この記事では、嘉義市北門駅周辺の4つの施設をご案内します。
4つの施設とは、、、
- 阿里山林業鐵路嘉義車庫園區
- 嘉義製材所園区
- 嘉義市立博物館
- 檜意森活村
です。
これらの施設は、元はといえば、日本が統治していた時代に作られたものの名残です。
当時は、毎日、檜を一杯積んだ蒸気機関車がモクモクと煙を吐いて、阿里山から北門まで下りてきました。
そして、北門にある製材工場で檜を加工し、日本に送り出していたのです。
こういった過去の遺産は、ひょっとしたら消えた可能性もあったので、今なお保存されていることをとても嬉しく思います。
それぞれのスポットが持つ独自の魅力と、日本人観光客にとっての特別な意味合いをご紹介していきます。
阿里山森林鉄道のノスタルジックな世界が、あなたを待っています。
では早速ご紹介しましょう。
目 次
日本から北門までの行き方
まずは嘉義市に入らなくてはなりませんが、その方法については、この↓記事で詳しく説明しているのでご一読ください。
では次に、北門に行くための交通手段です。
阿里山森林鉄道を利用する場合

台鉄の嘉義駅から阿里山森林鉄道を利用する場合です。次の駅が北門駅で所要時間は約6分です。
事前のオンライン予約を推奨します。以下にリンクを張っておきます。
列車利用の問題点
上の時刻表を見るとわかるのですが、往復とも一日3本と、とても少ないのです。
なので、それを踏まえたうえでご判断ください。
バスを利用する場合
台鉄嘉義駅の北東側(高雄向きなら左側、台北向きなら右側)に駅前ロータリーがあって、そこでバスに乗ります。
選択肢は以下の3系統です。それぞれの右側は、下車する停留所名です。
緑線は下車後少し北側に歩きます。
バス停の確認をしてください
上記の地図で示した場所に「嘉義火車站」というバス停は確かにあるし私も何回かは利用しています。
しかし、ご紹介したバス2路線の「嘉義火車站」バス停がここかどうかの確証が持てないので、もし利用される場合は駅員さんにでも確認してください。
嘉義駅から歩く場合
約1.5kmくらいなので、それに今はスマホのマップも有るので、私のような年寄りでも余裕です。
ただ、嘉義駅のすぐ南側を北回帰線が通っており、つまり嘉義駅周辺は熱帯と亜熱帯の境目あたりで、とても蒸し暑いです。
阿里山林業鐵路嘉義車庫園區

ここと隣の阿里山林業村は、共に日本統治時代に運営されていた場所です。
嘉義車庫園區の現役時代の名称は「北門修理工場」です。

名称から察することができるように、汽車や貨車の修理・整備を行っていた場所だったのです。
初めて運用されたのが明治から大正に変わったばかりの1912年だそうで、何ていうのか時代の流れを感じますよね。
実は、1993年8月に大火災に見舞われて、当時の貴重な木造の工場は全焼し、保存していた車両も何台かは犠牲になりました。

さて、実際に車庫園區に足を運ぶとわかりますが、結構広くて、沢山の蒸気機関車やジーゼル車や客車などが展示されており、阿里山森林鉄道を見るならここでしょ!って感じです。

ロケーションがいいし、上手な人ならインスタ投稿用にいい写真がたくさん撮れるでしょう。
また、車庫園區では実際に動く車両に試乗もできますよ。

嘉義車庫園區の開館日時
- 開館曜日:無休
- 開館時間:8時〜18時
- 入場料:無料
- 阿里山林業鉄道と文化遺産管理処の説明文(日本語)
嘉義製材所園区

嘉義車庫園區と道を一本はさみ、すぐ北側にあるのが嘉義製材所園区です。
少し、時系列に沿って関連事項を並べると、、
- 1899年:日本人によって阿里山の豊富な檜の森林が発見される。
- 1912年5月:阿里山にて伐採事業が開始される。
- 1912年12月:阿里山森林鉄道が完成され翌年から原木の運搬が開始される。
- 1914年12月:北門に貯木場と嘉義製材工場が完成。
工場の敷地面積は13.6haと東京ドーム約3個分でかなり広いです。

車庫園區の方から入っていくと、当時の建物が幾つも並んでおり、その中には写真や資料がたくさんあります。

また、阿里山森林鉄道に関する資料やミニチュアなども数多く展示されています。

多分、檜やその加工、そして森林鉄道に関する歴史や技術を知るためには、この場所が最も重要であると思います。日本語の解説があればなあ、、、

建物の一角には「二陸陸杉」というカフェもありますよ。

建物群の後ろ側は広大な広場になっています。
この広場に関する説明を見つけることが出来ませんでした。が、次に登場する博物館のジオラマの景色からすると、伐採した材木の一時置き場だったのでしょうか?
木頭人市集

嘉義車庫園區の入口から真っすぐ伸びる通路には、木頭人市集という様々な文化創作品や木製品が展示販売されている一角があります。

歩き見もなかなか楽しいものです。
日によっては、工作教室や演奏活動もされています。
毎月数日開催されているようで、毎月の具体的な開催日はFacebookで告知されます。
私は檜のレーザービーム作品↓を買いました。が、何処に置いていいかわからない(笑)。

- Facebook:木頭人市集-嘉義製材所時空漫遊
嘉義車庫園區の開場日時
- 開場曜日:毎週水曜〜日曜
- 開場時間:9時〜17時
- 料金:無料
- 阿里山林業鉄道と文化遺産管理処による説明(日本語)
嘉義市立博物館

嘉義車庫園區の東側真横にあるのが嘉義市立文化センターという約5000坪のエリアです。
この中には、博物館・図書館・ミュージックホールそして綺麗な庭園もあります。
では、嘉義市立博物館に入りましょう。
上記二ヶ所を巡ったあとだと、真冬でない限りかなり体は熱くなってるでしょうから、そういう意味でも涼しいところに入るのがいいかと。

たった50元で入場できるので、とりあえず入場して、一旦呼吸を整えて、落ち着いたら展示物を見て回りましょう。
エリア区分としては、、
- 特展エリア
- 地質エリア
- 化石エリア
- 交趾焼特展エリア
- 石猴特展エリア
- 美術エリア
に区分されてこの博物館独特の興味深さがあります。

もし、ぐるっと巡る元気がないなら、一階の嘉義市のジオラマと、嘉義を代表する画家陳澄波氏の絵画だけでも見ておくのがいいかなと思います。

ジオラマはなかなか良く出来ていて、独立山をぐるぐる巻きにする阿里山森林鉄道の三重ループや、先に登場した嘉義製材所園区の現役当時も再現されていますよ。


会館日時
- 会館曜日:火曜〜日曜
- 開館時間:9時〜17時
- 入場料:50元(子供35元)
- 嘉義市立博物館のホームページ(中国語)
檜意森活村
嘉義市立博物館を出たら前面道路(忠孝路)を向こう側(東側)に渡ります。
そして、そのまま南側に歩き林森西路を渡ると目の前が檜意森活村です。
檜意森活村については、この↓記事で詳しく説明していますので是非御覧ください。
約30年の年月をかけて造られた或いは修理された檜造りの日本式平屋家屋は、映画セットのハリボテではありません。
全部本物で、当時の林業従事者の生活をしのばせます。
近藤兵太郎監督の自宅
31棟の家屋の中に「KANO故事館」というお家があります。

私が訪問をお勧めする場所です。
これは先の記事でも紹介していますが、台湾で空前の大ヒットを飛ばした映画「KANO」の撮影で使われた家で、近藤兵太郎監督の自宅です。
家の中には「KANO」にまつわる品や写真が沢山展示されています。
もし行かれる計画があるなら、事前に映画「KANO」を観ることを強くおすすめします。

嘉義農林高校の野球部監督が近藤兵太郎で、映画では永瀬正敏がかなりの熱演をしていて物凄く感動しました。
檜意森活村
- 開演時間:エリアそのものは年中いつでも入れる
- 屋内店舗・展示場の開場時間:10時〜18時
- 檜意森活村のホームページ(中国語)
まとめ

今回ご紹介したのは、日本人にとって特別な意義を持つ施設ばかりです。
1900年前後(諸説ある)に、檜の大森林が阿里山中に発見されました。
これら第一級の檜は、やがて次々と切り出され、そして下界へ運ばれ製材されて日本に送り出されることになります。
つまり、阿里山森林鉄道が敷かれ、北門に大規模な製材工場が造られた理由がここにあります。

そして現在。
阿里山の檜森林はしっかり管理されて保全が行き届いています。
一方、北門には、当時を偲ばせる蒸気機関車や工場の建物や檜の官舎などが、丁寧に整備され残されています。

日本人がこういった歴史を持つ北門を観光することは、特別な意味合いがあると思うのです。
(おまけ)美味しくて安い3店
嘉義駅付近の安くてうまい食堂2店と嘉義車庫園區側のファーストフード店を紹介します。
飛び抜けた味ではないけれど、いつでも安くて安心して気軽に食べられる、そういうお店です。
営業時間や定休日はマップから確認してください。
嘉義車頭火鶏肉飯(永香珍食堂)
嘉義といえば雞肉飯、雞肉飯といえば永香珍食堂。

日本のガイドブックに載っているお店は幾つもありますが、駅前の一等地にあって、いつも嘉義市民で賑わっている永香珍食堂が私のおすすめです。
惣菜はいろいろあるので、好きなのを食べてください。おすすめは、台南名物の虱目魚を焼いたやつ。これはまじ美味い。
沱江小館
嘉義駅からは少し歩きますが、周辺のホテルに宿泊してるなら全く問題ないでしょう。

ここは、小籠包と牛肉麺を同時に食べたいと思って探したお店です。
安くてお手軽。夕飯食べる時に、探すのが面倒ならここに来るかな!?
早安山丘 林森西店
嘉義車庫園區の南側の林森西路を渡っとところにある朝ごはん屋さん。とはいっても、ハンバーガー、サンドイッチ、ワッフル、麺などがメイン。

作りたてのワッフルが期待を裏切っておいしかった。
小腹を満たすのに良いお店。
営業時間が午後1時までなので、その点だけ注意が必要です。