【年賀状】宛名の書き方と挨拶文の具体例そして注意すべき点



年賀状はやっぱり必要

この記事は、年賀状の宛名の書き方、そして裏面に書く具体的な構成要素、またその他注意すべき点についても詳しく説明しています。

近年は、学生を卒業するまでは出さない人も多いですよね。その代わりにメールやSNSで済ませるわけです。

ところが、社会人になって仕事上の付き合いが増えてくると、今までの流儀を必ずしも通せないことに気がつきます。

そこで年賀状を初めて書く日がやってくる方も多いでしょう。

ひょっとしたら、社会人になってからは今まで送ってこなかった友人からも届くかもしれません。そうなると流石にSNSで返すってわけにはいかないでしょう。

また、結婚したらしたで親族が増えますからね。義理のご両親や配偶者の兄弟姉妹にも出すでしょう。

 

さて、日本語のめんどくさいところですが、年賀状を送る相手によって敬称を変えたり、挨拶文の内容を変えたりする必要がありますね。

実際に書き始めてから、パタっと手が止まるかもしれません。どう書いていいのかわからない事態に陥ることがあるかもしれません。当然昔の私もそうで、本を買って読んだりして対処していました。

そこでこの記事の登場となるわけです。

 

尤も、今はいい年賀状専用のアプリがあって、スマホでチャチャッと宛名リストを作り、裏面用の例文の中から選択し、無線でプリンターに飛ばして一丁上がり!! こういう方も多いかもしれません。

それはそれで一つの方法です。

とは言え、折角ここに来てくださったのであれば、できれば最後まで読んでください。知識が積み上がるだけで損する事は何もありません。

手書きに価値を見出されている方も、勿論最後までお付き合いください。

いずれにしましても法で明記されていることではなく、過去からの文化や習慣の継承といった部分が多いです。

 

宛名の書き方

縦書きと横書き

日本語はそもそも左から右へ書き進む横書きは存在しませんでした。逆向きは存在しましたが、あくまでも主流は縦書きでした。

筆で書かれた昔の文章を見てみると当然どれも縦書きで、筆運びが例え楷書であっても流れを感じ、やっぱり縦書きが「理に適ってるな」と思います。

左から右への横書きの始まりは江戸時代からでしょうか。オランダ語その他のローマ字語の辞書を作ろうとすれば、どうしても方向を揃えなければダメですもんね。

しかし、本格的に左から横書きが定着し始めたのは戦後の話です。

現在では・・・

  1. 年賀状の字の向きはどちらでも良い。
  2. しかし宛名書きの向きと裏面の文字の向きは同一でなければならない。

また、目上の人や得意先などに対しては今のところ縦書きが無難です。(時代が進めばそのうち世代も変わり文化も変化して行くかもしれませんが)

この「無難」は理屈ではなく感覚で覚えた方がいいと思います。せっかく出した上司から嫌味を言われたくはありません。

この記事では縦書きを前提に話を進めます。

 

表書き全体の形の整え方

縦の整え方です。

  1. 住所:葉書上の郵便番号枠の右一つ目から(或いは二つ目との間から)ちょっと小さめの字で書き出します。
  2. 氏名:葉書上の郵便番号枠の左二つの間にぴったりおさまるように、でも連名の場合は少しずらします。法人の誰か宛の場合は社名・所属部署名などで行が取られるので、それはそれでバランスをとります。
  3. 差出人:左下の郵便番号枠の間に全体が納まるように書きます。

 

敬称

個人宛

  1. 敬称は基本的に「様」を使うが、政治家や弁護士などに宛てる場合は「先生」でもOK。
  2. 既婚者宛の場合は基本連名にする。その場合連名者の苗字は省略するが「様」は必要。連名が子供の場合は「くん」や「ちゃん」でも可。
  3. 人数が多い場合は宛名と「御一同様」でも問題なし。

連名にするかどうかはお付き合いによります。例えば、あなたが奥さんとだけ親しくて相手の旦那さんを全然知らないなら、宛名は奥さんだけで大丈夫です。

法人の中の人宛

この場合も敬称は全て「」です。法人に出すのではなく、法人の中の誰かに出すのです。(例外的に法人そのものに宛てる場合の敬称は「御中」を使います)

ここで大切になってくるのが宛先の会社名・所属・肩書の書き方です。これは結構大切で、以下のように並べます。

  1. 1行目:会社名(例・・富士電子産業株式会社)(株)は失礼にあたるのでNG。
  2. 2行目:所属部署名(例・・第一事業本部第三営業課)
  3. 3行目:役職名+氏名+「様」(例・・課長 富士原 優 様)

長い役職名についてですが「代表取締役」はそのまま氏名の上に書き、「代表取締役社長」の場合は長すぎるので「代表取締役」と「社長」は行を変え並べて書きます。

また、所属部署名と役職が一体になっていてとても長い名称の場合があります。例えば「取締役営業統括事業本部長」なんかは氏名の頭にかけませんので上記所属部署名のところに書きます。

いずれにしても敬称は個人の氏名にのみ付けます。肩書や役職にはつけません。

注意すべき点

1. 裏面文章も含め、もし間違えてしまった場合は如何なる修正も施さず、必ず新しく書き直しをしてください。

2. 法人宛で相手が複数であった場合は、たとえ同じセクションであっても連名とはせず一人ずつ分けて書いてください。

私はそういう書き方をしませんが、もし宛名に「各位」を使う場合は「各位様」とはしませんので気をつけてください。但し、「ご担当者様各位」という使い方はありです。

3. 先にも述べましたが「富士電子産業株式会社御中 富士原優」という重ね敬称はNGです。必ず個人名にのみ使用してください。

4. 宛先の番地など数字は全て漢数字にしてください。

 

筆記具

私が若い頃は万年筆がまだ現役で、それ専用の習字教室なんかもありました。万年筆で上手に書いた年賀状は味があってとってもよかったです。

でも、今はほぼ過去の遺産状態になってしまいましたね。

何度もいいますが法律で規定されたことではないので、そう言う意味での根拠はないのですが、ボールペンは使わない方がいいです。

毛筆がベストで、次点は筆ペンです。色は黒です。まさか赤色を使う人はいないでしょうが、薄い黒(薄墨)も弔事用なのでダメです。

 

 

裏面挨拶文

裏面には幾つかの構成要素がありますので、それを順番にお話ししますが、まずは注意事項を。

幾つかの注意点

定型文を使わずに一枚一枚相手の顔を浮かべながら賀詞や文章を作成する場合は、幾つかの注意点に気をつける必要があります。

1. 重複言葉を使わない:「新年」と「あけまして」を重ねるのはよくない。

2. 句読点は使わない:年賀状では使わないのがベター。「縁を切る」とか「終わる」に結びつくから。読みにくいと思う場合は半角空ける。

3. 忌み言葉は使わない:「去」「離」「終」「切」などは意識して使わない。例えば「去年」は「昨年」にする。

 

賀詞

喜びお祝いをする言葉。まずば〜んと大きく書く決まり文句ですね。

誰に対してでも使える

  1. 謹賀新年
  2. 新春のお慶びを申し上げます。
  3. あけましておめでとうございます
  4. 新年おめでとうございます

 

目下の人・親しい人に対して

すぐ下でお話しする「目上の人」に対するのとは違い、一文字や二文字の賀詞も使えます。

  1. 賀春・迎春・賀頌・賀正・賀・寿・福
  2. あけましておめでとう

 

目上の人や上司、得意先に対して

「失礼のない表現」にするのがポイント。従って無難な表現が間違いなくていいでしょう。ここでは、二文字ではなく四文字の賀詞を使います。

  1. 謹賀新年
  2. 恭賀新年
  3. 慶賀光春
  4. 明けましておめでとうございます
  5. 謹んで新春のお慶びを申し上げます
  6. 謹んで年始のご挨拶を申し述べます
うっかりしやすい点

上に重複の注意点を申しましたが、賀詞は特にうっかりすると重複する可能性があるので注意が必要です。

例えば、「謹賀新年」と書いて更に「あけましておめでとうございます」と添えるのはおかしくマナー違反です。

 

以下、文章に含めるべき要素ごとに例文を並べます。これらは、すべて誰に出しても問題のない書き方です。堅苦しくない間柄なら、自由にアレンジしてください。

旧年中のお礼

  1. 旧年中は大変お世話になりありがとうございました
  2. 昨年は格別の御厚情を賜り厚く御礼を申し上げます

 

新年のお願い事項

  1. 本年もよろしくお願い申し上げます
  2. 本年もご指導の程よろしくお願い申し上げます

 

近況や抱負

ご無沙汰しているなら簡単な近況(自分や周辺の変化:結婚した・子ができた・退職したなど)を、また、相手に応じて抱負(趣味・資格・チャレンジ目標など)などを書き添える場合もあります。

 

新年のお祈り事項

  1. 皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます
  2. 御社の益々のご発展をお祈り申し上げます

 

年号と日付

  1. 令和三年 元旦
  2. 二○二一年 元旦
日付の重複に注意

「1月1日」と「元旦」は同じ意味なので重ねて使わないようにしてください。

 

 

年賀状を出す期間

元旦に届けたい場合は12月15日〜25日の間に投函する必要があります。

もし通常葉書を年賀状として使う場合は、必ず表面左に「年賀」と朱書きしてください。そうしないと年内に届いてしまいます。

年賀状を出してない方から来た年賀状の返信は、もし1月7日(ここまでが松の内)を過ぎて相手に到着する場合は年賀状ではなく「寒中見舞い」になります。

 

 

まとめ

年賀状の宛名書き、そして裏面の文言について色々と述べました。

特に、会社関係・目上の親戚関係等に対しては型をきちっと決めるのがいいと思います。オリジナリティーも大事ですが、不文律をちゃんと踏襲していると認識される方が大事です。

その点、送付先と親しい間柄であれば、重複や忌み言葉などに注意しさえすれば、後は自由でクリエイティブなものでも全然OKです。

 

冒頭にも申しましたが、相手と親しい間柄なら年賀状の代わりにメールやSNSで済ませることも多い昨今です。

しかし、そういったものでは代替できない価値を年賀状は持っています。

  1. 一枚一枚表と裏を見る楽しみ加えて「お正月が来た」の実感
  2. 電話もSNSも一切しない超疎遠の人にでも年一回のご挨拶
  3. 年賀状作成自体がこの一年を振り返るきっかけになる

ね、年賀状ってやっぱりいいものでしょ。手書きならもっと心が伝わるでしょう。



シェアをお願いします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です