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オンライン申請で便利になった点とそうでもない点
2023年3月27日から、既に持っているパスポートの期限を更新する場合に、その申請手続きがオンラインで出来るようになりました。
これは海外を旅行する人や海外出張が多いビジネスマンにとってはメッチャ朗報です。しかしその内容を読んでいくと、中途半端というか道半ばな感が否めません。
「大いに評価できるけど惜しいな」的な感じ。
では、何が評価できて何がイマイチなのか、具体的な内容をお話していきます。
オンライン申請で便利になった点
必ず申請窓口に2回行く必要があったのに1回で済むようになった
オンラインで申請できるので「申請に行く」必要ななくなりました。受け取りに行くだけです。これは大きいですよね。
今までは、会社や学校を休んで申請に出向いていた上に、大勢の人が申請に来た日に当たってしまうと時間がかかってうんざりしたものです。
いつでも手続きができる
土日祝祭日関係なく24時間いつでも都合の良い時に手続きができるようになりました。これも本当に助かります。
未だに不便な点
受け取りに行く必要がある。
受け取るためには、今尚申請窓口に行く必要があるのですが、これが残念です。なぜなら都道府県の受取窓口がだいたい各1ヶ所(東京都は4ヶ所)なので、多くの人にとって「そこ」は遠いのです。
今後、より便利にならないものでしょうか? 例えば簡易書留で送付されるとか、セキュリティー上問題があるなら、各市町村役場で受け取れるとか。
支払いが未だに現金だけ
国の説明では「一部の窓口ではクレジットカードでも支払いができます」とありますが、調べた限りでは鳥取県は可能でした。しかし大阪府や愛知県、京都府、東京都等主要都市は全滅。
完全にクレカ払いOKになると便利なんですけどね。印紙を買ったり貼ったりする手間が省けるし、購入で並ぶ手間も省ける。
まあそうはいえ、将来的にはクレカ払いが可能で、しかもオンライン更新手続きの中でそれが出来るようになるという話もあるので、気長に待つしかないです。
パスポートのオンライン更新で用意するもの
必要なものが揃っていないと、パスポートのオンライン更新の申請が出来ないので、まずはそこを確認しておきます。
用意すべきもの
- 現在有効なパスポート
- マイナンバーカード
- マイナポータルアプリがインストールされているスマホ
更新は旧パスポート引き換えなので今使っているパスポートは当然必要です。
用意するものの2番目はマイナンバーカードです。今後こういった公な手続きにはどんどんマイナンバーカードが関係していきます。
最後に、マイナポータルアプリがインストールされているスマホが必要です。このアプリから手続きをします。
マイナポータル
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PCからも手続きはできるのですが、申請手続き中にICチップの読み取りやマイナンバーカードの読み取りを行いますが、これにはスマホが必要であり、ならば最初から一連の手続きとしてスマホアプリでやりきるのが合理的だと思います。
パスポートのオンライン更新手続きの手順
ではiPhoneを使ったパスポートのオンライン更新の手順を説明します。
尚、マイナポータルアプリをダウンロードして使えるスマホは以下のサイト↓に詳しく案内されています。
一応の更新操作手順は説明しますが、仮に何の事前知識がなくても、実際にアプリ画面の案内に従って操作していけば、特に困ることもなく申請終了まですすめるはずです。
更新操作手順
説明補助としてiPhoneのスクショを添える場合がありますが、縦に長いので不要な部分はカットしています。
- アプリアイコンの中からマイナポータルをタップして立ち上げる
- 画面右上の「ログイン」をタップする
- ログインボタンの下に「QRコードでログイン」という項目があるが、これはMacやiPadを用意しそこにQRコードを表示してこれをiPhoneで読み取るという方法。推奨しない。
- 次の画面で4桁のパスワードを入力し「次へ」をタップする。
- 次の画面で、マイナンバーカードの上にiPhoneを置いて「読み取り開始」ボタンをタップする。
- 成功すると最初の画面に戻るので、画面右上の「メニュー」をタップする。
- 「パスポート申請」をタップする。
- 「パスポート(旅券)申請について」画面が表示されるので、下にスクロールして「パスポートを更新する(切替申請)」をタップする。
- 「切替申請について」のページにて説明がなされているので、下にスクロールしつつ読んで一番下の「次へ」タップする。
- 「窓口を選択」画面で都道府県と市区町村を設定するとパスポートの受取窓口が表示されるので(殆どの場合は一つのみで選択肢はない)受け取り場所をタップする。
- 「申請前の同意」画面が表示されるので確認事項を読んで「確認事項に同意する」にチェックを入れてから、その下にある「次へ」ボタンをタップする。
「切替申請の申請手順」画面の画面まで来ました。
「切替申請の申請手順」画面ですること
ここですることは以下の3つです。
- あなたの顔写真のアップロード
- 自署画像のアップロード
- 申請事前情報の登録
一つずつ説明をします。
あなたの顔写真のアップロード
既に撮影して保存してある写真でもいいし、今申請しているアプリからiPhoneで撮影してもいいです。
パスポートに貼付する写真は難しい
自撮りの写真でOKのもらうのは難しいです。
読んで字の如くで、私は何度トライしても蹴られました。あなたは一発でOKが出るでしょうか。
まずは求められる必須事項↓を御覧ください。
で、実際に自撮りをするとわかるのですが、背景を無影にするのは限りなく難しいです。というか必ず影が出ます。
なので、予め写真を取って、背景を薄い単色にレタッチしておく必要があります。
それから、画像フォーマットですがjpgの一択で、大きさは縦730横600ピクセル。
これら条件を全部そろえたつもりでも、上記の通り、私の撮った写真は複数回全てOKが出ませんでした。更に困るのは、何をどう改善したらいいのか具体的なポイントを指示してくれないことです。
写真アップ問題以外は、だれでも問題なく進められると思います。
あなたのサインの撮影
これは簡単、真っ白な紙に黒字でサインしてそれを撮影します。法定代理人も可。
法定代理人の作成例
申請事前入力
パスポートの顔写真のあるページを読み取ります。手順にiPhoneにパスポートを映すと瞬時に氏名・旅券番号・有効期間満了日が読み取られます。
その他、読み取り情報の確認、iPhoneに登録している電話番号流用の確認など、また、本籍の入力、メールアドレスの確認等。
本籍地がわからない場合の対処法
あなたが住んでいる市区町村(住民登録地)で住民票を請求することで確認できます。その際、本籍の記載を必ずお願いしてください。
もしくは、マイナンバーカードを持っている場合はコンビニに設置されているキオスク端末から住民票の発行を受けることも出来ます。
確認コードの入力とそれ以降
画面の案内に従えば特に悩むようなことはありません。
- ここまで進むと確認コードがメールで送付されるので「確認コードの入力」画面に入力する。
- 「日本国内の緊急連絡先」画面に進むので必要事項を入力する。
- 「その他情報」画面では取得したいパスポートの有効期限の選択する。
- 刑罰等の確認。
- 外国籍の有無。
- 全部入力が終了したら「確認する」をタップする。
- 「申請事前情報の確認」画面に表示されるので、確認して間違いないならば「次へ」をタップする。
- 「申請事前情報の入力完了」画面が出現するが、ここは単に「次の手順に進む」をタップする。
やっとここまで到達しました。後は・・・
- パスポートのICチップの読み取り
- マイナンバーカードの読み取り
そして最後に暗証番号の入力をして申請は完了です。
YouTubeで解説
これまでの手続きの流れを外務省は約6分の動画で解説しています。
新しいパスポートの受け取り
パスポートのオンライン更新について、実際の手続き手順なんかを説明しました。ここではそれ以降のお話をします。
申請が完了すると、受付完了通知と受理番号が載っている受理票がマイナポータルに届きます。この内容を確認したい場合は、マイナポータルの中の「申請状況照会」から見ることができます。
審査が無事完了したら、マイナポータルにパスポート交付予定日が通知されますので、必ずその日から6ヶ月以内に受取窓口(オンライン申請時に選択した場所)で受け取ってください。
必要なものは・・・
- 旧パスポート
- 手数料
です。
尚、手数料は以下のとおりです。
- 10年間有効:16,000円
- 5年間有効(12才以上):11,000円
- 5年間有効(12才未満):6,000円
パスポートのオンライン申請Q&A
更新以外も含めたオンライン申請のQ&Aを幾つか載せておきます。
- Q:マイナカードの記載とは異なる場所に済んでいるがオンライン申請は可能か?
A:申請時に指定できる受け取り場所はマイナカードに記載の住所を管轄する窓口のみ。申請自体はオンラインなので何処にいても可能。 - Q:パスポートの残りページが少なくなった場合オンラインで申請できるか?
A:可能。これまでは増補制度でページを継ぎ足していたがセキュリティーの関係でできなくなった。なのでオンライン申請は出来るが、その結果受け取れるのは新しいパスポートになる。2種類の選択があって、一つは新しくなるだけで有効期限は元と変わらないもの。もう一つは、有効期限も新たに5年か10年を選択し、期限の延長されたパスポート。 - Q:同一端末のマイナポータルアプリで家族全員のオンライン申請は出来るか?
A:可能。アプリは同じでもそれぞれのマイナカードでログインするので混同したりはない。 - Q:氏名・住所が変わった場合はどうしたらいいか?
A:マイナンバーカードの情報を役所で更新してからでないとオンライン申請は出来ない。従って、転出・転入・転居・氏名変更の手続きの際には必ずマイナンバーカードも持参する必要がある。 - Q:オンライン申請の後に内容の修正をしたい場合は可能か?
A:申請内容に不備がある場合は「補正依頼通知」がマイナポータルに届き修正ができるようになる。そうではなく、申請者自身の希望である場合は窓口に申請取り下げを申し出た上で再度最初からやり直しとなる。 - Q:オンライン申請をしたが取り下げたい。
A:窓口に申し出をすることで取り下げられる。 - Q:申請後に受取窓口の変更は可能か?
A:変更は出来ない。 - Q:オンライン申請したあとでパスポートを紛失して手元にないが新しいパスポートの受け取りは出来るか?
A:出来ない。旧パスポートの返納が絶対条件。
役に立つ関連サイト
最後に、役に立つ公的関連サイトのリンクを貼っておきます。
- 外務省:海外渡航・滞在 / パスポート
- 外務省:海外渡航・滞在 / 都道府県旅券事務所のホームページ
- 政府広報オンライン:パスポートの更新がスマホで可能に
- マイナンバーカード総合サイト
旅券法令の改正により、2023年3月27日からパスポートの手続きが変わりました。
その中でも「パスポートの更新申請がオンラインで出来るようになった」のが画期的だと思うので、このトピックを中心にして改正の概要を説明します。