目 次
エアコンの使用可能年数
今頃の電気製品て長持ちしますね。
エアコンなんてよっぽど当たりが悪くない限り、10年くらいではなかなか買い換えないでしょう。
何故か? 壊れないからです^^ まあそうは言え、いずれは必ず寿命を迎えます。
本当にそうなれば使えないので、これはもうしょうがない、考慮の余地がない。そして必要不可欠ですから早急に買い換える必要に迫られます。
壊れる=機能しなくなる=寿命
どれくらいの期間使い続けると寿命が来るのでしょうか?
政府の2017年の消費動向調査によると、エアコンの平均使用年数は全世帯平均で13.9年です。そして買換え理由のトップは故障が66.1%でダントツです。
でも13.9年はあくまでも平均使用年数なのであって寿命を迎えるまでの年数ではありません。
そう考えると、15年や20年くらい現役で頑張ってるエアコンがあっても全然おかしくないですね。(買い換えた方が電気代が得というのはまた別の話)
では、メーカー側は寿命についてどう考えてるのでしょうか? それを次に述べます。
設計上の標準使用期間
結論から書きますと、エアコンに関してメーカーは概ね10年を寿命としてます。(「寿命」というとちょっと語弊があるのかな?)
経済産業省の制定した法律の中に「改正消費生活用製品安全法」というのがあり、この中に「長期使用製品安全表示制度」という項目が入っています。
これはメーカーに対しての制度で、消費者が長期使用する家電製品の5品目については、注意喚起をするとともに、指定3項目を機器本体に表示すること、という内容です。
5品目とは・・・
- 扇風機
- 換気扇
- 電気冷房機(含むエアコン)
- 電気洗濯機(含む脱水機)
- テレビ
まあ確かにどれも長くは使いますよね。というか電気製品てどれも長期間使うのですが、対象外の機器(例えばヘアドライヤーとか)はもっと安全なのでしょうか?
さて、本体に表示すべき3項目とは・・・
- 製造年
- 設計上の標準使用期間
- 注意喚起文
です。エアコン本体についてますので確認してみてください。だいたいは下から見える位置に貼ってあるはずです。
ところで、この中の「設計上の標準使用期間」ってなんでしょう?
実は、標準使用条件はJIS規格となっていて、これを元に各メーカーが任意に使用期間の設定をしていいことになってます。
どのメーカーもだいたい10年にしているようですね。詳しく知りたい場合は、日本冷凍空調工業会のサイトを読んでください。丁寧に説明しています。
つまり、JISで決められた条件の元で利用すると10年間は安全に使えますよ、ってことです。う〜ん、わかったようなわからないような。
でも、これも制度ですから知っておくことはいいことだと思います。ただ、それが実生活での使用上役に立つことは、まずないと思いますよ。
メーカーでなくても「安全面を考慮すれば買い替えの目安は10年」とかって記事を目にしますが、説得力のある根拠が全くない。
つまり一般的には、使えるうちは使うし、それが15年であっても20年であっても。使い手の考え方次第ですが、何年経っても壊れなければ使えるんです。
それで大変なこと、つまり火事や爆発などが頻発すれば、それなら消費者全体の考え方も変わるでしょうけれど、ここ数十年の国内の状況はどうだったですか?
・・・と、ちょっと10年に反発をしてみたものの^^、目安としては、修理できない程の故障に見舞われるのは、買ってから10〜15年後くらいと考えるのが妥当なのでしょうか。
部品がなければ修理もできない
長期間家電製品を使用していると時には故障もします。エアコン内の各パーツは劣化していきますから、それが故障の原因だとパーツなしでは修理できないことになります。
そこで各家電製品については、製造打切後に補修用性能部品を保有し続けねばならない最低年数が決められています。
つまり、その型番が製造打ち切りになっても修理が可能なように、製品機能維持のために必要な部品を一定年数保有することが義務付けられているのです。
各メーカーともこの規約に従っており、エアコンの場合は各社の保有期間はほぼ9年から10年間です。
で、ここで申し上げたいことは、長期に亘って使用していた家電製品が故障した場合、「部品そのものがなくて修理できなくなる可能性がありますよ」ということなのです。
そうであった場合は、その時点がその家電製品の寿命となるわけです。
よくある話ですが、新製品発表と同時に旧品番製品は在庫一掃セールとなり、かなりのお値打ち価格で購入できますよね。
でも購入される場合は、部品交換を伴う修理可能期間の事も思い出してください。
寿命を予感させる症状
全然関係ない話ですが、「寿命を予感させる症状」というタイトルを打っている時、何故か不意に、昔大ヒットしたテレサ・テンの名曲「別れの予感」を思い出しました^^
さて、いつかは必ず使えなくなる家電製品ですが、多くの場合は何かしら予兆前兆があるものです。今、目の前で起こっている状況は寿命の予感なのでしょうか?
カビ臭・目のかゆみ・咳
エアコンを運転して風が送られてくると、湿っぽい臭さを感じたり、目が痒くなったり、咳が出たりって、そんな経験をしたことありませんか?
まさに、大汚れやカビが発生してる可能性大です。でも、これは以下の通りにやっていると簡単に防ぐことができます。
冷房運転をストップするときは、必ず引き続き送風運転を30分程度行ってください。自動で送風運転に入る機種もありますね。
冷房は除湿効果があり、どんどん水分が発生するのでそれをドレンパンで受けてドレンホースで外に流し出します。
しかし、発生した水分は室内機内部に多量に残っており、これを放置すると異臭やカビの原因となるのです。ですから冷房運転後は必ず送風運転をして室内機内部を乾燥させる必要があります。。
暖房運転をすればもっと効果的ですが、それすると、なんのために冷房してたのかわからなくなってしまいますよね^^
ということで送風運転を必ず励行することで解決!
しかし・・・既に異常が発生している場合は、急いでクリーニングするしか解決策はありません。フィルターだけのクリーニングならあなたがやり、それより奥全体なら業者さんに依頼します。
水が室内機から落ちる
疑うべきは次の2点です。
- ドレンホースの詰り
- 室内機のゴミ
室内機に溜まった水を室外に送り出すドレンホースですが、室外機のところに行って・・・
- 塞がれてないか
- 折れ曲がってないか
確認をします。
ドレンホースに問題がなく、相変わらず室内機から水が漏れているのであれば次に・・・
- 室内機内部が汚れていないか
- 大きなゴミが付着していないか
- フィルターが汚れていないか
などをチェックします。
フィルターの自動掃除機能がついている機種は、リモコンで動作させます。
ちゃんと掃除手入れをしても、尚、水漏れがするならもう出来ることはありません。業者さんに点検・修理の依頼をしてください。
ひょっとしたらホース関係の取り替えが発生するかもしれないし、その場合は業者さんへの支払いは相当大きくなる可能性があります。
でもこの手の不具合は寿命の予感・・とはならないケースの方が多いでしょう(・・・修理費の額によるかも)。
室内機がリモコンに反応しない
この原因として考えられるのは、当たり前ですが・・・
- 室内機が故障している
- リモコンが故障している
2つのうちのどちらかでしょう。
四つの確認
1. 電池交換と動作ボタン
リモコンの各ボタンを押しても本体が反応しない場合、電池を入れ替えてみます(リセットボタンがあれば電池入替後に必ず押す)。それで室内機が反応してくれればOK。
もし反応してくれない場合は、室内機にある動作ボタン(運転ボタン・応急運転スイッチ等名称は色々)を押してみます。これで動作すればリモコンが故障している可能性大です。
もし、室内機の動作ボタンを押しても反応がない場合は室内機に異常が発生しており、リモコンの故障はこの時点ではまだわかりません。
一応やってみてください。これで正常に戻れば助かります。
方法はいたって簡単。室内機のプラグを抜きます。10分経過したら再びコンセントに差し込んで通電します。これで室内機の基盤がリセットされて初期状態になりました。
稀ではありますが、これで直る場合もあります。
2. スマホカメラでの確認
正常なテレビのリモコンなどの送受信部をスマホのカメラに向けて任意のボタンを押すと光が確認できます(赤外線なので肉眼では見えない)。次に同じことを問題のリモコンで行います。
光ったらリモコンは故障してなくて、室内機の受信装置が故障している可能性があります。もし、光らなかったらリモコンの故障です。
3. AMラジオでの確認
AMラジオを持っていたら、ラジオに向けてリモコンのボタンを何か押してください。
ノイズが聞こえればリモコンは正常なので室内機に問題がありそうです。一方、何も音がしなければリモコンは故障している可能性があります。
4. 室内機のLEDランプとエラーコード
大抵の室内機には何種類かのLEDランプがついており、それぞれにお知らせ目的(運転とかクリーニングとか)があるのですが、同時に、点灯や点滅が故障その他のお知らせサインにもなっています。
と同時に、そういう症状が出た時はリモコンにエラーコードが表示されます。そこで、「おかしいな」と感じたときはエラーコードを確認することで、問題の特定をできる可能性があります。
エラーコードの読み方は必ず取説に記されているので、今、異常がなくても、この際、どこにどのように記載されているかは確認してた方がいいです。
以上の確認から、室内機に問題ありとなれば点検・修理を依頼する必要があります。エアコンの修理費は思いの外高くつく場合もありので、あらかじめ心得ておいてびっくりしないようにしてください。
リモコンが故障していたらどうしましょう。打つ手としては概ね以下のような方法です。
- 同じ純正リモコンを新しく買う:一番いい方法だが高い、また、古い型番だとない可能性がある。
- 同じエアコンを別の部屋で利用してる:そのリモコンを兼用にする(電波チャンネルを変更するだけ、でも結構面倒)。
- 汎用リモコンを買う:ネット上で安く簡単に買える、しかし機種固有の機能は使えなくなる可能性が高い。
- リモコンアプリを使う:各メーカーが公開しているのでDLしてスマホをリモコンにする(対応してない機種もある)
どれも一長一短なので、価格を気にしなければ純正リモコンを買うのが一番です
コンプレッサーと冷媒
コンプレッサーの不具合はエアコンの故障の中でも、特に、寿命の予感となる可能性も高く、事前の理解は大切です。でもその前に、簡単に、それぞれの役割と電気代のお話をします。これはこれで知っておくことに意味があります。
コンプレッサーの劣化と冷媒ガスの漏れで電気代が上がる
エアコンを使い始めると、正常運転が続いていても、少しずつ電気代が増えていき、同時に少しずつ効きも悪くなっていきます。これはある種構造上の宿命です。
新品を購入してから一般的には毎年数%ずつ消費電力量が増えていきます。つまり、支払い電気代は多くなっていくのです。
何故そうなるのか・・・?
室内機の中で高圧で液化している冷媒の圧力を急激に下げます。そうすると冷媒は気体になり、その時に温度が下がって、送り込んでいた空気が冷やされ室内に戻されます(クーラーの仕組み)。
一方、気体となった冷媒は室外機に送られます。室外機ではコンプレッサーで冷媒を圧縮し、さらに凝縮器で冷やして再び液化して室内機に送るのです。
さて、経年劣化によってコンプレッサーの圧縮効率が少しずつ落ちてゆくんですね。そうすると「効きが悪くなる」(冷えにくくなる)という現象を引き起こします。
こうなると、運転開始後なかなか設定温度に到達しなくなり(高速運転時間が長くなる)、電力使用量も増えるから電気代が上がるのです。
一方、冷媒に使っているガスはほんの僅かづつですが漏れていきます。これは設定温度到達後の安定運転時(低速運転時)に影響を与えます。
エアコンは安定運転の時間が長いですから、非効率となってきた安定運転(低速運転)が電気代を増やすのです。
このように、ちゃんと手入れをして正常運転していても構造上の理由で、使い続けるほどに電気代は増えていきます。
コンプレッサーの異変には特に注意
エアコンの中で最も電気を使うのはコンプレッサーです。ですから、これの好不調は電気代に直結します。また、不調になると・・・
- 異音を発するようになる
- 回転による振動が発生するようになる
このような症状が出る場合があります。
こうなったら放置という選択肢はありません。すぐに点検を受けて、修理か買い替えを検討する必要があります。
ガス漏れ修理は状況により案外安く済むケースと相当高額になるケースがあります。一方、コンプレッサーの修理は、ほとんどのケースでかなりの高額を請求されるでしょう。
引越し再取付は要注意
冷房したら動作はするけれど全然涼しくならない。引越しの際、持っていったエアコンを再び取り付けると、こういうトラブルに巻き込まれる可能性があります。
- ガスが抜ける
- 配管工事でホースが傷つく
このどちらか(あるいは両方)の原因であることが多いのですが、辛いのは、再設置の業者さんが、新品設置時のように販売店と提携している安心の業者さんと同程度の技術を持っているとは限らないのです。
業者さんの未熟な技術が原因で不具合が発生し、その結果、高額な修繕費を請求されることになったら踏んだり蹴ったりです。
可能性として、引越し再取付は、即、寿命につながる事もあると覚えておいてもいいでしょう。
因みに、政府の平成29年3月消費動向調査を見ると、7.9%の方が引越し時にエアコンを買い替えてますね(買換え理由第二位)。
持って行かずにこの際買い換えようと考えるようです。
寿命と買換えの判断
今まで寿命を感じさせる要因を色々と述べてきました。また、細かく気を配ったお手入れで寿命は伸びるものだということもお話ししました。
ここで、寿命と買い替え時期についてどう判断すべきかをまとめて見ましょう。
電気代の増加と買換え
機嫌よく運転していても経年劣化で毎年電気代は増加して行きます。今後予想される累積電気代と買換えした場合の損得を判断基準にして考えます。
修理費用と買換え
修理費用を聞けば目が飛び出るような金額を申し渡されることもあります。特にコンプレッサー関係やホース交換を伴う場合は高いです。一方、結構安価で直る場合もたくさんあるでしょう。
こういった際の修理費用と買換えの損得を判断材料にして考えます。
修理部品がない
先の述べましたように、修理部品をストックしておく年数は決められています。
修理部品があればまだ直せる使えるという状況でも、その部品がなければどうすることもできません。寿命です。
直せない故障
直せないということは二度と運転できないということですから、これも寿命だと言えます。買い替えをしましょう。
まとめ
エアコンの寿命と買い替えの時期について、いろんなケースを考えて見ました。
そして、手入れや修理によって更に長く使える場合に、そうするのが得なのか損なのについても各種ケースごとに考察しました。
とはいえ、エアコンは決して安い家電製品じゃないので、そんなにホイホイと買い換えるわけにはいきません。だから基本的には、少しでも長持ちさせたいですよね。
その上で大切なのがお手入れです。ほんの少しの手間で誰もが簡単にできるお手入れ方法、それが・・・
- フル稼働時期は、週に2回のフィルター掃除を怠らない
- 冷房運転の後には必ず送風運転をして室内機の湿気を飛ばしておく
- 室外機周りへの気配り(周辺に物や樹木をおかない、ドレンホースの出口を綺麗にしておく)
そして、数年に一度(特殊な条件でなければ毎年行う必要はない)は業者さんに頼んで室内機の掃除をしてもらいます。
これだけをちゃんとやっていれば、随分故障率が下がり寿命も伸びるはずです。
その上で、使用後10年前後が経過すれば、間違いなく経年劣化が進んでいるので、且つ使用電力量のロスも発生しているでしょうから、次に備えてボチボチと新機種の研究はしていた方がいいのではないでしょうか。
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