目 次
食は台南にあり
台湾一の歴史を誇る街といえば台南ですね。多くの寺廟や史跡がそれを物語っています。
そうして歴史の重みを感じる場所に必ずあるのはバラエティーにとんだ食文化です。そう、台南こそは台湾の食の原点なのです。
最も古くから中国大陸をはじめとする他国の影響を色濃く受け、一方海の幸にも恵まれているため、そういった各要素が今の台南の料理には色濃く反映されています。
何代にも亘り古き良き味を伝えて今に至るお店も多い台南のグルメ。特別なものはではなく日常に密着した料理こそが台南料理の真髄です。
さて、この記事はそんな台南の美味しいお店の紹介です。
でも単なる紹介ではなく、同じ料理をいくつかのお店で食べ比べ、味の違いなんかをストレートに述べています。少しでも参考になると感じていただければ幸いです。
台北よりもずっと暖かく人情味があってゆったりと時間が流れる台南。そして散歩がよく似合う街台南。
さあ、ブラブラと台南を食べ歩きましょう。台南グルメ食べ歩きスタート!
(尚、各料理の価格や営業時間はちょこちょことよく変わるので、その点はご了解ください。)
海老ご飯
トップは台南名物海老ご飯。エビは日本人も大好き。もう美味しさは鉄板!みたいな感じしません?
実はかれこれ20年くらい台湾に行っているのに、この海老ご飯は一度も食べたことがなかったのです。
訪問先が台北に偏っていたからかもしれません。台北でエビご飯てあんまり見聞きしませんものね。桜えびご飯はあった気がしますが。
そんなわけで期待感に胸を膨らませて食べに行きました。
一般的には「矮仔成蝦仁飯」というお店が有名なのですが、もう一軒のお店「集品蝦仁飯」と食べ比べてみましょう。
場所は両店共海安路一段沿いで、「矮仔成蝦仁飯」は水萍溫公園から北へ約200mの東側、「集品蝦仁飯」は更に北へ150mの西側です。
さて、台湾の代表的なご飯料理の一つに「油飯」がありますが、これは具材を中華鍋で炒めながら味付けをし、そこにもち米を投入してさらに炒め、そしてそれを蒸してできます。(地方によって作り方のバリエーションはある)
だから「エビご飯もそんなんかな〜」と思いつつ向かったのですが、果たしてどうだったのでしょうか。
集品蝦仁飯
何度かお昼ご飯時にこの辺をウロウロしたのですが、集品蝦仁飯も矮仔成蝦仁飯も人でいっぱいです。ガッチリ地元民のハートを掴んでますね。
さて、初めて食べたエビご飯55元。想像していたものとはかなり違いました。
油飯とは違い、普通のうるち米(台湾産)を使っています。だからさほどもちもちしていない。また、エビは一緒に炊き込むんじゃなくて別に調理し、注文時によそったご飯の上にのせます。
メニューに「蝦仁飯加蝦」というのがありますが、この「加蝦」の意味は、ご飯の上に乗るエビの数を追加することです。
料理法ですが、ラードでネギの香りを出し、そこに鰹出汁のスープを入れて、その中に硬めに炊いたご飯を投入していると聞きました。
ちょっと残念なのは、両店ともそうですが、硬めの雑炊みたいで汁気が残り、ちょっとべショッとしています。
どうして日本の炊き込みご飯のように最初からしっかり炊き込まないのか不思議です。お米の特質なのか、こういうのが地元の方の口に合うのか。
味は上記の調理法から想像できるものです。このお店は比較すると塩分と油分が多く、だから味ははっきりしています。
でも個人的には「特別おいしい」というほどではないかな、という感想です。他の料理を頼む気がしなかった。
集品蝦仁飯
- 住所:台南市中西區海安路一段107號
- 電話番号:(06)2263929
- 営業時間:9:30AM~8:00PM
- 休業日:不定期
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- ホームページ:なし
矮仔成蝦仁飯
次は広い海安路一段を西側に渡って120mほどなんかしたところにある矮仔成蝦仁飯です。
この辺は食堂が一杯あっていいですね。どの店も年季があって下町に馴染んでいます。矮仔成蝦仁飯も業歴100年になろうかという老舗です。
さて、集品蝦仁飯はイマイチでしたがこちらの蝦仁飯はどうかな?
調理法は同じらしく、やっぱりもっちりせず、ベシャベシャな食感で、これはどう贔屓目に考えてもイマイチです。どうしても美味しい油飯と比べてしまう^^
で、味の方は・・・・はい、比較すると、矮仔成蝦仁飯が少し美味しいでしょうか。
油に調味料の甘みが乗ってそれが全体の旨味となってご飯とよく調和しています。反対に、塩気としつこさはそれほどでもないです。
これならまたきてもいいかな。
矮仔成蝦仁飯
-
- 住所:台南市中西區海安路一段66號
- 電話番号:(06)2201897
- 営業時間:8:30AM~7:30PM
- 休業日:毎週火曜日
- 支払い:現金
- 日本語:不可
- facebook:矮仔成蝦仁飯
どちらのお店で食べるにしても「蛤仔湯」を一緒に頼んだらいいと思います。貝の旨味と生姜がマッチして、あっさり感が油物のご飯には非常によくあっておいしいですよ。
言葉に関しては、いずれも先に注文表をくれて、好きな料理に数を入れて渡すだけなので、ほとんど心配は不要です。
また、集品蝦仁飯が少し高いのはエビの数の差(8尾と10尾)だと思います(矮仔成蝦仁飯は50元)。
何故、ほぼ同じ料理を同じ地区の2店が出すのか?についてですが、元々は一つの店、つまり今のオーナー達のお父さんが考案した料理であり、お父さんがお店を出していたのです。
兄弟が別れた理由は知りません。喧嘩したのかな?
虱目魚の料理
「虱目魚」は北京語では「シュームーユ」と発音しますが、台湾では「サバヒー」(台湾語)がより一般的であると思います。
日本では全く知られていない、そして全く食べない魚ですが、実は台湾を代表する養殖魚なのです。
日本統治時代は、台湾における養殖魚の85%が虱目魚であったと言われるほどの生産量でした。
しかし戦後、経済が少しずつ発展して食も豊かになってきた結果、より高級な魚介の消費量が増え、庶民の魚である虱目魚の養殖量は落ちてきていると言われています。
とはいえ養殖量そのものは、まだまだ世界でもトップクラスです。
肝心のお味についてですが、非常に淡白で、油がのっていると旨味がグ〜ンと口に広がり美味しいです。
どちらかといえば、ほんの少し青身魚系の油の風味がしますが、でも、サバやアジが苦手な方も全然美味しく食べられると思いますよ。
さて、台南で虱目魚料理はどれくらい人気があるのでしょうか?
網路温度計が2015年に発表した「10大人気台南小吃」という、半年間のネット人気投票では、「虱目魚料理」が2位をかなり離して堂々の1位に輝いております。
そういうことなんです。では行ってみましょう、虱目魚対決。
阿憨鹹粥
まずトップは「阿憨鹹粥」。
台南のサバヒー粥といえば「阿憨鹹粥」と言われるほどの有名店です。開業後50年以上の歴史を有し、その美味しさは誰に聞いても折り紙つき。
ここで虱目魚の美味しさに開眼して?以後、日本に帰ると思い出して、阿憨鹹粥の虱目魚粥を食べるためだけに台南に来る日本人を知っています^^
場所は台南公園の西側で、公園南路と忠義路三段の交差点東南角にあります。
お店は奥行きの割に間口が広くて、「台風きたら大変だろうな」とか思ってしまいました。
さてこのお店は注文表に書いて渡すのではなく、口頭注文です。ですから店の壁にあるメニューを指差すか、予め紙に書いて示すのがいいと思います。
たくさんのおばちゃんが明るく働いていて、言葉で辛い思いをするという雰囲気はありません。
ここまでやってきて注文するのは、もちろん「虱目魚肚粥」(ご飯が入っていないものは「虱目魚肚湯」)以外にはないでしょう。
頼めばすぐに出て来る^^、お粥の上にバ〜ンと虱目魚が乗っているおなじみの風景。写真では見えないけれど、これまた台南名産のちっちゃい牡蠣も結構入ってます。
海鮮ダシの旨味がスープに非常によく出ています。ご飯と一緒に、時々噛むニンニクの香りが美味しさを引き立てますね。
1匹乗ってる虱目魚自体の味が薄いと感じれば、テーブルにある醤油やもろみ味噌みたいなやつを小皿にとって、それをつけて食べるといいです。
足が早い虱目魚ですが、こちらは新鮮な生を使っているので、臭みは一切ありません。ただただ美味しいだけです。
あとメニューの左端に「油條」ってのがありますが、これはパン生地を油であげたもので、お粥のスープにチャポッとつけて食べるのが地元流。
でも私はしません。美味しいのは知ってるけどカロリー高すぎです。
阿憨鹹粥
- 住所:台南市北區公園南路169號
- 電話番号:(06)2218699
- 営業時間:6:20AM~9:00PM
- 休業日:無休
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- Facebook:https://www.facebook.com/a.hang0510/
林家魚皮保安店
上で紹介した集品蝦仁飯から保安路を西に入ってすぐのところにあります。
地元ではかなり名の知れたお店ということだったので、「どんなとこだろう?」と来てみると・・・
ぱっと見、小さくて狭くて古い建物のお店です。ちょっと???だったのですが・・・
次から次からお客さんが来ます。ほとんどは近所の方と思われテイクアウトです。流石!
で、頼んだのは魚皮湯(小)60元と煎魚肚90元(結構いい値段!)の二品。
写真でよくわかるでしょうか。「魚皮」と言っても「虱目魚の皮」ではなく、皮のついた「身」を出すのです。
「小」を頼んだけれど、もうどっさり! ちょっと食べ進むと牡蠣も顔を出します。
小刻みニンニクと生姜と牡蠣を虱目魚の油がまとめてくれて、それをもぐもぐと噛んでいる時の美味しさは本当に最高です。
林家魚皮では細切り生姜がスープによく合うとわかりました。
合わせて頼んだ珍しい虱目魚の内臓料理「煎魚肚」。
変な臭みやエグミや嫌みといったものが一切なく、肝臓はサク、管系はクニュという食感と、噛むほどに出て来る旨味がたまりません。
これはホテルに持って帰ってビールと一緒に食べたら、美味しさ百倍な気がします。
いや〜林家魚皮も感動的な味を提供してくれますね。お店の見た目と大違い^^
注文は、まずテーブルについて、そこにあるメニューを指差しして注文します。そこそこ日本人も行くようなので、北京語のみですがなんとかなります。後払いです。
林家魚皮
- 住所:台南市中西區保安路110號
- 電話番号:(06)2412553
- 営業時間:7:00AM~9:00PM
- 休業日:??
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- ホームページ:なし
台南度小月担仔面(原始店本舖)
場所は中正路の北側に面して、ちょうど国立台湾文学館と林百貨の間くらいに位置します。
迷うことはないのですが、ただ、お店の間口は狭いので通り過ぎないようにしなければなりません。
創業は1895年で、ちょうど日本が台湾を統治し始めた時と一緒です。もう120年を超える業歴ですね。
ちょっとタイミングを外したつもりで行っても順番待ちになることが多く、店先で番号札をくれます。待っている間にメニュー(日本語あり)を見ながら注文表に数を記入します。
従業員の方は観光客慣れしているので、北京語がダメでも全然大丈夫です。
さて、度小月での虱目魚料理は「西瓜綿魚片湯」を食べてみました。これは初めての経験。日本人旅行者の方も恐らくなかなか注文しないのではないでしょうか。
「西瓜綿」とはまだ熟れていないスイカの身を塩漬けにしたもので、台湾南部の鍋料理にはよく入れるらしいです。独特のしょっぱい風味がいいんでしょうね。
で、実際に西瓜綿を噛んでみると、やや糠漬けっぽい塩味です。この味と海鮮ダシが混ざって病みつきになる美味しさです。
西瓜綿と虱目魚を口に入れてスープと一緒に食べると、ちょっと辛くない酸辛湯味が加わった魚の味で、嬉しくなる発見ですねこれは。
もし今後、度小月でご飯ものを食べるなら、必ず西瓜綿魚片湯を注文するでしょう。私の新しい定番です。
台南度小月担仔面(原始店本舖)
- 住所:台南市中西區中正路16號
- 電話番号:(06)2231744
- 営業時間:11:00AM~9:30PM
- 休業日:無休
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- ホームページ:http://www.noodle1895.com/
卓家汕頭魚麵
虱目魚の食べ比べで最後に登場するのは「卓家手工魚麵」という魚のすり身麺を食べさせるお店です。
場所は国立台湾文学館のあるロータリーから民生路二段を西に480mほど進んだところです。
お店は調理場のみという最小限の広さで、お客は周りの路にセットしているテーブルで食べます。こういうのも台湾では特別珍しくはありません。
で、麺にしている魚は実はエソで虱目魚ではありません。魚つながりで無理やりここにいれました^^。
エソは淡白な白身で、味はいいのですが小骨が多いんですね。かまぼこの材料でもあります。
注文は言葉だけなので、予め紙に書いてゆくのがいいと思います。メニューは壁にありますが遠くて指差せないです。若しくはメニューをスマホで撮って、その中の料理を指差す方法もありますね。
さて、客が座るスペースすらない卓家手工魚麵ですが、味はどうなのでしょう。これがですね、数十年に亘る実績がある地元の根強い支持を受けている名店なのです。
今回私が注文したのは乾魚麺(大)と総合丸湯の二品。
麺は「大」を注文しましたが写真の通り全然「大」じゃないです。これが普通。やっぱりコスト的にこうなるんでしょうか。
食感は、麺のツルツル感はないものの(ひょっとして骨ごとすり身に?)、縮れ麺でなかなかモチモチの歯ごたえです。このもちもち感は結構驚きました。
もちろん臭みなんかは一切ありません。
添えられているのは海苔としろ菜?でシンプルですが、特に海苔がいい香りを出していて、海鮮の味加減や塩加減がちょうどよく、ものすごく美味しいです。
団子スープの方は「総合」なので肉系と魚系が両方入ってます。
でもって、これまたかなりの絶品。
多くの台湾のスープ系は薄塩の出汁味以外はほとんどせず、食事時のお茶代わりというポジションなのですが、ここの丸湯は違います。
非常にしっかりと海鮮ダシの味がして(+豚だし?)ほんの少しとろみがかっていて、魚麺と一緒で上に乗っている海苔の風味が実によく効いています。
胡椒とニンニクのみじん切りが下に沈んでいるので、時々かき混ぜて食べると風味が増して更に美味しいです。
いや〜麺もさることながらスープの推薦ができるお店は珍しい。麺にもご飯物にもきっと合いますよ。
こう美味しい丸湯に出会うと、汁麺もいいけれど、乾麺と丸湯という組み合わせがより美味しく食べられるように思います。
卓家汕頭魚麵
- 住所:台南市中西區民生路一段158號
- 電話番号:(06)2615997
- 営業時間:10:00AM~8:00PM
- 休業日:??
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- Facebook:卓家汕頭魚麵
これで虱目魚対決終了ですが、ここはかなりハイレベルです。全く甲乙つけがたいです。
お粥は両店とも文句のつけようがないし、度小月の「西瓜綿魚片湯」も全くの別料理として異次元の美味しさだし、卓家手工魚麵の魚麺はここでしか食べられない絶品です。
結論。4件全てが1位です。
包子
包子(バオズ)とは、小麦粉の皮の中に具を入れて蒸したもので、肉包とか菜包とかって看板をよく見かけると思います。
小籠包や水餃子も大きくは包子の一種ですね。
ず〜っと以前は包子は台北と勝手に思い込んでいて、台南とは切り離していたのですが、でも何度も台南に来るうちに美味しい包子の店がたくさんある事がわかってきたのです。
という事で、今度は美味しい包子の食べ比べです。先に申し上げますと、紹介したお店のレベルは、虱目魚のお店同様相当に高いです。
克林台包
場所は孔子廟から大南門を南へ130m位で、交差点(南門路と府前路一段)の北東角にあります。看板もデカくわかりやすいです。
ある晴れた日、自転車を走らせていたら、交差点の斜め向こうにバ〜ンと大きな「台南人的包子」が見えたのですよ。
店名や商品名じゃなく「台南人的包子」というところが気に入って、早速購入して食べて見ました。
買ったのは看板の八寶肉包と菇菇包と紫米芋頭包。まさに蒸し立てのホカホカ。
これを持って道向こうの公園でムシャムシャパクパク。
八寶肉包は一口噛むと台湾香辛料の香りがたっぷりの豚肉味が広がる。八寶だから他にも色々入ってるんでしょうが、トロッとした餡になっていてよくわかりません(上にドンと乗っている干し椎茸はわかりますが^^)。しっかりした甘しょっぱい味付けで(でも塩辛くはない)、よく練られた餡の複合味が実にうまいです。
菇菇包は素食(精進料理)で肉や魚類は入っていないし、胡椒以外のきつい香辛料も入っていません。もう椎茸風味がいっぱいで、食感を立てるためにキクラゲを入れています。
紫米芋頭包は紫芋の完全しっとり餡。甘さを極限まで抑えて淡い紫芋の味を引き出しています。
いやぁ〜、これはいける。方向性の違う三品の全てが美味しい。しかも、どれも値段設定が納得の金額です。
さすが地元で60年以上にわたって愛され続けているわけです。
克林台包
- 住所:台南市中西區府前路一段218號
- 電話番号:(06)2222257
- 営業時間:8:00AM~9:00PM
- 休業日:無休
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- ホームページ:http://klintainan.com/Home/index
上海華都小吃點心城
このお店は台南の知人に推薦され、それで行って見ました。かなりの実績があり、地元民からは絶大なる支持を得ているという話でした。
場所は台南公会堂の東向かいです。
テーブルに着くとメニューが出され、そこには日本語の説明もあるので決めやすく、指さしで問題ないです。
後で知ったのですが、このお店は観光ガイドなどにも載っているらしいです。
所謂、台湾・台南料理屋さんなんですが、そこそこ庶民的な値段でたくさんの種類を用意しています。複数で行くとより満足感が出ると思います。
私が注文したのは、看板メニューの小籠包と炒空芯菜と豆腐湯。調子がイマイチだったので所謂「健康セット」^^
で、ここの小籠包の特徴はセイロにあります。各セイロの底には松葉が敷いてあり、蒸した時に下からほんのりと香りが移るという仕掛けです。これは店主の考案だそうです。
味はどちらかといえば上品でクドくなく非常に食べやすいです。生姜も美味しくて、一緒に食べると味が引き立ちますね(普段私は生姜を食べません)。飽きない味です。
ここの小籠包を大絶賛という訳ではありませんが、普通に食事に行きたいお店です。そして大勢で行って、いろんな料理を食べてみたいです。
上海華都小吃點心城
- 住所:台南市中西區民權路二段28號
- 電話番号:(06)2216268
- 営業時間:10:30AM~9:30PM(2:30PM~4:30PM昼休み)
- 休業日:無休
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- Facebook:上海華都小吃點心城
福記肉圓
場所は府前路一段沿い、台南地方法院の東隣です。ここは支店で、本店はそのまま東に250m行ったところです。
お店の佇まいは写真のように、ま〜愛想のない造りで、しかもメニューは「肉圓2個40元」のみという清さ。というかなんというか^^
肉圓はそのまま北京語読みすれば「ローユエン」ですが台湾語では「バーワン」といいます。
包子の皮が小麦粉なのに対し、肉圓の皮は米粉やサツマイモ粉でできています。
肉圓は台湾を代表する庶民の味ですが、ここの肉圓は一般的なものと作り方も味も大幅に違います。
その大きな違いなんですが、こちらの肉圓は「味噌ダレ」をかけて出してくれるんですね。これは珍しいです。
それから、香りの良い刻み台湾セロリの入ったスープはセットで、必ずついてきます。
一般的な肉圓は関連記事に紹介しているのでご覧ください。
さてさてお味の方は??? ガ〜ン、頭叩かれた。
これは強烈ですわ。久しぶりに味わう超弩級の美味しさ。この味だったら、そら他にメニューがなくても勝負ができますわ。
店の奥でどんどん作ってどんどん蒸しています。その蒸しあがりホヤホヤにソースをかけて出してくれるのです。
ソースはちょっとピリ辛ニンニク風味の甘い噌味で絶品。皮は出来立てモチモチで中は潰した餡ではなくサイコロに切った豚肉です。
この豚肉がホロホロで柔らかく美味しい。それと、お箸でまんじゅうを割って肉を横に避けて、皮にソースを絡めて食べると、これがまためっちゃ美味しい。
次に肉と一緒に食べるとさらに美味しい。
それにしてもスープとの相性の良さはなんでしょう。あっさりとして、台湾セロリの香りで口の中をリセットしてくれるのが無上に嬉しいです。
完全に脱帽、参りました。本当に久しぶりに手放しで推薦できる店に当たりました。
福記肉圓
- 住所:台南市中西區府前路一段299號(支店)
- 電話番号:(06)2158199
- 営業時間:11:30AM~9:00PM
- 休業日:不定
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- Facebook:福記肉圓
清祺素食点心部
場所は台湾府城隍廟の東側横でわかりやすいです。
こちらは点心の有名店で、商品の種類は多いですが、これらは全て肉・魚介抜き、つまり素食のお店なのです。
(それにしても、台北では大型の店舗から屋台まで数多くの素食店があるのに、台南では見かけませんね。)
「素食」とは質素な料理の意味ではなく精進料理のことです。
とは言っても日本のそれとは料理そのものがまるっきり違います。考え方も違います。同じなのは菜食料理であるという点だけです。(細かい点は省略)
実際に台湾で食べればすぐにわかるでしょう。
私が違いについて一番強く感じたのは、精進料理は煩悩への戒めが込められているのに対し、素食は非常におおらかです。
ですから素食のアワビの煮物があれば素食の酢豚もあります。
台湾では仏教関係者の間で主に食べられ、一般的にも非常に人気があります。何百人も座れるような大きな店がいくつもあります。
さて清祺素食点心部は、そんな素食の中でも点心を中心に食べさせてくれます。
私が行った時はちょうど昼休みに入るところで(台湾の食堂の多くは昼休みタイムがある)、セイロから出した残り物しかありませんでした。
好きなのをとって先にお金を支払ってからテーブルについて食べます。
どれを食べても味は非常に優しいです。というのも、肉・魚介以外に香りの強いネギやニラ(五葷)を使ってないからです。
味が尖ってないだけでは人はこないので、私にはわからない清祺素食点心部独自の美味しさを生み出す秘訣があるのでしょうね。
この日、既にぬるいものしか食べられませんでしたが、本当に美味しかったです。特に「大根餅」は出色の味でした。
かなり期待が持てるので、もう一回来て別のメニューに挑戦したいです。
清祺素食點心部
- 住所:台南市中西區青年路135號
- 電話番号:(06)2285781
- 営業時間:5:00AM~9:00PM(昼休みあるが正確な時間不明)
- 休業日:??
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- Facebook:清祺素食點心部
萬川號
場所は台湾府城隍廟から青年路を西に約150m、民権路一段との交差点の南西角にあります。
正面ドアの上に「清同治十年創立」とありますね。
清の同治元年は西暦で1861年ですから、1871年創業ということになります。つまり開業してからもうすぐ150年を迎えることになるわけで、とんでもない老舗なんですね。
商品は中華菓子と点心です。
中華菓子は種類も多く、兎に角これだけの業歴ですから、安心して買えます。お土産として見に来るのもいいんじゃないでしょうか。
さて、私の目当ては店内のセイロで蒸されている包子です。なんと言ってもここの名物、肉包(肉まん)と水晶餃です。
店内は写真の通り特段の飾り付けもなく整然と商品が並んでいるだけです。食べることもできません。
ということで、ホテルに持ち帰って食べました。買ったのは肉包(小)25元と水晶餃20元(と、めちゃ美味しそうに見えた餅菓子60元)です。安い!
肉包は、干し椎茸が丸ごと一つにしっかり目の餡で少し八角が入ってます。皮は甘みがあって歯ごたえとふわふわが味わえて絶妙。
水晶餃は、皮がさつまいも独特の超もちもち。甘い味付けの豚肉餡とクワイのようなシャクシャク感があっていて非常に美味しいです。これはまたいけるな〜。
上の二品は、台南の甘い味付けが嫌でなければ、必ずリピーターになろうと思うでしょう。
最後にお餅ですが、包子ではないので感想は簡単に。「うますぎる」。
萬川號
- 住所:台南市中西區民權路一段205號
- 電話番号:(06)2223234
- 営業時間:8:00AM~10:00PM(昼休みあるが正確な時間不明)
- 休業日:毎月最終月曜
- 支払い:現金のみ
- 日本語:不可
- Facebook:萬川號
以上で包子対決は終了です。
ここも甲乙をつけ難いと言ったら記事にならないので(でもホントにどの店もレベル高い)、あえて順番をつけるとしたら・・・
- 1位、克林台包
- 2位、萬川号
- 3位、福記肉圓
- 4位、清祺素食点心部
- 5位、上海華都小吃點心城
でも日本人100人に投票してもらったら、どこも実力ありすぎて、多分結果は凄くバラバラになるような気がします。
担仔麺
台南といえば担仔麺。担仔麺といえば台南というくらい、台南の代名詞・担仔麺の食べ比べを最後に行います。
意外なんですが、なんでもランキング・サイトの網路温度計の集計によると、台南人が好きな小吃ベストテンで担仔麺は第10位です。えらい低い!
もっと高位にあるのかと思っていました。実は、地元民ではなく「観光客が気に入っている台南の代表料理」ということみたいなんですね、今は。なので、虱目魚とはちょっと事情が違うみたいです。
まあそうは言え、観光客にとって台南の代表的な小吃はやっぱり担仔麺。最後に担仔麺の食べ比べをしましょう。
台南度小月担仔麺(原始店本舖)
このお店は本記事二度目の登場です。
台南度小月担仔麺(原始店本舖)こそは、正真正銘元祖担仔麺のお店であります。今までに、それこそ何度も何度もテレビ放映されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
注文に関することや地図などは、上記「虱目魚」のところで述べていますのでそちらをご覧ください。
さて、テーブルに運ばれてきた担仔麺50元を早速いただいてみました。
ダシが非常に効いていて、そして割としっかりした味(塩味が効いている)です。麺は特別モチモチシコシコしているわけではないけれど、でも歯ごたえは悪くありません。
トロトロミンチ肉の上にすりおろしニンニクが見えますが、これは邪魔になるほどの自己主張はせず、混ぜるとちょうどいい感じです。
味全体のバランスは流石によくて、ツルツルと美味しくすぐに食べ終わってしまう。さすがにお店の看板料理として台湾を代表する一品ですね。それに量の少なさ加減がいいです。
追加で乗せてもらった滷蛋(煮卵)も絶品。だし醤油の染み加減が非常に程よく、歯ごたえもちょうどいい。
もし来られたら、忘れずに滷蛋を乗せてもらってください。
周氏蝦捲(台南老店)
場所は安平路の南側に面していて、安平観音亭とは運河路13巷を挟んだ位置(向かい側)にあります。
もう一店、この店から安平路を東に(市内側に)1.2km行ったところにも台南総店があって席数も多いのですが、観光がてらだと少し不便です。
さて、安平の小吃といえば周氏蝦捲。台南度小月担仔麺と並んで台南を代表するお店です。
こちらは担仔麺よりも「炸蝦捲」というエビの練り物揚げが超有名です。なにせ、店名になってるんですから。
で、担仔干麺ですが、お馴染み豚ミンチの煮込みスープが少しかかっていてニンニク風味の味で、台南料理が嫌いでなければ普通に美味しいと感じる味。
でも、特別に「周氏蝦捲」の味というのは感じません。
炸蝦捲も一緒に食べたので、その上で申し上げますと、普通に美味しくはあるけれど、そこまで推薦する理由が見つかりません。「もの凄く特別に美味しい」とまでは感じないのです。
台湾ではものすごく評価されているのですが・・・
但し、周氏蝦捲の守備範囲はかなり広いので、いろんなものを頂いたらまた評価は変わるかも知れません。
周氏蝦捲(台南老店)
- 住所:台南市安平區安平路125號
- 電話番号:(06)2292618
- 営業時間:9:30AM~7:00PM(土日7:30PM)
- 休業日:無休
- 支払い:現金・VISA
- 日本語:不可
- ホームページ:http://www.chous.com.tw/index.html
赤崁担仔麺(老店)
場所は赤崁楼の正面門を背にして左に(東に)150m程行ったところ、民族路二段の北側に面しています。
結論から言いますと、この記事で紹介しているたくさんのお店の中でも、特に私が推薦したいお店の一つです。
担仔麺の見てくれはどの店も同じようなものです。ここもまた然り。でも味は食べてみないとわかりません。
赤崁担仔麺のは、しっかりダシの効いた薄味で、すりおろしニンニクと混ざるとかなり本領が発揮されるようになっています。
麺はたまご麺のような感じで、ツルツルと思っていた以上に美味しいです。思わずもう一杯食べたくなります。失敗だったのは煮卵を注文し忘れたこと。担仔麺は煮卵が上に乗ってこそ、と思います。
ただ65元はちょっと高いでしょうか。
このお店を推薦する理由は味以外にもう一つ。店の雰囲気や従業員の対応がいいことです。実はテレビや雑誌でも既に何度も報じられており知っているかたもいると思います。
赤崁担仔麺の経営者は女社長で、まだ若い頃離婚して、大きな借金を完済し、女手一つで子供を大きくしました。
それがきっかけとなり、ここの従業員は全員が子持ちの離婚女性で、そういう人が働きやすい環境を色々整えています。そのため、チーム力も高いんだそうです。
お店は古い医院をリノベしておりレトロ感満載です。しかしよくご覧になってください。ごちゃごちゃしておらず、よく行き届いていて気持ちがいいです。
「古い建物をリノベしたはいいけれどなんか汚いな」というのとは訳が違います。
まあ一度は食べに行ってください。
一通りの料理が揃っておりご家族でいかれても、きっと満足されると思います。ただし場所が観光地のど真ん中なので、休日は団体も多く外されたほうが無難です。
赤崁担仔麺(老店)
- 住所:台南市民族路二段180號
- 電話番号:(0800)211800
- 営業時間:11:00AM~21:00PM(平日2:00PM〜5:00PM昼休み)
- 休業日:無休
- 支払い:現金・VISA・MasterCard
- 日本語:不可
- facebook:赤崁擔仔麵
台南度小月担仔面
担仔麺の最後はこのお店。載せる必要はなかったのですが、目立つところにあるので・・・
場所は赤崁楼の正面門を背に右手(西側)50mくらいのところで、まさに真隣です。場所が場所で非常に目立つので以前から気になっていたのですが、果たして味はどうだったでしょうか。
ということで、初めて入って看板の担仔麺と貢丸湯を食べてみました。合計100元。
担仔麺ははっきり言ってひどすぎます。スープはしょっぱくて味がわからないし、麺はブンのびている。
添えてある(追加で頼んだ)煮卵がまた最低で、一ヶ月前から煮込んでいるのか、と言いたくなるほどしょっぱく、白身は食感というにはあまりに固く、ひどいにもほどがあると感じました。
総じて、正直にいうと最低最悪。味に誠意がなさすぎます。
この店が気になっていたもう一つの原因が店名。「台南度小月担仔面」だから、誰だって「度小月」の支店或いは関連店だと思うじゃないですか。違います。
http://www.noodle1895.com/2099824215.html(現在リンク切れ)
台南度小月担仔面
- 住所:台南市民族路二段216號
- 電話番号:(06)2215631
- 営業時間:10:00AM~10:00PM
- 休業日:??
- 支払い:現金
- 日本語:不可
- ホームページ:なし
ご紹介した担仔麺のお店の美味しさ順ですが、私は以下のように感じました。私の好みもありますが、日本人には度小月(原始店本舖)が(その他の料理も含め)一番合うような気がします。
- 1.度小月(原始店本舖)
- 2.赤崁担仔麺
- 3.周氏蝦捲
- 番外.台南度小月担仔面
まとめ
食べ比べ紹介、いかがだったでしょうか。
美味しいお店が乱立している台南でも、やっぱりそれぞれに味の特徴はあります。それを食べる客の好みも違うでしょう。
今回ご紹介したお店の味、もし行かれたらあなたはどう感じるでしょうか。できればお口に合うお店に出会えればいいですね。
最後に、ちょっと追加のお話として・・・
台南の魚として一押しした虱目魚(サバヒー)ですが、これは焼いても非常に美味しいです。人によっては、焼いてお醤油の方が合うかもしれません。
それから、今回は紹介できなかったのですが、「牛肉湯」や「田鰻が入った意麺」も台南では超有名でお店がたくさんあるので、是非体験してみてください。
もし台南にまだ一度も来られたことがなければ、是非是非一度いらしてくださいね。
美味しくて、まったりして、人が優しくて。台北とはひと味もふた味も違う世界が待ってますよ。
✈ Time for Taiwan !!
台南観光シリーズ
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