年金を受け取る頃に海外移住をしたい方への厳しいお話し



老後の年金生活は海外しかない

この記事は、老後の年金生活を海外でしたいとお考えのあなたに、重大事項をお伝えするために作成しました。

安易に海外生活を夢見て現実に地獄を見て、そしてなすすべなくこの世を去っていった多くの日本人は、恐らく高い空の上から、今私がここに述べようとしている事をどんなにか伝えたい事でしょう。

少し重い話にはなりますが、移住決断前にどうしても押さえておかなければならないところを多面的にお話しします。

 

さて、老後の海外移住先として人気なのは(うんとお金のある方は別として)東南アジア、特にタイ・マレーシア・フィリピン周辺あたりではないでしょうか。

じゃあ、あなたはどうして東南アジアに海外移住したいと、そういう考えに至りましたか。まずはここから見ていきましょう。

なぜ海外移住を夢見るようになったのでしょう?

きっかけを考えてみましょう。基本、男性に偏る話が多いかもですが、あなたが女性であっても十分参考になるはずです。

 

 

海外移住の動機と落とし穴

なにか「こうしたい!」と考えるようになった直接的な動機があるはずですよね。例えば・・・

  • 何回か旅行に行った結果「こここそ老後の生活にふさわしい」と大枠で感じた
  • 何回か旅行に行った結果、現地の物価が相当安い事に気がついた(きっと家賃も生活費も安く済むだろう)
  • 何回か旅行に行った結果、いつも温暖で冬のないことが実感できた(年を重ねるにつれ冬は身にこたえる)
  • 何回か旅行に行った結果、社会の空気が緩く暖かく息苦しさを感じなかった(みんな優しく穏やかでいい加減なところがいい)
  • 何回か旅行に行った結果、多くの綺麗な自然が残っていることがわかった(そんな中で生活したい)
  • 日本のパブや現地のクラブなんかで現地の女性と知り合いその魅力に取り憑かれた(出来るなら現地の女性と結婚して老後を暮らしたい)

ざっくりと述べるならこんなところでしょうか。それ自体は良いも悪いもありません。すべては本人の意思ですし、他人がどうのこうの言うのはおかしいでしょう。

しかし一方において、冒頭に述べましたとおり悲惨な未来が待っている可能性も大いにあるのです。

そうであるなら、お伝えできることはお伝えして、行動を起こす前の参考になればいいじゃないかと思うわけです。

ということで、ここからは、現実に潜む落とし穴について述べていきます。

「転ばぬ先の杖」ではないですが、奈落の底に落ちる前に立ち止まったり方向を変えたりする機会は絶対に必要です。

では、なにが落とし穴なのか?

もう一歩二歩踏み込んで、事前によく考えなければならないポイントを説明します。

 

 

物価が安いのは事実だが(1)

確かにタイやフィリピンなど東南アジア諸国の生活物価は安いし公共交通機関の運賃も安いです。

かなり先進的になってきている台湾でさえ(都会の家賃なんかは厳しくなってますが)基本的な生活費や交通費はまだ日本より安いです。

ということで、東南アジアでは、日本円にして月4〜6万円程度あるいはそれ以下で暮らしている人はごくごく普通にいるのです。

物価変動のない国と常にインフレな国

しかし物価について、これらの国々と日本とでは決定的に違う点が一つ存在します。

それは・・・物価の変化率です。おそらくこれらの国々ではここ10年以内に消費者物価が二倍以上になる可能性が高いです。継続的なインフレを起こさない国は皆無であると断言してもいいくらいです。

それに比し日本はどうでしょう? かなり前に「物価上昇率年2%」を日銀総裁が目標に掲げて以来、今だに達成されてません。

2018年は前年比0.9%上昇、2019年は前年比0.5%上昇。2015年を100として4年間に上昇したのはたった1.8%です。

これは何を意味しているのでしょうか?

年金受給移住者のゆとりが消えてゆく

私が調べたネットに登場する多くの移住希望者の年金受給額(予定も含め)は概ね10万円〜15万円くらいでした。

今の時点では確かに月10万円以上あれば、わりとゆったり暮らせる場所は東南アジアに多く存在します。

でも、日本の公的年金は基本物価スライド制なので、物価が変化しなければ受取額も変化しないのです。(この記事の趣旨にそって細かい話はカットします)

せっかく移住した東南アジアのどこかの国でゆとりある生活をしていたけれど、毎年毎年物価が上がるのでドンドン余裕がなくなっていくというふうに変化するかもしれません。

もっと先の未来になると、何の対策も打ってなければ、いつか尻に火が付く可能性だってでてきますよ、かなり高い確率で。

 

 

物価が安いのは事実だが(2)

現時点では日本より物価が安いのはわかりました。しかし、インフレという事以外にも注意すべき大きな盲点があります。それは何か?

現地での「物価が安い」を生活レベルで実感するには、現地の人たちと変わりない生活をするから、という当たり前の条件がつきます。

が、多くの方がこれに気がつかず、或いはわかっていても「まだまだゆとりがある」と高を括って、数年も暮らすと「あれっ?」となるのです。

いったいどういうことか?

生活の内容次第で年間消費金額は大きく変わる

それは、現地の一般人と同じような暮らしをしないと年間消費金額が跳ね上がるという意味です。

そこそこハイレベルなコンドミニアム(←高い)を借り、日本で長年経験した自分の口に合う外食(←高い)ばかりをし、夜な夜な女性が待っている飲み屋に通う(栓をし忘れた風呂にお湯を注ぐのと同じ)。

これでは物価が安い恩恵を自ら放棄しているようなもんでしょ。破綻目的の移住みたいに映ります。

ざっくりした生活費の目安

永く移住生活をし続ける秘訣は、特に移住当初の数年は経済的に質実剛健に徹することが大切です。

例えば年金の実質受け取り月額(日本の税金や保険料を引かれて後の残)が11万円だったとしましょう。

現地人の平均生活費が約6万円であるなら、あなたは9万円を月額生活費の上限とし残り2万円は貯金する。もちろん日本での貯金や退職金は手をつけない。

もし、これを3年続けられたなら、金銭的な意味で生活は相当目処が立つ、安心できると考えていいでしょう。

現地の女性に惚れた方の末路

よくある危ないパターンです。

日本の住居を処分換金し、退職金と合わせて数千万円を持って意気揚々と移住したのはいいですが・・・

気がついたら、たっぷり金を貢ぎ、彼女名義で家も建てましたよと。それでも継続的な幸せが手に入るのならまだいいです。

ところがそれどころか、いつの間にかあちらの家族が多数住むようになり、何故か邪魔者扱いされ遂には追い出され、かろうじて残ったお金で日本に帰っても住民票は既に抜いており、身寄りもない・・・。

冗談ではないですよ。実際、非常に多い事例です。

年金はまだ定期的に入ってくるにしても、ここまで人生が狂ってしまったら、果たして生きてゆく気力が残っているでしょうか?

(当然ですが女性とは必ずうまくいかなくなるわけじゃないです。仲良く家族で暮らしておられる方も勿論たくさんおられますよ。)

 

 

特に持病持ちは移住が難しい

健康保険と医療費

日本では、ちょっと調子が悪いと感じただけで、多くの人たちが気軽に病院にいきます。何故なのでしょうか?

それは、国民健康保険(もちろん一般の健康保険も)が費用負担面で手厚く保護してくれるからです。

対して海外ではそうはいきません。ネット上で少し調べても、海外の医院でびっくりするほど請求された、なんて普通に見ます。今までの感覚からするとありえないくらい高いのですよ。

しかも年を重ねるにつれ、益々調子の悪い部分が出てきて、それは病院を必要とする機会も増える事を意味します。

持病持ちと国民健康年金の継続

仮に持病持ちで、それでも海外移住を希望する場合、たくさんのことを考えなければならない中の一つに、今後発生するであろう「定期的な医療費」をどう工面するかの問題があります。

その有力な解決策の一つが、「住民票を抜かず国民健康保険料を納め続ける」という方法です。被保険者のままなら「海外療養費」を請求することができます。(支払い対効果の問題なので事前によくシミュレーションする必要があります)

費用以外の重大な覚悟

東南アジア諸国の方々はその圧倒的多数が高度医療を受けるお金がなく、もしそんな病気にかかってしまった場合は、神の思し召しと理解し(納得する理由は色々あるかもしれない)天に召されるがままに、という考え方があるそうです。

実際移住した方でも、そんなに自由にお金が使えなくて、それを覚悟の上、ゆったりと暮らしているという例もありますね。

 

 

意思疎通と社会の緩さと目線と

今頃は海外移住者Youtuberが沢山動画をアップしていますね。

そんな数多くの動画で、これから移住を考えている方のためのヒントやアドバイスをしてくれているわけですが、例えば、そこでちゃんとはっきりと「最低限、英語で会話できないと厳しい」と述べられているのですよ。

にもかかわらずコメント欄に「私、英語は全然喋れないのですが、それでもなんとかなるでしょうか?」とかっていう質問が散見されます。人の大切な話をまるで聞いてない。

こういうパターンにズボッとはまってしまう方にとって海外移住はかなり厳しいと思います。

 

人が社会で生活するためにはコニュミケーションが必要です。もし、自分の意思を伝える手段がなかったら、相手の話がまるでわからなかったら、意思疎通のしようがないですよね。

もっと簡単な話、移住希望国の空港に降り立ったとしましょう。どうして今晩宿泊するホテルまで行くのですか? 誰にも聞かないでどうして乗るべきバスを見つけますか? タクシーに乗ったとして、どうして行き先を伝えるのですか?

また、移住と言ったって体をそこに持って行ったらOK・・なんて筈がないわけで、当然諸手続きが必要ですが、どこでどうやって何をすればいいのですか? それを全く会話なしで進めることは可能ですか?

また、あなたの体がとても辛い状態になってしまったら、誰にどうやってそれを伝えるのですか?

もしまだ、「会話ができなくてもなんとかなる」と軽視しているなら、ここで述べている事を会話なしでなし得る方法があるのか考えてみてください。何一つできることはない筈です。

社会の一員になれない

仮に奇跡的に全ての手続きがうまくいったとして、今日からご近所とどうやって付き合っていくんですか? 孤独にならない手段はありますか?

現地人と全く意思疎通ができず付き合いができず万年一人ぼっちで、それでどうやって生活していくのですか? 海外生活における地元の方との付き合いは本当に大切ですよ。

もし、タイやフィリピンで片言日本語の話せる女性のいるラウンジなんかで知り合って付き合えるというシナリオが成立したとしても、やはり一般的には英語が必要です。

そうでないと、肝心なときに限って意思が通じなくなります。くどいですが英語は最低限の条件で、移住後、尚ある程度の現地語習得は必要です。

台湾は年間の生活費が比較的高いのでこの記事では外していますが、もし台湾で暮らすなら英語じゃダメで、台湾語はともかく北京語は絶対に必要です。

目線は相手と同じ高さで

台湾やタイでも見かけた経験がありますが、やたらと上から目線の日本のオヤジがいます。

現地の人たちと話をするのに、なぜそんなに偉そうに高圧的な態度で臨まなければならないのか。

こういうタイプが移住なんかしようものなら現地の友人なんか絶対にできないでしょうし、それは巡り巡って自分自身の身にマイナス要因として降りかかってくるでしょう。

相手を尊重する気持ちがなければどこに行っても相手にされはしません。

万事が緩い社会

日本と真反対な社会を住むほどに感じることになります。例えば、ありえない理由で約束を守らない、約束時刻を守らない、仕事が遅い等。

とにかく社会全体が緩いので、これらを包括的に受け入れられず、イライラしたりすぐに噛み付いたりするのであれば、生活する事ができません。

変えなければならないのは移り住んできたあなたの方で異論の余地はありません。不可能であれば日本に帰りましょう。

 

 

観光と現地生活は根本的に違うからプチ体験を

日本で観光する事を考えてみてください。いく場所、食べるもの、宿泊するところ、使うお金の金額。ね、観光とそこで生活することはまるっきり違うでしょ。

ということは、観光でその国や地域が物凄く気に入っても、それは移住に必要な多くの情報を知ったという事にはならない、むしろ程遠いんですね。

そこで、必要な情報を収集する手段としてよく言われるのがプチ体験です。

期間は人それぞれですが、とりあえず1ヶ月以内ぐらいからスタートでどうでしょうか? その間に会話の大切さや日本とは違う環境を身をもって感じるとか食事のこととか。

異国での生活を常に意識していれば収穫はきっと沢山ありますよ。そしてそれらは移住の大切な判断材料になります。

人を、特に日本人を頼ってはいけない

言葉が不自由だと現地で手続きその他諸々が思うように進まないため、日本語でネット検索して、日本語の通じる何らかのエージェントを頼ろうとする方がいます。

結論から申し上げますが、これは100%ダメです。

もう一つ、海外で近寄ってくる日本人ほど怪しい存在はありません。海外における常識としては定番中の定番です。

ところが話すことができない場合は、ついそういう存在に頼りたくなります。

当然彼らは困っている日本人こそがターゲットであり、高額を支払ってでも目的が達成できればまだしも、取られ損も多く発生しています。

こういうことからも、先に述べた通り英語や現地語で意思疎通できない方にとって移住は限りなく不可能に近いと言えるのです。

 

 

移住して何がしたいか?

これはお金の問題と同じくらい、いや、それ以上に大切な問題かもしれません。

あなたが海外移住に夢を抱いていて、言葉もなんとかなって、人に頼らずともあれもこれもできて、それに資金もそれなりにあって、金銭管理も優等生。

もし、そんなあなたなら、ステップバイステップで移住できる可能性が高いですよね。

 

ところでですね、移住後、毎日毎日どうやって充実した人生を過ごすのかその辺の設計図はできてますか? 

もし日本において、休日は朝から晩までテレビ三昧であったなら常にそうなら、残念ながら移住の成功確率は限りなく低いです。

自分の人生を豊かにするなにか、終生没頭できるなにか、そういうものがなければ、海外にいってもどうしようもないという事なのですよ。

できたら、体を動かすようなことと頭を使うようなこと。何でもいいです。釣りと読書とか。ジョギングや自転車と庭いじりとかYoutuberでもいいし私のようにブログ運営とか。

想像してください、そういうものが全くなければ、する事がなくて話し相手もおらず、結局はなす術もなく海外で朽ち果ててしまいますよ。

 

また、海外生活においてとてもいい日本人友達を作るには、自分自身が自分の足で真っ直ぐに立っていることが最低条件で(人にもたれかからない)、その上で何か惹きつけるものを持ってなきゃだめです。

お互い会っているときに楽しく有益だから続くわけで。

 

 

移住希望者のための記事を書こうとしたきっかけ

全く偶然に見つけた一冊のKindle本「日本を捨てた男たち フィリピンに生きる困窮邦人」というドキュメンタリー本を読んだのがきっかけでした。

初版が2011年11月なので内容は少し古いですが、内容は今でも十分通用するものです。どう表現すればいいのでしょう、なんか読み進むにつれ胸が悪くなるような強烈な現実が描かれています。

本書は、移住を夢見てる人たちがテーマというより、例えば、日本で失敗し借金を作り、家族や親戚に見捨てられ、それでも何とか生きる術を見つけ出そうと来た最後の地、フィリピンでの壮絶な人生。

そういった「困窮邦人」と呼ばれる人たちを題材にしたドキュメンタリーですが、安易に海外生活を考えている方たちも一歩間違えば同じ轍を踏む可能性大だと思っています。

もしよければ、是非読んでみてください。必ず参考になる部分がある筈です。

☆☆日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」 (集英社文庫)☆☆

 

 

まとめ

東南アジア方面に海外移住を考えている、年金を受け取るくらいの年齢層の方に向けて、非常にブレーキ的なメッセージをこの記事において発信しました。

その理由は本文中にも述べていますが、一言で言えば「危険回避」であり、これにつきます。

成功者のいい部分だけを見て、若しくは数回の旅行だけで結論を出して、或いは日本で知り合った現地女性と飛んで、いとも簡単に結論を出してしまった結果、悲惨な事になる例が後を絶たないからですね。

そんなわけで、決して明るい楽しい内容ではありませんが、今後移住を考えている方に対して一石を投じるという意味はあったのではないでしょうか。

 

憶測ですが、海外で意気揚々と自活できるような方は、そもそもこんな記事に出会うことはないでしょう。

頭の中で必要な条件がきちっと整理されておらず、迷いや不安があるような方こそがこの記事にたどり着くと思うのです。

そうであるなら、「こいつは何を偉そうにわかったような事を言ってるのか!?」などと憤慨されるのは大歓迎なので、とにかく最後まで読んでください。

その上でですが、この記事で何かを感じられたら、より一層深く個別事案としての必要な部分を調べ確認して知識を積んでいけば、そうするほどに踏み外しの可能性が減るでしょう。

取り返しのつかない未来は決してあなたを待ってはいません。

 

最後に・・・

本文中、現地女性とのトラブルについて何回か言及していますが、女性を一方的に悪くいうつもりは全くありません。

歴史も文化も言語もまるっきり違う他人同士が仲良く永く暮らすのは至難の技です。

そもそもがそうであることに加え、六十過ぎの男と二十歳代の女性が何故カップルとして成立するのか、これは真面目に考えて自分なりの結論を出しておく必要があると思います。



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