目 次
娘の急激な変化についていけないお父さん
この記事は、娘が中学生になったあたりから急にお父さんを嫌いだし、一方的な誹謗中傷を毎晩毎晩受けて、なす術もなく傷ついているお父さんへの手紙です。
- 臭い
- うざい
- キモい
- 邪魔
- ハゲ
- 超ムカつく
- あいつの後では風呂に入れない
- あいつと一緒に食事できない
- 目を合わすな
- 近づくな話すな
三つ四つの頃はあんなに可愛かったのに、なんでこんなありえないような暴言を繰り返し発するようになったのか?
お父さんとしては当惑するし、ムカっともするし、さりとて「親に喧嘩売るんやったらとことん買うで、ふざけんな、かすが」とも言えず・・ね。
会社では我慢の連続で、家に帰ってきてまたそれ以上の我慢。
家族のために頑張ってるつもりが、それを否定されるんだったら、一体なんのために働いてるんだろうね?
というように、出口のわからない部屋をぐるぐる回る感覚に陥ったら、これは要注意です、危険です。
でねおとうさん、これ結論から言うと大半は解決するんですよ。
以下縷々説明しますが、もし読んでくださるのであれば、まずはその結論を信じて肯定的に理解していってください。
即効性のある策はこの世に存在しませんが、でも、大半は解決します。
で、古くて新しいこの娘問題には、過去、世界中で多くの議論がなされてきました。当然説は一つではありません。私が支持する説も「一つの」説です。
なので1+1=2というような解はないし理解もできないと心得ておいてください。
さあ、では具体論に進みます。
生理的嫌悪
娘が突如暴力的発言を連発するようになる原因は、それはズバリ父親に対する「生理的嫌悪」です。
娘の父親に対する態度が劇的に変化するのは、だいたい初潮あたりからのはずです。
お父さんから見ればまだまだ子供であるはずの娘の体は、もう妊娠して新しい命を宿せる能力が備わってるのです。
つまり、精神がまだまだ未発達なのに、体だけが先に大人になってしまって著しいアンバランスが発生している状態です。
まずは「そうなんだ」としっかり認識することが極めて重要です。
なぜ父親を生理的に「うざい」と感じるのか?
先に述べた通り、思春期の女の子は子供を宿せる体になっていくので、近親相姦を回避するために備わった本能的な機能なのです。
人間に限らず、動物はできるだけ自分の持つ遺伝子とは異なる遺伝子を持つ相手を配偶者として、或いは交尾相手として選ぶ傾向にあります。
だから、女の子自身に冷静な判断能力があったとして「こういう言い方をしてはいけないんだ」と思えても、それは彼女自身のコントロールには繋がりません。
感覚的には、その時期は娘の身体中を特有のホルモンが暴れまくってどうする事もできないイメージです。
しかし、こういった思春期の娘に特有な行動・言動は、残念ながら正常で順調に成長していく過程でもあるのです。
お父さんは避けられて当然です。本能的なものだから。
他のグループに交尾相手を見つける猫
自分とは異なる遺伝子を求める例ですが、かなり以前に岩合さんの猫番組(海外編)を見て知りました。
発情期になった猫に同じグループのオスが近づくのですがメスは交尾を避けるのです。そして、わざわざよそのグループまで出かけてそこのオスと交尾をしていました。
これからわかるのは、交尾の決定権はオスではなくメスにあること。気に入らないオスが近づいたら本気モードの強猫パンチを出すのでもわかります。
丈夫な子孫を残すことは人間を含む動物の本能に宿った一番大切な使命です。
汗臭い男のTシャツの匂いの感じ方が女性によって違う
これまた古いテレビネタで細かい部分はよく覚えていないのですが・・・
Tシャツを着た5〜6人の男性に汗をたくさんかいてもらって、そのTシャツを回収します。
今度はそのTシャツの匂いを5〜6人の若い女性にかいでもらってその反応を見る、というものです。
A氏のTシャツの匂いに関して、O子さんは「この人吐くかも」と思わせるくらい強烈な拒絶反応を示したのに対し、P子さんは全く不快に感じず、むしろ好感を持つくらいの匂いだと言っていました。
B氏のTシャツの匂いでは、全く逆さまの反応・・といった具合です。
なんでこんなに極端な相違が出るのかというと、自分に近い匂いを、特に思春期の娘は避けるからです。だから個人差が出てくる。
これもまた近親相姦を避ける機能の一つとされています。
思春期の娘にとってお父さんが「そう匂う」のは当然です。
そんなわけで、思春期の娘がお父さんを嫌い避けるのは、どうも正常でしょうがないことのようです。
さはさりとて、おとうさんも生身の普通の人間で聖人君主ではないでしょう。
来る日もくる日も自宅のドアを開けた途端に、雨あられの如く飛んでくる矢や弾を無防備で受けていてはいくら相手が娘とはいえ・・ね。
例えば、決して「痛い」と言わない人でも不意に脛を思い切り蹴られたら「痛い」って発するでしょう。
情報が脳まで到達する以前に、ちゃんと判断する前に反応してしまうようなことってあるはずだし、誰でも似たような経験はあるでしょう。
そう言いたくなるくらい娘の言葉の数々は大きな破壊力を持っている。
しかし、お父さんが反射的に娘に取り返しのつかない言葉を投げつけたり、とっさに平手打ちをしてしまったりという事態は、どうしても避けなければなりません。
そんなことをすれば、奥さんも含めて、家庭全体が崩壊しかねない危機に直面する可能性が出てきます。
そこで、あくまでもお父さん次第ではありますが、思春期の娘に対する理解の仕方、なすべきこと、しないほうがいいことなどを以下に述べて参ります。
娘はもう幼児ではない
お父さんが帰宅すると、真っ先に「パパ〜」と抱っこされにきた3〜4才頃の娘のイメージでいつまでも娘を見てはいけません。
娘はもう劇的に変化しているのです。
先に述べた通り、娘の体は既に子供を産める能力を備えています。心がそれに追いつかず、そして、ホルモンが体内で暴れまくり(比喩)、娘自身が自分に苦しんでいる可能性もあります。
可愛かった時期のイメージは捨ててください。
娘はお父さんの理想ではないし、一人の独立しかけている人間、ある意味おとうさんとは関係のない個体です。そう理解して精神的に距離をおくのがいいと思います。
感謝イコール好きではない
あんまり人格否定的にボロクソに責められると、おとうさんはつい口にしてしまうんですよね。
- 誰のおかげで毎日安心して過ごせるんだ?
- 誰のおかげで毎日食事ができるんだ?
- 誰のおかげで学校に行けてんだ?
しかし、こういったフレーズはほぼ全く無意味で、作用反作用の法則じゃないけど、かえって娘のお父さんに対する更なる攻撃エネルギーの源になったりします。
だから、もう最初から結論はわかっているので言わないでください。
翻って、じゃあ娘は本当になにもわかっていないのか?
いいえ、多くの場合はわかっているでしょう、心中感謝の気持ちのない娘はいないでしょうし、同様にお父さんの優しさもちゃんと理解しているはずです。
ただ、特にこの時期、感謝≠尊敬であり、感謝≠好き、つまり理屈として感謝はされていても、それがお父さんを喜ばせる表情や言葉には繋がらないのです。
さて、以上から非常に重要な事がわかります。それはやってはいけないこと、且つ、言ってはいけない事なのです。
- 説教は悪影響のみ出る
- 理屈はいかに真っ当であっても通用しない
- ほんの少しでも見下す言動をしてはいけない
- 暴力は死ぬまで恨まれる
娘のために一生懸命頑張っているという思いが強いほど、娘の暴言が原因でとっさの平手打ちなんて事態になることもあるのは先述の通りです。
「誰のおかげで〜」という思いは捨てるべきです。毎日の思いはどんどん大きくなってとんでもない負のエネルギーが蓄積されて、とてもとても危険です。
もし、一度でも手を挙げたら一生恨まれますよ。平和な家族関係が再び構築されることはないとの覚悟が必要です。
話は真っ直ぐに聞く
娘が生理的な嫌悪感でお父さんを否定している以上、お父さんから積極的に距離を縮めようとはしないことが肝要です。
それがキモいんですから。
しかし、もし娘から相談事など、話を申し込まれた場合はきちっと受ける必要があります。
「きちっと」とはどういうことか?・・・
- 真っ直ぐに真剣に聞く
- 説教はしない
- 認めるべきは認める
- 褒めるべきは褒める
- 選択権・決定権は娘に与える
- 間違いを指摘されたらそれが正当であるなら言い訳なしで素直に謝る
- 同意できない或いは理にかなってない話はきちっと筋道を立てて否定する
一番マズイのは「やっぱりお父さんになんか相談するんじゃなかった」とつぶれてしまうことです。
もう一つ大切なことは、話し合いが穏当に終わったとしても、それをもって距離を縮めようとは決してしないことです。
行事に参加する
確たるデータはありませんが、娘との不和が大きいお家のお父さんは、学校行事に積極的には参加しないケースが多い可能性があります。
父兄が参加する学校行事はいろいろあります。その全部というわけにはいきませんが、できる限りは参加すべきです。
入学式・卒業式・参観日・運動会・発表会などなど。
特にクラブ活動の父兄役員になるのがいいんではないでしょうか。そして、積極的な理解と応援。積極的な送り迎え。
こういうお父さんを娘は実によく見ています。
な〜に家で娘と話なんてしなくてもいいのですよ。そういったことは奥さんとの話題にすればいいのです。
そういう姿勢や話を娘はちゃんと見てるし聞いてるし、自分に時間を割いてくれている、応援してくれているお父さんを娘は娘なりに評価しています。
生理的嫌悪を助長する行動は控える
思春期の娘が生理的嫌悪をより一層大きくするような行動はやめるに越したことはないという話です。
気付かぬところでお父さんの家での行動が、マイナス感情を助長する伏線になっていることがあったりします。
例えば、おそらく多くのご家庭の娘に当てはまると思うのですが、毎夕食時飲酒するお父さんはかなり嫌なはずです。
理由は簡単です。
- 臭い。お酒を飲まない人にとって酒飲み中の口臭は本当にクサい
- 飲酒に伴う生理現象。ゲップ・おならなどが耐えられない
- 酒を飲むと話がしつこくて説教調くさくて或いは距離感を縮めようとして超ウザい
娘によって差はあるでしょうが、お父さんの飲酒とそれに伴い発生することは、死ぬほど嫌いな可能性が高いです。
以上を、言い訳とともに軽く一蹴するようなお父さんには、より一層厳しい試練が待ってるかもしれません。
これはほんの一例で、要は無意識に毎日行っている同様の習慣のようなものは、一度真剣に見直した方がいいです。
「どうしてそこまで卑屈になる必要があるんだ」と感じられたお父さん。どこにそんなことがそんな趣旨で書かれていますか?
一方どうしようもない嫌悪感助長要因もあります。
例えば、お父さんの顔とか背丈とか髪の毛の生え具合とか・・・これらに嫌悪感を持たれているのであれば、それはしょうがないとともに、生理的嫌悪感とはそういうものだと理解するしかありません。
娘は父母の関係を鋭く見ている
まさに鋭く見ています。その関係が及ぼす影響を軽く見てはいけません。
複雑な問題が絡むのでなかなか難しい側面もありますが、基本的には・・・
- 奥さんを大事にする
- 「夫婦平等」を基本理念として行動する
- 「男女平等」を基本理念として行動する
しかしこれらは多くのお父さんにとって、総論は賛成だけれど実行は難しいことだと認識されると思います。
しかも夫婦仲は複雑な要因が一杯あって、それらが永きに亘って積み重なっていってるのでね。変えようとしてもなかなか一朝一夕にどうこうなるものではない。確かに。
ただそうではあっても、結論として、毎日の奥さんとの関係は確実に娘に影響を及ぼします。
奥さんの役割は極めて重要
文字通りです。
思春期の娘とお父さんの関係は、奥さんの立ち振る舞い一つで少し良くなる場合もあるし、修復不可能なくらい悪化する場合もあります。
特に、夫婦仲が険悪な場合は、それだけで確実に悪影響を及ぼします。
また、奥さんが印象操作をするために、ありもしない物語を娘に信じ込ませている場合も、かなり酷い一方的に不利な状況にもなりえます。
この辺の事情が絡まって離婚に発展したケースを銀行員時代に複数件見てきています。
もし、奥さんと一緒に家庭を作っていく、守っていく意識を共有できるのであれば、娘への対応はもう全面的に共同作業という認識を持つのが一番です。
娘の心中を奥さんがきちんと代弁できる、教えてくれるのであれば、お父さんはずいぶん助かるし孤独にならずに済むし暴発の危機も遠くなるでしょう。
お父さんは、その奥さんの話を真っ直ぐに真剣に聞く必要があります。唯一の拠り所ですから。
また奥さんは娘に対するお父さんの代弁者にもなり得ます。これは微妙なところで其々のご家庭の事情や家族関係にもよります。
が、奥さんが理解を示してくれるのなら、積極的に協力をしてくれるのであれば、お父さんは是非ともお願いすべきです。
また、奥さんが出来ることの一例ですが、今頃なら折角スマホがあるので、娘がお父さんに悪態をついている場面を動画撮影して娘に見せるのも有力な手です。
お父さんが不在で娘の心も比較的落ち着いている時に見せれば、父へ酷い罵詈雑言を浴びせている姿がいかに醜いかが理解できるかもしれません。
それで表面的な何かが変わらなくても確実にプラス要因にはなります。
究極の拒絶反応と捨て台詞
娘からお母さんへ「もう精神的にお父さんと一緒に住めないから離婚してほしい。別の場所に住みたい」
どう切り返すか、正にお母さんの腕の見せ所というか口の効かせどころというか。
娘は、なんなら「嫌厭病で死ぬかもしれない」と思っているような状態ですから、納得してくれるような話はほぼできないし不可能でしょう。
じゃあ放置か?というとそれも乱暴な話です。事実だけは淡々と伝えるべきです。
- お母さんはお父さんと愛し合って結婚したし今も愛しているから別れない
- この家庭をお父さんと協力して運営しており潰すつもりはない
- あなた(娘)の苦しみは初潮を迎えた思春期特有のもので、あなたの友人も同い悩みを抱えている
- あなた(娘)の今の苦しみは社会人になる頃には嘘のように消えている
- お母さんもあなた(娘)と同じ道を歩んできたから気持ちはよくわかる
- 私(おかあさん)自身お父さんを吐きたいほど厭だったが20才過ぎには嫌悪感そのものを忘れていた
などなどです。
娘からお父さんへ「望んでもいないので勝手に私を産んで聞きたくもないことを私に押し付けるな」
ひょっとしたらお母さんに対して打つける方が多いかもしれません。何にしてもよく経験することではないでしょうか。
で、どう返答するのか? まぁネットを検索してください。様々な考えや答えがあります。なので、ご自分に合う理屈があればそれを参考にするのがいいかと思います。
過去、たくさんの意見を聞いたり読んだりしてきました。しかし、私の考えは全く違います。
一番対極にあると感じた意見は「そもそも産んだこと自体が悪なのでひたすら謝り続けるしかない」。・・「勝手にどうぞ」としか言いようがありません。
「じゃあお前はどう娘に言うんだ?」
はい、私は「人間は人間である前に動物であり、動物は生まれた時点で命を繋ぐ宿命を負っている」と言います。「だからこそ、遥か彼方の昔から命が途絶えることなく、今こうして私たちがいるのだ」と。
多分即座には理解はしてもらえないでしょうが。
生まれ持った宿命は、人間の意思とは関係のない自然の摂理です。
ここに戻れ!!
どこかで読みましたが、あるお家の息子がお母さんに対し「誰がてめーに産んでくれと頼んだんだ」と捲し立てました。
すると間髪を入れず、即座にお母さんは息子の上にまたがり「じゃあここに戻れ!」。この一喝で息子は黙ってしまったとか。
なんちゅう超ド・ストレート。大谷翔平のフォーシームより威力がある!!
参考になるサイトと本
たくさんありますが、ここでは一つずつあげておきます。
- 参考サイト:ウワサの保護者会・思春期編
- 参考本:思春期の女の子が親に求めていること
まとめ
思春期の娘に難儀しているお父さんの立場に立って、様々な角度から問題を提起し、それに対する見解を述べてまいりました。
百の家庭には百の事情があるので、あくまでも参考になればいいな・・という記事です。
それとこの記事は、思春期の娘以外に家庭破壊的な問題はない前提で話を進めましたが、いくつもの問題が絡まっている場合はそ当然の分ややこしくなります。
お父さんの浮気やパチンコ依存、お母さんの外出過多やそれに伴う非常識な出費などなど。
それらのことにより、娘の心もより複雑に痛むと思います。
親が子に与える影響は絶大で、例えば、成人して親離れが完了していても、自分の父親の酷さだけをテーマにしたブログを運営している女性がいたりします。
尽きることがないのですよ、負の思い出が。
とはいえ、あまりにも問題が複雑化しすぎるので、この記事では他の事情は全部カットしています。
実は、うちは男の子ばかりだったので親として娘の生理的父親嫌悪を経験してはいません。
しかし兄として、妹の強烈なそれを狭い家の中で体験しております。まぁ凄かったです。加えて父が典型的な関白で、手を出したりしたのである種もう無茶苦茶でした。
生きていくのが精一杯な家でなんやかんやと混沌としてはいましたが、それでも、妹も短大を卒業する頃には普通に親孝行な娘に戻っていました。
ご家庭におおきな負の要因が他にない限りは、大体は、あなたの娘さんもうちの妹と同じように変化していくはずです。
で、最後に結論です。
色々と奥さんとも協力しつつ努力して、でも日々辛い暮らしを強いられるお父さん。
基本的には静観しかありません、勿論クラブ活動の手助けなど出来ることはするにしても。じっと見守る、この一手が最善手です。
逆に、一番良くないのは、親の希望願望を押し付け成長を歪めるパターンです。
多くのお母さんの話では、だいたい20才過ぎから2〜3年くらいが目処であると思われます。
お父さん、その間とても大変でしょうが、娘の心が成長し落ち着くまで待ってください。
「お父さん、お母さん、今までありがとう」なんて言われて涙ポロポロの日がすぐに来ますよ。
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