2月6日、Blue Bottle Coffee清澄白河店が遂に日本第一号店として無事オープンしましたが、初日には100人以上の方がならんだんですね。
なかなかいい雰囲気でのスタートですね。
どの企業もそうですが、Blue Bottle Coffeeもここまで来るには様々な苦労と努力があったようです。
そしてジェームス・フリーマンCEOの選んだ海外初出店国は日本でしたがどうして日本だったのでしょうか。いくらでも候補地はあるように思うのですが・・・
フリーマンCEOは元々ビジネスマンではなく、チェロ奏者でした。そして、演奏旅行中でも美味しいコーヒーが飲みたくて、自分で焙煎をしていました。
この経験を踏まえ、遂には焙煎工場を立ち上げる事になりました。彼が選んだ場所はサンフランシスコの向かい、オークランドでした。
同地の港は西海岸屈指の物流量を誇り、コーヒー生豆の陸揚げ量も非常に大きいものでした。
この焙煎所の近くには、歴史あるミスター・エスプレッドの焙煎所や豆卸のスイートマリアズなんかも店を構えていました
加えて、近隣には「カリフォルニア料理の母」と呼ばれるレストラン、ジェバニーズやそこから独立したシェフたちの店。更にナババレーにはワイナリーや高級レストランがありました。
コーヒーや料理に関する環境がすこぶる良かったことは、Blue Bottle Coffeeの成長にとっては大きな幸運でした。
Blue Bottle Coffeeの初期はレストランの納屋を借りて焙煎をし、そのコーヒー豆をファーマーズマーケットに毎日持って行って、来る客の目の前で一杯づつ淹れていました。
少しづつ評判を呼んで、常設のスタンドも開設できるようになって、更に評判を呼んでいきました。
サンフランシスコの飲食店にはよくBlue Bottle Coffeeの看板がかかっていますが、つまり「うちのコーヒーはBlue Bottle Coffeeですよ」という意味ですね。これはBlue Bottle Coffeeの豆販売拡大の方法でした。
人はよくBlue Bottle CoffeeをコンピューターのAppleに例えるけれど根本が違うように思います。
Appleは完全秘密主義で全く独自の排他的価値観を持った商品を類似商品と比べ割高な価格設定で販売していますが、Blue Bottle Coffeeは違います。
お客やお店や他の焙煎所にでさえ美味しいコーヒーに関する知識をオープンにし、共有する姿勢が特徴で当初からの伝統であります。
ですからビジネスの根本理念が本質的な部分が違うと感じます。これはAppleに対する否定感を述べているわけではありません。単に「違う」です。因みに私のパソコンはMacです。
さて、そんなBlue Bottle Coffeeは大幅な増資をし、受け入れた資金で高品質な豆の安定した調達ルートを確保。更に、美味しいコーヒーを作り上げるまでの様々な知識の集約化も出来てきて、そうした土台を築きあげたうえでの新たな店舗展開として、念願の日本進出が実現しました。
フリーマンCEOは日本のコーヒー文化を高く評価していて、自社自国のコーヒー文化と日本のそれを融合させる事が、より一層のビジネス発展につながると考えているようです。
だからかならずしも海外戦略という目的を前面に出しての日本出店ではなかったわけです。
初めての日本出店で大きな反響があったわけですが、今後の出店予定は3月に青山店がオープン。また代官山の新しい商業施設「LOG ROAD DAIKANYAMA」での出店も決まっています。
さらなる出店も考えているようで、フリーマンCEOが大切にしている基準は「その環境がBlue Bottle Coffeeらしさを表現できるかどうか」だそうです。
はたしてBlue Bottle Coffeeは日本で成功するでしょうか? アメリカと日本では味の好みが違うでしょうし、蓄積してきたノウハウは日本の気候風土や水でも再現できるのでしょうか?
それに今はコンビニで100円出せば、相当美味しいコーヒーが飲める時代です。
困難は伴うでしょうがフリーマンCEOが大切に育ててきた、必ずしもビジネスライクではない文化が根付けばいいな、と個人的には願っています。
コメントを残す