iPad Pro 12.9 第5世代(2021) 異次元の魅力をレビューする



2021年5月に新しいiPad Proが発売されました。11インチと12.9インチの二種類がありますが、この記事では12.9インチにフォーカスしてレビューしていきます。

で、今回の新モデルですが、はっきり言ってiPadの完成形といっても過言ではないです。それくらい足腰がしっかりした驚愕のスペックです。

いや〜ホント来るとこまで来たって感じますね。頭脳もディスプレイもコネクタも。

では、なにがそんなに凄いのか・・以下に述べていきます。

M1チップを搭載

最新モデルのMacは、Mac Proを除き、全てM1チップを搭載しています。これらと同じM1チップを最新のiPad Pro 12.9にも搭載されました。

つまり、Mac Book Air・Mac Book Pro・iMacと同じCPU・GPU・Neural EngineをiPad Pro 12.9にも積んだのですよ! Macと同じものをですよ!!

もうiPad ProはMacの格下ではない!! まさかこんな日が来るなんて感激です。

 

では、iPad Proに搭載のM1チップの実力が実際どんなものか、ベンチマークで比較しましょう。

CPU平均ベンチマーク(GeekBench5)

  • (M1搭載)iPad Pro 12.9(2021):シングルスコア1718・マルチスコア7284
  • (A12Z搭載)iPad Pro 12.9(2020):シングルスコア1121・マルチスコア4656

グラフィクス平均ベンチマーク(GeekBench5)

  • (M1搭載)iPad Pro 12.9(2021):20,578
  • (A12Z搭載)iPad Pro 12.9(2020):9913

どうです? たった1世代違うだけでこうも実力差がつくものなんですね。びっくり仰天です。

また既に、M1搭載のMacのスコアも出てますが、M1搭載のiPad Pro 12.9と似たり寄ったりです。まぁ当然ですね、同じプロセッサなんだから。

 

体感的速度変化

大切なのはこっちですよね。

この一年強はiPad Pro 11 第2世代を使ってました。で、昨日最新12.9インチモデルが来たので早速いくつかのアプリで遊んでみました。

来たばかりのiPad Pro 12.9はファイルのダウンロードはほとんどされてない状態です。

  • EverNote:クリッピングした記事を幾つも開きスクロールした
  • Pro Create:描きかけのデッサンの続きをレイヤーを追加しつつ描いた
  • KeyNote:作りかけのスケジュール表を作成した
  • Affinity Photo:写真を合成したりエフェクトをかけたりした
  • LumaFusione:作りかけの動画作成の続きをやった

とりあえず、以上のようななことをやってみました。オタク的な負荷かけ遊びは全くやってないのですが、明らかにキビキビと動作しているのを実感しました。

連続操作の中での体感は言葉にしにくいのですが、結論としては、あきらかに11インチ(2020)よりもキビキビしています。

元々LumaFusionの動画編集作業は重いので、相違体感という意味ではこれの操作が一番分かりやすいです。一瞬もたっとする感覚がほぼなくなりました。

 

Liquid Retina XDR

今回のiPad Pro 12.9の進歩はディスプレイにもあらわれており、Mac Pro用の60万円デスプレイに採用されているXDR技術を取り入れています。

そしてバックライトとして非常に小さなLEDをびっしりと敷き詰めて、コントラスト比を100万:1、またピーク時の輝度は1600ニトを実現しています。

その結果、暗いところはより暗く、明るいところはより明るく、また、色の移り変わりが非常に美しくなったのです。

 

例えば、高解像度の写真で夕日・朝日を含む風景を見た場合、太陽からその周りの色の変化、グラデーションが、確かに綺麗に表現されてます。

また、暗い夜の街角で街灯だけの灯りなんて写真の場合、暗いところも明るいところも11インチ(2020)と比べると、かなりはっきりと違いが認識できます。

もちろん凄いのですが、拡大してその部分をよく見てわかる程度です、私の場合。

また、11インチ(2020)と並べて同じ絵を普通に見てる分には、正直、ほとんど違いを感じることはありません。てか11インチ(2020)もめっちゃ綺麗。

(追記:記事アップ以後、4kの動画を11インチ2020と比較したのですが、輝度を100%にして見ると、これは明らかに12.9インチ2021が綺麗です。特に夜の明暗がごまかしがなく、くっきりとメリハリがあって美しい。11インチ2020で十分綺麗と思ってましたが、やっぱり違う)

(追記の追記:ここに記すべきではないのですが画像とセットということで。音が格段によくなりました。なので、例えばiPadで映画見たりする方には画面の大きさといい音の迫力といい最適です。)

 

ただ、プロのカメラマンなんかは実感として高く評している人もいますね。

 

あと輝度が上がったので、外で作業をするときのはっきりくっきりが完全に実用的になりました。これはわかりやすいです。

 

 

Thunderbolt

コネクタがThunderboltに対応し、伝送速度が上がりました。

データサイズの大きな写真を扱うプロ写真家や、容量を食う動画の編集者にとっては大きな朗報ですね。こういう業種の方々は外付けディスクがないとやってられないし、その転送スピードは非常に大事です。

また、Appleの説明では、あのPro Display XDRを6kのフル解像度で動かせるとあるので、やっぱりThunderbolt最強ですね。

一つ注意点ですが、Thunderboltの伝送速度を実現するためには接続先とコードが全てThunderbolt仕様でなければダメだ、という点です。

これは結構大事な点で、見た目はusb-cで中身はわからないということがよくあります。

➵ usb-cとthunderboltの違いはこちらの記事で確認してください

 

 

 

センターフレーム機能

新しく搭載された超広角カメラと技術でiPad Proはあなたを追いかけてくれます。

つまり、FaceTimeやZoomなんかでiPad Proの向こうにいる人と話をしている時に、例えあなたが動いても常に追いかけて画面の中心に置いてくれるのです。

また状況を把握して、あなたともう一人写っているなら二人が画面に入るように自動調整され、或いは、ビデオ通話に人が出入りすると、そのタイミングで拡大・縮小を自動でしてくれます。

FaceTimeで簡単に実験ができるので、一度あなたもやってみてください。よく出来ていると感心されるはずです。

 

 

5GとWi-Fi6に対応

通信はこういったデバイスの命ですから高速であることに越したことはありません。

しかし、Wi-Fi6は実感できるとしても、5Gはインフラ整備がまだまだ追いついてないので、今のところは極一部の方以外は生かせないかも。

 

 

Apple Pencilとの相性とキーボード

言うまでもなく抜群です。

去年買った11インチでも十分書き心地はいいのですが、新型12.9インチは、より一層もうこれ以上やりようがないでしょってくらいヌルヌル。

そしてApple Pencilを利用する上で、非常に大切なのはあなたの手に合う保護フィルムの選定です。これ気に入ったのをつければ、本当に幸せになりますよ。

私はこれを使ってます。過去色々試したけど自分的にはこれが一番。↓(購入したフィルムとケース)

 

それから、キーボードですがこのタイミングでホワイトのMagic Keyboardを出してきましたね。まぁ普通に惹かれる。

 

ただ、11インチ用のトラックパッド付きキーボードを一時使ってたんですが、結論としては、Apple Pencilオンリーの方が作業しやすいです。

例外としてはLumaFusionで作業するときはキーボードでショートカット打ちまくるので、この場合は逆にキーボードがないと作業が遅くなります。

う〜ん、結局、使うアプリと好みの問題でしょうか。

 

 

ストレージ

11インチ・12.9インチとも一緒で・・・

  • 128GB
  • 256GB
  • 512GB
  • 1TB
  • 2TB

と選択肢が増えており、メモリについてはストレージ容量1TB未満が8GB RAM、そして、1TB以上が16GB RAMとなってこの辺も抜かりなしですね。

しかし、組み合わせ次第ではえらい高額(最高279,800円)になるので、作業内容と財布状況によりますか。

 

 

大きさ・重さ・価格などの比較

最後に、Appleの「iPadのモデルを比較する」サイトで・・・

  • 12.9インチiPad Pro(第5世代)
  • 11インチiPad Pro(第3世代)
  • iPad Air(第4世代)

の3機種のスペック一覧を作成していますので一度ご覧ください。(↓リンク貼ってます)

 

まとめ

新型のiPad Pro 12.9についてまとめてみました。物凄く基本性能を上げた結果、どんな作業も軽快にできる仕様となりました。

しかし、ここまでもハイスペックって誰に向いているの?って話ですが、多くの場合はもっと安いiPad Airで十分間に合います。(Airならカラバリも楽しめる)

学生さんが教科書や参考書そしてノートも全部iPadでというようなニーズなら、無印でも全く問題を感じることはないでしょう。(GoodNotesがオススメ↓)

➵ GoodNotesの詳しい記事

 

新型iPad Pro 12.9はハードスペックが高すぎて、見合うソフトがほとんどないともいえます。今のところは、LumaFusionのような動画編集ソフトくらいか。

あと、色に拘るプロカメラマンが扱う写真のレタッチや複雑でレイヤーをたくさん使うイラスト・図形アプリなんかも恩恵を得られるでしょう。

 

そしてちょっと意味は違うのですが、「是非とも12.9インチに」とお勧めしたいのが楽器奏者。今年度の新製品ではなくていいです。(もしほんの僅かでもページ送りのスピードが気になるならやっぱり最新がいい)

私はピアノで11インチを使っていました。全然問題なく読めるには読めるのですが、ただ、例えば、どの曲も初見からしばらくは指番号が小さすぎて何度も確認したりします。

その点12.9インチなら、ほぼ本当の楽譜の大きさなので実に読みやすいです。気が楽です。

逆に目が良ければ、12.9インチを横向きに置くと2ページ見開きに出来るので、音符などの表示が小さくなっても良ければ、これはこれでかなりのメリットです。(私の使用アプリはForScore

 

さて、ネット上をあちこち読んでいると「ソフトがハードに追い付いていない。宝の持ち腐れ」というような意見も散見されますが、何を仰るウサギさん。

Logicを20年近くも使っている私からしたら、Macのマシンパワーが常に足りなくて、今までどれだけ困ったか!

ハードスペック高すぎ、上等じゃないですか。

 

最後に。iPad Pro 12.9をMacの代わりにと考えているみなさん、代わりにはなりません。全くの別物です。

理屈ではないのです。毎日両方を使い続けている者の生理的感覚です。勿論、論理的に比較しても全然同じではありません。

ネット上では両者が近づくことを期待している方もおられますが多分そうはならない。違いすぎる。

もし、まだMacもiPadも経験がなくて購入を迷ってるなら、私なら絶対にMacをお勧めします。Penで描くことがメインならiPad一択で、そもそも迷わないでしょうし。

一つ、Macが断然優れている点を挙げるなら「ファイル管理」です(←これ無茶苦茶重要です)。

そもそもiPadにはファイル管理の概念がなかったのですが、割と最近「ファイル」アプリが実装されてなんとかできるようになったばかりです。

しかし「できる」ようになったとはいえ、iPadでファイル管理をしようとは思えません。めんどくさすぎる。

「ファイル」アプリはiCloudの中にあるので、私はいつもMacでファイル管理をしています。(だから助かっている)

なんだかしまらない最後となりましたがこれで記事を閉じます。もし少しでもお役に立てたなら幸いです。



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