【携帯扇風機が危険!?】熱中症のリスクと安全に使うための注意点

携帯扇風機の人気とその背後の危険

ここ5年ほどの間に、携帯扇風機が随分普及しました。

特に、女性に人気が高く、暑くなると電車の中で使っておられるのをよく見ますが、その主はほぼ女性のようです。

お洒落で可愛い商品も多いでしょ。

ところがこの携帯扇風機には意外な危険が潜んでいるのです。

涼を求めて風を顔に吹かせるのに、これが熱中症の原因になるなんて、俄には信じられませんよね。

そこでこの記事では、携帯扇風機が何故熱中症の原因になりうるのか、また、何に注意して、どのように使うのが望ましいのかを解説します。

また、熱中症とは関係がないですが、発火・爆発事故も想像以上に多発しています。

この件も含め、熱中症に直接関係のない話題は、記事の後半に「おまけ」として、まとめて説明いたしますので興味があれば読んでくださいね。

 

発汗と体温調整のメカニズム

暑い日に顔に風を当てると多少なりとも涼しく感じるのは、風によって汗が気化し、これに温度を下げる効果があるからです。

このメカニズムが、もし崩れているとしたら、熱風を皮膚に当て続けるのはマズイと、なんとなく感覚的にもわかるじゃないですか。

そこのところをキチンと理解します。

そうです。発汗は体温を調整する上でとんでもなく大事です。

ではどうやって体温調節をしているのか、そのメカニズムを簡単にお話します。

汗が出る仕組みと体温の安定

  1. 感覚受容器の働き:体の中央部にある視床下部は、体温調整の中枢となっています。体温が上昇すると、皮膚や体の内部にある感覚受容器がこの変化を感じ取り、視床下部に信号を送ります。
  2. 汗腺の活性化:視床下部は、体温が高くなったことを感じると、交感神経系を通じて汗腺に指令を送ります。これによって汗腺が活性化され、汗が分泌されるようになります。
  3. 汗の蒸発:分泌された汗は皮膚の表面で蒸発します。この蒸発の過程で、皮膚の表面から熱が奪われるため、体温が下がります。
  4. 体温の安定:体温が一定の範囲に戻ると、視床下部は再び感じ取り、汗腺の活性化を抑制します。これによって汗の分泌が減少し、体温が安定します。

この発汗サイクルが携帯扇風機の風を受け続けることで崩れる場合があるのです。

それはどういった場合なのでしょうか?

 

携帯扇風機で熱中症になるメカニズム

汗のない表皮に熱風は熱中症を呼ぶ

扇子や団扇と違って、携帯扇風機は、スイッチオフにするまでず〜っと自動送風です。

体の表面の状態に関わらず、ず〜っと自動送風です。風が吹き続けます。そうすると、先程説明した発汗メカニズムが崩れる場合があるのです。

暑い日は、継続的に汗をかき続けることで体温調節をする仕組みなのに、自動送風は発汗が追いつかないくらい早く皮膚を乾かしてしまいます。

そうなると、皮膚上に汗はありません。そして追い打ちをかけるように、高温の風が絶え間な吹き続けます。

その風が高温であると、結果的に、体表に熱を送り込むことになります。

先に説明しましたように、体温調節するためには汗による気化熱効果が必要です。

これができないとなると、体温調節のメカニズムがうまく機能せず、体内の熱がこもりやすくなるため、熱中症のリスクが高まるのです。

だから、特に暑い日中の使用には注意が必要なのです。

更にもう一つ別の問題があって、風を直接顔にあて続けると、ドライアイのリスクが高まります。勿論肌トラブルの原因になる可能性もあるでしょう。

注意すべき外気温の温度は?

携帯扇風機を連続使用で最も注意すべきは、外気温35℃以上です。

体温付近以上の高い外気温の中で、汗が皮膚から消えて尚、携帯扇風機の連続使用はかなり危険です。

理由は先に説明しましたように、体温調節機能を奪う可能性があるからですね。

実は高湿度も熱中症の原因に

湿度が高いと汗の蒸発がしにくく体温の放散が困難になります。

それに高温が加わり、暑さ指数が高くなると最悪です。

暑さ指数

暑さ指数は、酷暑環境下での行動に伴うリスクの度合を判断するための指標。

人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温を反映し、湿球温度、黒球温度、乾球温度の値を使って計算される。

特にベビーカーへの設置は要注意

おとななら、一通りの理屈がわかれば、それなりに対応できるでしょうが、何もできないのが赤ちゃんです。

この赤ちゃんを乗せるベビーカーに、携帯扇風機を設置する際には大きな注意が必要です。

赤ちゃんはあらゆる意味において未熟であり、当然、体温調整機能も十分ではありません。

だから連続的に顔に直接風をあてるのは良くないのです。もし設置する場合は、必ず、屋根側に設置して頭の方から風がゆくようにしてください。

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ここまでの説明で、汗と体温の関係、そして、それを踏まえた上での携帯扇風機の使用上の注意はわかりました。

ではどんなふうに使うのがよいのでしょうか?

営業職なんかだと、炎天下であっても毎日外を歩かざるを得なくて、ホント辛いですよね。

そこで次に、

高温の外気の中で、体の安全を確保しつつ、少しでも快適な状態に過ごす方法は?携帯扇風機の使い方は?

これについて考えてみましょう。

 

熱中症対策は携帯扇風機+αの組み合わせ利用で

発汗が体温調整をする上で極めて重要な役割を果たしていました。鍵は、気化熱が体から熱を奪って体温調節してくれることでした。

ところが、携帯扇風機を連続使用し続けると・・

  • 暑いから風を受けたくなる
  • 携帯扇風機で風を直接受け続ける
  • 汗が早く乾きすぎて体温調節ができなくなる

こうなるのでした。とはいえ、超絶暑いからなんとかしたい。

そこで、高温多湿の中を過ごさねばならないときには、グッズを複合利用することで有効な対策を取りましょう、ということになります。

携帯扇風機を中心に、他のアイテムも同時に使うことで、上手に気化熱を発生させたり、体の湿度をさげたりしましょう。

組み合わせて使えるアイテムはどんなものがあるのでしょうか?

  1. 携帯扇風機
  2. ネックリング
  3. ネッククーラー
  4. 冷感タオル
  5. 帽子
  6. 冷却スプレー
  7. 冷却ジェルシート
  8. 携帯日傘
  9. 扇子
  10. 水筒・塩分補給食品
  11. 接触冷感素材を使った衣類

大凡以上のようなものが組み合わせ対象になるでしょう。

では、少し具体的な商品の説明や紹介をしていきます。タイトルにもなっている携帯扇風機は少し丁寧に説明します。

携帯扇風機

携帯扇風機は関連グッズの中では最も種類が多く選び放題な商品です。気に入ったものを買えばいいのです。

とはいえ、購入する際の判断基準は持っておいて損することはないでしょう。

ということで、何を頭において選べばよいのか、その条件を以下の述べます。

携帯扇風機の限界

ネット上の書き込みを読んでいると、室内用扇風機との比較で、風の範囲が狭いとか、強風を期待していたのに風力が弱いという不満もあるようですが、仕様をよく読めばわかる通り所詮はそういう商品です。

選択条件

  1. 品質:1.まず最初に安さを気にするなら、この際それはやめたほうがいいです。2.アマゾン・ドット・コムには怪しげな商品が安価で沢山ありますが、基本的にはそういう商品は、評価も含め信用しないほうがいいです。3.やっぱり少し高くても信頼できるメーカー製が一番です。
  2. 安全性:特に小さなお子さんと行動をともにする時に使うなら、指が入らない保護カバーのあるなしなどは気にすべしです。
  3. 保証:保証期間やアフターサービスも購入の際に確認しておくと安心です。
  4. 風量調整:調整できるものが便利で、羽は複数枚ある方が風力が出ます。
  5. バッテリー:1.バッテリー持ちは、特に炎天下で長時間使う予定の方は重要ですが、この手の商品では2000mAh程度の商品が多いです。2.しかし稼働時間を考えれば3000mAh以上はほしいです。3.ただ、持続時間の長さと重さはトレードオフの関係にあるので、持ちが良いほどバッテリー重量は重くなります。
  6. サイズと重量:1.百聞は一見にしかずなので、お店に行くか同僚の持っているものを手にしてそれを判断材料にするのがいいです。2.大きさや重量は主観の世界です。感じ方が人によって全く違う。
  7. 防水機能:汗や水に強い商品がいいです。そういう耐性があれば安心です。
  8. 羽根の枚数:これも実際に風にあたってみるとわかるのですが、枚数の多いほうが強力な風が生まれるし、単一羽よりも風が柔らかく感じるでしょう。
  9. 羽下首の可動性:首が曲がると首掛けした時に顔に風が当たりやすくなります。また、首を曲げるとそのままデスクに置けます。
  10. 静音性:これに関してはDCモーター一択。商品説明に「静音」記されている日本製品であればある程度信頼はできるでしょう。
  11. 充電方法:外出先でも手軽に充電できる方式が良いです。私はUSB充電が一番いいと思います。
  12. カラビナ:カラビナがあるとバッグなどに掛けられて非常に便利です。

 

商品の紹介

中にはミストを風に加えたりや冷却プレートを組み込んだりするアイデア商品もありますが、如何せん本体があまりにも小さいので効果は限定的だと考えたほうがいいです。

Silky Wind Mobile 3.1
  1. 上に上げた条件に当てはまる項目が多くスタイリッシュです。
  2. 正価:税込み2,980円
Francfranc フレ ハンディファン
  1. Silkyにしてもフラン・フランにしても、ファッション性を重視したトレンド製品のような扱いで完全に女性がターゲット。
  2. でも押えるべき基本性能はバッチリなので安心して使えます。
  3. ただ、これはWind Mobile 3.1とは違って、首に角度はつけられません。

正価:税込み2,480円〜3,280円(商品カラーで価格が違う)

PRISMATE 静音ハンディファン アロマトレイ
  1. 基本性能は抑えられていて姿がよく、首も曲がって、ストラップありで且つ静音とかなり推したくなる製品
  2. 正価:税込み2,728円

この商品でも↓全然問題ありません。

注意事項

  1. 季節商品はリスクを避けて限定生産という方針が各社ともあるのか品切れが目立つ
  2. 狙い目があるならシーズン前に買う必要あり
  3. 転売ヤーの高額商品を掴まないように!

次に、携帯扇風機以外のグッズを少しだけ紹介します。

再度いいますが、好きなのを買えばいいのです。ただ、上に書いたような見るべきところをちゃんとスペック表で確認して、口コミなんかをあまり当てにしないのが賢明な買い方です。

クールリング

  1. 商品によって、クールリング・アイスリング・クールネックリング・クールアイスリングなど名称は様々。
  2. 冷やしたループ状の商品を首にかけて使うのでワイシャツ&ネクタイのスーツ姿とは相性が悪い。
  3. 凍結温度は商品によりにけりで、28°・24°・20°・18°など色々。どれもPCMという素材を使っており本質的には同じ。繰り返し使える。
  4. 主なチェックポイントは、太さ、つけ心地、凍結温度、持続時間など。
  5. 原理的に、そんなに長時間効果を発するものではないが、携帯扇風機とのセット効果は十分期待できる。

ネッククーラー

  1. ここで言うネッククーラーとは冷却プレートで冷えた空気をファンで首に送る商品のこと。
  2. 室内を冷やすクーラーとは違って、構造的にも価格的にも効果は限定的。
  3. 夏の屋外イベント・コンサートなんかには向いているかも知れない。
  4. 持続可能時間はバッテリーの容量によるが2時間から4時間くらいか。
  5. チェックポイントはクールリングに準ずる。

冷感タオル

  1. 読んで字のごとく冷たく感じるタオルで、瞬間冷却タイプと接触冷却タイプの二種類がある。
  2. 瞬間冷却タイプは気化熱を利用し、タオルを濡らして絞ってから振るという一連の動作で冷却する。
  3. 接触冷却タイプは熱伝導率を利用して体の熱をタオルに移動させるという冷却方法である。
  4. 汗かいた首などに直に触れるので、通気性と吸湿性の良い素材を選ぶのがポイント。
  5. 大きさは首を冷やせる程度のものがいい。
  6. 効果が持続するわけではないので、携帯扇風機との組み合わせで上手に繰り返し使えるようにする。

冷却スプレー

  1. 部分集中的にスプレーするエアゾールタイプともう少し広範囲にスプレーするトリガータイプが有る。
  2. ひんやり感が得られる(体温が下がるわけじゃない)メンソール入りや、制汗機能や消臭機能を持つ冷却スプレーもある。
  3. 複数の香りタイプを用意している冷却スプレーもある。
  4. 元々の目的を考慮すると上に紹介したような方向性を持つ商品がおすすめ。
  5. 冷却スプレーと携帯扇風機の組み合わせは相性が良い。

冷却ジェルシート

  1. 熱さまシートや冷えピタのような商品のこと
  2. 貼った部分はす〜っとするが額に貼っても直接的な体温への効果はない
  3. ペタッと額に貼って携帯扇風機で風を受けてちょっと休憩

塩分補助食品

  1. 炎天下に外歩きが必要な場合には、バッグに保冷ボトルと塩分補助アメや塩分補助タブレットを入れておきましょう。

その他アイデア商品

探せば色々とあります。

  1. リュック通勤に便利な、リュックと背中の間に入れて使うメッシュ製品。
  2. 接触冷却繊維の下着(これを身に着けて時々冷却スプレーが効果的)
  3. 保冷剤をポケットに入れて着るベスト

 

 

シチュエーション別の組み合わせ例

その日の天候、活動内容、体調などに応じて選ぶとよいでしょう。ここでは、幾つかの組み合わせ例を紹介します。

屋外でのスポーツやアクティビティ

  • 携帯扇風機
  • 冷感タオル
  • 帽子
  • 水筒・塩分補給食品
  • 接触冷感素材を使った衣類

通勤・通学時

  • ネッククーラー
  • 携帯日傘
  • 扇子
  • 水筒・塩分補給食品

屋内での作業

  • 携帯扇風機
  • 冷却スプレー
  • 冷却ジェルシート
  • 接触冷感素材を使った衣類

高齢者や体調が弱い方向け

  • ネックリング
  • 冷却ジェルシート
  • 水筒・塩分補給食品
  • 接触冷感素材を使った衣類

 

(おまけ1)携帯扇風機の発火・破裂について

一般的に、携帯扇風機は多くの場合、顔の近くで使います。

だから、これがいきなり発火したり破裂したりしたら、顔の火傷や失明に繋がらないとも限りません。

絵空事ではなく、結構な事故件数が報告されています。

2022年度までの5年間で、把握されているだけでも45件もの事故が発生しているのです。

じゃあ、何故事故が発生するのか? その原因は?

主原因はリチウムイオンバッテリー

携帯扇風機に内蔵されているリチウムイオンバッテリーの損傷や劣化が発火や破裂につながるんですね。

直接的な原因

  1. リチウムイオンバッテリーが元々粗悪である
  2. リチウムイオンバッテリーに落としたりして強い衝撃を与える
  3. 夏の車内など高温の場所に放置する
  4. 過充電により劣化が進む異常発熱する

対策

上記のことをしない、そういう状態にしないのは勿論ですが、一番の対策はしっかりした国内メーカーのものを購入するということです。

これに尽きる!

 

(おまけ2)「ハンディファン」という和製英語

この記事では、あえて「ハンディファン」を使っていません。

「ハンディファン」は和製英語であり、ネイティブには意味が通じません。

それはそれで日本文化の一部という人もいますし、私も、何が何でも嫌だと言うほど極端ではないですが、今回は日本語にしました。

英語圏では「ハンディファン」ではなく”portable fan”や”handheld fan”などの表現が一般的に使われます。

ついでながら、扇子のように手動で風を起こすものの場合は”hand fan”です。

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