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クリックポストの概要
あなたは「クリックポスト」という日本郵便のサービスをご存知ですか? 比較的小さな荷物をいつでも手軽に安価に送ることができるサービスです。
この記事ではその詳細を説明し、もしご存知でなかったらこの際知っていただくと同時に、似たサービスとして「ゆうパケット」もあるので両サービスの違いを明らかにします。
さてクリックポスト。まずはザッと特徴を羅列してみます。
- 全国一律の安い郵便料金
- 規格内の日常品ならほぼ何でも送れる
- 日曜祝祭日も配達される
- 専用サイトを利用して支払いとラベル作成を行う
- 差出はポスト、受取は郵便受け
- 追跡サービスがある
おおよそ以上のような特徴があります。
特に他の郵便サービスと大きく異なっている点は・・・
- 支払いがネット決済オンリーになっている事(Yahoo!ウォレットかAmazon Pay限定)
- 宛名には手書きではなく専用サイトで原稿作成しプリンターで印刷したラベルを使う
この2点であり、これに関しては他に選択の余地あありません。
で、特徴を概ね理解してピンときた方がいるかもしれないし、日本郵便がそれを意識してサービス開発をしたかどうかはわかりませんが、メルカリやヤフオクなどの出品者にとって非常に使い勝手が良いサービスになっています。
では、具体的なサービスの内容を一つずつ解説していきます。
送ることができるもの
決められたサイズに収まる日常品なら何でも送ることができます。例えば・・・
- 衣料品
- CD・DVD・ブルーレィディスク
- 雑誌・書籍・マンガ本
- 化粧品
- 手作り品
などです。
反対に送れないものもあるので注意が必要です。それは・・・
- 現金
- 信書
- 宝石・貴金属
- 危険物
クリックポストに信書は入れてはいけないのはわかりました。でも「信書」って何でしょう?
- 郵便法第4条第2項にはこう定義されてます「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」
えぇ? あなたは意味わかりますか?
例えば(ヤマト運輸の説では)就職求人に応募するための「履歴書」は信書で、それを会社が返送する場合は同じ「履歴書」なのに非信書扱いになるとあります。はぁ?
一枚の紙片をその内容により信書・非信書に区別するのなら、当然確認義務が郵便局にあるはずですが、実際はどちらもポストへGOでOKです。
つまり信書を入れようが入れまいが郵便局は実質不問なのです。誰が考えても、うちのネコが考えてもおかしい。でしょ!
この記事の本論から外れるのでこれ以上の追求はしませんが、あなたもお時間のある時に一度じっくり読んでみてください↓。
損害賠償請求はできない
クリックポストを利用する時に一番胸に刻んでおくべきは、何があっても、送付した内容品については補償を受けられない、言い換えれば損害賠償請求はできないという点です。
なので、壊れていても破れていても代金相当額を郵便局に請求はできないのです。但し、郵便局がその責を負うべき明らかな理由がある場合に限り運賃相当額のみ負担してもらえます。
もの凄く安いので補償がつかないのは当然でしょう。それについて文句を言う必要はなく、要は安さを取るか補償を取るかです。
それは郵便局配送の事故率ひいては信頼度とも関係してきますね。信頼度抜群なのは歴史が証明しています。が、いずれにしても100%安全な輸送方法はありません。
荷物のサイズと重さ
クリックポストは、送る荷物について重さとサイズの制限が設けられています。ですから、それをオーバーした荷物は差し出しをしても戻ってきますので注意が必要です。
指定されたサイズと重量は・・・
- 重量:1kg以内
- サイズ:3cm以内(高さ)× 9〜25cm(幅)× 14〜34cm(長さ)
この中で、サイズの幅・長さの最小が指定されている理由は、それ以上でないとラベルが貼れないからです。
郵便料金と支払い方法
次に郵便料金について様々な角度から説明していきます。
運賃
郵便料金は、全国一律198円(税込み)です。下にサイズや重さを説明していますが、それらとの兼ね合いを考慮すれば、かなりリーズナブルな価格ではないでしょうか。
運賃割引はない
割引制度はありません。1個出しても10個一度に出しても、一個あたりの運賃は同じです。
支払い方法
次に郵便料金の支払い方法ですが、切手は貼りません。郵便局持ち込みで窓口支払いをするわけでもありません。
専用サイトクリックポストに登録した上で、決済方法は・・・
- Yahoo!ウォレット
- Amazon Pay
のいずれかを選択できます(クレジットカード払い)。その他の支払い方法は一切ありません。
上記のように支払い方法が限定されているので、クリックポストで登録をする前に、まずはYahoo!ウォレットかAmazon Payでクレカを登録しておいて、それで支払いをできるようにしておく必要があります。
支払い(課金)のタイミング
運賃が確定するのは、クリックポストサイトで「支払い手続き」をした時です。でも課金はまだです。なので、ここで手続きをやめてしまえば運賃が課金されることはありません。
ではいつ課金が確定するかというと、それは・・・
- 郵便局で引受処理をした時点
です。ですから繰り返しますが、クリックポストで「支払い手続き」をし、宛名ラベルを作成して、そして荷物をポストに入れても尚その時点では課金は確定されていません。
これもまた繰り返しになりますが・・・
- 割引
- 着払い
- 代引き
これらは全てありません。また、領収証の発行もいたしません。
荷物の返却と課金の関係
何らかの事情で荷物が返却された場合ですね、この場合は課金ありのケースと課金なしのケースがあります。
課金ありのケース
- 受取人が不在で且つ留置期間が経過した場合
- 受取人が引っ越しをしていて転居後1年間という転送期間を経過した場合
- ラベルにある住所に受取人が存在せず且つ転居先も不明な場合
- 受取人が受け取り拒否をした場合
以上のケースにおいては運賃198円は取られることになります。
課金なしのケース
- 印刷状態が悪いか貼り付け状態が悪い等の理由で追跡バーコードや二次元コードが適切に読み取れない場合
- サイズや重量が規格オーバーの場合
以上二つのケースでは運賃は取られず荷物が返却されます。
ラベルの作成
クリックポストの大きな特徴の一つとして、宛名ラベルの原稿を専用サイトで作成し、それをプリンターで印刷したものを荷物に貼るというのがあります。
これは「そう言う選択肢もある」じゃなくて、必ずそうしなければならないという決まり事です。そうやって作成したラベルを貼って差し出すことになります。
クリックポストでの登録からラベル印刷までの簡単な流れを以下に紹介します。
- クリックポストへのログインはAmazonかYahooのアカウントでのみできる
- 一番最初に個人情報の登録→仮登録メールが来る→メール内のURLをクリックして登録完了
- クリックポストサイトで発送申し込みから手順を進めると、やがて印刷用画面があらわれる
- プリンターの用紙設定がA4であればラベルの大きさはA6なので↓のような印刷となりラベル部分だけを切り取って利用する
- 下に説明するA6の専用ラベルを使う場合はプリンターの設定画面で用紙サイズをA6に変更する
- 印刷した紙の左上部分がラベルだけなのでハサミで切ってノリかテープで貼り付ける
郵便局はラベル上の追跡バーコード及び二次元コードを読み取らなければならないので、それを妨げるような貼り方をするのはNGです。←ここ大事
専用ラベルの活用
A4で印刷したら上述のようにその都度3/4を捨てることになります。
それを踏まえ、或いは貼付けをスピーディーにするために、専用のラベル紙が販売されています。
送付頻度が高く、個々の荷物の表面が凸凹していないのであれば、専用ラベルの使用もいいかもしれません。
ラベル作成の利用環境
パソコン
- ウィンドウズの場合:Windows8かWindows10
- Macの場合:OS10.10以上
- ブラウザ:双方ともGoogle Chrome
スマホ
- Androidの場合:Android5.0以上、ブラウザはGoogle Chrome最新
- iOSの場合:iOS9以上、ブラウザはSafari最新
PC・スマホいずれを使うにしてもブラウザのポップアップのブロックを解除しておかないと印刷画面が表示されないので注意が必要です(デフォではブロックする設定になっている場合が多い)
ラベルに関する注意点
ここでは、そのラベルについて幾つかの注意点をまとめておきます。
- ラベルの有効期限:クリックポストで支払い手続きを完了した日を含み8日間。それを過ぎたラベルは使えない。使って発送すると戻ってくる。
- ラベルの大きさ:変更はできない。
- ラベルの色:カラー印刷でも白黒印刷でもよい。
- 印刷失敗で再印刷の場合:「印字」を押してから30分以内であれば「再印字」が可能。ただし30分経過後は改めて発送申し込みが必要。
- 追跡バーコード及び二次元コード読込失敗の可能性:光沢のある紙を使った場合やインクが薄かったり滲んでいたりした場合又はコード上をテープで貼っていた場合。このような場合は読み込みを失敗し受付できなくなる可能性がある。
差出と配達について
配達についての主だった特徴は以下の通りです。
- 配達される場所・・受取人の郵便受け。入らない場合は、不在配達通知書を差し入れた上で配達局に持ち帰る。
- 局留め・私書箱宛は両方とも可能
- 特別な指定や扱いはできない(速達・配達日時間指定・「冷凍」「冷蔵」・「こわれもの」「逆さま厳禁」など全部不可)
- 配達に要する日数・・他の郵便物と同じ(例えば、東京・名古屋・京都・大阪・広島・福岡間で午前に投函すると概ね翌日に着く)
土日祝祭日の取り扱い
年間を通してみれば土日祝祭日はかなり多いので該当日の取り扱いは気になるところです。さて、どうなっているのでしょう?
- ポスト集荷:一部低利用度のポストを除き年中無休で集荷されている。一応、利用するポストに貼られている集荷日時の記載部分を確認しておくのがよい。
- 配達:1月1日以外は年中配達される(普通郵便の配達は祝祭日ではない月〜土のみ)
追跡の情報
クリックポストの特徴の一つである追跡情報サービスについてです。
まぁ当然ですが、配送荷物に発信器がついているわけではないので、「追跡」とはいえ限られたポイントのみの情報となります。
「郵便追跡サービス」に表示されるポイント
- 引受局で引き受けた時
- 配達局に到着した時
- 配達員が持ち出した時
- 配達が完了した時
この4時点です。
上記の一般的な郵便追跡サービスのほかにクリックポスト内のマイページに「配達情報」という欄があります。
が、ここに表示されるのは「配達完了」(若くは「窓口交付」「返送」)のみなので、荷物輸送の中途情報はやはり「郵便追跡サービス」で確認する必要があります。
クリックポストとゆうパケットの違い
「クリックポスト」とよく似ているサービスに「ゆうパケット」があって、実際よく似てます。下の比較表をご覧ください。
ご覧の通りサービスそのものの差異はほとんどなくて、でもクリックポストの方が明らかに安いです。
なので・・・
- Yahoo!ウォレットかAmazon Payに登録していてクレジット払いができる
- ラベル印刷の環境がそろっている(これはスマホ+コンビニのプリンターでも可)
であれば、クリックポストを利用する方がお得です。
まとめ
この記事ではクリックポストについて詳しく説明してまいりました。
- 送りたいものの重量や大きさが規格に合う
- ネット決済OK
- プリンターあり
なら・・・
- 運賃が安い
- ポストから受取人の郵便受けへ
- 追跡サービスあり
などというメリットがあるので、どんどん利用していいのではないでしょうか。
ただしネット販売やネットオークション品発送で利用する場合は、特に「補償」はないことをよくよく理解というか納得した上で利用しましょう。
郵便局の郵送事業がメッチャ手堅いのは疑いの余地がありません。でも、世の中に「絶対」はないので、極低い確率で不良品となって届くこともあるでしょう。
なので、郵送料の安さとの兼ね合いをきちんと了解納得しておくことは大切です。
それから、もう一つ失敗しやすい事例としてあげますと、衣類のように形のしっかりしていないものは、縦横高さの規格からはみ出る可能性があります。
例えば、箱の真ん中だけ膨らんで規格オーバーになったり。気づかずに投函して送り返されたりする可能性もあるので注意が必要です。
さて、ここまで述べてきたような商品の特徴、メリット・デメリットをよく掴んで、その上で、安くて便利なクリックポストを上手にご利用ください。
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