目 次
下痢の記事でも述べましたが、下痢や便秘は生活のお供と言っても過言ではないくらい身近な悪現象です。
(☞下痢の恐怖 腹痛や吐き気、激烈便意の原因と解消法)
もし、自身の体に便秘も下痢も住んでなければ、今の3倍くらいパワーを発揮出来ると思ってられる方も多いんじゃないでしょうか、冗談抜きで。
一方、慢性化している人にとっては発生している不快感が四六時中付きまとい、まさに厄病神的なんですよね。
今回は便秘です。もう一回改めて原因や症状を一緒に見直して、改善策を考えませんか。実行すれば続ければ相当改善する日常的な方法をもう一回確認しましょ。
快便と便秘
正常な腸内環境が保持されていれば毎日排便があって且つ便は適度に柔らかい状態です。また、排便後は何も残っていない感じでスッキリした状態です。
便の状態はバナナ型やソーセージ型がよいですが、水分が余分に吸収されると、その型にヒビが入ってきます。便秘が進むと便もだんだんコロコロ状になっていきます。
ところで、毎日排便をしなければ気持ち悪いと感じる人がいれば、2〜3日に一回でも何も不快感を感じない人もいます。
それでもお腹に違和感、腹痛や膨満感がなければ問題はありません。しかし、便は体内に長くとどまっていない方が良いのです。
それは便の構成要素には、水分・食物繊維などのカス・消化器の粘膜・腸内細菌などに混じって毒素(老廃物)もあるので、長期間体内にとどまっているのは好ましくないのです。
さて、便の出ない状態が続くとその間どんどん水分が吸収されてゆくので、便はどんどん硬くなり、ますます排便が困難になります。しかも排便後もすっきりしない状態であり、これは便秘と言えます。
便秘を甘く見てはいけません。便秘が軽度のうちに医者に行かず、やがて腸内に炎症が起こり腸閉鎖へと至り亡くなった方もおられます。
便秘というとどうしても綺麗ではない話になるのですが、、新入社員の頃なので多分23歳くらいだったと思います。私はだいたい神経性下痢症だったのですが、時々反動というか便秘になったのですね。経験のない事態が発生しました。
トイレに入ったんですが、明らかに便が肛門にあるのに出ない、半分出てるけれどそこから動かない感覚。いきめば肛門は痛いけどなんとか出てくるというレベルじゃなくて、全く動かないんですよ。
なんで?と思って触ったら滅茶苦茶硬いんですよ。水分の極々少ない粘土みたいな感じで。これをそ〜っとほじくり出して、その中にあるものもできるだけ指で出しました。
体の異変を全く自覚していないのにこんなことになるんだ、と、とても怖かったです。すぐに医者に行ってあとは覚えていません。一過性でよかった。
排便のメカニズムと便秘
食事をすると口で噛み砕かれて唾液と混ざって、それが食道を通って胃へ送られます。そうして、胃液や胆汁や消化酵素などと混ざって、ドロドロの消化された状態で小腸へと行きます。
小腸で栄養分の吸収が行われ大腸へと送られます。大腸ではさらに水分とミネラル分の吸収が行われ、残りカスが便となりS字結腸へと送られます。食べ物を口にしてからS字結腸にたどり着くまでほぼ丸一日かかることになります。
じゃあ、最後に残った便が固かったり柔らかかったりする理由は何でしょうか。それは便が大腸の中に滞在した時間によります。
素通りすれば水分は吸収されず水下痢のようになり、不必要に長時間大腸に止まればそれだけ水分吸収が進み、便は硬くなってゆきます。
さて、朝ごはんを食べるとウンコがしたくなりますね。それは、空っぽの胃に食物を入れると刺激を受けて大ぜん動という収縮運動がS字結腸あたりで起きて直腸へと便が送られます。
そうすると直腸は圧迫されてその刺激は排便反射という作用を呼び「ウンコした〜い」と便を送り出す力が強くなって排便へとつながるのです。
食べて出すまでの複雑な過程には感心しますが、これだけ複雑だとちょっとした事で変調をきたすんだろうなとも思います。
便秘の人は、こういったぜん動運動や排便反射のメカニズムがうまく働かない場合が多いです。
便秘の種類1
急性便秘
無理なダイエットや環境の変化からくるストレスや肉の食べ過ぎなど一時的な原因で起こる短期的な便秘です。
慢性便秘
便秘が突発的ではなく日常的に何ヶ月かに亘って起こっている場合、もしくは1〜2ヶ月便秘で一度よくなってもまた長期間便秘状態で繰り返すような場合です。
便秘の種類2
便秘には急性と慢性がありますが、それぞれに急性は器質性・機能性、慢性は機能性・器質性・過敏性腸症候群・症候性・薬剤性と分類されます。
機能性便秘
腸に病変はないけれど腸の中を進む速度が遅くなって便が硬くなってしまい排便回数も少なくなるケースと排便の機能が低下してうまく出せなかったりスッキリ出せなかったりするケース。
器質性便秘
腸腫瘍や腸閉塞、腸の炎症など腸そのものの病変や手術後の癒着などが原因で腸管が細くなって便秘を引き起こすケース。
症候性便秘
腸以外の病気が原因で便秘になるケース。関連する病気はたくさんあって、糖尿病・急性心不全・脳腫瘍・うつ病などです。
薬剤性便秘
服用する薬の副作用で腸のぜん動運動が抑えられてしまうケースで、一般的に何かを抑える薬は意図しない抑制作用がどこかに働く可能性が高いです。該当する薬の種類はたくさんあります。
便秘の種類3
おそらく一般の日常生活では一番身近な機能性便秘について、さらに原因別に種類を分けると以下のようになります。
弛緩性便秘
大腸のぜん動運動が弱いと腸内の便を押しやることが困難になり便秘となります。
便が長時間滞留すると腸内細菌のバランスが崩れて悪玉菌が増えて臭いガスができます。しかも排便できないとガスも出ずにたまるのでとても苦しいです。
またトイレに行ってもなかなかスッキリと排便ができません。特に長時間同じ体勢でデスクワークをやっている人や高齢者に多く見られます。
痙攣性便秘
自律神経のバランスが崩れて大腸のぜん動運動が異常に強く痙攣状態になる場合があります。そうすると腸内の便を前に送り切る前に、また戻ったりしてうまく排便まで行かなくなります。
またこの痙攣性便秘は便秘と下痢と交互に繰り返すという特徴があります。
緊張しやすい人、ストレスが溜まりやすい人、そういう状態が継続している人に多いです。
直腸性便秘
直腸まで便が来てから便秘の要因が発生するケースです。
排便欲求が起こった時にすぐに出してしまわないで我慢することが習慣化すると、便意がだんだん弱くなってしまいます。あんまりしたいと思わなくなる。
そうすると折角直腸まで来ているのに、またそこで水分が吸収され便は硬くなり一層出にくくなります。
- 仕事や用事を優先する生活習慣が身についている人
- 直腸から肛門に字などの問題を抱えている人
- 高齢で腹筋や横隔膜に十分に排便できる力を入れられない人
などに見られる便秘です。
長引く便秘の悪影響
本来とっくに排泄されている便がいつまでもお腹に残っているのですから、体に良いわけがないですよね。色々と悪影響がだてきます。
- 腹部の異常
お腹が便やガスで張っていて苦しい。その影響で食欲不振になる。 - 精神的異常
便秘はイライラ感を増幅させます。それが便秘を悪化させ負のスパイラルに落ち込んだりします。また、精神的に倦怠感や疲労感を感じて、それがさらに便秘を悪化させます。 - 血行不良
便秘は血行不良の原因です。血行不良は老廃物質の排泄に悪影響を与えて、それは疲労や体調不良へと繋がっていきます。またお肌への悪影響も出てきます。 - 病気の原因となる
便秘は腸内細菌のバランスを崩し悪玉菌が増加する要因になります。そして有害物質やガスを発生させガンや生活習慣病に繋がるリスクが高まります。
便秘解消法
規則正しい生活リズムを刻む
肉体的にも精神的にも機能を正常な状態で維持するためには睡眠時間を確保するとともに規則正しい生活が非常に大切です。(☞睡眠不足8つの悪影響と熟睡4つの効果・5つの方法)
適切な運動の継続
毎日の軽く発汗を伴うような運動は、自律神経の安定化、ストレス発散、血行促進など多くの優れた効果があって結果的に便秘の有力な解消方法にもなります。
ジョギングもいいですし、ユーチューブには一緒に運動できる楽しいエクササイズがたくさんアップされています。こういった運動は排便にかかる筋肉を強くする効果もあります。
(☞中高年のダイエット 健康を維持するための食事と運動)
偏らない規則正しい食事
出来るだけ多種類の食品を規則正しく食べましょう。特に、食物繊維や乳酸菌を含む食物を継続的にとって、ぜん動運動を促し腸内環境を良くしましょう。
食物繊維は海藻を含む野菜類や果物、乳酸菌は納豆やヨーグルトなどに多く含まれています。私のオススメはゴボウです。食物繊維が本当に豊富なので、薄味で調理してストックしておけば重宝します。
一方腸内のぜん動運動に良い影響を与える自律神経を活性化するビタミンはBとEで、これを多く含む食品はアーモンドやピーナッツ、カツオやレバー、そしてほうれん草やアボカドなどです。
但し、症状が痙攣性便秘のように大腸が過剰活動をしている場合は、食物繊維が状態をさらに悪化させるので逆効果です。控えなければなりません。
食物摂取量の少ないダイエットはNG
食べる量が少ない、食物繊維も少ないとなると便が出来ません。そうすると食べた物は長い時間腸内にとどまって栄養や水分が吸収され続けるために硬くなり、腸内環境も悪化して悪玉菌が増えて有害物質を作り出します。
それを繰り返して行くと身体全体の代謝が不正常になり、ダイエットは健康得るための手段ではなくなります。健康的なダイエットは難しいです。イメージ先行の飛びつきやすいCMほど注意が必要です。
適切な水分の補給
水分が少ないと便秘になりやすくなります。毎日積極的に補給しましょう。その際、利尿作用のあるカフェイン含有の飲み物はNGです。ノンカフェインにしましょう。
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薬の併用
- 水分を便に適度に浸潤させて柔らかくする薬
- 大腸を刺激して排便を促す薬
- 小腸の水分分泌を促進して便秘を改善する薬
など。習慣性のないものもありますが、継続的使用により排便の機能が低下したり効果が薄れるものがあります。何れにしても薬は一時的な症状回復をもたらす可能性があるだけで、それで完治をするわけではありません。
短期で改善しない場合は病院に行くことをお勧めします。それとともに、日常生活からくる場合は、やはり根本的に生活スタイルを見直さないと改善は難しいと思います。
まとめ
上にも記しましたが、ひどい便秘を放置して亡くなっている人がいます。便秘は本当に侮れません。
ガンやアレルギー関係などの特別な場合は専門医による治療が大切ですが、日常の生活で最も多い機能性便秘はあなたの意識改革と行動が何より大切です。
上記の「便秘解消法」は心がけ次第で誰もが実践可能なことです。しかし多くの人は特に意識することなく日常を送っているでしょう。
それで「便秘だ、苦しい」というからつまらない商売が幅を利かすのです。「楽、お手軽、寝ながらできる、しんどくない、3分で済む、これを毎日飲むだけでいい」などなど、彼らの常套句です。
リズムある生活・バランスの良い食事・適切な運動。生活習慣にするまでは確かにしんどいかもしれません。「お前のように暇人じゃないんだ」とか仰るかもしれません。でも頑張って実行を続ければ全てあなた自身にかえってくるのですよ。
頑張りましょうよ。それで体と心が快適になるなら言うことないじゃないですか。
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