派遣法改正の概要を今知っておこう そして 気をつけるべきポイントとは

派遣法を知る

自分を守るために法を知る

派遣型の仕事といっても、働き手の思惑は実に千差万別です。

生活費が必要だから仕事はするけど、時間も体もある程度自由がきいて、その分キャリアアップや別の事に時間を割きたい。

あなたはそんなふうに考えていて、それで非正規雇用(アルバイト・パート・派遣)を選ぶんだけど、その中でも時給のいい派遣がぴったりだと。

 

しかし、ここで絶対に忘れてはならないことがあります。

それは、あなたはあなたで、派遣業者は派遣業者で、派遣先企業は派遣先企業で、自分たちに一番都合の良い選択を常にしようと行動すること。

三者はそういう位置関係にあるのです。

三者はいつも合法的に活動し問題なく日々過ごせればいいけれど、そうではない場合も現実には数多くあります。

 

このような環境下でいつもスマートに立ち回る為には、関係する法律をよくよく理解しておくことが滅茶苦茶大切です。

どんな契約であれ、どんな話し合いであれ、そのベースにある法律をしっかり理解しておけば、知らないがために不利な状況に陥るといったことにはならないでしょう。

 

さて、この2018年は派遣労働者にとっては大変な年でした。

というのも、労働契約法労働者派遣法という二つの法律の改正効果が端的に表面化するから、つまり「2018年問題」の年だからです。

もし、あなたが、まだ関係する法律を勉強されてなければ、この際サクッと頭に入れちゃいましょう。

上記の通り、これはあなたが自分を守るための大切な手段です。最終的に自分を守れるのは、唯一自分だけです。

 

「サクッと」と申しましたが、これはちょっと嘘くさく^^ その実理解はなかなか大変です。

そこでこの記事では労働契約法労働者派遣法を中心にアウトラインを出来るだけわかりやすくご説明します。

そして、さらに理解したい各項目については、それぞれ別記事で改めて解説していきます。

 

 

労働者派遣事業は許可制

いわゆる派遣会社として業務を行う為には厚生労働省に許可を申請して、一般労働者派遣事業許可証を取得しておく必要があります。

派遣会社は星の数ほどありますが、だからといって、どこでもいいわけではないのです。

というわけで、まず最初に注意すべきは、、一般労働者派遣事業許可証を取得している会社かどうかです。

派遣登録する前に確認すべき点はいくつもありますが、まずはこの点をしっかりとチェックしてください。

間違って無許可の会社に派遣登録なんかしたら、その先どんな損失を被るかわかりません。必ず確認してくださいね。

 

 

 

あなたは誰と契約するの?

派遣会社に登録して無事派遣先が決まりました。まずはめでたしめでたし、とりあえず頑張るしかない。

それはそうと、あなた派遣会社派遣先。この三者はそれぞれどういう契約を結ぶのでしょうか。

これを知ることは大事です。毎日仕事をしていく上でトラブルが発生したとき、悩みが生じたとき、相談すべき相手は誰か?という問題でもあります。

 

それで三者の関係ですが、以下の契約関係になります。

  1. あなたと派遣会社:労働契約
  2. 派遣会社と派遣先:派遣契約

ということなので、あなたは派遣会社との関係を今一度はっきり理解しておきましょう。

 

  1. あなたの雇い主は派遣会社
  2. あなたに給与を支払うのは派遣会社
  3. 社会保険と労働保険の手続きを行うのは派遣会社
  4. 有給休暇や産休など福利厚生制度利用の申請をする相手は派遣会社

つまり、正社員であれば仕事をする会社と直接結ぶ労働契約を、派遣労働者の場合は派遣会社と結ぶのです

 

次にあなたと派遣先の関係ですが・・・

  1. あなたに仕事上の指示や命令を行うのは派遣先
  2. あなたが毎日勤務する場所は派遣先

ということで、それらが成立しているのは、あなたが属している派遣会社が派遣先と契約をしているからです

以上で、三者の関係がはっきりしました。

 

仕事上の相談はどちらに?

環境上・仕事上などの問題が発生した場合、あなたが相談すべきは必ずしも派遣会社であるとは限りません。

これについては、勤務する前に苦情処理担当者がどちらの誰かを書面(就業条件明示書など)で明示されるので、必ずそれで確認してください。

 

 

マージン率

派遣の世界ではよく出てくるこの単語。果たしてどういう意味でしょうか。

式で表すと・・・

マージン率=(派遣先から支払われる派遣料 – 派遣労働者への支払賃金)÷ 派遣先から支払われる派遣料

となります。

 

派遣先から受け取った派遣料から支払賃金を引いた残り、つまり派遣会社の売上総利益をマージンといい、派遣料に占めるマージンの割合がマージン率なんですね

俗にピンハネ料なんて言い方もありますが、これはちょっと誤解を招きやすいですね。(現実にはそう呼ばれても仕方がない派遣業者もいる)

つまり、派遣労働者に賃金を支払った残りが全部派遣会社の儲けではないんですね。

そこには、派遣労働者の教育訓練費各種福利厚生費なども含まれているので、それらを引いた残りが派遣会社の正味受け取り分となるわけです。

そして、それとてまるっと利益というわけではなく、会社を存続させる費用、つまり会社社員への給与・事務所にかかる賃料とか公共料金とか車のリース代とか諸々必要です。

 

こういった様々な要素を勘案すると、マージン率が高いから悪い派遣会社、低いから良い派遣会社、とも一律には言えません。

また同じ派遣会社であっても、派遣する職種や派遣先によってもマージン率は結構差があります。

派遣会社を評価するための基準としてみるのは、なかなか難しい部分がありますね。

 

ところで、各派遣会社のマージン率は法律によって開示が義務付けられています

残念ながら、ネット上で公開している会社は、全体のたった22〜23%程度しかなく、しかもググってもなかなか見つけにくいです。

「会社名+マージン率」で検索しましょう。

逆に考えれば、こういったところをはっきりオープンにしている派遣会社は、相対的に信用がおける可能性が高いです。

 

 

派遣会社・派遣先がやってはいけない事

派遣会社と派遣先は法律上やってはいけないことが幾つかあります。それはなんでしょう?

 

以前の勤務先へ一年間は派遣できない

あなたがもし以前に直接雇用(正社員・契約社員・アルバイトなど)を受けていた会社があれば、離職後1年間は派遣労働者としてその会社で働くことはできません。

以前はその会社の本社で勤務していて、今回は支店からの派遣依頼であったとしても、同一会社であれば、やはり一年間は働けません。

ただ、このルールはあなたに課されたものではなく、派遣先が調査した上で派遣会社に報告する義務があります。

 

派遣先は事前面接や選択ができない

要するに、特定の人を派遣社員として指名する事は出来ないのです。

だから、それにつながる事前面接もできませんし、事前に履歴書を送付させることもできません。

そもそも先にお話ししましたように、あなたと派遣先は契約関係にはないのです。

二つの例外

例外が二つありまして、該当する場合は禁止されません。

  1. 紹介予定として派遣される場合(派遣先での直接雇用が前提の場合)
  2. あなた自身が望んだ場合

 

派遣ではできない仕事

派遣でやってはいけない業務が法律で定められています。

もし仮に派遣登録している派遣会社がそんな要請をあなたにしたなら、その派遣会社との関係は考え直す必要があります。

何れにしても、基本的には違反をしている会社に相談はできないでしょうから、苦情申し出先としては下記のような公の機関になるでしょう。

  1. 労働局
  2. 労働基準監督署
  3. 労働相談センター

 

では、禁止されている業務とはどのようなものでしょうか。それを以下に記します。

  1. 建設業務(建物の建設や解体など)
  2. 警備業務(警備員・ガードマン・ボディーガードなど)
  3. 港湾運送業務(船便の荷物の上げ下ろしや移動など)
  4. 医療関係業務(医師・看護師・薬剤師など)
  5. 士業(弁護士・税理士・司法書士など)

 

詳しい説明

禁止業務についてもう少し詳しい内容をお知りになりたい場合は、日本人材派遣協会の説明がわかりやすいと思います。

 

 

労働契約申込みみなし制度

すぐ上で説明したことにも絡むのですが、法で禁止されている派遣が何種類かありましたね。

もし、そういった違法な派遣を派遣先が受け入れた場合は、労働契約申し込みみなし制度が適用されます。

制度の内容は、あなたを派遣じゃなく自社の社員として労働契約を申し込んでいるとみなされるものです

そして、その契約内容は派遣元の労働条件と同様であると定められています

 

例外

  1. 派遣先が違法派遣であることを知らなかった
  2. 知らない事に過失がなかった

1.且つ2.の場合は適用されません。

 

もう一つ、これは自動的にそうなるのではなく、違法派遣と確定し且つあなたがそれを希望した場合に限り適用されるのです

あなたが希望して申し込みができる期限は、違法派遣が終了した日から一年間が経過するまでです。

 

さてこの条項で、仮にあなたが派遣先と直接労働契約を交わしたとして、それってあなたにいいことがあるのでしょうか。

派遣元との条件と同じならメリットがないのでは?

そういうふうにも感じますが、実際には全く同じにはならないでしょう。

なぜなら、派遣先には直接雇用に関する基本ルールが元々あるし(金銭的労働条件が良くなる可能性がある)、同社がもっている福利厚生関係も広く利用できます。

何れにしても、派遣を直接雇用に切り替えると、派遣先の負担は間違いなく増加するはずです。

ですから、一般的にはあなたにとってメリットが大きいと考えられるでしょう。

(注意)直接雇用は正社員とは限らない

しかし、直接雇用正社員になる事を意味せず、契約社員になることであれば、これはかなり後ろ向きに考えなければいけません。

なぜなら、正社員とは違い、契約社員に対しては解雇予告で簡単に雇止めができると派遣先が考えている可能性もあるからです。

 

ではこの章の最後に労働契約申込みみなし制度適用の対象になる四つの違法派遣を下に列記します。

  1. 派遣労働者を禁止されている業務に従事させた場合
  2. 無許可の派遣業者から派遣を受けた場合
  3. 法が定める派遣期限を超えて派遣を受け入れた場合
  4. いわゆる偽装請負であった場合

以上四つのケースで、実際こういう違法状態に遭遇してしまって、派遣元・派遣先のどちらにも言えない場合は労働局需給調整課に相談します。

偽装請負

上の4番目の偽装請負。よくIT業界であるのがSEの偽装請負ですね。

例えば、SEであるあなたが、派遣元が契約したA社で仕事をすることになったとしますね。

ところが実際は、A社の得意先のB社にA社の社員と一緒に出向き、毎日仕事をすることになりました。

 

ということは、契約上あなたに指示命令ができる人がそこにはいないのです。あなたにとって全く関係ないB社の役職者があなたに指示命令をします。

完全に法律違反であり、これを偽装請負と呼びます。

 

なぜこんなことになるのか。

それはB社の都合でいうと、A社に発注したプロジェクトに関して、自社社員・A社社員・A社の派遣全員がB社で揃って仕事をするのが一番効率がいいからです。

B社は最も支出の少ない方法で良いプロジェクトを完成させたいと考えて、本来なら自社が持つべき義務を放棄し、都合のいい部分のみを力関係でごり押し押し付け、不当な関係を持ち続けているという実態です。

 

 

実際の契約で気をつけること

登録した希望内容に近い派遣案件が見つかり、実際に就業できることが決まったとします。

すると、派遣先で仕事をスタートする前に、あなたは派遣元労働契約を結びますが、その際・・・

  1. 労働条件通知書(労働基準法による)
  2. 就業条件明示書(派遣法による)

という書面(書面タイトルは必ずしもこうではない場合もある)で明示される事があります。この二つの書類を同時に示される場合は、重複する部分を省略される場合もあります。

 

表示される内容については、およそ次のようなものです。

  1. 労働契約期間
  2. 労働契約を更新する場合の基準
  3. 仕事をする場所
  4. 仕事の内容
  5. 派遣先の指揮命令者
  6. 始業・終業時刻
  7. 休憩時間
  8. 残業の有無
  9. 休日・休暇
  10. 就業時転換(働く時間帯が変わる事)
  11. 賃金に関する事項(計算根拠・締め・支払い時期)
  12. 派遣元・派遣先の責任者
  13. 苦情処理について
  14. その他

ここに記されている事項と次の福利厚生について疑問をなくしておく事、きちんと理解しておくことが、のちに揉めない後悔しないために重要です。

はっきり言ってメチャクチャ重要です。きちんと説明を聞いて、納得できるまで質問をしなければなりません。自分でできることは、常に手抜きせずにやらねばなりません。

 

実際、派遣先で日々仕事をしていると、いろいろ理不尽なことが起こるかもしれません。

それを想定して、最初の説明の段階で派遣元の担当者に念を押しておくことが大切です。

問答については目の前でメモすることも場合によっては重要になります。

厚労省作成のモデル書面

一度は目を通しておいたほうがいいと思います。

  1. 労働条件通知書
  2. 就業条件明示書

 

 

福利厚生

年次有給休暇

年次有給休暇は労働基準法で制定されている労働者の権利(労働基準法第39条)で、派遣でも同じです。ですから、勤務日数など法的な要件さえ揃えば、誰でも取得することができます。

派遣会社のサービスとかじゃなく、法律が定める労働者の権利なのです。ここをしっかり押さえておくと、派遣会社の担当者の言葉に左右されることはありません。

例えば、派遣会社が「当社は年次有給休暇制度がありません」と説明されても、当然に法律の定めが優先するので、あなたの権利である年次有給休暇を奪うことはできないのです。

 

年次有給休暇が発生する日

次の要件を二つとも満たした日から発生します。

  1. 派遣先で就労を開始した日から6ヶ月間継続勤務している
  2. 派遣先で就労する全労働日の8割以上を出勤している

尚、取得できる日数については、一週間に働く日数と合計時間によって決まりますが、ここでは言及しません(ちゃんとした派遣会社なら教えてくれます)。

 

実際の取得

あなたが契約を結んでいるのは、実際に仕事をしている派遣先ではなく派遣会社なので、有給取得したい場合は派遣会社に申し出ます

申請できる時期(実際に休暇を取る何日前)とか申請方法は、あらかじめ派遣会社で説明があるはずです。それがない会社であれば問題です。

 

契約の空白期間と年次有給

一つの派遣先の仕事が終了し、次の派遣先での就業まで間が空くケースがあります。この場合、年次有給休暇の取り扱いはどうなるか?という話です。

一つの派遣が終了しても同じ派遣会社と契約を継続している限り「空白期間が一ヶ月以内であれば年次有給は引き継ぐことができる」としている派遣会社が多いようです。

これも事前に確認しておく必要があることの一つですね。

問題は規定以上の空白期間が生じた場合ですが、持っていた年次有給がなくなってしまうと同時に、取得に必要な「6ヶ月の継続勤務」も最初からスタートとなります。かなり痛いので、十分に留意する必要があります。

 

社会保険

  1. 健康保険
  2. 厚生年金
  3. 雇用保険

この3点ですね。これもあなたにとって無茶苦茶大事です。

  1. 国民健康保険や国民年金と違って保険料は会社と折半なので負担が軽減されます。
  2. 国民健康保険と違って出産手当金や出産育児一時金また傷病手当金など保障内容がかなり手厚くなっています。

就業の条件が社会保険の加入資格を満たすのであれば当然に社会保険には加入できるので、もし万が一、それを無視するような派遣元なら最悪です。

別の信頼の置ける派遣元に即登録を変更すべきです。

 

 

二つの期間制限

早い話、どんなに派遣先と上手くいっていても満足していても、一定期間以上はそこ(そのセクション・その課)で仕事をすることができないのです。

そういう期限の制限は、派遣先にあって、そして派遣労働者にもあります。

  1. 派遣先に対する制限・・同一事業所が派遣を受け入れられる期間は原則3年が限度
  2. 派遣労働者に対する制限・・あなたが派遣先の同一部署(厚労省は「課」などを想定している)に派遣される期間は3年が限度

 

クーリング期間

3年の制限を解除できる空白期間がクーリング期間です。それは3ヶ月と一日間で、それを過ぎるとリセットされ、派遣先派遣労働者も上記の制限を解かれます。

 

事業者の派遣連続受け入は実質可能

しかし、派遣先は派遣労働者が必要だから働いてもらってたわけで、3ヶ月も来てもらえないとなると、たちまち窮します。1日も開けずに新しい派遣労働者を受け入れたいわけです。

そこで、派遣法40条では「派遣先は、派遣可能期間を延長しようとするときは、意見聴取期間に、厚生労働省令で定めるところにより、過半数労働組合等の意見を聴かなければならない。」と定め、実質的に連続受け入れを可能にしています。

つまり法で求める手続きをちゃんと取れば、3年を超えても派遣労働者の受け入れが連続してできるのです。

 

派遣労働者には復帰方法はない

派遣労働者が3年を超えて、再び同一事業所で連続して就業する方法はクーリング期間経過後しかありません。しかし現実には3ヶ月間も空白期間にはできないでしょう。

「そんなに重宝する人材であれば正社員にすべき」というのが法の立場です。

むしろ、現実には下に説明する「雇用安定化措置」との絡みで、同一事業所の同一部署で継続して3年間就業することすら少ないと思います。

 

もし、その派遣先でどうしても連続して就業したい場合は、可能性は少ないですが、派遣先派遣元とそういう契約をすれば、同一事業所の別の課などに移動することで願いは叶います。

 

3年ルールの評価

この3年限度という制度については、よく以下のように解説されています。

  1. そんなに長く仕事をして欲しいほど重宝するなら正社員として契約すべき
  2. いつまでも派遣が長く重宝されたら正社員の職が圧迫される
  3. 派遣労働者のキャリアアップと雇用の安定を図るためのもの

どう思われますでしょうか。例えば、上記の3つ目は厚労省の説明ですがそうですか?

じゃあどうして「派遣労働者のキャリアアップと雇用安定の施策」が派遣切りや雇止めという現象に繋がっているのでしょうか?

この記事の一番最初を思い出してください。関係各社は自分(達)にとって一番都合のいいように立ち回るのです。

法律が出来て・変わって都合の悪い部分が出来たら都合のいいように自分たちが変わるだけです。

派遣が規制で使いづらくなったらパートやアルバイトに変える。そういうことなんですよ。

もちろん全てが全てじゃないですが・・・

 

さて、3年ルールとセットで作られたのが次の四つの「雇用安定措置」です。

 

 

雇用安定化措置

3年間同一事業所で働いた後、なお契約を継続して仕事をする意欲があなたにある場合、派遣元があなたに為さねばならない義務です。(1年以上3年未満の場合は、派遣元に課せられるのは「義務」ではなく「努力義務」です。)

その内容は以下の通りです。

  1. すぐ上で述べたように派遣元は直接の雇用派遣先に依頼する(断られたら以下の措置を取らねばならない)
  2. 派遣元はあなたに対し新しい派遣先を紹介する(あなたにとって合理的な事案である必要がある)
  3. 派遣元であなたを無期雇用する
  4. 安定雇用の継続を図る目的で教育訓練などの措置をとる

 

雇用安定化措置は、もろ刃の剣だと思います。その弊害で雇止めになったりするケースも多いようです。決して派遣労働者を一方的に守ることにはならないでしょう。

ただ、一つはっきりしていることは、派遣元・派遣先が認める能力があなたにあれば、かなり融通がきく可能性が高いことです。

「余人をもって代えがたい」と派遣先が判断するほどなら直接雇用のオファーは十分ありうるし、派遣元無期雇用をして囲い込みをしたいと考えるでしょう。

そういう価値を、あなたが絶え間ないスキルアップ努力によって保持していれば、時給も上がってゆくはずです。

 

※ 直接雇用オファーに関する詳しい記事はこちらです »

直接雇用

※ 無期契約転換の詳しい記事はこちらです »

無期転換

 

 

 

まとめ

3年ルールを含む法改正は、より派遣労働者の地位安定や向上に資しているでしょうか。

  1. 契約以外の仕事を命じられる
  2. 契約にない残業を強いられる
  3. 有給休暇を申請すると派遣先から嫌味を言われる拒絶される
  4. 偽装請負にさらされる
  5. 都合よく派遣切りや雇い止めをされる

日々現場で起こっているこういう実態に、法律は派遣労働者をちゃんと守ってくれていますか?

 

関係する役所に聞きました。

何をどう聞いても「〜法ではこういう規定をしていて派遣労働者の権利を保護している」みたいな答えばかり。

 

具体的に・・・

「契約外残業について派遣元にクレームを出しても、派遣元は力がなく派遣先に強く主張できない。こういう場合法律はどうやって派遣を守るんですか?」

「派遣契約上残業がない取り決めであれば、拒否することができます」

冗談じゃない、実際に拒否したら明日から仕事できないでしょ!っていう話です。

 

おそらく、あなたにとって有利に事情が働くとすれば・・・

  1. 経済社会の中で会社間で競争原理がきちんと働くとき
  2. 法をもって(裁判などで)争う時

以上のようなことを考えれば・・・

  1. 優良で実績があって評判の良い派遣会社を選ぶこと(法律を活かしてくれる派遣会社)
  2. 重宝される喜ばれるスキルを磨いておくこと(派遣先で評価されるために)
  3. 困難に負けない精神力を持つこと(落ち着いたきちんとした交渉をするために)

これらが如何に大切かわかるというものです。

と同時に、関係者任せにしなくてもいいように、面倒でも一つ一つきちんと確認をし、常に自分で判断できるように法に関する知識を持つことが物凄く大切であります。