰であり膿栓です。これらは免疫物質、細菌・ウイルスの死骸などでできていますが、これがまた臭くて口臭の元になるんですね。
しかし、通常は唾液や舌の作用で胃へ落ちてゆくか、くしゃみで口外へ出て行きます。また、体が正常に戻っていれば痰や膿栓の量も限りなく少なくなっていきます。
では、膿栓などで悩んでいる人が結構多いのはどこに理由があるのでしょうか、どうすればいいのでしょうか。
まず風邪引きなどで体調を壊し、喉が細菌に侵されているときはこれを早く治すことです。そして、殺菌性のあるうがい薬を使ってこまめに口・喉を清潔にし、かつ、潤します。
そうじゃなくて、病気はなく健康状態でも痰が出て膿栓ができる場合は、口や喉が渇いている可能性があります。唾液が少ないのです。
気道の細胞は乾燥に弱く、潤っていない状態が続くと(アレルギー状態のような)過敏な反応を起こすようになり、わずかな原因でしょっちゅう痰や膿栓といった免疫副産物を作り出すことになります。
また、口内の唾液が十分にでていないと細菌が繁殖しやすくなり、口内にとどまりやすくなり、これが口臭の原因となります。
じゃあどうすればいいのか? もう答えが出ているようなもんですが、とにかく唾液を十分に出すことが大切です。そのためには・・・
- 口呼吸をしない(鼻呼吸ができるように通りを良くしておく)
- 緊張・ストレス対策をする
- よく噛む
- 毎日何度も舌の運動をして唾液腺を刺激する
- こまめに水分補給をする
最後に、健康な状態でもうがいは大切です。うがいを習慣にしましょう。
喉・鼻の病気
蓄膿症や咽頭炎が原因となり口臭が発生する場合があります。
蓄膿症は鼻の奥の副鼻腔に膿が溜まります。これは匂いの元となり、鼻からも匂いますし、鼻水が喉の奥に流れ出すと口からも匂います。
理由もないのに(自覚がないのに)やたらと鼻が詰まる。鼻をかむと黄色い鼻水が出て、それが臭い。などの症状がある場合は蓄膿症の可能性があるので耳鼻咽喉科で診断を受けましょう。
咽頭炎の場合は(特別な病気でない場合は)唾液量が落ちないようにする努力と同時に殺菌性のあるうがい液でのうがいが大切です。
口腔癌
口に発生した口腔ガンが口臭の原因になる場合があります。
歯科医師に行った時に口腔内の表皮の状況をチェックされたりした記憶がありません。多分日本の歯医者ではそのようなことはあまりしないのでしょう。
そして、仮に異変を発見してもらっても、もうその時にはかなり進行しているケースが多いです。
ですから日頃、何らかの自覚症状があった場合、具体的には・・・
- 口の中になかなかよくならない腫れ・ふくらみがある
- 口内や舌の色が部分的に違う(変に赤かったり白かったり)
- 口の周りや舌が麻痺しているような動きにくいような感覚がある
のように気になることがあれば、早く大学病院口腔外科を受診して精密検査をしてもらうのが一番確実です。
呼吸器系・消化器系の病気
呼吸器の病気が原因で発生する匂いが口臭の原因となることがあります。
呼吸器系の病気は、気道から肺の炎症が多く・・・
- 鼻炎
- 咽頭炎
- 扁桃炎
- 気管支炎
- 肺炎
などで、その他、肺結核や肺がんなどもあります。
消化器系異常も臭い口臭の原因ですね。例えば・・・
慢性胃炎などで消化不良が常態化するとその匂いが口・鼻に上がってきてかなりきつい口臭となります。
腸で異常発酵が起こり糞詰まりでガスが停滞すると、血管に入り、これが肺から排出されて、やはりきつい口臭になります。
いずれにしましても、元になる病気を完治しないことにはどうしようもありません。とともに、当然ですが、完治すればそれが原因の口臭は軽くなっていきます。
まとめ
今回は「口臭」の原因と対策についてご説明してきました。一口に原因と言っても多種で、改めてびっくりしますね。
解決策は、ごく簡単にまとめれば・・・
- 病気が原因ならその病気を完治する
- 生活習慣が原因ならその習慣を直す
という超当たり前の結論になります。
そして、病気以外の口臭に関しては、既述の対策の実行を続けることにより、相当改善が見込まれることを理解していただいたでしょうか。繰り返しになりますが、最重要事項は・・・
唾液分泌量を落とさない事
- 唾液には殺菌作用(正常に機能していればそれだけで口臭が出にくい)があり、殺菌しきれなかったものも含め胃に流すので結局胃酸で溶かすことができる。
- 唾液は、乾燥に弱い口や喉を潤し守り、不必要な粘液を発生させない(過敏にならない)ので悪臭の一因を無くせる。
という事で、唾液分泌量を落とさないことが口臭を抑える上で極めて大切です。唾液が口臭を出さない鍵といっても過言ではありません。
そのためには唾液線を刺激することが効果的ですが、簡単でありながらあまり実践されていない方法、しかも効果が大きいのが(これも繰り返しになりますが)舌の運動です。
やり方はめっちゃ簡単、歯の外側の歯茎と歯の内側の歯茎を舌でグルグルと刺激するだけです。口内が特別な状態でなければ、これだけで唾液が出ます。
是非実践して効果を確認してください。私はもう癖になっていて、特に意識しなくてもしょっちゅうやっています。
最後になりますが、とにかく口の中を清潔にしましょう。
基本はブラッシングです。正しいブラッシングの手ほどきを歯医者さんの歯科衛生士さんにしてもらいましょう。ブラッシングは口内衛生の基本中の基本で非常に大切です。
もう一つ超大切でありながらあまり語られない口内衛生の基本は「デンタルフロス」です。
デンタルフロスは歯間掃除のための糸のことですね。
これで毎日丁寧に歯間掃除をしなければ歯磨きなんて意味がない、と15年ほど前に友人の歯医者から教わりました。
似たようなもので歯間ブラシがあります。これは外出時に重宝しますが、デンタルフロスにはかないません。
もしご存知なければ、ちょっとコツが必要なので歯医者さんに手ほどきを受けて毎日実行してください。
歯を守り口の中を清潔にする上で、ブラッシング+デンタルフロスは欠かせません。最強です。
そして本文中でも申し上げていますが、3ヶ月に一回は歯医者さんで定期検診を受けて、プラークや歯石を取ってもらうとともに、虫歯や歯周病であれば即治療してもらいましょう。
喫煙は論外です。口臭を気にして喫煙してたら、これはもう救いようがない矛盾行為です。喫煙者の口臭がどれほどくさいか誰でも知っていることです。
さて、この「まとめ」に述べていることを毎日実践できたなら、病気以外の口臭の原因はほぼ取り除けるはずです。是非励行してください。
そして最後の最後にですが・・・
特に若い方の中で、「実際に臭っているかどうかわからない口臭」に一人で悶々と悩んでいる方が結構おられると聞きます。
もしあなたがそうだとしたら、何を一番先にすべきかわかりますか?
もちろん口臭外来で検査やカウンセリングを受けるのも有力な方法です(保険適用外)。
しかし(またまた繰り返しになりますが)、もっと身近な親兄弟姉妹など(勿論それ以外でも)、全く利害関係のない、「恥ずかしい」と思わなくてもいい人に聞くことが大切だと私は思います。
ここで「恥ずかしい」を乗り越えて相談できたら、あなたが悩むほど相手は気にしていないから、なんでも率直に言ってくれるでしょう。
状況を判断する上でこんなに手軽で信頼できる方法が他にあるでしょうか?
臭くなければそれでいいし、臭ければこの記事に沿って対策を考え実行するだけです。一緒に考えてもらえるかもしれませんよね。
以上で口臭予防の記事は終了です。
口臭は、僅かな特別な例を除き、継続的な努力で相当軽減できます。少しの努力で爽やかな毎日を送りましょう。