退職の挨拶メールのマナーを踏まえた書き方【相手別例文も】

退職の挨拶メールが持つ意味

一言で退職すると言っても、その原因・理由は様々です。

  1. 定年まで勤め上げて退職する場合
  2. 転職を決めて退職する場合
  3. 会社側の都合や評価によって退職させられる場合
  4. 揉め事や喧嘩が原因で退職する場合
  5. 結婚・出産が理由で退職する場合

ホント、退職には実に様々な理由があります。

そして退職理由の如何を問わず、よほど特殊な事情があったり悪感情を持っていたりしない限り、関係者や周囲の人たちにお礼や感謝の気持ちを表すものです。

そこでこの記事は、それをメールで行う場合には何に気を付けてどういう文章にしたら良いかをお伝えするために作成しました。

 

日本には昔から・・・

  • けじめをつける
  • 立つ鳥跡を濁さず

などという言葉があり・・・

去りゆく者は引き際を清く美しくいさぎよく

という、おそらくは日本人独特の美意識が心深く根付いています。

なので、こういうベクトルに合わせたメールを作成・送付することは、実はそれ以後の自分にとっても極めて重要です。

 

また、別れ際の印象は人々の記憶に残ります。

職場の人たちや取引先の担当者の方は、一通のメールの有無やその内容で「最後までキチッとした人だったなぁ」とか「挨拶の一言もないのか、まぁ所詮その程度の人だな」などと思うかもしれません。

ね、最後のご挨拶メールは大切でしょ。

では、誰に対してどんな内容の文章をどんなタイミングで送れば良いのでしょうか。具体的にお話ししていきます。

 

 

送付するタイミング

最終出社日までの残された時間内に、誰に直接挨拶をして、誰にメールをするのか?

社内事情で変わるのでしょうが、一般的には、特に関わり度合いの深かった人やお世話になった(元)上司などには、出来れば直接のご挨拶をしたいです。

それは取引先に対しても同じで、引き継ぎを兼ねて直接訪問しご挨拶ができればそれに越したことはありません。

しかし当然ながら、時間との兼ね合いもありどこかで線引きをせざるを得ません。

なので、最後のご挨拶をメールでする場合が出てくるわけですが、まずは送付の適切な時期についてお話しします。

 

社内

これは社則や慣例があればそれに従います。よくご存知のように、日本の組織には得てして独特の習慣みたいなものが存在します。

社内にそういったものがあるならそれに従うのが大切です。もし従わず違和感を持たれたら、つまりそれは良感情ではないわけであり、メールに持たせたい意味合いを大きく削ぐことになります。

もし、従うべき社則や習慣がない場合は、最終出社日の退社1〜2時間前に送信します。(勿論必要な社内引き継ぎなどを全て終わりあとは挨拶だけ、という前提です)

1〜2時間前の意味するところは、皆さんに対する配慮です。つまり、忙しい日中を避け、多くの人が退社する近辺の時間、ホッとするであろう時間という意味です。

一方、あまりこだわる必要性を感じない社風であれば、3〜4日前に送付しても問題はないでしょう。

その辺は職場事情や勤務時間帯によって大きく左右されます。大切なのは、メールするタイミングを決める思考の底にある基本的な配慮の心得です。

 

一方、タイミングとして絶対ダメなのは、例えば、退職について会社側と意思が一致していないような時に出してしまうことです。

会社側から引き留め工作を受けている時に、「俺はもう辞めると決めたんだから」と一方的な思いでメールするのは非常にまずいです。

もちろん、退職後どう思われようと構わないし人脈もいらない、と考えるなら、なんの配慮もいらないし好きにすればいいでしょう。

 

社外

社外とは、得意先や仕入れ先などの取引先を指します。

社外へのメール送付のタイミングは、社内のそれとは考え方が根本的に異なり、迷惑をおかけしないことが大切です。

ということで、後任者が挨拶にお伺いする前に出しておくことが肝要です。

 

そうすることで、

  • 現在の担当者が退職すること
  • 後任の〜が挨拶に伺うこと

が事前に情報として伝わります。

もし万が一、後任者挨拶訪問とメールの順序が逆さまになってしまったら、相手には否応なしにマイナスの印象を与えてしまいます。

「最後すらきちんと出来ない人だった」と思われるだけならまだしも、それが原因で勤務先の評価まで下げられることになったら本当に大変です。

以上で送信のタイミングのお話は終わり、次に、送信方法について解説します。

 

 

メール送信の方法

個別に送信するケースとグループ送信するケースに分けられます。

お世話になった思いや感謝の気持ちが強い場合、また特別な感情や思い出がある相手には個別にメールするのがいいかもしれません。

でも、退職日に最後の謝意をあらわすメールとしては、誰に対しても差し障りのない文章で一括送信しても問題はないと個人的には思います。

むしろそのほうがいい場合もあるでしょう。

個別に気持ちを表明したい場合は、退職日までに直接伝える方が(そうできるのであれば)良いという考え方もあります。

 

CCとBCC

さて、メール送信に精通している方はいいのですが、一括送信に際しては気を付けるべき点があります。

それは、誰に送ったかを受信者がわからないようにする配慮を施しておく、ということです。

 

さて、メールの宛先入力には3つの種類があります。

  1. TO(宛先):1名(1社)に送付する場合に使う。手紙・はがきの宛名と同じ。但し、宛先欄に複数の受信者を入力することもできる。この場合、受信者は他の受信者を知ることができる。
  2. CC(Carbon Copy):「宛先」以外の複数人に同時送付する場合に使う。各受信者は誰に送られたかがわかる。
  3. BCC(Blind Carbon Copy):CCと同様に複数人に対して送付する時に使う。CCとの違いは、受信者が自分以外に送られた人を確認することができない点。

以上から、退職時の挨拶メールの一括送信にはCC若しくはBCCを利用することになりますが、送付された人同士が解っても良い場合とそうでない場合を使い分けてください。

そうしないと、後で「あの人には送られたのに私には届いてない」みたいな話題が出ないとも限りません。(BCCで送付してもそういう話題が出る可能性はありますが、手法として覚えておいてください)

 

グループ

もう一つ、メール送付の際のテクニックですが、ご存じない方はこの際覚えておいてください。

メール送信の際、宛先に入れるアドレスは、普通、自分の住所録アプリの中から探して貼り付けます。

もし住所録アプリに多くの登録をしている場合は一件一件探すのも大変です。

 

なのでこういう場合は、登録者を予め幾つかのグループに分けておいてそのグループからCCなりBCC欄に貼り付けるのが合理的です。

Macであれば、純正の「連絡先」アプリを立ち上げると、真ん中下に「+」ボタンがあるのでクリックすると「新規グループ」があるのでクリックして作成します。

但し、気を付けなければいけないことが一つあって、iPhoneでは純正「連絡先」アプリにグループを作る機能はありません。

iPhoneの「連絡先」アプリで同様のことをするためには、iCloudで紐づいたMacかPCで操作する必要があります。

 

 

メール文作成上の注意点

メール文作成上、注意しておくべき点です。いずれも大切なポイントなので参考にしてください。

社内向け

  1. 件名:メールのタイトルは一目見て「誰からのメールか?」「用件は何か?」がわかるようにする事が大切です。これをきっちり守ればスルーされることはありません。
  2. 退職日と退職理由:必ず両方とも書きますが、退職理由は「一身上の都合で」のように具体性を持たせないのがコツです。特に一括送信の場合は「差し障りなく」が一層大切です。
  3. 思い出:社内で共有できる(差し障りのない)思い出があるなら短文で入れてもいいですが、個別の相手へのメールでそうした方がいいです。
  4. 謝意:お礼の言葉は特に大切です。心のこもったお礼を文字にします。
  5. 退職後の連絡先:退職後の連絡先は入れるべきです。退職後しばらくは実務的に必要な場合もあるでしょうし、積極的に連絡先を明かすのは「今後ともお付き合いしてください」という前向きな意味も含まれます。

 

社外向け

  1. 件名:「社内向け」と同じ
  2. 退職日と退職理由:「社内向け」と同じ
  3. 後任者について:「最後のお礼」メールではなく、引き継ぎ訪問ができない事がメールを出す理由の場合は、後任者について氏名と簡単な紹介、そして引き継ぎ文言を入れておく必要があります。
  4. メールを出す時期:後任者が一人で相手先に行く場合は、必ず絶対にそれより先にメールを出す必要があります。そうしなければ相手先は困惑するし、あなたに対する評価はガタ落ちになります(それは勤務先にも悪く作用する)。
  5. 退職後の連絡先:社内向けとは違い退職後の連絡先は記入しないのがビジネスマナーです。あくまでも会社の人間として接していたわけですから。退職後、変に元勤務先に疑われる可能性もありますし。

 

 

例文(社内向け)

ここでは、相手別の例文を載せます。

社内一括送信用

件名:退職のご挨拶(藤原優)

企画部営業企画課の藤原優です。

この度私は一身上の都合で退職することになりました。
本日が最終の出社日なので、最後のご挨拶をとメールさせていただきました。
お一人お一人に直接お礼ご挨拶を申し上げるところではありますが何卒ご容赦くださいませ。

入社以来20年間という長い月日にわたり皆様には大変お世話になりました。
不束な私が今までなんとかここまで勤めてこられたのも一重に皆様のおかげです。
改めて深くお礼申し上げます。

退職後はまた新しい一歩が始まりますが、皆様とともに頑張った経験が必ず役に立つと信じ努力してまいる所存です。

ここに退職後の連絡先を書き置きますので、また何かの折にはご連絡くださいませ。
メールアドレス:abbcc123@cmail.com
携帯番号:090-9876-5432

末筆ながら、皆様が今後ともご健康でご活躍されることを心よりお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。

 

 

女性の結婚・出産を理由とする退職一括送信メール

文章作成の基本的な考え方は上記例文と同じです。でもこの場合は退職の理由を添えたほうがいいです。(社内の雰囲気にもよるが)

「この度10月に結婚することになり」とか「10月3日に出産を控え」とかですね。

また、言い回しも柔らかいもので統一した方が女性らしさが出ていいと思います。

 

ご挨拶の「ご」はおかしいか?

全然おかしくありません。

「あなたからのご挨拶」の「ご」は尊敬語。一方、「(私の)ご挨拶」の「ご」は謙譲語としての使い方です。

 

上司向け

個人的にはですね、強い感謝の気持ちは可能な限り直接表したいので勤務地が違っても可能であれば赴くし、それが叶わない場合は電話にします。

でも、いろんなシチュエーションがありますからね。メールなら以下のように書きます。

件名:退職のご挨拶(藤原優)

中野部長失礼します、営業企画課の藤原優です。

実はこの度、一身上の都合で退職することとなりました。
本来であればお伺いすべきところでございますが、メールでのご挨拶をお許しください。

早いもので入社以来20年、中野部長のもとで5年間勤めさせていただきました。
転属後、特に最初の3年間は直接ご指導を賜り、非常に多くのことを学ぶ事ができました。

とともに、今まで陰に陽に支えてくださったおかげで今日まで大過なく仕事を全うする事ができました。
どんなにお礼を申し上げても過ぎることはございません。

明日からまた新たなる一歩がスタートしますが、中野部長の下での経験とご鞭撻を糧に前進していく所存です。

末筆ながら、中野部長のご健勝と企画部が輝き続けることを衷心より祈念申し上げます。
本当にありがとうございました。

(退職後の連絡先を伝えてもいいような関係であれば書き添える)

 

 

 

例文(社外向け)

件名:退職のご挨拶(F&Y株式会社 藤原優)

GoGoザウルス株式会社
商品開発部
吉永部長(様はつけない。つけたい場合は「商品開発部部長 吉永様」とする)

いつもお世話になりましてありがとうございます。
F&Y株式会社の藤原でございます。

私事で大変恐縮ですが、この度一身上の都合により10月12日をもって退職することとなりました。
吉永様にはいつも格別のお力添えをいただきまして心より感謝いたしております。

後任につきましては、同じ営業企画課の田中一志が務めさせていただきます。
後日改めて田中がご挨拶にお伺いいたしますので、変わらぬご指導をよろしくお願いいたします。

末筆ながら、貴社の益々のご発展と吉永様の更なるご活躍を衷心よりお祈り申し上げます。
本当にありがとうございました。

 

 

 

まとめ

この記事では、退職の挨拶をメールでする場合の注意事項や文例を載せました。

メールで挨拶とはいえ、組織の規模や伝統、社内外との付き合いのあり方や取り巻く空気感によって、その内容は微妙に変わってくるはずです。

全て一括送信で良い場合もあれば、一括はなかなか難しいケースもあるかもしれません。

取引先についてはこんなご時世です、あなたの退職とともに整理する先が出るかもしれません。そういう意味では対外挨拶メールは出す前に上司に一言相談が必要かもしれません。

 

申し上げたいのは、それぞれに環境は千差万別なのでご自分の環境に適した文面や送付方法を取ってくださいということです。

また、文例に関してはあまり色はつけず平均的にしてあります。状況に応じて可能であれば自分色も乗せてください。その方がいい場合も当然あるでしょう。

あくまでもケースバイケースですが、基本を踏み外さなければ、絶対に全てを金太郎飴にする必要はないと思います。