【台湾】台東が好き!気候・特産品・観光スポット【ダイジェスト】

三仙台
三仙台

台東県を詳しく紹介する前に、まずそのダイジェストを作成し、大枠で理解していただくことがこの記事の目的です。

そのため、細かいことは説明していません。サクッと読んでいただいて、なんとなく台東県のイメージを心の中に作っていだたければ嬉しいなって思ってます。

本当はとっても魅力的なのに、台湾観光客にあまり関心を持ってもらえない地味な地域である台東県。なんとか、その既成概念を払拭して台東の魅力をわかってもらえるように頑張ります。

 

台東県という場所

台東の市・郷・鎮
台東の市・郷・鎮 by 台東県政府

台東県は台湾の東南に位置し、非常に細長い形をしていて、16の市・郷・鎮から成っています。

 

中央山脈と海岸山脈

西側には平均標高2,500mというとんでもなく高い屛風のような中央山脈が、また、東側(海側)には海岸山脈(海側に山脈がある理由は別記事で紹介)が平行に走っています。

台東県形状
台東県形状

中央山脈とは言っても台湾の中央からかなり東側に寄っているために、しかも海岸山脈とサンドイッチ状態になっているので、台東県の平野面積は非常に少なく細長く、つまり地形が全体的にかなり複雑で厳しいという大きな特徴を有しています。

また、県の形状が南北に縦長であるために、176kmという台湾一の海岸線を有しています。

地形が極めてダイナミックに複雑であることは、自然がとっても美しいことを示していると同時に、交通インフラの整備が著しく困難であったことも意味します。

それから、私はまだ行ったことがないのですが、台東県には緑島と蘭嶼という二つの島も含まれています。

 

また中央山脈の両サイド比較でいうと、台風が襲来すれば台東県のダメージは大きい反面、中央山脈のおかげで台南や高雄はそれほどでもないケースが多いわけです。

台湾海峡側は比較的地形がよく海上交通の便もよいので、早くから開けてきましたが、そういう意味では台東県は真逆で、地形は極めて厳しく、海上交通の便も悪く、かつ台北からもウンと遠いために、経済的発達が遅い、言い換えれば人の手があまり加えられいない場所なのです。

 

台湾の平均人口密度は650人/㎢なのにたいし、台東県は約64人/㎢ととんでもなく少ないですね(総人口22.5万人)。またもう一つの特徴として、台湾一原住民比率が高く人口の1/3以上を占めており、原住民の故郷と言われる所以です。

 

これらのことは、自然はどこまでも美しく海も山も堪能でき、空気や土壌が汚染されていないので野菜や果物が美味しく、また漁業が盛んで、ここでしか食べられない魚も新鮮で美味しく、住民の方々は温和で優しい、といった素晴らしい特徴と結びつくわけです。

台湾一発達している便利な台北での観光やグルメも確かにいい面はたくさんありますが、最もあるがままの状態を残している台東も、台北にはない大きな魅力を持っています。

 

以上述べてまいりましたように、少し不便ではありますが、従って「弾丸旅行」には相応しくありませんが、ゆったりした癒しの旅には最適です。

是非時間を作って台東にいらしてください。本当の大自然の風に吹かれ、温泉にゆったり浸かり、地元ならではの安心で美味しい食事をし、人情味に感動する旅を一度体験してみてください。

 

 

気候と服装

台東県全てが北回帰線よりも南側に位置するので高山部分を除けば熱帯気候です。

台湾の天気予報は実はあんまりアテにならないような気がします。場所的に予測が難しいのかな? とにかく当たらない。

>> 台東の天気予報

私は2月中旬から10日間行きましたが、その間予報では、太陽は一回だけで、その他はほとんど曇り/雨か、日によっては雷マークでした。

焼けた腕
焼けた腕

ところが・・・まあ写真を見てください。二月だというのにかんかん照りで、たった二日間自転車に乗っただけでこの日焼けですよ。熱帯気候おそるべし。

結局、日中傘のいらない程度の霧雨の降ったのが数時間だけで、後はぜ〜んぶ晴れ時々曇りか抜けるような青空でした。(但し、中央山脈の方・山沿いはもっと雨が降っていたようです)

 

台東の年間気温推移
台東の年間気温推移

さて、年間の最高・最低気温と日照時間の変化はグラフの通りですが、夏季は突出した高気温の日があるはずです。熱帯気候のエリアを日本の気候の経験をもとに理解しようとすることは危険です。

冬でさえ・・・中央通訊社のニュースによりますと、2018年12月22日、この日なんと台東では31.2°を記録しています。

暑さ以外に6月〜10月の間はゲリラ豪雨と台風も心配です。台東県で記憶に残っている事件として、知本温泉の金帥大飯店が記録的豪雨が原因で倒れ濁流に飲まれたのは8月のことでした。

そういったことから、訪問する上でのベストシーズンは12月〜2月くらいだと思います。(但し、熱気球とかベストシーズン以外に開催されるイベントを見たい場合はまた別の話)

 

で、ベストシーズンに着る服装のお話ですが・・・

日陰では海の側特有の風が吹いて心地よく、薄手の長袖(もしくは、プラス薄いカーディガン)でちょうど良いのですが、とにかく直射日光がものすごく強いのでその対策が必要です。

いつ行くにしても、晴れたら直射日光は恐ろしいほど厳しいです。とはいえ(過去を思い返してみると)若ければさほど気にならないかも。

上のグラフの2月を見ると最低気温16°・最高気温22°となっていますが、私の滞在中は18°〜25°くらいでした。

 

ということで、最も寒い2月でも、男なら下着は半袖でタイツは不要です。上着は(日焼けは別として)日中はTシャツ一枚で、デイパックに何か長袖の薄物を入れておく程度。凄い寒がりなら、長袖の薄物に加え一番薄いウルトラライトダウンくらいでしょうか。

さらに寒さが心配だとしても、どうせ日本を発つ時は上下全部冬仕様なのでそれらを活用できるでしょうし、最悪、旧台東駅の側にユニクロもあります。

 

 

交通

公共交通機関はバスと列車(台湾鉄路)です。バスは3つの会社が運行しています。

交通については、こちらの記事も参考にしてください。

台東空港と駅

いずれにしましても、関係アプリを使えるようになっていないと、台東のような本数の少ない公共交通機関の使いこなしは厳しいかもしれません。解説記事をご一読ください。

>> 台湾等公車(Bus Tracker Taiwan)の使い方

 

 

 

特産品

お土産としての販売場所など詳しい情報については改めてご紹介します。

農産物

近代化が進んでない分空気も水も綺麗で、汚染とは無縁の農産品が豊富でおいしいです。

  • 池上米・・・台湾一の米ブランド。そして何と言っても池上弁当。台東にきて池上弁当を食べないのは北海道に行ってカニとイクラを食べないのと一緒。
    池上弁当
    池上弁当
  • 関山米・・・池上の隣接地で採れる関山のお米も有名。池上米とともに真空パックになった土産がある。
  • 福鹿茶・・・台東県のお茶といえば福鹿の紅烏龍茶。紅茶のような烏龍茶のような深い味わいと甘い香り。鉄観音茶もいいけれど日本人にはこちらがより好まれそうな気がする。
    紅烏龍茶
    紅烏龍茶
  • 金針花・・・一日だけ咲くところから忘れ草とも呼ばれる台東の特産。スープ・天ぷら・炒め物などなににしても癖がなくておいしく歯ごたえが抜群。そしてタンパク質や鉄分など栄養豊富。
    金針花のスープ
    金針花のスープ
  • 洛神花(ローゼル)・・・台東といえば洛神花というくらい名産中の名産。書ききれないくらいの効能を有し、中国産が圧倒的安値で入ってきてるのに、事情を知っている人は見向きもしない。それくらい台東産は評価されている。洛神花茶や甘酸っぱく漬けたものが有名。
    洛神花と洛神花茶 by 佳興食品廠
    洛神花と洛神花茶
  • 釈迦頭・・・11月から2月が収穫の最盛期である釈迦頭も台東の代表的なくだものの一つ。ちゃんと熟したものはクリーミーで甘く少し酸味もあり癖になる美味しさ。日本への持ち込みはできないので現地で食べましょう。
    路端の釈迦頭売り
    路端の釈迦頭売り
  • 肚臍柑・・・ネーブルですね。11〜12月が収穫期で東河や成功が有名産地です。きめ細やかでものすごく甘いです。生産量は多くないのでチャンスがあれば是非食べてください。
  • 香丁・・・バレンシアオレンジです。3〜4月が収穫期で東河や成功そして関山が産地です。香りが強く、味が濃厚です。気候と土壌が深く関係しているのでしょうか、とにかく美味しくて記憶に残る味です。
  • コーヒー豆・・・非常に美味しいと以前から聞いていた。太平洋からの風・光、気温・湿度・土壌、そういったものが相乗的にプラスに作用し、上質で独特な風味を持つ豆を育む。阿里山珈琲とともに有名。しかし収穫量がそう多くなく希少で高価。
    台東コーヒー
    台東コーヒー
  • 地瓜・・・さつまいも。原住民料理の店では粳米ともち米のブレンドしたものにサツマイモを加えたご飯が定番で出される。美味しいお米と甘いサツマイモのご飯は美味。また道を歩いているとよく目にする「地瓜酥」看板。これは甘いサツマイモチップで台東土産の定番。
    サツマイモ入りご飯
    サツマイモ入りご飯

>> 果物類は基本的に日本には持ち込めません

 

海産物

黒潮の通り道である台東に面する太平洋は魚が豊富で、昔から原住民の食を支えてきました。

  • 旗魚(カジキマグロ)・・・カジキマグロといえば成功港で水揚げが有名。現地に行けば刺し身やタタキも食べられる。お土産としてはフレーク状のものが有名。香りが抜群で味も混じりけがなくて旨味が凝縮されている。また、薄くローラーで轢いたような肉紙もお土産にいい。ビールのおつまみにぴったり。
    旗魚でんぶ
    旗魚でんぶ
  • 鬼頭刀(シイラ)・・・ハワイで言えばマヒマヒ。台湾では魚丸(魚のすり身団子)の原料として重宝されている。だから水揚げは多くても探さないと料理としてはなかなか口にできないかも。私も一店舗しかわからなかった。グロテスクな顔とは裏腹に、あっさりしてクセがなくて美味しい。
    シイラのリゾット
    シイラのリゾット
  • 白帯魚・油帯魚・・・日本のものとは違うタチウオの仲間。油帯魚の方が脂が乗って美味いらしいが私もまだ食べたことがない。
    油帯魚
    油帯魚
  • 飛魚・・・台東に行ったなら是非食べたいのが飛魚。台東の蘭嶼が有名で2〜6月が漁期。1年中島の周辺にいるが、蘭嶼の原住民は決めた期間しかとらない。チャンスがあれば絶対に食べたい魚。個人的には台湾で食べられる魚で一番美味しいと感じている。
    飛魚料理
    飛魚料理

 

 

原住民の工芸品

原住民の民芸品
原住民の民芸品

原住民の故郷・台東には原住民のお土産ショップがいくつもある。商品にある模様や形に原住民ごとの違いがあり、そういったことを教えてもらいながら品定めする経験はなかなかなく貴重です。

衣類・装飾品・彫り物・焼き物・小米酒などなど。

 

 

観光地

沢山あって全てを知っているわけではありませんが、私が経験した場所を写真と文字で別記事にて詳しくご紹介します。

  • 台東市街:旧台東駅の東側一帯が賑やか。ホテルもお店もこの辺に集中している。
    台東市内と太平洋
    台東市内と太平洋
  • 国立台湾史前文化博物館:台湾の古代からの歴史を教えてくれる。結構ロマンを感じる。
    国立台湾史前文化博物館
    国立台湾史前文化博物館
  • 卑南文化公園:現台東駅のすぐ北側にあるプユマ族の公園で貴重な遺跡が発掘されている。
    卑南遺跡公園
    卑南遺跡公園
  • 台東糖廠文創園区:日本統治時代の製糖工場。多くの人達が間借りで様々な活動をしている。原住民のお土産店の品揃えが充実。
    台東糖廠文創園区
    台東糖廠文創園区
  • 台東環市サイクリングロード:台東市をぐるっと囲む、全長21kmのよく整備されたサイクリングロード。多分、景観も空気も台湾一。
    サイクリングロード
    サイクリングロード(海鐵馬道)
  • 台東海浜公園:太平洋に面した公園。いろんなモニュメントがあって、インスタ映えスポット多数。
    台東海浜公園
    台東海浜公園
  • 台東森林公園:台東海浜公園に隣接している、よく整備された非常にダイナミックな公園。
    台東森林公園
    台東森林公園
  • 鯉魚山公園:市の中心部にあるランドマーク的な丘。龍鳳宝塔の最上部に登れば市内と太平洋が一望できる。
    鯉魚山公園
    鯉魚山公園
  • 鉄花村:週末の夜はここが一番。原住民のライブやバザーが楽しい。ほろ酔いでお店めぐりもいい感じ。
    鉄花村
    鉄花村
  • 台東鉄道芸術村:80年続いた旧鉄道の歴史を閉じ込めた場所。撮り鉄の人を待っている。
    旧台東駅
    旧台東駅
  • 宝町芸文中心:日本統治時代に建てられた日本人用住居。一杯書や花が綺麗に飾られていて嬉しくなる。
    宝町芸文中心
    宝町芸文中心
  • 台東観光夜市:台東で唯一観光客が気軽に行ける夜市(ほかの夜市もあるにはある)。果物屋さんが多い。
    台東夜市
    台東夜市
  • 知本温泉:台湾四大温泉の一つ。弱アルカリ性炭酸水素ナトリウム泉で美肌の湯。静寂の中にある。
    勇男橋
    知本温泉
    知本温泉
  • 知本森林遊楽区:知本温泉地区の一番奥にある国立の森林公園でよく整備されていて楽しい。力の入れようが伝わってくる。
    知本森林遊園区
    知本森林遊園区
  • 卑南大圳水利公園:卑南大圳という灌漑用水路を整える事業の一環で出来た公園。美しい。サイクリングの休憩スポット。
    卑南大圳水利公園
    卑南大圳水利公園
  • 池上弁当博物館:台湾最高のお米ブランド、池上米を使った池上弁当の食堂で2階が博物館。
    池上弁当博物館
    池上弁当博物館
  • 大坡池:台湾では珍しい天然の湿地。周辺が綺麗に整備されていて自転車での一周が楽しい。
    大坡池
    大坡池
  • 伯朗大道:伯朗咖啡(Mr.Brown)がCMに使ったことが名称の由来で、更に金城武出演のCMで一気に有名に。
    伯朗大道
    伯朗大道
  • 鹿野高台:世界の熱気球フェスティバル12カ所の一つに選ばれたのが鹿野高台にて毎年開催される臺灣國際熱氣球嘉年華。
    熱気球
    熱気球
  • 武陵緑のトンネル:ここをサイクリングすればもう最高な緑の街路樹トンネル。
    武陵緑のトンネル
    武陵緑のトンネル
  • 三仙台風景区:向島との間にかかる八拱跨海歩道橋は超有名。インスタのためにあるような場所。
    三仙台の風景
    三仙台の風景
  • アミ族文化芸術センター:日に二回開催されるアミ族の無料演奏会はレベルが高く聴く価値あり。大砲の火付け体験も楽しい。
    アミ族
    アミ族
  • 水往上流奇観:水路の水が下から上へ流れるところとして有名な観光スポット。
    水往上流奇観
    水往上流奇観
  • 登仙橋休憩区:野生の猿の猿の楽園。観光客がシャッターをしきりに押すがここの猿はおとなしくのんびりしている。
    登仙橋休憩区
    登仙橋休憩区
  • 東河橋:川の下に広がるたくさんの白色帝王石が珍しい。空と渓流と海の景色が心を惹きます。
    東河橋
    東河橋
  • 加路蘭休憩区:もとは土砂の廃棄場で後に東海岸国家風景区の一つとして整備した休憩区。台東の東海岸は本当に美しい。
    加路蘭休憩区
    加路蘭休憩区
  • 小野柳:台湾北部の有名な観光スポット「野柳」と同じ原理でできている岩の奇景が「小野柳」の由来。
    小野柳
    小野柳
  • 富岡漁港:東海岸の主要な漁港の一つで緑島と蘭嶼へわたる時に使う港であると同時にクジラウォッチングの拠点でもある。
    富岡漁港
    富岡漁港

 

 

まとめ

最強池上弁当
最強池上弁当

台東の地理的なこと、気候、特産、観光地などについて俯瞰的にザッと説明いたしました。

ただし、観光スポットについては、知本温泉以外は台東市の南側には行ってないので説明から省いています。

台東について改めて強く感じるのは、20年以上台湾に来ていて、今まで経験したどこよりも住民の皆さんが親切で暖かく柔らかである、ということです。それが、如何にリラックスした旅につながるかがよくよくわかりました。

卵以外は野菜だけの素食弁当
卵以外は野菜だけの素食弁当

また、サイクリングしていて大声で歌うなんていう、人生で初めての経験もしました。

風があまりにも気持ちよく、人はおらず聞こえるのは風の音だけで、どんな大声も迷惑にならないなんて不思議な感覚です、すぐそこに町が見えている場所なのに。

豚肉づくし弁当
豚肉づくし弁当

そしてそして、何と言ってもお米が美味しい、弁当がうまい。ちょっとした食堂の料理もおいしい。

山菜と梅の蜂蜜漬けが特徴
山菜と梅の蜂蜜漬けが特徴

市内以外の観光地巡りにはちょっと作戦が必要です。観光スポット同士が離れており、鉄道やバスでは、点には行けるけれど、点と点を結んだ線を制覇するのは困難です。結局、最も効率的なのは現地ツアーの利用です。また、タクシーの一日契約もいいですね。

最後に日本語ですが、ほとんど通じません。通じるとしたら大きなホテルの受付ぐらいでしょう。日本人観光客がウンと増加すれば変わっていくのでしょうが・・そうなってほしいと願っています。現状は、Google翻訳を使い笑いながら悪戦苦闘するしかないです^^

ということで台東観光の概要をお話ししました。日本にはない、台湾の本当の自然と原住民文化に興味を持ってもらえたら幸いです。

さあ食べよう観光しよう