目 次
台南へは高雄空港を利用しましょう
台南を訪問するためにどの空港に降りましょうか。
- 日本から一番便数が多い、桃園空港
- 台北市街に直結している、松山空港
- 最も時間がかからない、高雄空港
私のお勧めはだんぜん高雄空港の利用です。
地図で台北・台南・高雄の位置関係を確認してください。台南と高雄は近く、台南と台北は結構距離があります。ですから台南から見たら遠い台北付近の空港を選ぶ理由がないわけです。
松山空港は台北市内にはとても便利ですが、羽田からしか出ていないし、台南まで一番遠い空港を選ぶ理由はないでしょう。
桃園空港は日本からの便が最も多いのですが、第一ターミナルと第二ターミナルがあってちょっとややこしく、しかも新幹線桃園駅までバスを利用する必要があり且つ台南まで距離もあるので、やっぱり利用する理由しづらいでしょう。
高雄空港から台南駅まで
非常にわかりやすく便利です。
- 高雄空港内にあるMRT高雄空港駅で乗車
- MRT左営駅で下車、構内にある新幹線左営駅へ徒歩移動
- 新幹線左営駅で乗車
- 新幹線台南駅で下車
- 専用通路を通って、台湾鉄道沙崙駅へ徒歩移動
- 台湾鉄道沙崙駅で乗車(どの列車でもOK)
- 台湾鉄道台南駅で下車
もしくはMRTを高雄車駅で降りて、隣にある台湾鉄道の高雄火車駅まで徒歩移動して、台南方面行きの特急・自強号に乗る手もあります。その場合、列車は台湾鉄道の台南火車駅に到着するので、こっちが便利かもしれません。
台湾鉄道沙崙駅〜台南駅間はちょっと注意
新幹線の台南駅を降りて「台南に着いた」と思ってしまうのですが、ここ(沙崙駅)から台南中心部までは結構時間が取られるので、あらかじめそう理解しておいてください。
その理由
- そもそも電車の本数が少ない(一時間に一本程度)ので、運が悪いと沙崙駅で結構待つことになる。
- 沙崙駅から五つ目の駅が台南駅で、電車は全て鈍行なので遅い。約20分くらい乗っていなければならない。
台南の気候
気温は大雑把に言えば、暑い期間が多く、ちょうどいい期間が11月〜2月の3か月くらいです。熱帯地域に分類されるので暑いですよね。
雨は5月〜9月に偏っていて、特に6月〜8月は非常に多いです。雨とともに注意したいのが台風です。風雨と雷もきついので、6月〜9月は良い旅行期間とは言えないでしょう。
経験上からも11月〜2月がベストシーズンではないでしょうか。高雄も同じです。観光には条件の良い冬期ですが、温度に関して少し注意点があります。
もし晴天で直射日光を受ける日なら、冬でも刺すような光線なので暑いです。なので半袖でいいくらいですが、そんな日でも曇ってくると長袖が必要になります。
一方、大陸から寒気が南下してきたら稀にですが10℃を下回ることもあります。
従って、台南旅行中の服装は半袖か長袖のシャツ+薄いセーター、そして折りたたんで手提げに入れられるような薄いダウンコートというのがいいと思います。
台南市とは
台湾の京都と呼ばれることもある台南は、昔の首都であり名所旧跡が非常に多い街です。国定の古跡が集中しており、更に民間でも旧跡の保存活用が極めて盛んです。
今となっては魅力と語れるそれらの旧跡が人を惹きつける大きな要因は、スペイン・オランダ・日本などに支配を受け、更に原住民や漢民族の文化も混じって、非常に多彩な要素が含まれているからでしょう。
しかし、ここまで多く残っている理由として別の角度から考えられるのは、日本支配になって政治経済の中心が台北に移ったことと。
そして1945年に日本と入れ替わりに台湾を統治した国民党時代も同様であったことが大きいと思います。
つまり、保存しやすい環境になっていったところに、プラス台南市の人たちの過去に対する感覚が非常に良い方向に結実した結果だったのではないでしょうか。
そんな台南市は今の国語である北京語(中国語)よりも昔ながらの台湾語が普通であり、人の温かみが残る優しい街であり、同時に台湾グルメの故郷で食の宝庫でもあります。
そして廟や食だけではなく少し足を伸ばせば、台湾四大温泉の一つ関子嶺温泉があり、台江国家公園は水際の美しさが印象的で、山の方では映画KANOでも有名になった 烏山頭ダム風景区なんかもあります。
台湾好きなら何時かは一度は訪れたい街、それが台南市なのです。今回は名所旧跡を中心にご案内したいと思います。
赤崁楼
赤崁楼は1653年にオランダ人が建てたお城で、元の名をプロビンティア城と言います。当時の住民は、赤崁に建てられたので赤崁城と呼んでいました。
さて、赤崁楼といえば必ずセットで語られるのが、台湾からオランダ人を追い出した鄭成功という、中国人の父親と日本人の母親を持つ人物です。
台南市では英雄として鄭成功祖廟に祀っていますが、私にはどうも疑問が消えません。
鄭成功は台湾人のために戦ったのではなく、中国人として中国で国土覇権を目指して戦っていて、劣勢になったために台湾に敗走してきたみたいです。
もちろんオランダ人を追い出した後には体勢を立て直し、再び清国を滅ぼして明を復活させる野望を抱いていたのでしょうが結局叶わずでした。
こういった事実は1945年に台湾にやってきた中国国民党のそれとよく似ており、台湾人というよりは中国国民党の意思が強く入り込んで、それがいろんな意味で具体化してるように思います。
別の観点から考えると、当時は今でいう独立意識はなかってでしょうしDNAレベルで鄭成功を受け入れられた。若しくはそれほどに西欧列強の支配が酷かったとも考えられます。
赤崁楼は当初木造建築として作られましたが今の建物は1965年に復元したものです。その大規模な復元の様子が建物内に写真とともに説明されています。
現在に至るまでの長い間には、荒れ果てていた時期があり、観音像が祀られ中華風な佇まいの時期があり、また日本統治時代には建物に手を加え、陸軍衛戍(えいじゅ)病院として利用されたりもしていました。
他国に翻弄され続けた歴史が詰まっている赤崁楼は、今日も大勢の観光客を迎え入れています。
鄭成功に対する台湾と中国の評価
両国でともに英雄とされています。しかし、見方が微妙に違うんですね。日本人が最も理解しにくい部分の一つではないでしょうか。
さらにややこしいのは台湾側の説明であっても、国民党が噛んでいると、その説明は必ずしも台湾人の心情とは理解できない部分があるような気がします。
上にも述べた通りです。
中国国民党は長らく台湾の第一党ではあったけれど本来の台湾人ではないんですね。一方、台湾人は台湾人であって決して中国人ではないのです。
ひまわり運動を見ても2016年の総統選挙の結果を見ても、台湾の人たちの意思表示はびっくりするほどにはっきりしています。
しかし、以前人気歌手のテレサ・テンが天安門事件で中国が揺れている最中に「今、外にいる中国人が助けなければ誰が助けるんですか」と涙ながらに自分の事を言っています。
彼女もまた中国国民党員の子で、心は台湾人ではなく中国人であったと明確にわかりますね。
長い戒厳令の歴史を乗り越えて、今そして今後ますます台湾人のアイデンティティーは明るく輝くでしょう。それはそれで苦難の道を歩く選択でもあるのですが・・
台南孔子廟
台南孔子廟建物の歴史
中華圏において最も親しまれ勉強されているのが孔子の論語であり儒教の教えですね。その孔子をお祀りしているのが孔子廟です。
恥ずかしいながら、孔子が紀元前を生きた人とは知りませんでした。もし学校で習っていたなら、完全に記憶が喪失していました^^
孔子廟はアジア各国にあり日本にも沢山あります。儒教の学校とセットで建てられるケースが多いので、儒教に熱心な場所には孔子廟があります。
台湾においても立派な孔子廟がいくつもありますが、中でも台南孔子廟は台湾で最初に建てられた孔子廟であり儒学発祥の地、台湾における孔子廟の最高峰であります。
東大成坊には「全臺首學」と掲げられています。
1665年に上述の鄭成功の息子鄭経が陳永華という部下の進言により建てました。以後数百年間に30回以上に亘り修復・修理がなされてきたそうです。
日本統治下においては軍の駐屯所や学校となり相当の毀損を受けたようですが、その日本人が1917年に大改修を行い今日の姿の基礎となっているとの事で、一体どういう経緯があったのでしょうか。
山田孝使という人が書いた「台南聖廟考」という本に、修復の過程が詳しく記録されているそうです。
しかし、それで無事今日まで経過しているのではなく、終戦直前に台南は空爆にあって、またもや孔子廟も被害を受けるのです。
そして1953年に戦後最初の修復を終え以後何度も修復・建替えを重ね、1989年に最後の大修復をもってやっと現在の姿になっています。
敷地内の構成
敷地は正方形に近く全体は南向きに建っています。
敷地の南半分には4つの門があり、東側から順に「東大成坊」「禮門」「義路」「西大成坊」となっています。東から入ってお参りをし、西から出るそうです。
さて、敷地の北半分は東側が国学で明倫堂と文昌閣が建っており、西側が文廟で大成殿が建っています。
孔子廟の建物配置は「左學右廟」と言われますが、これは北に背を向けて南向きに立った場合でしょうね。もう一つの配置規則「前殿後閣」についてはよくわかりません。
入德之門をくぐり進むと明倫堂があります。正面上に大きな「明倫堂」の額。その下の「大學之道在明明德・・」というとんでもない達筆は趙孟頫の書の写しです。
明倫堂は勉強をする場所であり、当時の最高学府として多くの秀才を輩出するとともに、官僚の選抜も行われたそうです。
その東の文昌閣は写真の撮り方が下手くそでわかりにくいですが、3重の塔で各階の壁ぐるりが異なる形をしていてちょっと特異です。
2階には文昌帝君、3階には魁星爺という、いずれも儒教ではなく道教の学問の神様が祀られています。この二人はまた科挙合格祈願の神様でもあったそうです。
大成門をくぐるとその先には美しく威厳に満ちた大成殿があり、孔子の位牌をお祀りしています。
また周りを囲む等にある建物、東廡・西廡・崇聖祠には孔子の子孫や弟子や関係者が祀られています。
また写真は撮ってないのですが大成殿側面上には鴟鴞(フクロウの別名、悪人の意)がはめ込まれており、鴟鴞のような悪人でさえ教えを受けに来るという比喩らしいです。
屋根には前方に2人後方に2人の合計4賢人が座っています。
ここの大成殿の一大特色として、歴代皇帝と中華民国後の台湾総統の筆になる額が飾ってあります。
「有敎無類」は蔣介石、「德配天地」は李登輝といった具合です。
さらに台南孔子廟には歴史的な祭礼具や楽器なども数多く保存されており、すべて見ることができるので非常に貴重な体験になると思います。
住所:台南市中西区南門路2号
電話:06-223-1331
大成殿開門時間:8:30〜17:30
入場料:25元
無休
府中街
昔はいかなる官位の人も府中街手前で乗り物を降りて、そして歩いて孔子廟に入ったと言われています。
その府中街は1700年代前半からあるそうです。長さは200m足らずと短いのですが、道に沿って木が一杯植わっていて、台南らしくゆったりとしていてとてもいい感じです。
今は食べ物屋さんやアクセサリーショップなんかが並んでいて、それ自体は台湾のどこにでもある風景なんですが、ここは何かのどかなんですよね。
孔子廟をまわると暑いので、ここでかき氷や写真のように豆花を食べるのが楽しみです。
台南孔子廟に来られた折には是非寄ってください。
台北の孔子廟の記事はこちらです
林百貨
2014年6月にオープンした林百貨は、実は日本統治時代のハヤシ百貨店のビルを修復したものです。ハヤシ百貨店ができたのは1932年12月ですから何と約80年も前のビルなんですね。
日本が台湾統治を始めたのが1895年5月ですから1932年頃といえば、ちょうど一通りのインフラ整備も出来て落ち着いてきて、日本文化とともに西洋文化も入り始めてより開花していく時期です。
そういう意味において当時のハヤシ百貨店は近代的な香りをまとったオシャレな建物だったのでしょう。
さて、ハヤシ百貨店は日本人の林方一という人が建てました。林方一氏は山口県の出身ですが、幼くして両親を亡くしたために大変苦労をされたそうです。
日本ではサラリーマンとなり退職後運送会社をはじめ、そしてそれも廃業して台湾へ渡ります。その後運と努力が彼を成功の道へと導き、遂には百貨店を建てるほどの財力を身につけるようになります。
奇しくもハヤシ百貨店のオープンは台北にオープンした菊元デパートの数日後で、当時の台湾では第二の規模を誇る百貨店でした。
しかし残念なことに林芳一氏は病に倒れ、林百貨店の完成を見ることなく他界してしまいました。
やがて世は太平洋戦争へと突入し、当時の中心地に建っていたハヤシ百貨店ビルも空爆の被害を受けることとなります。
そして1945年に終戦を迎え日本は引き上げていきました。
中国から来た国民党に為政権が移ってからのハヤシ百貨店ビルは、台湾製塩総工場と塩務警察総隊の共用事務所となりました。
その後台湾製塩の事務所移転に伴い1980年代から空きビルとなってしまいます。場所は今でも一等地ですよ。よくぞ解体されなかったなあと思います。
更に時は経ち1998年にハヤシ百貨店ビルは、台南市により市定古跡に指定されると同時に所有権も台南市政府に移りました。
そして遂に2010年1月から修復作業が始まりました。作り変えではなく修復なんですね。ですから基本的に当時の姿が残されています。
それも完全に修復するのではなく敢えて触らないままの部分もあります、例えば空襲を受けて銃弾痕がある部分がそのままになってたりします。
三年の月日をかけ2013年の1月に修復を終えて、見事にハヤシ百貨店ビルは甦ったのです。後は営業再開です。
台南市政府は経営を公募によることとして選考した結果、高青開発股份有限公司(FOCUS)という会社が委託経営権を取得しました。
ハヤシ百貨店は80年余の時を経て2014年6月14日に、文化創作のニュースタイルな百貨店として遂に再び息を吹き返したのです。
リニューアルオープンしたお店の名前は「林百貨」です。各階の商品構成は写真をご覧ください。実際に行ってみるとよくわかるのですが、普通の百貨店とはコンセプトがかなり違います。
1F(台南リビングルーム)
地元を中心とした台湾のお土産が並んでいます。オシャレなものや美味しそうなスィーツが綺麗に並んでいます。商品もさることながらパッケージが綺麗で可愛くて心が動かされます。
商品以外に目が行くのが壁面や商品台です。木をふんだんに使っていて、暖色で少し輝度を落とした照明ととてもよく合っていていい感じです。
それから写真に「京都三星園宇治抹茶専門店」とありますが暖簾には「新町 稻荷」の文字が。高雄の「三星園抹茶.日本茶の專売店」の支店だそうです。
将軍家御用達だった有名店「三星園上林三入本店」と関係があるようですが、詳しいことはわかりません。もしよければ一度寄ってみてください。可愛いお嬢さんがスイーツを作ってくれます。
エレベーターが渋いですね。6人乗りで可愛いじゃないですか。昔の日本映画で見たような。林百貨の人気ものです。
2F(台南デザイン)
台南中心の民芸品・工芸品のフロアです。インテリア小物や食器から家具まで。或いはオシャレな袋やバッグや文房具などなど。展示の仕方が上手ですね。
「奉茶」は有名な茶館です。台湾茶やタピオカミルクティーといった台湾定番のお店です。台北にも出店していて人気が出てきてるようです。本店は林百貨からそんなに遠くないので、よかったら行ってみてください。
住所:台南市中西区公園路8号
電話:06-223-3115
営業時間:06-223-3115
3F(台南ファッション)
ファッションのフロアです。衣服・履物・その他アクセサリーやファッション小物など。ここも台南発のブランド中心で、林百貨とのコラボレーション製品もあります。
4F(台南文化サロン)
こちらは書籍とCDそして骨董品、それに多目的イベント空間があります。実質販売スペースは1階からここ4階までです。
なんかですね、大げさに言えば博物館に来ているような気さえするんですね。買わす気満々な雰囲気がなくて、土日はともかく、平日に来れば落ち着いて楽しく過ごせると思います。
林珈琲
4Fの喫茶店です。ゆったりしていて開放的で、ちょっと休憩するのには丁度いい所です。
5F(台南ダイニング)
食事のできるお店が2店舗入っていて「大手焼」と「cocorico」です。
大手焼は高雄中心に営業している居酒屋です。メニューは写真の通りです。おでんの具の種類は結構あります。取り扱っているお酒の銘柄を見ると、白瀧酒造とは有名な新潟の酒造みたいですね。
そしてもう一つのお店は私が昼食を食べたcocoricoです。洋食屋さん+カフェで、料理を口に入れるまでぜんぜん期待していませんでした。がしかし、相当美味しかったです。そして店内の雰囲気がとってもよくて落ち着きます。
6F(台南景色 屋上から眺める美しい風景)
カッコ書きそのままです^^ 背の高いビルではないので見下ろすという景色ではありませんが、それがかえって台南らしいようにも感じます。
フロア案内に「神社」とありますが写真の通りです。当初からあった「末広社」という神社で産業の守り神だったそうです。
記念品ショップではお土産を売っています。
行った時には気づかなかったのですが、上述のように機銃で打たれた跡がそのまま残されているそうです。
以上、林百貨でした。意外にも台湾の若者カップルが多く来ており、ちょっとびっくりしました。それから、ここは日本語が多くとても回りやすく助かります。
住所:台南市中西区忠義路2段63号
電話:06﹣2213000
営業時間:午前11時~午後10時 定休日なし
FACEBOOK:https://www.facebook.com/HAYASHI.TW/
安平古堡
安平古堡はオランダ人が占領拠点として1624年から建て始めたお城です。
もともとオランダは台湾本島の西にある澎湖島を東アジア貿易の拠点としたかったのですが、本島とは違い澎湖島は明朝の支配下にあったので戦争となりました。
その結果オランダは撤退し講和内容に基づいて台湾を拠点とすることになったのです。しかしそれも長くは続かず、赤崁楼の項でも述べましたが1662年に鄭成功に取って代わられます。
それ以後鄭氏は3代にわたって安平古堡(オランダ時代はゼーランディア城、鄭氏時代は安平城)を拠点としていました。
しかし鄭氏が1683年に清朝に降伏したことによってその時代も幕を閉じました。
その後は紆余曲折はあるものの次第に朽ちて行き、1873年にはイギリス軍艦の砲弾が弾薬庫に命中し大爆発を起こした結果、大破して廃墟化の道を辿りました。
やがて時は過ぎ日本統治時代となります。しかし誠に残念ながら、元の姿は完全に消えてしまいます。敷地には税関宿舎などが建設されました。
従って今「安平古堡」として私たちが見る建物はオランダ統治時代のものとは全く関係がなく、近年になって建てたものの再利用です。わずかに当時の城壁その他が残ってはいますが。
安平古堡文物陳列館と熱蘭遮城博物館
ゼーランディア城として築城されて以来の歴史が克明にわかるようになっています。その他当時の様々な文化の紹介も豊富です。
複製も含めて貴重な文書や胸像などがありますが、特に目に留まったのは当時のゼーランディア城の復元模型です。
当時は城の側まで海がよせていて、それを利用した要塞工夫になっているそうです。今とは規模も形も全く違うので、しばし見入ってしまいました。
あと日本語説明の部分もあるので、中途半端な感は否めませんが助かります。今後体系的に充実してくれたら嬉しいです。
また展望台に登るとパンフに描かれている配置がよくわかります。
安平老街
安平古堡の東南、天后宮の東にある延平街という筋を安平老街とか延平老街と呼んでいて、この界隈は台湾で最初にできた街とも呼ばれています。
天后宮の前が表通りの安平路上で一つ北側が観音街、そしてもう一つ北側が延平街です。もしここらからタクシー移動する時は必ず表通りの安平路に出ましょう、それ以外ではまず捕まりません。
安平老街はいわば台湾によくあるお土産屋さん街です。所狭しとお土産屋さんが並んでいるは他所と同じです。
しかし、微妙にここの色というか空気というか、やはり独特感があるんですね。安平老街でお土産を買うのもいいし、ちょっと路地をウロウロしてみてください。
なんか妙に懐かしいまったりした感情がこみ上げてきます。建物がそう感じさせるのか、裏道に情緒があるのか。ブラブラするにはもってこいです。
劍獅埕
ちょうど安平老街と安平路をつなぐようにしてある路地が劍獅埕です。ちょっと民族調なシックな感じで統一されており老街の中でここだけちょっと違います。
ちょっと珍しい特産品や小吃のお店があります。
周辺の有名店
この辺りはエビがよく取れ、牡蠣の養殖が盛んで、フルーツも豊富で、すべてに有名なお店があります。
周氏蝦捲
台南の伝統的な小吃がこれです。表通りの方になりますが超人気店。看板はもちろん「炸蝦捲」。エビに豚肉やネギやセロリなどを加えた練り揚げ物でサクサク・ジューシーでめちゃうまいです。コクと食感に努力の跡が感じられます。
林永泰興蜜餞行
ドライフルーツの超老舗です。蜜をもって甘く加工するのですがその技術が人気の秘密でしょう。試食できるので食べてみるのが一番。
黑絲芒果というマンゴーの加工品がオススメです。食べだすと止めるのに相当な自制心がいるほど美味しいです。
得意蝦餅
安平界隈を歩くと、とにかくやたらと蝦餅の店が目に付きます。エビ入り餅を油で揚げてブワ〜っと大きい円板状に広がったようなやつね。
想像はつくでしょうがサクサクっと香ばしくて美味しいです。代表的な安平のお土産です。これ一袋買ってね、ホテルに帰ってビールとやると凄く合います。
同記安平豆花
豆腐プリンの豆花ではトップランクに有名なお店です。ここだけ安平からちょっと離れていて不便です。でも美味しいものに目がなければ行くでしょう^^
トッピングは色々できるのでチャレンジしてください。私は小豆ばっかりです。これが一番美味しい。
あんまり語られないけれど、ここね、ほとんど味がしない豆腐プリンが美味しいんですよ。どうでしょう?
剣獅
路地を散歩していると写真のような剣を加えた獅子に出会いますね。安平のシンボルです。
安平は路地ごちゃごちゃとしていて風水的にはあまり良くないそうです。そこで門の上に家の壁の上にこの剣獅をおいて魔除けにしたそうです。
沖縄のシーサーの発想と似てますね。
安平樹屋と德記洋行
安平樹屋はホラー映画に出てきそうな、樹に占領された建物ですね。
昔イギリス人貿易商が建てた倉庫が使われなくなってから、一体樹齢何年なのだ?というガジュマルの樹に絡まれまくって、もう何が何だかわからなくなっている状態です。
全体的に危険防止処理がされているので安全ではあります。しかし、暗くなってからは、あんまり来たくないです。
建物を歩き進んで行くと、やがて外に出て池の上の橋を渡って観景平台へと進んでいきます。この池には足踏み水車が作ってあって子供達に人気です。
観景平台という展望台からは塩水渓という台湾海峡につながる水路を見ることができます。これは見応えがある風景です。
マングローブが密生していて非常に綺麗です。またここは野鳥の宝庫で貴重な生態観察ができる場所でもあります。
安平地区からは少し離れているのですが、北北西の方に四草生態文化園區という場所がありまして、そこからマングローブツアーの船に乗れます。
バスは99台江線の四草生態文化園區バス停でおります。70分コース200元、30分コース150元です。おすすめの場所としては超弩級です、ホントに。
安平樹屋の隣にあるのが德記洋行という白い洋館です。安平老街から巡っていった場合は、安平老街→德記洋行→安平樹屋という順番になると思います。
元は英国人商人の建物で、当時使われていた調度品や部屋や商売の様子などが展示されています。
以上で歴史の散歩は終わりまして、少し食の話もしましょう
お気に入りの食堂
再發號
台南を代表する中華ちまきのお店です。台湾食堂としてのメニューは一通りありますが、なんといってもここはちまき・肉粽です。
100年以上の歴史があって超有名店なのですが、お店は狭い昔の食堂風で逆にちょっとびっくりします。
夜の早い台南で19時半頃に行ったのですが、客は私一人、皆さん店内で黙々と作業をしておられました。
肉粽は3種類あって
- 普通の肉粽50元
- 八宝肉粽100元
- 特製海鮮八宝肉粽150元
というラインナップです。
特におすすめは特製海鮮八宝肉粽です。粽一個で150元は如何にも高いのですが、それでもここでしか味わえない百年の歴史が詰まった超高級粽を食べましょうよ。
写真撮るの忘れてて、とても写り映えのしない見てくれとなりましたが、非常に大きくて具が豪華です。
アワビ・干し貝柱・干し椎茸・イカ・干し海老・卵の黄身・栗・豚肉・肉そぼろなどがぎっしりです。
台南旅行をしたら一度は寄りたいお店です。
住所:(本店)台南市民権路2段71号
電話:06-222-3577
営業時間:9:00〜20:30
FB:http://u77s23.myweb.hinet.net/
上海好味道小籠湯包
結論から言いますとここの小籠包は台湾の中でベスト3に入ります。それくらい美味しいです。
皮は適度な厚さでそんなにモチモチ感はないですが小麦の味がとても美味しいです。油が溶け込んだスープは塩分が少なく旨味が強く非常に上品な味です。
従って飽きがこず、いくらでも食べられます。何度も足を運びたくなります。
また、私がいつもセットで頼む酸辣湯と大蒜醤油かけ野菜もグーです。特に酸辣湯は醤油味が美味しく、酸と辣のバランスもいいです。
メニューも豊富なので大勢連れてきても喜ばれると思います。
ただ場所がちょっと不便なところでわかりにくいんですね。多くの観光地が台南駅の西側にあるのでホテルも西側にする人が多いはずですがこのお店は東側なんですよ。
グーグル・マップ片手に歩くか、タクシーでダイレクトに行くかでしょう。
住所:台南市東区東安路26号
電話:06-208-1601
営業時間:10:00〜23:30
フェイスブック:https://www.facebook.com/TAINAN.HOUWEIDAO/
まとめ
台南は台湾のルーツで歴史そのものです。今回のご紹介はとりあえず押さえておきましょう的なところで、ごくごく一部です。訪れたいところは山のようにあります。
台南はまた小吃の街でもあり、まさに台湾の食は台南にありです。食べまくり旅行にも最適な街です。
台南は街も人も優しく穏やかに時が流れ、台北のような派手さはないけれど、とっても癒される街です。
もしあなたが台湾旅行=台北訪問だと思っておられるのなら、むしろそういう方にこそ訪れて欲しい街です。
ただ、二つだけ注意する点があります。それは交通事情と夜が早い点です。
台北や高雄のようにMRTが走っていません。台北や高雄ほどバスが縦横無尽に頻繁に走ってません。
お店も概ね閉店が早いです。勿論遅くまで開いている店もありますが。
つまり大きな街ではあるけれど、台北や高雄のような所謂都会ではないんですね。そこだけ押さえておいてくださいね。
台南観光シリーズ
✈ Time for Taiwan !!
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