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SNSの普及と増え続けるiPhoneの写真
日本国内では7割のシェアを誇る圧倒的人気のiPhone。Appleというたった一社の一商品が一国で7割のシェアを持つって超驚異的ですよね。
そのiPhoneの機能でもっともでよく使れているものは、写真を写すことでありビデオを撮影することではないでしょうか。
そのきっかけとなったのが、2008年に日本に上陸したTwitterであり、2010年に上陸したFacebookであることは疑いの余地がありません。
そしてさらに加速をつけたのが2011年に登場したLINEでしょう。LINEなしでは生活できない、という人までいるのですから。
そしてそして最近ではインスタグラムですか。
これらのSNS利用者にとって文字と同じように、場合によってはそれ以上に意味を持つものが写真であり動画です。とにかく写真やビデオを投稿するというのが、もう完全に社会現象になっていますね。
さてその写真やビデオですが、毎日何気なく撮り続けていたら数千枚なんてすぐに到達してしまいます。それどころかもっともっと。
しかも当然ながら、削除しない限り、撮れば撮るほど増えていって、iPhoneのメモリをどんどん圧迫し続けるのです。
これどこまでも続くんですから、何か整理や保存の方法を持っておかないと、いつかは収拾がつかなくなると思いません?
ですよね、そこで今回はAppleが用意している、iCloudを利用した写真とビデオに関するサービスを3つご案内したいと思います。
特に写真やビデオの「保存」を主軸に置いて説明をしてまいります。
Appleの3つのサービス
写真やビデオに関するiCloudを利用したサービスとして、Appleは以下のように3種類のサービスを用意しています。
- iCloudフォトライブラリ
- マイフォトストリーム
- iCloud写真共有
それぞれに特徴があって、「写真・ビデオの保管に利用する」という観点からはなかなか悩ましいのですが、そこはそれ、まずはよく違いを理解しなければちゃんとした利用もできません。
では順番にご説明していきます。
iCloudフォトライブラリ
Appleが用意している3つの利用法のうち、写真・ビデオの保存するためのものがiCloudフォトライブラリじゃないかな、と思います。
「じゃあそれを使えばいいだけじゃん」・・・とも言い切れないんですね。それはなぜでしょう?
iCloudフォトライブラリは便利なサービスではあるのですが、そこには長所も短所もあります。しかもよく理解していないと、とんでもない落とし穴も待ち受けています。
ここはひとつ、よくよく腑に落として使い勝手の度合いを判断しましょう。
使い方は極めて簡単です。iPhoneのホーム画面から以下のようにタップして目的の場所に入っていきます。
- 「環境」タップ
- 「写真」タップ
- 「iCloudフォトライブラリ」右側のスライドボタンをタップ(緑色になる)
設定でやることはこれだけです。めっちゃ簡単でしょう。
そして・・・
- Wi-Fiに接続されている
- 充電されている
この条件が揃えば、自動的にiCloudフォトライブラリにアップロードされていきます。
特に制限事項はなく、写真とビデオがそのままのファイルサイズでファイルの種類も一切変更されず保存されます。
iOS11以降であれば、モバイルデータ通信(キャリア通信)でも(オフにしていなければ)アップロードされます。
しかしデータ量が多ければ多いほど通信データも増加するので、モバイルデータ通信を使うかどうかは慎重に判断すべきです。
しかも、保存されているライブラリは・・・
- iPhone
- iPad
- Mac
- Windows用のiCloudを搭載したWinPC
などなど、多くのデバイスと共有できます。
また、アクセスできる全てのデバイスから写真やビデオのファイルを直接編集できて、ウエブブラウザからiCloud.comに入ればそこでも直接編集ができます。
そして、その変更結果はiCloudストレージ上に保存されるので、どのデバイスからも確認ができます。
つまり・・・
お使いのデバイス上で表示されている写真を一々ダウンロードしなくても見えているまま触る(編集する)ことができるのです。
さて、取り扱いのできるファイルの種類ですが、それは以下の通りです。多いです!
- JPEG
- TIFF
- PNG
- HEIF
- RAW*
- HEVC
- GIF
- MP4
iCloudフォトライブラリって非常に良くできているでしょ。
でも反面、短所や注意点もありますので次にそれをご説明します。
容量は契約次第
特に制限事項なく保存はできますが、それは無制限という意味ではなく、契約次第ということになります。
つまり、iCloudフォトライブラリでは写真や動画を直接iCloudストレージに保存するので、どれくらいの量が保存できるかは契約内容次第なのです。
iCloudストレージプラン契約は5GBまでは無料で、それ以上の契約容量と必要月額は以下の通りです。
- 50GB ¥130円
- 200GB ¥400円
- 2TB ¥1300円
iCloudストレージという倉庫は写真や動画のためだけに使われるのではないので、無料の5GBではどうにもなりません。
かと言って毎月課金されるのは、短所とまではいえないかもしれませんが、やっぱりちょっと辛いですよね。
写真やビデオの保存をiCloudストレージに完全依存すると、結局は1300円/月コースになるでしょう。でもこの金額は躊躇しますよね・・・
勝手にiPhoneの写真を削除したら終わってしまう
表題の通りです。iCloudストレージに保管している写真やビデオも消えてしまい終わってしまいます。
iCloudストレージにアップロードしたからiPhoneのメモリをその分解放しようと考えるかもしれませんが、それは危険なのです。
では、「iCloudフォトライブラリ」を一旦オフにしてからiPhoneの写真を全て削除したらどうなるのか?
その場合、iCloudストレージに保管されている写真・ビデオデータはちゃんと残ります。でもそれって意味あるでしょうか?
いつの日か必要になって必ず「iCloudフォトライブラリ」をオンにするでしょう。そうするとiCloudストレージに保管している写真・ビデオが全てiPhoneに戻ってくるのです。
同期されている、とはそういうことなのですね。
では、せっかく「iCloudフォトライブラリ」を利用したのに、iPhoneのメモリ圧迫問題は解決しないのでしょうか?
ストレージを最適化
そこで登場するのがこれです。
「iCloudフォトライブラリ」をオンにすると、すぐ下に「ストレージを最適化」という項目が追加されます。
これをオンにすると、iPhoneのメモリの利用状況(圧迫状況)応じて写真やビデオがダウンサイジングされ、メモリに余裕ができます。
じゃあiPhoneのダウンサイジングされた写真をタップするとどうなるのでしょう? もし、単にそれが拡大表示されるのであればガッカリですよね。
実は違うのです。なんとiCloud上の写真が表示されるので元のサイズの綺麗なものが以前と変わりなく見れるのです。
ま〜よく考えられていますね。
iPhoneのメモリ管理
上のスクリーンショットのアンダーライン部分には「最適化されたバージョンに自動的に置きかわります」とあります。
ちょっとわかりにくいですね。
「iCloudフォトライブラリ」に写真・ビデオをアップロードしたら、iPhoneの元の写真・ビデオのサイズはどう変化するのでしょうか。
実は、これについては明確なルールはアナウンスされていません。だから詳しくはわかりません。
確実なことは、メモリの空きに応じて適切に圧縮される、ということです。ですから、「iCloudフォトライブラリ」がメモリ解放対策になるのは間違いありません。
ただ把握しづらいので、都度「iPhoneストレージ」で空き状況の確認はするようにしておくのがいいと思います。
「iPhoneストレージ」への入り方
次のようにタップしていってください。
「設定」>「一般」>iPhoneストレージ
こうしていつでも簡単にメモリの空き状況が確認できます。
iTunesソフトを愛用している人にとって、非常に重要なことです。
iCloudフォトライブラリをオンにしている場合、iTunesを使って写真やビデオをiOSデバイスに追加することはできません。しても削除されてしまいます。
このようにiTunesは使えないので、MacからiCloudフォトライブラリに写真を追加する場合は「写真」アプリを利用します。
「iCloudフォトライブラリ」、なかなかよく考えられたサービスですね。利用する気になりましたか?
では次は、またちょっと趣の違うサービス「マイフォトストリーム」です。
さて、どういったサービスでしょうか?
マイフォトストリーム
上でご説明しました「iCloudフォトライブラリ」と同じようにタップして入ります。
- ホーム画面の「環境」タップ
- 「環境」アプリ中の「写真」タップ
そうすると上から三番目に「マイフォトストリーム」がありますので、右側のスライドボタンをオンにすると緑に変わり機能します。
そこで、Wi-Fiに接続されるとiPhoneの中にある写真が自動的にアップロードされていれていきます。
そしてアップロードされた写真は「iCloudフォトライブラリ」と同様に様々なデバイスからアクセスができます。
例えば、あなたが旅行先で撮った写真を、家にいるご家族がそれぞれのデバイスでアクセスして見たいダウンロードしたり、といったことができるんですね。
しかも、この機能はiCloudストレージを消費せず無料のサービスです。
これだけなら、誰でも凄くいいと感じるでしょうが、そこには大きな制約があります。それは・・・
多くの制約
この制約が非常にややこしいのですが、以下のようになっています。
アップロード制限
- 1時間にアップロードできる最大枚数は1,000枚
- 1日でアップロードできる最大枚数は10,000枚
- 25日でアップロードできる最大枚数は25,000枚
更に次のような制約もあります。
- アップロード日から30日iCloudサーバに保管されてそれを過ぎると順次消去される
- 写真のみでビデオは保存できない
- 「iCloudフォトライブラリ」のようにアップされているファイルを直接編集することはできない(ダウンロードして編集しても手動で再アップはできない)
- MacやWinPCにダウンロードするときは元のサイズのままだが、iOSデバイスにダウンロードするときはサイズの最適化が行われる
- iCloudフォトライブラリでは使えるiCloud.comが使えない
- 扱えるファイルの種類はJPEG・TIFF・PNG・RAWの4種類のみ
しかしまあ、なんと制約の多いこと・・・
現在のルールについては上述の通りですが、この件につきAppleのウェブサイトには全く異なる説明をしている2つの記事がアップされてます。
たった1ヶ月違いですが、アップロード・ルールがまるっきり変わっています。旧ルールで覚えておられる方も多いと思いますが、本記事で現在のルールを再確認しておいてください。
旧記事についてはAppleに指摘しているのでそのうち訂正されるかもしれませんが。
どうでしょう??? 非常に微妙で使いにくいというのが私の印象です。
もしiCloudストレージを契約しているのであれば、こんな中途半端なサービスはいらないでしょう。
というか「保存手段として利用する」を前提に考察しているので、そこにそもそもの無理があるのかも^^
アップされていた写真は順次自動消去されます。そして、上記ルールにのっとりまた順次アップされていきます。
ですから、元デバイス以外のMacとかiPadで「マイフォトストリーム」アルバムを見ている場合は、ダウンロードしなければ、やがて全て消えていきます。
これでマイフォトストリームのご説明は終了し、最後にもう一つ、私がオススメする「iCloud写真共有」のお話をしましょう。
iCloud写真共有
このサービスは名称の通り「共有」をするためのものです。そういう意味でよく考えられています。特徴は以下の通りです。
- あらかじめ登録した人たちと写真やビデオを共有をすることができる
- 登録された人たちはコメントを残したり「いいね」をすることができる
- 「参加者の投稿も許可」をオンにしておくと登録されている人たちも写真やビデオを投稿することができる
- アルバムを個別にネット上に公開できるのでweb上からも見ることができる
まさにSNS用途に開発されたサービスですが、これを写真ビデオ保管手段としてしまおうというのがこの記事の趣旨です。
保存のイメージは、アルバムという箱に写真を入れ、そのアルバムをたくさん作っていくという感じです。
簡単に手順をまとめると・・・
- アルバムを作成
- そこにアクセスできる人を登録
- そこに入れる写真やビデオを選定
こんな感じです。
そしてこれらはiCloud上で保管されるのに、なんとiCloudストレージの消費としてカウントされないのです。
どんなに一杯ファイルの入ったアルバムを作っても、契約上のiCloudストレージの容量は減りません。
さて、ここで気になるのが縛り・ルールですね。それは以下の通りです。
- 一人のオーナーが作れる共有アルバムの上限は200個
- 一つの共有アルバムに投稿できる写真とビデオの合計は5,000ファイル
- 保存期限はなし(無期限)
- 全て無料
つまりこのサービスを使って保存できる写真とビデオの総数は・・・
200×5000=100万ファイル
100万ファイルがiCloud上に無期限で、しかも無料で保管してくれるという話です。
100万ファイル!!
これだけ多量のファイルをiCloud上に保存できて、しかも同期してないので、iPhone上のカメラロールからアップロード済みの写真やビデオを削除してメモリを浮かせることができるのです。
保存できる形式も豊富で・・・
- HEIF
- JPEG
- RAW
- PNG
- GIF
- TIFF
- MP4
- HEVC
- H.264
等その他も合わせ、非常に幅広いフォーマットに対応しています。
くどいですが・・・
- 多量
- 無料
- 無期限
- メモリ解放
まさに写真や動画を保存する方法として非常に適しているとは思いませんか? Appleがそういう目的を想定してなかったとしても。
写真は長辺が2048ピクセル以内でパノラマ写真は同じく5400ピクセル以内。これを超えると圧縮されます。また、ビデオは最長5分で画質は720Pに制限されます。
しかし、プロでなく個人利用ならこれで困る人はほとんどいないでしょう。ましてスマホだけの利用であればほぼ全くの無問題なはずです。
使いにくい点
ただし元々の目的が保存ではなく共有なので、「保存」という観点からは使いづらい点もあります。
先に述べましたように、写真・ビデオの一括のアップロードはできません。
また、一つのアルバムに入れられる写真・ビデオは最大5,000ファイルなので、多くを保存するためにはアルバムを幾つも作っていかねばなりません。
そしてアルバムの数は最高200個までです。
更にアップロードには別のルールがあって、それは・・・
- 1時間にアップロードできる枚数は最大1,000ファイル
- 1日にアップロードできる枚数は最大10,000ファイル
なんらかの設定をすれば自動で吸い上げてくれるのではなく、コツコツとアルバムを作り、そこに入れる写真を指定していく作業が大変ですね。
まあそうは言え、無期限で無料、しかもアイデア次第では、コメントも残せるし気分次第でいつでもアルバム単位で特定の人たちに公開できるし、保存方法としては全然悪くないでしょう。
設定方法
次に、設定方法について触れておきましょう。共有ではなく、あくまでも保存する観点での説明です。
「写真共有」を有効にする
次の順でタップして目的場所に入っていきます。
- ホーム画面にある「設定」タップ
- 「写真」タップ
- 「iCloud共有」右側のボタンをタップ(オンになり緑色が出る)
以上の操作で「写真共有」が使えるようになりました。あとの操作は全て写真app.で行います。
アルバムを作成する
- ホーム画面にある「写真」タップ
- 「共有」タップ(最初の一回目だけ「ライブラリをアップデート中」と出る場合がある)
- 「共有を開始」タップ
- アルバム名を登録し画面右上「次へ」タップ
- 宛先登録の画面では何も打たず右上「作成」タップ(もし共有するなら宛先に共有者のApple IDを入力する)
- アクティビティ画面で「写真またはビデオを追加」タップ
- 写真の中からアルバムに入れるものにチェックをつけ最後に「完成」をタップ
- アルバム完成のアクティビティ表示がある
一度アルバムを作ってから、改めて「共有」をタップすると、最初とは少し画面が変わっています。
もし、いきなり「アクティビティ」場面が出たら、左上の「共有」ボタンを押し、次の画面で「+」をタップすれば、再び新しいアルバム作成手順に入れます。
アルバムを作成する(別手順)
アルバム作成の別手順です。
- ホーム画面にある「写真」タップ
- 「写真」タップの上アルバムに乗せたいものを一枚タップ
- シェアボタンをタップ
- 「iCloud写真共有」をタップ
- アルバム名登録画面に入る
あとは上に同じです。
ということで、慣れればアルバムを作成すること自体は簡単なのですが、そこに入れる5,000枚を手動で選択するのが大変かも・・・
iCloud写真共有、どうでしたか?
オススメ手段なのですが、やはり長所・短所はあるんですね。私としては、これだけできて無料!、ということで納得してしまうんですが、あなたはどうでしょうか?
まとめ
AppleがiCloudを使って提供している3つの写真アップロード・サービスの説明をいたしました。
それぞれのサービスには大きく異なる特色があり、Appleとしては・・・
- サーバ的保管
- 一時保管・他のデバイスへダウンロード
- 指定した人たちとSNS的共有
と明確に使い分けを示唆しているわけですが・・・
そこはそれ、どういうふうに利用してもいいわけで。今回は、貯まる一方の写真・ビデオの保管に使えないか?という観点に解説してきました。
- もし十分に使用方法を理解できて且つお金があれば、Appleが保管の用途として提供している「iCloudフォトライブラリ」が簡単で一番いいのでしょうね。
- 「マイフォトストリーム」はアップしている写真が約1ヶ月で消えてしまうので、安定した倉庫としてはちょっと厳しいですね。ただ、いろんなデバイスにダウンロードする手段としては素晴らしいと思います。
- 私が推奨する「iCloud写真共有」は、最初の作業自体は確かに大変なのですが、あなたのアイデア次第でかなり素敵な保存場所になると思うのですよ。
今回は、写真・ビデオの保存という観点からAppleのiCloudサービスについてお話ししましたが、そもそもこれら自体をよく知らない方も多いでしょう。
ですからこれを機会に、その存在を知ることと利用方法を身につけていただければ幸いです。
そして、今よりもっとiPhoneを楽しく使いこなせるようになれればいいですね。
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