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漠然とつけるのは時間の無駄
あなたは家計簿をつけていますか? 今はつけていないけれどつけた経験はある、そういう方もおられるでしょう。
何にせよ、〜をしようと決めた時は、最初はだいたい意気込みがあるんですよね。
日記なんかもそうだと思うんですが、毎日せっせとつけて結構精神的に充実します。なのにわずか数ヶ月で面倒になってしまうってどういうことなのでしょう。
そもそもはっきりと意義を理解していなかった、或いは当初感じた意義が思っていたほど重要ではなかった。単に飽きた。理由は色々でしょう。
さて家計簿。
つけたことあります? やはり2〜3ヶ月で終了コースでしたか? それとも、続けているけれどそれだけに終わっていますか?
ここからが重要なのですが、やる以上は「何のためにつけるのか」をはっきり理解して、自分の役に立てなければなりません。
そうですよね、せっかく毎日時間を使うのですから。また、ちゃんと活用できてこそ続くというものです。
では、家計簿をつける本当の意義と詳しい内容解説、そして、それを思い切り助けるアプリの紹介をします。
予算との対比が大事
まず大切なことは自分の収支状況を把握・確認することです。
「確認する」とは1か月お金を使って全然残ってなくて「実際こんだけいったんだっからしょうがないよね」と思うことではありません。
思いつきや衝動に駆られての出費をせずに、落ち着いて消費行動をすれば、基本的に1か月の出費はいくらなのか、収入との対比はどうなのかをきちんと把握することです。
「そんなことチマチマして何になるのん? 一回きりの人生じゃん、毎日を楽しく過ごせたらそれでいいじゃん」
そういう生き方も否定はしません。でも、そういうあなたが経済活動が出来なくなるであろう80歳になっても、若い頃と変わらずに「大切な一回きりの人生」であるはずです。
その時になってもそれ以後も経済的に苦しまずに暮らせる目算があるのであれば、家計簿などつけなくてもいいでしょう。
出費の把握をするわかりやすい手段は予算を立てることです。実際の支出と予算の比較は重要です。相対的な把握と理解は、実生活に基づいた、より具体的な前向きな考え方へと発展してゆきます。
項目を作成する
予算を組み立てるためには項目が必要です。まず項目作りをしましょう。
項目とはグループだと考えてください。
例えば「食費」は外食もスーパーで買った野菜や総菜も全部「食費」で一括りです。水道代・電気代・ガス代は「水光熱費」。プロバイダー代、スマホ代などは「通信費」といった具合です。
毎月の支出には、必ず同じ金額である項目と、月により変わる項目があります。
例えば家賃や住宅ローンの返済額などの「住宅」項目は毎月同じです。生命保険料や損害保険料などの「保険」項目なども同じです。
それに対し「水光熱費」項目や「食費」項目は生活のあり方によって、毎月大きく変わりますよね。
この辺に何か役立つヒントがあると思いませんか?
予算を立てる
さて、項目が決まりましたら、各項目ごとに1か月間に使うの妥当だと思われる金額を当てはめていきます。
毎月金額が決まっている項目はそれが直接予算金額となるので、変動する項目の金額を決めてください。その際、一つ重要な忘れてはいけないルールがあります。それは・・
すべての項目を足した1か月間の支出合計<1か月の収入
当たり前ですよね。そうでなければ家計は破綻してしまいます。もしくは貯蓄を食いつぶしてしまいます。
家計簿スタート
家計簿をつける上で大切なことは予算との対比だ、と上に述べました。項目が大事です。そうです、だから実際毎日つけるにあたっても細目は不要です。
スーパーで食品をあれこれ買って3,500円なら「食費3,500円(〇〇スーパー)」これだけでいいのです。大根85円、りんご132円は不要です。
衣料品の特売で3枚買ったなら、合計金額を「衣料・美容」という項目で一括記帳(お店の名前は書いておきましょう)します。
そんな風にして1か月が経ったら項目ごとに集計をします。
予算と実際を比較
当初の予算と実際の支出を項目ごとに比較します。最初から有益に機能するとは期待しないほうがいいです。予算そのものが妥当かどうかもわかりません。
何回か、つまり何か月か作業を繰り返していると、妥当性のある予算もわかってくるので途中で変更しましょう。
さて、本格的に予算と実支出を比較してゆくと自分の消費行動が見えてきます。疑問も浮かんでくるはずです。
妥当だと考えた予算よりも、もしそれを超えてしまうなら原因は何か。毎月きちっと収まっている項目は、なぜ収まっているのかその理由はどこにあるのか。これを考えることこそが重要なのです
自己コントロール
毎日毎月家計簿と付き合っていると、計画性無く或いは計画を無視してお金を使うと、いとも簡単にお金がなくなって危険水域に達してしまうことがよくわかります。
すべての項目を足した1か月間の支出合計<1か月の収入
これが絶対条件だと申し上げました。家計簿を助ける最大の理由は自分をコントロールするためだと言えます。
じゃあ何故自己コントロールするのか? あなたも私も収入が決まっている、つまり使えるお金の上限が最初から決まっているからです。
そこまで実感として理解できてくると、予算よりも常に「使う理由」を優先して後先見ないような無茶は消えて、現実に合わせることができるようになってきます。
現実に合わせる→1か月間の支出合計<1か月の収入
お金を残す
自己コントロールの結果として
1か月間の支出合計<1か月の収入
が確実にできるようになれば、これは確実に毎月お金が残ることを意味します。
何故そんなしみったれた事をするのか? 再度の確認です。
それは毎月の収入が決まっており、そこを超えた支出ができないからです。大事だから何度でも言います。
さて、この残るお金は当然月によって変わりますが、その理由は、毎月の分析ができるようになっているあなたには、よくわかるはずです。
月末に残ったお金はそれを入れる専用の口座に貯めましょう。銀行でも郵便局でもいいので貯蓄専用の口座をひとつ作ります。何のために?
将来「使うため」にです。「使うことができる」余裕は今後の長い長い人生にとってどれほど大切なものか。それは年を追うごとに歳をとるごとに身に沁みてわかってきます。
貯蓄専用口座からの出金は必ず発生します。どんなに節約に頑張っていても発生します。だからこそ、その都度お金を残す重要性を再認識して生活してゆくのです。
一方、もし今1,000万円を貯めるのが夢だと思っているなら、夢のままである大きな理由の一つは自己管理ができていないからかもしれません。
家計の管理がきちんとできるようになると、いつ達成できるかまで予測ができるようになります。考えるだけではなく、行動の積み重ねが結果を呼びます。
「使うことができる」余裕の活用
生活していると日常の消費行動とは別の資金需要が生まれてきます。例えば子達の新入学にかかる費用や壊れた家電製品の買い替え費用などです。
そういう時にも「使うことができる」余裕の活用をするのです。他の記事でも力説していますが、どんな理由であろうと借入はしない、しても最小限(月賦もリボ払いも同じ)にします。
消費のための借入はコスト(支払利息、それは割賦販売でも同じ)が高いので、結果的に自分の収入価値を下げてしまいます。もったいない話です。
(→銀行カードローン返済不能の恐怖 多重債務者にならない為に)
何れにしても、月が終われば理由に関係なく
1か月間の支出合計<1か月の収入
であるように努力します。でも「いつもいつも、そんな絵に描いたようにはならない」
ですよね。赤字の月も出てくるでしょう。生活は生き物だから当然そういう月も出てきます。「使うことができる」余裕で穴埋めします。
それを最小限に出来れば良いわけです。
最悪の事態への転落は「〜だから赤字は当然でしょうがないんだよね」という「言い訳が平気な心」の芽生えです。
「しょうがない」が全ての上に来ると、もう家計簿も自己管理も意味を失います。
無料アプリの活用
まずは大きな概念を理解することが何にも増して大事なので、アプリ紹介の前に長々と説明しました。
実際問題、毎日の作業として家計簿をつけるのは時間がもったいないです。集計作業も手間ですし、計算間違いを起こすかもしれません。
そこで家計簿アプリの登場です。ま〜何て便利な世の中になったのでしょう。機能を下に紹介しますが、全部タダですからね。素晴らしい!
何がそんなにいいの?
- 事前に収支に関する項目が用意されており、必要であれば明細も手打ちできる
- 事前登録した普通預金の入出金が全部自動で家計簿に載る。
- 普通預金出金→手持ち現金、といった振替も認識される
- クレジットカードをはじめとするカード類の使用明細も全部自動で家計簿に載る
- 唯一、現金支払いは手打ち入力が必要だが極めて簡単
- 常に項目ごとの集計がされ、予算との比較ができ、一目で項目別の状態がわかる
- 項目別の並べ替え(ソート)が簡単にできるので、不明な点のチェックがしやすい
- 定期預金や積立、投資信託や保有株式、住宅ローンなど、すべて資産・負債として把握される
- 資産負債総額と内訳、残高推移などがわかる
- 月数百円の会費を支払えばそれ以上のサービスも受けられる(あまり必要性は感じませんが)
どうですか? ありえない便利さでしょ。
最初からここまで読み進むと理解してもらえるはずですが、作業自体に特別な価値はないのです。最小限の労力と使用時間で作業をして、結果の理解と分析に力点を置きましょう。
さて家計簿アプリ、ものすごく便利で重宝するのですが、最初の設定だけは面倒いです。しかしここをしっかりやっておくと、後々活きてくるので初期設定頑張りましょう。
便利に使うコツ
一つは現金支払いを極力なくすことです。
スーパーマーケットでの買い物もクレジットカードです。これ一つとっても、現金支払いよりもどれほど便利かよくわかります。私はクレカのiD支払いをしていますが
- 現金支払いに比べて格段に清算が早く、後ろで待っている人に迷惑をかけない。
- 家計簿に自動入力される。従って不突合が起きにくい。
- ポイントがたまるので活用できる。私は年に一回クレカの支払いに充当しています。
もう一つはスマホではなくパソコンを使う事です。私も実際に家計簿アプリの内容をスマホで見ますが、限界を感じます。
一覧性に限界があり操作性が悪く、きちっと管理しようとすれば、やはり本来アプリが求める一覧性と操作性は確保すべきです。
それはアプリがスマホにも対応しているという事とは別問題です。
ネット社会のリスク
もし家計簿アプリを使うにあたって不安な点があるとすれば、銀行や郵便局や証券会社にある口座のIDとパスを事前登録することだと思います。
確かにそれは的を射ています。しかし今のネット社会ではスマホ使っているだけで十分にリスキーです。クレカ持っているだけで十分にリスキーです。
だから、そういった点での安全性を確保したければアナログ生活に戻ればいいだけです。何も無理して今の社会に合わす必要はありません。
一方、それでも利便性を取るならば、それなりの心得は必要だと思います。その一つは、やはり自己管理なのです。例えば・・
- 実社会でもネット社会でも、とにかくややこしいところは踏まない、ややこしいところで決済しない。これ超大原則です。興味を持たせるために巧妙な仕掛けをしてきます。でも結論は「いいことないです」。
- 私は毎日クレカの使用状況や口座の入出金状況をチェックしています。5分とかかりません。それを繰り返すことが異変の早期発見に最も効果的です。
5年くらい前の出来事です。朝、いつものようにチェックをしていたら、クレカの支払い明細に一件身に覚えのないものが混じっていたのです。アメリカからでした。
即クレジット会社に電話をして確認をした上で削除をお願いしました。クレジット会社も迅速に処理してくれて事なきを得ました。
今考えても何が原因だったのかさっぱりわかりませんが、現実にそういう事もあるのです。身を引き締める良い経験でした。
具体的なアプリ名
私が使用しているのは「マネーフォーワード」というアプリです。が、必ずしもこれが一番かどうかはわかりません。
一つの傾向としては、同様のアプリが揃い円熟してくると、だいたい内容は似たり寄ったりになってきます。なので内容にあまり差がないとすれば、使いやすさはアプリを使い続ける大きな要素だと思います。
好きなのを使ってくださいと言いたいところですが、現実には、最も信頼性が高く、利用者が多く、機能が充実しているのは
のいずれかだと思います。アプリを使う場合、利用者の数は重要で、多ければ安定発展の可能性大です。こんなものが途中でサービス打ち切りとかになったらたまりませんからね。
一度使い始めると乗り換えが非常にめんどくさいので、最初の段階でアプリごとの個性をよく掴んで納得の上で選定をすることが大切です。
最後に
銀行員時代にはお金に苦しんでいる人たちを沢山見てきました。ドツボにはまってしまって、刹那的な威勢が悲鳴に変わる姿を何度も見てきました。
残念ですがあなたも私も、古来中国の仙人みたいに霞を食べて生きてゆくことはできません。夢ばかり見たり、精神論だけでも生活してゆくことはできません。
結局、どうしても足を地につけて地道に自己経済の管理をしなければ、長続きする安定した生活を送ることが難しいんですね。
社会環境がますます厳しくなることが予想されるので、余計にそう感じます。
遠い遠い未来のあなたも想いながら、家計簿アプリを有効に利用して、どうぞ上手にお金と付き合っていってください。
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