おせちのネット通販で酷い目に遭わない・失敗しない方法を考えてみようというのがこの記事の趣旨です。
おせちをネット通販で購入した結果、残念だったという意見がたくさん見受けられます。なにがそんなに残念だったのか?
その一部を紹介しますと・・・
- 「お届け日」を指定できなくて、年末スケジュールが決まってからお届け日を知らされたので非常に困った
- 年内に届かないばかりか勝手に注文がキャンセルされていた
- お重の中が呆れるほどスカスカだった
- 盛り付けの工夫がなくきちっと詰まってないから、バラバラぐちゃぐちゃになっていた
- 販売サイトの商品写真と届いたものがあまりにも違いすぎて唖然とした
- 食べてみると非常にしょっぱくて難儀した
- 煮汁がお重の中に広がって影響しあい味や匂いがひどいことになっていた
- 高級食材が販売サイトの写真と全然違うものだった。(アワビがトコブシに、伊勢海老がよくわからないエビに等々)
などなど。多くの方が情けない経験をされているようです。
でもね、ちょっと考えてみるとわかることですが「事前に大量製造の上冷凍し、ネットで注文を取り、運送業者に配送してもらう」という仕組みそのものがリスク含有しているのですよ。
いやいやいや、そんな結論いらん。
どうしてもネット通販に頼らざるを得ない人もおられるわけで、そういう方に有益にならなきゃ、こんな記事意味ないじゃん。
ま、ま、そう結論を急がずに。当然持ってゆくべき方向はわかってます。
しかし、繰り返しますが、ネット上の注文でおせちを受け取る方法自体に特有のリスクがあるのは間違いありません。ということは、出来るだけそのリスクを避けるようにすればいいのです。
そこでこの記事では、ネットで無難におせちを購入する方法・ヒントとともに、実世界での購入についても少し考えてみます。
目 次
口コミとランキングを選択基準にはしない
失敗しないためのとっても大切な心得その1
ものすごく多くの方が口コミとランキングを参考にしておられます。これをやめましょうという提案です。
多くの方が有力な判断基準だと信じているのですが、でも、本当にそれでいいのでしょうか?
私はネット上で何かを購入する場合、そもそも口コミやランキングを参考にしたりはしません。当然です、信用できないのですから。
あなたも経験ありませんか? 口コミ・ランキングを信じてネット購入し、しかし、実際に届いて使ってみたら(食べてみたら)抱いていたイメージと全然違う。がっかりした。
これね、今まで頼り切っていた場合は、よほど意識しないと判断基準から外すのは難しいかもしれませんよ。
ただし・・・全てを完全に否定・・とまでは言えなくて、読み方次第で使える場合もあるかもしれません。
口コミとランキングの本質的存在理由
そもそも、「口コミ」はステマも含むマーケティングのとても基本的な戦略・手法です。
企業が望む理想的な口コミの広がり方があるのですが、現実はなかなかそうならない。だから都合の良い口コミの広がりを狙って戦略的に事を進めるのです。
それ自体は、あくまでも戦略であって批判の対象にはならない、という事なのでしょうが、その実、ステマが入っているかどうかは私たちにはわかりません。
いずれにしても、「口コミ」の本来あるべき姿である「自然発生的」なものでは、もはやないと考えるべきです。
同様に、ランキングサイトも恣意的に歪められていると判断するのが無難です。ランキングを作成する側には必ず利益・収益に繋がるような目的があり、サイトはその手段にすぎません。
ネット通販専門業者に注文しない理由
失敗しないためのとっても大切な心得その2
ネット上で販売のみを業務としている会社からは購入しないことが大切です。
どのサイトも写真中心の構成で見栄えが良く華やかですね。しかも、「料亭〜監修」なんて文字も踊ってます。
ご覧になっててわくわくしますか? でも、サイトの華やかさや踊る文言に関係なく、通販のみを専業としている業者には注文しない方がいい、というのが私見です。
果たして、そう考える理由は?
料理に直接関わらないで、というか、そもそもが食の業界と何の関わりもないネット流通だけを専業とする業者には、元々料理に対する責任の取りようがないと私は考えています。
そういった業者に電話で不具合に関するクレームを言っても、満足するような回答が得られないという口コミが多いのは、それはしょうがないことだと思うのです。
また、製造〜購入のプロセスに一社余計に挟むだけでややこしくなる確率は上がるし、当然そこにかかる経費は上乗せになります。
必ず誤解が入るので一言添えますが、ネット通販専業者を悪くいっているのではありません。
それはそれで一つの業態です。広く経済社会に認められて業歴を積んでいるところもあるわけですから。
それに、流通業者(或いは同様のプラットフォーム)が間に入る事によって、小さな製造業者も容易なネット参入が可能になるというメリットもあります。
ただ、再度申し上げますが、今回のケースでは中間業者はないほうがいいと私は考えます。
料亭〜監修の「監修」とは?
ネット通販専門業者のサイトにはほぼ必ず「料亭〜監修」って文字が踊ってます。そしてお店と店主の写真。
あなたはこれを見てどんな解釈をなさってましたか? 料亭の味を伝授されたOEM工場がつくったとか・・・。
さっぱりわからなかった私は、過去に行ったことのある料亭二件に電話をして聞きました。
そしてわかったこと。両店ともほぼ同じ答えです。要約すると・・・
- 料亭の味とは何の関係もないし製造会社にはレシピも教えていない。
- 提供された料理を料亭の方で味見して、販売するに足ると判断した場合はOKを出し店名を使ってもらっている。
ただそれだけのことだそうです。改めて通販サイトをご覧になってください。なんと違和感のあることか。
要するに、「料亭〜」という名称を使いながら料亭の味ではないということですね。大事な事なので何回か聴き直しをしました。
ちなみに、両料亭が直接おせちを作れば、三段で10万円前後、五段で20万円前後です。
年末の仕入れ値高騰の折、最高の食材を使い、これだけの品数を料亭の味そのものに手間暇かけて仕上げて詰めれば全然高くないとのことです。
まぁそういうことですが・・・
ちょっと言いにくいのですが、上記のような料亭の名義貸しのような慣習はどう考えてもいいとは思えません。勿論私がどうのこうの言える立場でないことはわかってますが・・・。
以上、私が過去実際に行って食べた料亭のお話です。それ以外のところはわかりません。全て電話するわけにもいかないので。
製造直販業者に注文するのがよい理由
失敗しないためのとっても大切な心得その3
究極的にはこの方法しかないと考えています。いちばん間違いのないハズレのないおせちをネットで注文するなら製造直販業者に直接予約を入れるしかないでしょう。
直販だと販売会社を挟まないから明らかに総コストは下がります。なので、同じ価格のおせちでもよりよいものになる可能性があります。
リスクについてはどうでしょうか?
製造直販業者から買ったおせちが、実績あるネット通販業者から買った場合との比較において、特段リスクがないかどうかは必ずしも断定はできません。
しかし決定的に違うのは、例えリスクは50:50であっても、料亭なら実店舗を構えて年中直接料理を提供しており、片や、製造工場はおせち料理に限らず、給食や慶弔料理などを年中自社の工場で作っています。
こういう会社はクレームに対する反応が違うし対応が違います。
料亭も料理製造工場も場所に縛られるし、逃げ出すことが出来ません。
なので地域社会でクレーム内容や対応不備などの噂が広がると、最悪の場合、経営の継続が難しくなる可能性もあります。
更に、慎重な対応をしようとするわけは、監督官庁の管理が厳しいからです。飲食業界がコロナ対策での命令を嘘のようにみな守ってたでしょ。事業生命がかかってるからですよ。
ということで、製造直販業者に直接予約を入れるのが、ネットでおせちを購入する方法としてはベストだと思います。
ネット購入に付随するリスク
でも、ネット購入のおせちには、いかなる先から購入してもネット特有のリスクがあるので押さえておきます。
年末配送リスク
運送業者が年末の気狂いじみた忙しさの中配送してくれるので、それ自体が避け得ないリスクです。予期しないアクシデントの発生は予め含んでおくべきです。
解凍リスク
もう一つのネット注文でよく理解しておくべきは、ほとんどが冷凍状態で送られてくる事です。
冷凍おせちは解凍しなければ1ヶ月程度は持つと多くのサイトで説明されてます。でもそんなこと言っても必ず解凍するので、消費者サイドからすれば、実質的な日持ち日数が延びるというわけではありません。
そうではなく、冷凍の持つ意味は、発送日よりずいぶん前から製造できるという点で、これがメーカーにとっての最大の利点であるのです。
冷凍おせちにおけるリスクは解凍の失敗です。失敗すると悲しいおせちを食べることになるかもしれません。冷凍カニなんかで経験したことありませんか?
冷凍おせちを美味しく食べる方法
- 冷凍おせちはアクシデントがなければ年内に到着するので、年末以前に到着したらそのまま冷凍室保存しておき、30日夜に冷蔵室に移しておく。年末に届いた場合はそのまま冷蔵室に入れておく。
- 冷蔵庫で解凍するのに要する時間は多くの場合24時間程度なので、年末に届いた場合は元旦の夜から食べ始めるのが無難
- 元旦は、食べる1時間くらい前に冷蔵庫から出しておくと、冷え冷えの料理を食べなくて済む
- 三が日で食べ終わるようにし、特に、なますなどの汁気の多い料理や煮豆類は早く食べ切る
- 電子レンジ使用は避ける
冷蔵おせち
冷凍おせちとは別に、製造直販の冷蔵おせちというものが、非常に少数ながらネットから注文できます。
この最大の特徴は消費期限です。製造日を含めて四日間と決められています。業者サイドではなく行政側が決めている事なので必ず一律四日となります。
つまり、12/30に製造発送し、12/31に届いたおせちは1/2が消費期限。
個人的には、ネットで購入するなら冷蔵おせちが一番かなと考えます。冷凍技術が進んでいるとは言え、調理した翌々日に食べられるのは、とても魅力的です。
1/2が消費期限なら1/3以降は食べられないのか?
じゃあ1/3は食べられないのか? と問えば、そうとは言えないが、食べるのであれば自己責任でどうぞ、というのが答えです。
この点につき、製造直販業者(上記の料亭とはまた別のところ)にお聞きしたら、事業上言えはしないが「私と私の家族なら1/3でも1/4でも食べますよ」と仰ってました。はい、そういうことです。
直販の製造会社や料亭を探す方法
先に、口コミやランキングはマーケティングやアフィリエイトにつながっており、真っ直ぐに信用はできないとお話ししました。
じゃあ、どうやって安心できる直販の製造会社や料亭を探すかですが、まずはやっぱり「検索」が鍵でありスタートです。
例えば「おせち」「製造直販」と二つのワードを検索窓に入力して検索をかけます。
そうすると検索結果が表示されますね↓。
一番上の写真は広告なので無視。以下の表示を一つ一つ眺めると、製造直販でも販売相手がホテルやレストランなど、個人ではない会社も多いので、それらもパス。
そうすると・・・
- 二段目:リピーター続出!最高級生詰めおせちのお取り寄せ通販
- 七段目:株式会社 福膳
- 八段目:2022年のおせち料理特集|おせちの通販なら銀の森
- (少しスクロールして)十段目:【公式】ワンピースおせち【通販おせち料理・12/31お届け】
こんなところでしょうか。案外見つかりますね。
次に「ここのおせちなら大丈夫でしょう」という安心を得るために幾つかの確認事項を申し上げます。
ネット上の説明:なんといってもまずはおせちそのもの。写真や説明書きを見る。直販の確認。そして購入候補にしようと考えたら次へ。
お届け日:指定できない場合はパス
「会社概要」「特定商取引法に関する表示」:絶対に確認する。店舗工場確認↓にもつながる。
店舗工場の確認:料亭にせよ工場にせよその実在を確認。Googleマップに社名や住所を入れて写真表示して確認。もし料亭でも工場でもなく、単なる事務所しか見えないなら電話で確認。
業歴:特に基準はないが、20年以上の業歴ならOK。
疑問事項の問い合わせ:最後に電話で、調べている過程で出てきた疑問点を確認。これは、単に不明点を明らかにするだけでなく、対応の質も確認。
以上のようなプロセスを経て、納得がいったら予約します。不明点・不安点・不満点をかかえたままの予約はNGです。
さて、ここまで自分で調べて且つ確認までしたら、流石に納得して予約できるのではないでしょうか?
「お取り寄せ」を電話で確認
上の、「二段目:リピーター続出!最高級生詰めおせちのお取り寄せ通販」の「お取り寄せ」が引っかかったので電話で確認しました。
仰られていたのは「7割自社で3割は外注で。なので完全自社製造ではないのです」。いやいや、7割自社製造で、且つ、100%自社詰めでも、そう表現するのかなぁ〜・・と個人的には思います。
不満を伝えるためにすべき事
注文したおせちに不具合があり、製造工場や料亭にクレームを申し入れる時に備えて写真を残しましょう。
おせちが到着しドアを開けて受け取ったら、冷蔵庫に入れる前に写真を撮っておきましょう。この際重要なのは、商品の向きの指示書を貼っているかですね。
逆さまに配送されそのまま冷蔵庫に入れて、いざ開けてみて、箱の底が上だったなんてことになったら、もうそれだけで萎えますよ。この状態もしっかり写真。
また、蓋を開けて手付かずそのままの状態も必ず写真です。例えば、もしスカスカでお重の半分が空気なら、この写真があるだけで「サイトの写真とは似ても似つかぬインチキ商品じゃないか」という言葉にとんでもない重みが付加されます。
まとめ
この記事は、おせちのネット購入でひどい失敗をし、がっかりした口コミをたくさん読んだことに端を発しています。
じゃあ、酷い残念な思いを出来るだけしないような注文ってどうすればいいのだろうか? ここにスポットライトを当て、私なりの答えを出し説明して参りました。
ここまで読んでくださったあなたに感謝いたします。
上に詳しく述べました通り、ネット世界で真実或いは信ずるに足りることを探すのは容易ではありません。
なので、非常にめんどくさい手続きを踏む必要性が出てくるのです。ね、読んでてめんどいな〜と感じたでしょ。
でも、この記事通りに実践されれば、ずいぶんリスクは軽減されるはずです。また届いた商品に不備があっても、それを告げればそれなりの対処をしていただけるでしょう。
それから、本文中ではお話ししなかったのですが、近所のスーパーや百貨店或いはデパ地下のお店で予約されるのも手堅い方法だと考えます。
たしかに、これらのほとんどは自前で製造されてはないでしょうが、地元にある店での対面注文は意味するところが大きいです。(大手スーパーでネット注文可であってもお店で対面注文をする事)
そして注文する際に必ず聞いておきましょう「商品に不具合があったときはどのようにお話しすればいいですか?どのように対処してもらえますか?」
もし電話でのみ受付するというような態度ならそこでの予約は避けるのが賢明です。
最後に、
今回三件の会社に計4回電話でお話をお伺いしました。こちらは鬱陶しいことを事細かに質問しているにもかかわらず、四者とも実に丁寧に真っ直ぐに答えてくれ、頭が下がりました。
もう一つ、
話の中で一般論として教えていただいたのですが、料亭は名義貸しだけではなく、実際に百貨店などに直接おせちを卸す場合もあるそうです。
しかし、望まれる客単価や注文個数の点から、お重の中の多くを協力製造会社に委託するのは仕方がないことだそうです。
販売側は、それでも、どうしても料亭の冠が欲しいのでしょうね。・・・悩ましいところです。
以上で記事を終わります。
どうか、上手におせちを注文してくださいね。
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