恒春のグルメ
いままでたくさんの台湾グルメ紹介記事を書いてきました。当然ながらその内容の多くは台湾料理若しくは中華系です。
もちろん今回もそういう定番はありますが、ちょっとね、今までとは毛色が違うんですよ。言ってしまえば、こんな田舎にこんなお店が!みたいな。
以前、台湾で屋台をやっているカナダ人がこんなことを言ってたのを思い出します。
「台湾は社会が穏やかで温暖で食べ物が美味しくてとても暮らしやすい。欧米人で台湾を魅力的だと考える人はたくさんいます」
もしそうであるなら、台北みたいな大都会だけではなく田舎こそがその「暮らしやすい場所」として、だから欧米人が移り住んで本格的な料理店が増えていってるのかもしれません。
また日本と同じように台湾人も多くが欧州料理を実践するためににヨーロッパへ勉強に行っているそうです。
そういえば台湾のメディアを毎日見ていると、近年、台湾人の凄腕イタリアンシェフや凄腕パン職人が話題になったりしていますね。
確たることは言えませんが、ここ恒春でもおいしい欧州系の料理店が増えているような気がします。
そこでこの恒春グルメ記事では台湾の定番に加え、そういった欧州系の料理店も紹介していこうと考えています。
ではいきましょう。
郷村冬粉鴨
ここは8door(民宿)のオーナーに教えられて来ました。恒春を代表する食堂とのこと。
鴨肉料理専門店で、看板料理は店名通り鴨肉冬粉ですね。冬粉とは春雨のことです。台湾で春雨は麺料理の一種として普通にメニューに入っています。
鴨肉って鴨南蛮の鴨で、それはマガモのことだとばかり思っていました。
ところが台湾の食堂の鴨とはアヒルのことで家鴨と書くのだよと説明を受けまして、ちょっとびっくりしました。
鴨とアヒル? 今までね、ず〜っと全くの別の鳥だと勘違いしてました。
つまりアヒルとは、食肉として美味しいように食べやすいように真鴨を改良したもので野鳥ではないんですね。ひょっとして知らなかったの私だけ?^^
というわけで、台湾の鴨肉店は100%アヒル肉店(合鴨肉も同類)だそうです。
台湾で有名な鳥の蒸し焼きはドラム缶状の焼き器の上から鳥を吊るして、下から火を焚き煙と共に焼き上げるスタイルです。
ですから台湾中のどこで鶏を食べても薫製の香りがします。ここの鴨も全く同じで美味しく味付けされた薫製焼きです。
店頭に各部位別に並べられていて、「これとこれとこれ」みたいに指差してテーブルまで持ってきてもらいます。
脂が乗って旨味たっぷりの、そして変な臭みが一切ない食べやすく美味しい鴨肉です。
地元の人の推薦するお店は間違いない。
でも、本当に鴨肉専門なので連日は行かないかもしれません。
一つ注意点として、開業時刻が午後3時なのでお昼頃に行って「あれっ?」とならないようにしてくださいね。
郷村冬粉鴨に限らず台湾ではメニューによく「下水湯」があります。日本人は当然日本人の知識で判断しようとするから、あんまり飲みたくないと思うでしょ。
でも実は、豚や鳥の内臓で出汁をとったスープのことです。もちろん生姜やネギで上手に臭みを消してます。
似たようなスープで四神湯というのもよく見かけます。これは薬膳で、蓮の実など4種類と豚の大腸と一緒に煮込んでいます。
どちらも想像ほど不味くはありません。というより普通に美味いので、未経験なかたは一度お試しください。
郷村冬粉鴨
- 住所:恆春鎮福德路91號導航
- 電話番号:08 889 8824
- 営業時間:15:00〜0:00(火曜日定休)
- ホームページ:郷村冬粉鴨
秋香麺店
秋香麺店も恒春の人に安定した人気のお店。典型的な台湾庶民料理を揃えており安心して入ることができます。
意麺と肉燥飯は外すなと言われたのでその通りにして、あと魚丸湯と青菜という私の黄金メニュー。不味いわけがない。
意麺は干麺が美味いと聞いてましたが私はなんとなく汁麺に。
ちゃんと出汁が出ていてあっさりしていながらもコクはあって喉越しはよく、ツルツルっと食べられる麺です。
意麺って何って話ですが、ちゃんとした定義はないと思います。台南発祥といわれてますが、一回油で揚げた縮れ麺・卵麺・平打ち麺、どれも意麺と言われます。秋香麺店のは卵麺ですね。
肉燥飯などのご飯料理は豚肉の煮込み汁がご飯にかかっていて、ほぼその味が決めてと言っていいでしょう。秋香麺店のは間違いない安定の味で誰が食べても美味しい。
ちゃんとした資料はないけれど、「肉燥飯」という名称は台湾南部で多いような気がします。ころっとした切り肉かミンチ肉の差で名称を変えている場合もあります。ほぼ同意で使われているもう一つの名称は「滷肉飯」。結論・・名称による明確な違いはない。
青菜(チンツァイ)は各お店のその時の事情で、空芯菜であったり芋の葉であったり水蓮菜であったり。
茹でか炒めかを料理名の頭に一字加えて区別している場合もありますが、秋香麺店はただの「青菜」で炒めたもの。
台湾の青菜はどれも癖がなくていつもおいしいです。ただ店によっては、生のすり下ろしニンニクやみじん切りニンニクをドバッと上にかけている場合も多く、美味しいけど口の中が結構いつまでも自分でも臭い^^ 秋香麺店はみじん切りですね。
いずれにしても、お腹が空いて行く店を考えてなかったら、「迷ったらここに来い」的なお店です。美味しくお腹いっぱいにすることができます。
秋香麵店
- 住所:恆春鎮中山路48號
- 電話番号:08 889 4293
- 営業時間:8:00〜20:30(火曜日定休)
湯匙放口袋(Spoon In Pocket)
中山路を中心部から北に200mくらい歩くと、西門の手前にあります。
台湾人お得意のリノベーションされた建物の素敵なお店で、元は民宿にする計画だったそうです。
もし行かれたら(空いていたら)一番奥のテーブルについてください。そこが最も落ち着くし、とっても綺麗な裏庭を眺めながら食事ができます。
料理ジャンルは何になるのでしょう? 食べ物メニューは、5種類のパスタ、そして鶏肉クリームシチューと牛肉のワイン煮込みラタトゥイユ。プラスパンです。
それに、飲み物やアイスなど各種。それに手作りのお菓子といったラインナップです。
この日私が頼んだのは鶏肉のクリームシチューセットみたいなやつ。いや〜美味かったな〜。
クリームシチューはもちろんいけるのですが、パンはまぁまぁかな。
食後はコーヒーをすすりながら、ぼ〜っと裏庭を眺めるってなんか映画の登場人物のような気がしたりして^^
それから、オーナーが穏やかな好青年です。
非常におしゃれなつくりなのでインスタ好きさんは素敵な一枚が取れると思いますよ。
台湾人の中には相当辛口の感想がありますね。
結構混み合う時があるみたいで、待たされた割にクソまずいみたいな意見。
スタッフの愛想がすこぶる悪い、二度と来るか! みたいな意見。などなど。
スタッフは知らないけれど老板(オーナー)はとても親切だったし、料理もおいしかったけど・・・難しいね。
ただすくなくとも、食事時は避けた方がいいかも。
湯匙放口袋(Spoon in pocket)
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- 住所:屏東縣恆春鎮中山路192號
- 電話番号:08 889 9877
- 営業時間:10:00〜21:00
- facebook:湯匙放口袋(Spoon in pocket)
恒。好
場所は東門のすぐ側で恒春路から北へ二条上がったところです。
こちらは古い物件をリニューアルしたものではなく、新たに建てた物件ですね。まだ年数は経ってなく綺麗です。でもそれ自体は特に魅力があるわけではないです。
店内は・・最近の台湾のこういう洋風カフェやレストランは凝ったところが多いですね。特別捻ってなくても、なんかひと工夫している。
ジャンルは、え〜っと、カフェ&欧風レストランかな。
さて、私がいただいたのは「牛肝菌百菇燉飯」。なんかあんまり食欲が沸かないような字面ですね^^
「牛肝菌百菇」はポルチーニ(世界三大きのこの一つ)、「燉飯」はリゾットです。実際の和訳は「ポルチーニのミルク・リゾット」くらいです。
「燉飯」をGoogle翻訳にかけたら「シチュー」だって(゚-゚;)ウーン
チラチラっとメニューを見たときは、日本のサラリーマンが昼食を取る喫茶店みたいな気がしました。麺ありサンドイッチあり飯ありって。
でもよく読むとなんか違う。で、牛肝菌百菇燉飯を見つけて頼んだわけです。もし名倒れならとんでもなく不味いかも、と恐れながら。(メニューは下に案内しているfacebook上に詳しく載っています)
で、運ばれてきた皿は写真の通りです。ポルチーニがどっさり。
一口食べてみてびっくり。まろやかでコクと旨味があって食感が良くて滅茶苦茶美味しいじゃないですか。
こんな田舎のこんな外れの裏路地のお店(ごめ〜ん)で食べられる料理と違うでしょ。
今まで台湾では数々の驚きや感動に出会いましたが、この一皿もまさに記憶に残る感動の味でした。
記事作成のために自分で撮ったメニューを改めて見ていて気付いたのですが、この店は素食というかベジタリアン向けですね。
更にちょっと調べたら、かなりこだわりの野菜を使って、焼き野菜・グリーンサラダ・赤米など、それから野菜だけのスパゲティーも美味しそう。
でも乳製品は使ってるみたいです。それ使わないと流石にコクが不足するのかな。そうすると完全ヴィーガンの人には適さないのでしょうか?
隣は同一経営者による小物雑貨の販売店・画廊になっているので、もし食べに寄られたら、ついでに買う買わないは別にして見に入ったらいいでしょう。
オシャレに飾りおかれています。もし食事に満足されたなら、こちらのお部屋もぐるっと見て回って、そして外に出たら「いい時間を過ごしたな!」って思われるでしょう。
恒。好
- 住所:恆春鎮東門路2巷11弄2號
- 電話番号:8 889 5626
- 営業時間:11:00〜20:00(水曜日定休)
- facebook:恒。好
波波厨房
ひょっとしたら、恒春で一番おすすめのお店かもしれないイタリアンレストランです。後で知ったのですが多くの旅行ガイドブックでも紹介されているようです。
さて、建物は大ヒット映画「海角七号」の主人公阿嘉が住んでいた場所としてロケに使われたいたお家の向かいになります。
有名で便利で、恒春ではこれ以上の立地は望めないでしょうと思われる最高の場所です。
建物は、これまた台湾人お得意のリノベーション物件。日本統治時代に建てられた元お茶屋の建物で、バロック様式の外観は当時のままです。
三店舗が入っていて・・・
一階は地場産品をふんだんに使った自家製ジェラード屋さん「沃土Terreno」、そして台湾の作物を仕込んだたくさんの種類を焼いているパン屋さんの「麦・麺包」の二店舗です。
今回紹介する「波波厨房」は二階にあって、風情ある階段を登ると全貌が見えます。
席は全部で45席くらいで、私が行ったのは普通の平日なのに、お店を出る頃にははぼ満席なってました。暗くなると街はごく静かなのに、どっかからか集まってくるんですね、こういうお店は。
一方、大きなオープンキッチンでは若い子達が手際よく働いています。左奥には焼き窯も。
各種のパスタや肉・魚料理にスープ、そして色鮮やかな野菜サラダなどが次々と作られてはお客さんの元へと運ばれてます。
この夜私が注文したのは海鮮ピザとアイスコーヒーとちょっと軽め。
びっくりしたのはアイスコーヒーのおいしさ。コーヒーっておいしいのに当たることはまぁないです。五つ星であろうがそこらのカフェであろうが。
ところが出されたのを一口飲んでびっくり仰天。めっちゃおいしい! この一口で、この店は絶対おいしいと確信しました。
焼き上がったばかりのピザは、パリパリの皮を噛むと少しずつ出てくる小麦の甘味。そしてソースと海鮮の織りなす口いっぱいに広がる優しい味が心を幸せにしてくれたのでした。
メニューの写真は撮り忘れましたが、種類は豊富です。また、料金に10%のサービス料がつきます。
ここもまた絵になる美味しいお店でした。
波波厨房
- 住所:恆春鎮光明路88號
- 営業時間:11:30〜9:00(1階 ジェラード11:00〜20:00、パン11:00〜20:30)
- 電話番号:08 889 6575
- facebook:波波厨房
恒春信用組合
恒春に来て不満だったのはどこをどう探しても、たった一件もカフェが見つからないこと。いや、厳密に言うとGoogleマップに従って探すと、あることはあっても閉店になっていたり店そのものがなかったり。
台湾の各都市や街に行ってカフェでゆっくりその場所の空気に浸るのが好きだから、ちょっとね、意地になって街中を二周くらいして、そしたら遂に見つけましたよ。
店名を見てひっくり返る、その名も「信用組合」!!!
ここの前を通っていたけど、建物が金融機関用なんだから、そらわかりにくいですわ。
入って座ってみると、これがなかなか落ち着けるカフェでしてね、頑張って探しまくった甲斐がありました。長期滞在なら毎日来る、多分。
もちろんコーヒーはうまかったです。
若い人専用みたいな雰囲気、というか実際若い人ばっかりだったけど、そんなことおじさんは気にしないもんね。
いいとこ見つけてよかった。
出際にお金を払っていたら、オーナーが自分の財布と私のリュックのブランドが同じだと言うので見たら確かに。(karrimor)
これがまたいい男でしてね、しばらく話してから握手して別れました。
恒春信用組合
- 住所:恆春鎮文化路155號
- 電話番号:08 888 3700
- facebook:恒春信用組合
恆春3000啤酒博物館
啤酒はビールのことです。事前勉強も全くしてなくて、そこがどんなところかよくわからないまま向かったのです。
ビール好きとしては何か期待できそうで。
そこまでは、自転車ならささっと行けるけれど、歩きならちょっとした散歩くらいの距離です。
道中「本当にこんなところあるのかなぁ?」と疑りつつ、でもGoogleマップを信用してテクテク行ったら、えらい愛想のない場所にポツンとありましたね。
地ビールづくりに情熱を燃やすオーナーが高雄から2016年にこの地に引っ越してきた、要はブリューワリーです。
そして、コツコツ集めたビール関連品を二階に展示しているわけです。だから「博物館」
一階の奥にはでっかいモナリザが飾られていますが、これは全部ビールのラベルかコースターでできています。近くで見ると面白い。
現在14種類のビールを製造していますが、出来立てをそこで飲むことも、缶ビールとして買うこともできます。(値段はホームページにあります)
で、私の目的は出来立てをそこで飲むことでした。
建物に入ったら最初に100元を払って、1階2階をうろうろして「さあ飲もう」と注文した時に差額を支払います。
2種類飲んだのですが、両方ともお兄さんお勧めのNo.1とNo.2をお願いしました。
それぞれ全然違う味ながらマンゴービールみたいなのではなく王道を行く本格的なもので、かつ温度管理をしっかりしていてとんでもなく美味かったです。
度数は最初のが12°で次が6°だったかな。
そこで作った出来立てビールをそこで飲ませてくれるんですからたまりませんよ。缶ビール買わなくてよかった。
昼間っから二杯も飲んで帰路またテクテクと歩いたら、そら酔いが回りますわ。何もないし人もいないから、六甲おろしをデカイ声で歌いながら心は最高潮で街まで戻ったのでした。
ビールに目がないあなた、ビールがわかるあなたなら、来て損はしません。
一つ注意点として、ここは飲食店ではないので出来立てのビール以外何もありません。でも、コンビニで買ったつまみを取り出してそれで飲んでも文句は言われないでしょう。
恆春3000啤酒博物館
- 住所:恆春鎮草埔路29-1號
- 電話番号:08 888 1002
- 営業時間:11:00〜18:00
- ホームページ:恆春3000啤酒博物館
恒春夜市
台湾の食事で忘れてはならないものが夜市です。どこに行っても必ずあります。
ですから、もちろん恒春にもあるのですが、なんと日曜日限定です。なので「恆春週末大夜市」というような名称もついています。
過去、日曜に恒春にいたことがないのでレポートのしようがありません^^
うまく滞在曜日が合えば行ってみてください。
恆春週末大夜市
- 場所:恆春鎮福德路
- 開業時間:17:30~24:00(日曜日限定)
まとめ
恒春で実際に飲食したお店を紹介しました。いかがだったでしょうか。
本当に可愛い小さな街ですが、それでも探せば隠れた名店がまだまだあるんでしょうね。
今回紹介したお店はどこも美味しかったから紹介しているのですが、改めて思い返してみるとそれぞれに特徴があって甲乙付け難いです。
特に西洋料理は、全く心算がなかったので、いずれの店もなかなか新鮮でした。
そう言う意味ではポルチーニのリゾットはもう一回食べたい。そう言う意味でなければ肉燥飯をもう一回食べたい。
それから、大絶賛した波波厨房ですが、実は墾丁の路上、バンを改造して焼き窯を載せてピザ屋をやってるんですよ。ピザ屋台? 店名はPizza Swell 波波窯烤手工披薩。
人気でしたよ、やっぱり。墾丁の記事で改めて紹介します。
最後に、出来立て生ビール。工場直送とかって生温いんじゃないですからね。正真正銘の出来立て生ビール in 工場。
ビール党は万難を配して行ってください^^
恒春半島の観光記事
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