目 次
台南観光は歴史街道散歩
台南は後でご説明しますように、多くの国からちょっかいを出され、幾つものの勢力のもとで暮らしてきた歴史があります。
その過程においては沢山異なる文化が入ってきており、そういった異文化を台南の人たちは今でも大切にしています。
「侵略された歴史や文化は消してしまえ」とならないところが台南人の懐の深さです。複雑な社会の中で積み重ねてきた努力は、結果として古都台南の価値を世界的レベルに引き上げたのだと思います。
台南を観光するということは、まさに台南の人々が歩んでこられた歴史という道を時空を超えて散歩することであります。
歴史の形である建物の多くが綺麗に整備修復されて・・・
- 建物自体を歴史の証として
- 博物館として
- 素敵なショップが入っていたり
- 芸術の拠点として
色々な残され方をしていますね。
そして、建物だけではなく、展示されている品々やそこだけのお土産なんかを見て回るのも、また、歴史の空間でお茶したりするのも楽しいものです。
ということで、この記事では台南のたくさんの観光スポットをご説明し、観光のお役に立ちたいと思ってます。
尚、既に別記事でご紹介しているスポットは、その都度リンクを貼っておきますので合わせてご覧ください。
思い出深い観光にするためには予習が何より大切です。事前の知識なしには成立しません。それはそうですよね。何も知らないで何処かの建物の前に立ったところで感慨なんて湧いてくるはずがありません。
ですから、この記事を含めできるだけ多くを事前に胸に収め、その上でお出かけください。
そうすることで、あなたの台湾旅行が俄然光ってきます。
台南史超簡単まとめ
まず最初に、台南旅行は台南歴史散歩なので、台南の歴史についてほんの少しだけ触れておきます。
台湾には数百万年前から人が住んでいたようで、最も古い人骨化石が台南市左鎮区で見つかっています。
当然それ以来ずっと人は暮らしていたようですが、歴史として点が線として繋がらないのですね。
中国にも相当以前から台湾に関する(と言われている)文献はあるものの、どれも間違いなく台湾を記述していると断定できるものはありません。
台湾がはっきりと世界史に登場するのは17世紀になってからで、オランダが占領して統治や防衛の拠点として1624年にゼーランディア城(=熱蘭遮城)、そして1652年には地元民反乱に備えるプロヴィンティア城(=普羅民遮城)を築いてからのことです。
そして1661年には中国人の鄭成功が台南に侵攻し、ゼーランジャ城に籠城したオランダ軍と戦い、これを追い出しました。
以後1683年に清朝に降伏するまで、鄭氏の支配が続きました。
続いて、清朝は非常に消極的ではあったものの、1895年に日清戦争の勝者である日本が統治するまでの約200年間台湾を支配していました。
次に、1895年から1945年までの50年間は日本が統治し、大東亜戦争で日本が敗北したのち、中国国民党が台湾に入ってきて中華民国を名乗りました。
しかし、サンフランシスコ講和条約や日華平和条約において、台湾と周辺諸島の帰属については一切触れていないので、国際法上領有権の所在は今もって確定されてはいないのです。
台湾は中国の領土か?
違います。はっきりしているのは清王朝時代の約200年間だけであって、それ以外は何一つ中国の領土であるという証はないのです。
中国は決めつけをしていますが、一度も法的論理性に基づいて主張はしていません。それはそうです、そもそも主張すべき法的根拠はないのですから。
中華人民共和国が建国されるちょっと前に、蒋介石が陳誠に宛てた手紙の一文が動かぬ証拠として有名です。
「台湾不過為我国托管地」
というわけで歴史に翻弄され続けてきた台湾であり台南ですが、その分多様な文化が入ってきており、豊かな色彩を持って今日の社会を形作っているとも言えます。
では早速そういった文化が香るスポットへ行きましょう・・・と、その前に。
台南観光スポット巡りは自転車で
台南市内の観光スポット巡りは自転車が一番です。本当にそうです。その理由は・・・
- 半径5kmくらいの場所に集中している(ちょっと走ってすぐ降りての繰り返し)
- ホテルで貸してくれるところが多く移動費用が無料になる
- 降水率が低い(特に10月〜4月は3日/月から5日/月くらい)
- 年間平均気温が24〜25℃くらいで走りやすい(特に11月〜3月)
ということで、もちろんレンタサイクルのYouIkeでもいいのですが、是非ホテルで無料自転車を借りて巡りましょう。
では一軒、安心して無料自転車を借りられるホテルを紹介しましょう。
KindnessHotel(康橋商旅)がリーズナブル
台湾の中南部に多く展開しているホテルで、高雄や台南で宿泊するときはよく利用しています。私が良いと考える特徴は・・・
- どの店に泊まってもサービス内容が同じ且つ料金がリーズナブルなので安心できる。
- 「夜食」がある。結構な種類の台湾小吃やアイスクリームが食べ放題で味も悪くない。
- クリーニング室があって洗濯機と洗剤が無料なのが嬉しい。
- フロントスタッフの胸には喋ることができる言葉の国旗バッジがついており日本国旗がついていれば安心して日本語が話せる。
- 結構いい自転車の無料貸し出しをしてくれる。但しあまりゆっくり出発すると全台貸し出し中という可能性もある。
- 赤崁樓に近く立地が非常に良い
以上、全然特別なホテルではありませんが、価格を考えればサービスは相当充実している良いホテルだと思います。
それではいよいよ台南の観光スポットに出かけましょう。地図は基本的に湯徳章紀念公園ロータリーを出発点にしています。
まずは日本統治時代の建物が並んでいる界隈からスタートしましょう。
台湾国立文学館
湯徳章紀念公園ロータリーの南南西に隣接する荘厳なレンガ造りの建物は、日本統治時代の台湾建築の代表的な建築技師・森山松之助によって設計され1916年に竣工しました。
この建物はもともと台南州庁舎として建てられたもので、大東亜戦争後しばらくは空軍供給司令部として使われ、そして次に台南市役所となりました。
彼は台湾総督府営繕課の技師だったので主に官庁関係の建築を手がけていたわけですが、それにしてもその作品群が素晴らしいです。
- 台湾総督府
- 台北州庁
- 台中州庁
- 台南州庁
- 台南地方法院
- 台湾総督官邸
どうですか!!
戦時中に連合軍からの攻撃で相当のダメージを受けていたのですが、1997年から6年もの月日をかけて大改修が施され、2003年10月にやっと元の美しい姿を取り戻すことができたのです。
改修が如何に大掛かりで大変だったかは館内の展示と説明、そして建物の裏側を見ればよくわかります。
もし行かれたら、是非正面右側を南方向(孔子廟側)へ入って歩いて見てください。そこに見えるのは表のレンガ造りとは似ても似つかぬ姿です。ここからも修復の大変さがわかります。(すぐ西側に隣接して月下老人の重慶寺があります)
今は台湾文学の保存を目的とする平和な場所に生まれ変わり、この建物一つを見るだけで、激しい時代の移り変わりを実感することができるのです。
館内は台湾文学について常設展と特別展がありますが、ただ、日本語解説があまりなく関心が持てないかもしれません。地下は図書館になっています。
また、建物の歴史と修復についても詳しく説明されており、こちらは相当興味を持って見ることができるのではないでしょうか。
元通りにできない部分が修復部分と見事に調和しており、館内をただ見て歩くだけでも、その素晴らしさが記憶に焼きつくでしょう。
正面左の廊下を奥に行くと軽食レストラン「文学珈琲坊」があるのでよかったらお茶してください。
もし夜、近くを通られることがあれば、思い出して台湾国立文学館の側まで来てみてください。ライトアップされた姿が、また美しいのです。
説明は省略しますが付近にはすぐ立ち寄れる日本統治時代の建物がありますので行ってくださいね。
台湾国立文学館
- 住所:台南市中西区中正路1号
- 電話:06-221-7201
- 営業時間:9:00AM〜6:00PM(毎月曜休館)
- 入場料:無料
- 日本語:不可
- 日本語音声ガイド:無料貸し出し(常設展の解説)あり
- ホームページ:台湾国立文学館(日本語あり)
窄門咖啡館
ここでちょっとコーヒーブレーク。
台湾国立文学館から南門路を南下すると台南孔子廟がありますが、南門路を挟んで東側にはマスコミになんども登場している有名な窄門咖啡館があります(地図上のB地点)。
ここでちょっと休憩しましょう。コーヒーが美味しい。
有名な理由は写真を見れば一目瞭然、たった38cmしかない隙間からお店の入り口に入っていくのですが、この、通路と呼ぶにはあまりに狭い隙間に体をヨジ入れた様がインスタ映えする?のです^^ なんという造り!!
隙間を少し歩くと店の入り口に到着ですが、なんか入る気がしない体裁です。
「まあ有名なんだから」と階段を上がって店に入ると雰囲気が一変、えらいシックでヨーロピアンな風情で落ち着いたいい感じです。
でもよく見るとなんか違うと感じる調度品があったりして、なかなか快感なアンバランスです。
観光客がドット押し寄せた日にはどうかわかりませんが、そうでなければゆったりと読書ができて窓からの景色が良くてコーヒーが美味しくて、そういう不思議で落ち着いたレトロ感があるお店です。
古い木造の民家を改造してオープンしたのが1990年ですからもう結構年月が流れてます。こういう建物は維持管理が大変だ。
男性スタッフ(店長?)の日本語が流暢だから「どこで勉強したの?」と問えば「日本人の彼女がいた」と返答。外国語の上達にはその国の彼氏彼女を作るのが一番近道、を地で行っている^^
メニューは、食べ物の含めそれなりにあって、日本語表記なのでわかりやすいです。
ちょっと高い気もするけど雰囲気のあるいい店です。入り口の奇抜さだけでこんなに長い業歴は作れないでしょう。
窄門咖啡館
- 住所:台南市中西区南門路67号2F
- 電話:06-211-0508
- 営業時間:11:00AM〜8:30PM(無休)
- クレカ:不可
- 日本語:不明(私と日本ごを話をした方が毎日いるのかどうか)
- Facebook:窄門咖啡館(日本語不対応)
旧台南愛国婦人会館
「愛国婦人会」なんかすごい名称、というか時代を感じさせる名前ですね。窄門咖啡館を出て更に南門路を50m程南下すると交差点の南西角にあります。(地図上のB地点)
この建物は1940年に愛国婦人会台南支部として立てられた日本式和洋折衷建築で、戦後は国民党やアメリカ政府に利用され、1998年に市定古跡に指定されています。
その後綺麗に修復され、2012年より「文創PLUS-臺南創意中心」として、様々な文化活動のスペースとなっています。
ところで「愛国婦人会」ってなんなの? ですよね。
この組織は、戦地から帰還した傷痍軍人及び戦死した人の遺族の世話・保護を目的として創立されました。台湾における支部も名士の夫人をメンバーとして社会交易活動に従事したそうです。
建物全体の模型が展示さてれいますが、これがなかなかよくできています。
2階の板張りと畳が、よく磨かれ掃除されていて気持ちいいです。
日本人観光客としては、「〜展」をやって入ればそれを見るのもいいし、実際に内部を歩いて見て床を踏みしめて(2階は靴を脱いで上がる)、当時の日本建築を感じるのがいいかと思います。
旧台南愛国婦人会館
- 住所:台南市中西区府前路一段197号
- 電話:06-214-9510
- 営業時間:9:00AM〜5:00PM(無休)
- 入場料:無料
- 日本語:不可
- ホームページ:文創PLUS-臺南創意中心
莉莉水果店
旧台南愛国婦人会館の西側に隣接している1947年創業のくだもの屋さんで、果物関係では台南で一番有名なお店。
店頭の商品を買って帰ることもできるし、椅子に座ってジュースや果物を食べることもできます。
5月後半から9月にかけてはマンゴーのかき氷もありますが、こちらの人気有名商品はフルーツの盛り合わせです。私が頼んだのは「小」。一人分としてちょうどいい量です。
かき氷はどこででも食べられるので、本物の果物販売店のフルーツ盛り合わせや各種ジュースを味わってみてください。美味しいですよ。
旧台南愛国婦人会館に寄ったついてにどうぞ。
莉莉水果店
- 住所:台南市府前路1段199号
- 電話:06-213-7522
- 営業時間:11:00AM〜11:00PM(第2・4月曜休み)
- クレカ:不可
- 日本語:不可
- ホームページ:莉莉水果店(日本語不対応)
台湾府城大南門
台南愛国婦人会館から南門路を約240m程南下すると右手に南門公園の緑が見え、その中に台湾府城大南門があります。(地図上のB地点)
上の歴史紹介でも触れましたが日本統治時代の前、約200年間は清朝が台湾を統治していました。
その清朝時代に、都市を守る為に城壁が作られました。城壁は時代とともに丈夫に立派になっていって、人々が出入りする門も数多く作られました。
城門といえば台北市にも北門とかが残されていますね。で、台南ではとりわけ素晴らしいのがこの南門であったと言われています。
日本のお城の様に直線的に侵入されないための工夫されており、それは出入り口がずらされた二重門という工夫で、外側が大南門、内側が寧南門です。
門の上に上がることができるので是非登ってください。大砲が侵入者を睨んでますね。上から門全体を見渡すとなかなか個性的な半円型の門であることがわかります。
現在の姿は1977年に修復されたもので、日本統治時代にインフラ整備の邪魔になることから城壁や城門が壊されたのは台北市と同じです。
台湾府城大南門は三級古跡に指定されています。
台湾府城大南門
- 住所:台南市南門路34号
- 電話:06-213-7325
- 営業時間:9:00AM〜5:30PM(毎月曜休み)
- 入場料:無料
- ホームページ:なし
南門電影書院
南門公園にあるもう一つの見所は南門電影書院です。こちらは日本統治時代の台南市放送局で、今は映画歴史館になっています。北京語で映画は「電影」です。
各種機材や懐かしい映画ポスターがたくさん貼られています。
もちろん日本人が建てたものなので、映画の歴史とともに建物の風情も味わっていただければいいかと思います。
南門電影書院
- 住所:台南市中西区南門路38号
- 電話:06-215-0851
- 入場料:無料
- 営業時間:10:00AM〜5:30PM(日曜午前のみ開館、月曜休み)
- 日本語:不可
- Facebook:南門電影書院(日本語不対応)
五妃廟
南門公園を後にして南門路を南下する事約400mで五妃街との交差点に到達するので、左折して五妃街を更に150m進むと五妃廟に到着します。(地図のB地点)
別記事「【台南】七つの廟で待っている月下老人があなたの縁を結んでくれる」中の「祀典大天后宮」の項でも説明していますが、ここは寧靖王の五人の妃が眠る廟です。
廟の正殿には五妃の像が祀られています。
1683年、清軍に攻められて万策尽きた寧靖王が五人の妃に「死期が来た」と告げました。そうすると五人の妃は「王が死ぬときは私たちが死ぬ時」と言い、先に首を吊りました。
寧靖王は五人の妃を葬った後に自害したのです。という事でここは五人の妃のお墓です。尚、五人の妃が果てたのはここではなく祀典大天后宮です。
廟の左手の小さな祠は「義霊君墓」で殉死した二人の侍従の墓です。非常に忠誠心が高かったと評価され、後になってから祀られたということです。
また廟の意義手にある石碑は「五妃之碑」で、碑の隣にある説明文を読むと「昭和二年 日本愛国婦人会台南州部長喜多愛枝提唱修復 由台南州知事喜多孝治手撰『五妃之碑』」とあります。
どうも日本統治時代の周辺状況はよくなかったようで、破損していた碑を修復したのですね。当時の新聞を読むと、募金もしたようです。
更に喜多愛枝さんは五妃の和歌まで詠んでいます。
みさを高き五妃のたまやは色かへぬ丘への松と彌榮えなむ
さて、敷地全体の広さと五妃廟の小ささが非常にアンバランスな気がします。敷地は3000坪を越えるのに廟と墓は200坪しかありません。綺麗に整備はされているのですが。
ところで、寧靖王が葬られたのはどこでしょうか? はい、現在の高雄市湖内区に正室とともに葬られました。今でも湖内区東方路にはお墓があります。台南市内からはかなり高雄方向に寄ったところです。
鄭成功は台湾人にとってどういう存在か?
さて、寧靖王を奉じた鄭成功は台南の英雄になってますが、果たしてそうなのでしょうか?
- 鄭成功は清王朝にとっては戦った敵でしたが、台湾人の信仰の対象にもなっていた為にこれを利用してまとめ上げる目的で英雄に仕立て上げました。
- 清王朝後台湾を統治した日本は日本で、鄭成功の母親が日本人である事にこじつけて、鄭成功は台湾の「開祖である」とか言って開山神社を作りました。
- 日本統治後取って代わった中国国民党は国民党で、鄭成功は大陸と戦った勇者であるとかなんとかで年間行事として式典を定着させました。
そして現在があるわけです。政治利用され続けた果ての今日の姿を台湾の人たちは今後どう評価していくのでしょうか、今のままでしょうか。
作られた英雄像の鄭成功に対する正当な評価への疑問ともう一つの疑問は・・・五妃廟はなんと国定古跡に指定されています。これもこのまま変わらないのでしょうか?
五妃廟
- 住所:南市中西区五妃街201号
- 電話:06-214-5665
- 営業時間:8:30AM〜5:30PM(無休)
- 入場料:無料
旧台南測候所
一旦この記事の出発点である湯徳章紀念公園ロータリーに戻ります。
ロータリーを挟んで国立台湾文学館の向かいには公園路に面して中央気象局台湾南区気象センターがあり、その隅には日本統治時代の1898年に建てられた台南測候所があります。
築後120年であることを勘案すれば、いかに状態良くきちんと保存されているかがよくわかります。まあその勇姿を見てください。ホント、台湾の方にお礼を申し上げたいです。
新しい設備の揃った新しい建物ができれば、旧設備はお役御免なわけですが。
事実、1978年には廃棄処分も検討されたそうです。が、職員の方々が反対したそうです。今では国定古蹟にまで指定されていて、内部には当時の机や椅子、機材や写真や文書などが展示されています。
それにしても不思議な形の建物です。屋根瓦が乗っている18角形の建物の中央から白い灯台がニョキッと出ているような姿。これは目立ちますよ。
白い灯台は実はそうではなく風力観測塔だそうです。
この建物、側に立ってみると全然高くないのですが、それでも当時はここが高台で周りにはビルなんてなかったので、非常によく見えたそうです。
もし行かれたら、まず気象センタービルの展示スペースに行くため、エレベーターで5Fまで上がって、そして展示を見ながら降りて来てください。次に旧台南測候所の塔に入るのがいいと思います。
私が行った時、5Fの担当者(ボランティアの方)は日本語が堪能で、しばしお話をしました。旧台南測候所のことをとても自慢げにお話しされていて嬉しかったです。
旧台南測候所
- 住所:台南市中西区公園路21号
- 電話:06-345-9218
- 開館時間:9:00AM〜5:00PM(土曜日曜休み但し第三土曜は開館)
- 日本語:基本不可
- ホームページ:旧台南測候所(日本語不対応)
旧鶯料理
旧台南測候所の真裏に隣接しているのが旧鶯料理です。
鶯料理は日本統治時代の高級社交場で、当時は台南の各界名士がここに集まっていました。また、昭和天皇が皇太子時代、台南を訪れた際に料理を担当したのが鶯料理だと言われています。
建物は表棟、中棟、裏棟と3つの棟からなっています。戦後荒廃しましたが、2013年にまず中棟、裏棟が修復され、2018年には全壊した表棟が復元されました。
そして現在はアートスペース「鷲嶺食肆」として、綺麗になった内部の観覧や軽食も取れるようです。
私が訪問した時は工事中で中はみることができませんでした。次回は綺麗な和建築や調度品などを見てみたいと思います。
尚、旧鶯料理の前の道を西に行くと天壇天公廟が隣接しています。
旧鶯料理
- 住所:台南市中西区忠義路二段84巷18号
- 電話:06-221-0595
- 営業時間:13:00AM〜9:00PM(土日は10時オープン、毎月曜休み)
- 日本語:不可
- Facebook:旧鶯料理(日本語不対応)
呉園藝文中心
旧台南測候所の前の道、公園路を少し左手に歩くと(北上)100m足らずで民権路との交差点となります。左(西)に50m足らずで超大推薦したい台湾粽屋さんの再發號肉粽があり、右(東)に約65m歩くと呉園藝文中心があります。
右の門柱に「公會堂」と看板があるので「ここじゃないのか!?」と思いますが、間違いなくここです^^
正面には日本統治時代に建てられた「如何にも」といった風情のある旧公会堂の小ぶりながらも堂々とした姿があります。
この建物は市民の集会所として1911年に建てられたもので、1998年に台南市古蹟に指定されています。
呉園藝文中心がちょっと変わっているのは、裏に回るとすぐにわかります。
綺麗にアレンジされた広場の奥に、敷地の雰囲気には不似合いな中華庭園と住居があるんですね。それが呉園です。
実は、清の時代に遡りますが、当時台南では盛んだった製塩で儲けた呉家の息子・呉尚新が、買い取った敷地の形状に合わせて花や木を植え、さらに中国浙江省杭州の飛来峰を模した山を造ったりして大層豪華な庭を作りました。
当時は台湾四大名園の一つに数えられるほどのすごい園だったそうです。
で呉園藝文中心の中華庭園はまさにその名残だそうで、その後ろにある閩南式建築は呉一族の住まいの一部だということです。
しかし現在の姿を見る限り、名残とは言えないほど縮小されている気がします。
さて、呉園から公会堂の右手を歩いてくると、今度は純和風建築が見に入ってきます。これは、当時公会堂に集まる人たちが食事をする料亭で「柳屋」という名称でした。
戦後、どの程度荒廃していたのかは不明ですが、台南市政府によって修復された結果が今日私たちが見る美しい姿です。
現在は「十八卯茶屋」としてお土産も買えるカフェになっています。
呉園藝文中心
- 住所:台南市中西区民権路二段30号
- 電話:06-221-7942
- 営業時間:8:00AM〜8:00PM(無休)
- 日本語:不可
- ホームページ:なし
321巷藝術聚落
こちらは日本統治時代に軍の宿舎だったのが、戦後、学校の宿舎となった時期もありました。そして、2013年には台南市の指定古蹟となり、新しく息を吹き返しました。
但し、よくある完全リノベーションでカフェや飲食店や物販店が入るのではなく、最小限の修復で芸術団体に解放している点が他とは違うところです。
一歩足を踏み入れると、歴史的な価値のある懐かしい日本家屋の風景であると同時に、様々なアーティストが色とりどりに工夫をして楽しいあるいは不思議な空間を演出しています。
いくつもの芸術団体が参加しているので、統一感がなく、分散した個性がエリアを包んでおり、歩いているとなかなか楽しいです。
もし行かれる場合は、午後3時くらいからがいいのかなと思います。私のように午前中にいくと、本来入れるはずの建物がどこも閉まっています。
行き方は、湯徳章紀念公園ロータリーから公園路をまっすぐ北上すると、やがて右に台湾公園が現れ、尚も直進すると公園北路に突き当たるので、左折(西側)し200m程進んだ左手です。
旧台南測候所からだと約1.6kmの距離です。台鉄台南駅からだと1.4kmくらいです。
途中にはおかゆの名店阿憨鹹粥と、美味しい味噌せんべいの連得堂餅家があるので、是非ついでに寄ってみてください。
321巷藝術聚落
- 住所:台南市北区公園路321巷
- 電話:06-298-1800
- 営業時間:10:00AM〜6:00PM(無休)
- 日本語:不可
- Facebook:321巷藝術聚落(日本語不対応)
神農街
台南庶民の台所である水仙宮市場から、西に三協境全台開基藥王廟まで伸びている細い筋が神農街という非常に状態のよい老街です。
神農という名称は三協境全台開基藥王廟に神農が祀られているところから来ています。
清の時代はこの辺りまで海がきており一帯は漁港の町でした。神農街は元は運河で、それで両側の家はどこも1階が店、2階が倉庫という作りでした。
まるっきり建て替えた家はあんまりなく、清時代の或いは日本統治時代からの面影を色濃く残しています。
興味がある方は建物一軒一軒の歴史に目をやりながら歩くのもいいでしょう。
夜になるとライトアップされてレトロ感が美しく強調されるのでしょうか。(残念ながら、私はまだ夜行ったことがありません)
そういった過去の空間にタイムスリップして、いろんなお店を見て食べて歩くのがなんとも楽しいのです。
全長は250mくらいと知れているので、ゆっくり落ち着いて両側を観察しつつ歩くのがいいと思います。但し道幅が狭く、土日祝祭日はごった返すため避けた方が無難です。
- 住所:台南市中西区神農街
- 電話:06-226-7151(中西区区役所)
金三角
神農街前の水仙宮市場を露天を見ながら時計回りに歩いてゆくと永楽市場に到達します。
この永楽市場に隣接する三軒が金三角と言って、台南の方が最高に愛するB級グルメの殿堂ともいうべきお店なのです。
その三軒の料理とは・・・
- 金得春捲(7:30AM〜5:30PM、火曜休み)・・豚肉・えび・卵焼き・豆腐などの具沢山に砂糖と粉ピーナッツをかけてクレープの皮で巻いたものだけを売ってます。
- 富盛號碗粿(7:00AM〜5:30PM、木曜休み)・・・水で溶いた米粉に豚肉・えび・しいたけなどを入れて蒸しあげたもの。
- 阿松割包(8:00AM〜6:00PM、木曜休み)・・・煮込んだ豚肉を酸菜と一緒に中華蒸しパンで挟んみピーナッツソースをかけたもの。普通・赤身・豚の舌と三種類ある。価格表には2個としてるが1個でも売ってくれます。
個人的には・・・
- 金得春捲はダイレクトな砂糖の甘さがちょっと苦手
- 富盛號碗粿は茶碗蒸しの親戚で普通に美味しい
- 阿松割包は豚肉が完璧に調理されていてめちゃくちゃ美味しい
台南の人達がごっそりと買っていく味を堪能あれ。どれも数十元で安心です。
台南司法博物館
台湾には日本統治時代の三大建築というのがありまして・・・
- 台湾総督府
- 国立台湾博物館・・総統府の東隣の二二八和平公園にある
- 台南地方法院
この三つの建物がそうです。
そして、ここ台南司法博物館こそが旧台南司法博物館、つまり台南裁判所であったところです。建築を手がけたのは台湾総督府と同じ森山松之助です。
上でご説明しました台南愛国婦人会館の前の道、府前路を左(西)に約360m、湯徳章紀念公園ロータリーからだと730mくらいの所にあります。
1914年に建てられたので築後100年越えです。戦後もしばらくは裁判所として使われ、1991年に国定古蹟として登録されました。
その後長い月日をかけて修復がなされ、2016年11月から司法博物館として一般公開されています。ものすごく綺麗にリニューアルされています。
- 蘇った素晴らしいバロック建築。この美しい姿を見るだけでもここにくる価値があります。
- 元裁判所なので、博物館内にはそれに関するたくさんの文書や写真や器物が保存されています。
- 修復過程の説明もリアルな模型とともになされており引き込まれます。
- 当時の法廷が大小幾つか再現されており、法廷には当時の色んな法衣も人形に着せて展示しています。
これらすべてがあなたの興味を引くでしょう。
そういえば、拘留所も再現されており、なかなか生々しい様子を感じ取ることができます。一生お世話にならぬよう生活しよう^^
周り疲れたらお土産所兼休憩所もあるので何か飲みながら一服しましょう
尚、台南司法博物館のすぐ東隣にある肉圓の名店福記肉圓は私の超おすすめのお店です。博物館を出たら迷わずめちゃウマの肉圓を食べに行きましょう。
台南司法博物館
- 住所:台南市中西区府前路一段307号
- 電話:06-214-7173
- 開館時間:9:00AM〜5:00PM(毎月曜休館)
- 日本語:基本不可
- 入場料:無料
- ホームページ:台南司法博物館(日本語不対応)
客家文化会館
湯徳章紀念公園ロータリーから南門路を下る(南下)と南門公園があるのでした。ここで公園の南東角を右折し東に970m程行くと水萍塭公園のど真ん中にぶつかります。
そして左を見ると公園内に客家文化会館があります。ここは2010年1月に開館し、客家の精神や歴史や食や文化などがわかりやすく紹介しています。
多くの日本人は台湾に沢山の人種がいることを知りません。
戦前から台湾で暮らしている原住民や本省人や客家人、それに戦後入ってきた国民党員である外省人。これらの人々は言葉も文化も全然違うのです。
そのうちの客家文化を見学できるのが客家文化会館です。そんなに広くはないけれど上手に展示しており、ざっとみて回るだけでもよく理解ができます。
こういった施設で楽しく学べるのはとってもいいチャンスだと思います。そして、ここは観光案内にはなかなか載っていない穴場なのです。
見学が終わったら、前の海安路(公園の前は夏林路の名称)を左(北)に400m行きましょう。エビご飯の矮仔成蝦仁飯がありますよ〜。
客家文化会館
- 住所:台南市南区夏林路4号
- 電話:06-222-0324
- 開館時間:9:00AM〜12:00AM,13:30PM〜5:00PM(毎月曜休館)
- 日本語:不可
- 入場料:無料
- 関連サイト:客家文化会館(日本語不対応)
国立台湾歴史博物館
この記事では幾つもの台南をご案内してきましたが、最後にご紹介する台湾歴史博物館こそが最もお勧めしたいスポットの一つです。
20ヘクタールの広大な敷地の中に、自然に配慮した超美しい公園や植物園、そしてダイナミックな幾つもの模型・ジオラマが魅力の博物館など、「ここにくれば台南だけではなく台湾全体の自然や歴史のすべてがわかる」という素晴らしい場所です。
ただ一つ難点があって、市内からやや遠いんですね。台鉄台南駅からバスで40分〜60分くらいかかります。
晴れていて普通に健脚なら、ホテルで自転車借りて堤防沿いをゆっくり漕いでくるのが一番です。博物館の庭も広すぎて、歩いて巡るのはちょっとキツイですし。
さて、バスで来るとすれば、臺南火車站(南站)バス停から18番に乗って臺灣歷史博物館(長和路)バス停で下車します。
バス18番の詳細
下車すると、横長の巨大な太陽光電池パネル(クラウドウォール)と、その上の”Nationl Museum of Taiwan History”と描かれた文字が目に入ります。
少し近ずくと手前が池であるとわかります。真ん中の「海を渡る歩道」を歩きましょう。
博物館の入り口(チケット売り場)は左側になります。もし入られるなら、必ず日本語音声ガイドを借りましょう。そうしないと、館内を回っても理解が大幅に不足して心に残りません。
そしてガイドの音声を聞きながら館内の雄大な歴史ドラマを体験します。太古の台湾から現在に至るまでを物凄くしっかりと見せてくれます。
台湾の全歴史ですから当然大ボリュームなんですが、楽しくみて回れるように、よく工夫されています。日本統治時代についても文字と三次元の世界を使って詳細に説明しています、もう感心するくらいに。
更に4階には(3階は吹き抜け)大きな部屋が3つあって、ここではその時々の特別展を開催しています。その他1階には子供の世界もあって、とにかく膨大な展示の情報量には圧倒されそうです。
ただ一つ残念なのは、中国国民党が台湾に入ってきて残した残忍な爪痕についてのちゃんとした説明がほとんどないことです。(しかもその辺りは日本語解説もない!)
さて、本館の裏に回ると建物のすぐそばに有情湖、そして奥には忘憂湖と2つの人造湖があって、間に「手つなぎ橋」が架かっています。
湖はよく見ると、人造でありながら相当自然環境を忠実に模していることに気づきます。
敷地全体がものすごく綺麗なので、是非橋の上まで行って前後左右を思いっきり見渡してください。深呼吸する場所としては最適ですよ。
ホームページも含めて全体の作りや細部にわたる気の使い具合は完全に国策ですね。力の入り具合が違います。散歩のように通り過ぎるのではなく、真剣に見る価値があります。
国立台湾歴史博物館
- 住所:台南市安南区長和路一段250号
- 電話:06-356-4981
- 開館時間:9:00AM〜5:00PM(毎月曜と旧暦大晦日休館)
- 公園開園時間:5:00AM〜10:00PM
- 料金:100元(家族大人2人まで計4人まで200元)
- クレカ:不可
- 日本語:不可(一部話せる人がいるかもしれない)
- 日本語音声ガイド:100元(パスポートを預けガイド返却時に返される)
- バス:18番(30分に一本)「臺南火車站(南站)」バス停
- ホームページ:国立台湾歴史博物館(日本語あり)
まとめ
台南市内の多くのスポットを紹介してきました。
最後の国立台湾歴史博物館を除き、スポット同士がすごく近いので、自転車で巡るのが最適とわかっていただけたと思います。ホテルで借りましょう。
台南は年間を通して晴天率が高いので、本当に観光には適した地域です。
さて、実はこの記事は台南観光紹介の二作目で、最初に発表した記事があります。その記事を合わせて読んでいただくと、だいたい主だった台南市内観光スポットは網羅できると思います。是非ご一読ください。
「台南旅行は台湾の歴史散歩」。
これだけ歴史的価値のある多くの建物を短時間で効率よく巡れるところはないでしょう。これだけ多くの美味しいグルメを次々堪能できるのは台南ならではでしょう。まさに台南は文化の塊です。
さあ台南に行きましょう。美味しく楽しく満足感いっぱいに!!!
台南観光シリーズ
✈ Time for Taiwan !!
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