目 次
東海岸の概要
下は東海岸の絵地図です。赤色で囲っている場所を今回紹介します。
台東県の太平洋に面している南北に長い海岸に沿って観光スポットが並んでいます。
海と山が接近していて凄く綺麗です。なので、ただドライブしているだけでも気持ちいいですよ。
この一帯は台北から遠く、日本ではマイナーなので日本人はそんなには来ません。旅行中、日本人に出会う確率はとても低いです。
別に東海岸が穴場というわけではありませんが、揉まれずにゆったりと台湾を楽しみたい方にはちょうどいいのではないでしょうか。
太平洋の大海原はどこまでも美しく、アミ族の奏でる音楽は素朴な透明感で溢れていて、時間がゆったり流れています。
私自身は、芋洗状態の中に身を投じ、息苦しくて、何をしに行ったのかさえわからなくなるような九份よりも東海岸がいいです。落ち着いて台湾を感じることができます。
ということで台東の東海岸、早速紹介していきましょう。
交通手段をどうするか?
東海岸の観光で最も困るのが交通手段の確保です。鉄道は通っていないし、バスも本数は極端に少ないし。
台東市内中心部から往復130kmくらいの間にスポットが点在するので、効率よく巡るのは、なかなか難しいです。
どんな移動手段があるのでしょう?
- 台灣好行バス東部海岸線を利用する
- 台湾ツアーバスかkkdayの貸切チャーター車を利用する
- 現地で個別に車をチャーターする
というような選択肢になります。
いずれにしても、日本人観光客が極少なので、日本語のできる運転手さんはほぼいません。
ですから、ここは外国なんだ、日本語は通じないんだ、という覚悟は必要です。
では、個別に説明しましょう。
台灣好行バス東部海岸線
東海岸観光に利用できるバスは好行の一択のみです。他に選択肢はありません。
ホームページを見ると・・・
- 東部海岸線導覧専車券(499元)
- 東部海岸一日券(299元)
が利用できそうですね。
線導覧専車券はガイド付きの観光バスでしょう。行程は・・・
- 10:00・・台東転運站
- 10:50〜11:40・・阿美民俗中心
- 12:00〜12:50・・成功小鎮
- 13:10〜14:00・・三仙台
- 14:45〜15:00・・水上流
- 15:10〜16:00・・小野柳
- 16:20・・台東転運站
この記事で紹介するスポットを全部回れるわけではありませんが、結構ゆったりしたスケジュールで、価格もお手頃なので、結構お勧めかもしれません。
ただしガイドは北京語か英語でしょうから、それは諦めなきゃしょうがないです。
次に、東部海岸一日券ですが、基本的に1日5便しかなく、観光スポット巡りには適していません
どこか、例えば三仙台の写真だけ取りにゆくとかであれば使えるでしょうが、何箇所も巡るのであれば、それは根本的に無理です。
何れにしても、乗車券は台東転運站のサービスセンターで購入できます。
kkdayの貸切チャーター車
【台東】貸切チャーター車・郊外観光1日ツアー:花東縱谷 / 東海岸コース選択可から海岸コースを選択します。料金は・・・
- 5人乗り:平日14,320円、休日:15,481円
- 9人乗り:平日17,416円、休日:19,351円
その他のサービス内容についてはホームページをご覧ください。
kkdayが好都合なのは、日本にある会社なので、事前手続き・質問などは全て日本語でできる点です。これは便利で気が楽です。
訪れたい観光スポットは、一応雛形はありますが、料金を勘案しつつ、この記事を参考に相談されたらいいのではないでしょうか。
ただ、現地ではやっぱり日本語が喋れない台湾人が運転手なので、そこは注意です。
台湾ツアーバス
これは、台湾各地の地元の会社と観光局のタイアップで運営されているサービスです。
基本的内容はkkdayと同じようなものです。違うのは、交渉が北京語になることです。
日本語でもできないことはないのですが、先方が翻訳機を使ってくるので、細かい詰めで誤解の生じる可能性があります。
基本コースは台東玉長公路南環線1日ツアーで、これは東海岸だけでなく結構欲張りコースです。時間も8時間と長いし。
もし、乗車が自分たちだけであれば、時間内であれば、当日にスポット変更の相談は可能です。ただし日本語は不可。
事前にきちんと打ち合わせしておけば、約束の時間にホテル前まで迎えに来てくれます。
料金は1,400元で、もし客があなた一人だけであった場合は(当日にならないとわからない)、その場で1,000元追加支払いです。
実は、私はこれを利用しました。コースも一部変更してもらいました。北京語がそんなにできるわけじゃないので、移動中はほぼグーグル翻訳のお世話になりました。
好行の観光バスも魅力的なのですが、こっちはホテルからホテルまでですし、各スポットの滞在時間も融通が利くのでね。
最後に、現地でタクシーなどを半日・1日契約する方法ですが、これは、例えば台東のシェラトンなんかだとフロントで日本語がほぼ通じるので、お願いしましょう。
ですが、なんども言うように、運転手に日本語は期待できませんし、そうであれば上で紹介したような事前チャーター予約の方が安心できていいと思います。
さて、交通手段の説明が終わりましたね。続いて観光スポットの紹介に移りましょう。
海辺の省道11号線を北方から台東市の方へと南下するのですが、北側から順に紹介していきます。
三仙台
名称の由来は、呂洞賓・何仙姑・李鐵拐という中国の有名な八仙のうちの3人が来た(らしい)ことに由来しています。
実際に現地に立つと分かりますが、東海岸の特徴である奇岩がゴロゴロした風景の中に、離島に向かって、おそらく東海岸観光で最も有名であろう橋(三仙台跨海歩橋)が架かっています。
今は島になっている三仙台も元々は一続きだったのですが、長年の海水の侵食で分離してしまいました。
二時間くらいはかかりますが、もしゆっくりできるのであれば、橋を渡り三仙台まで行きましょう。
強い風と海水の侵食で、なかなか見事でダイナミックなここにしかない奇景を見ることができます。
島は遊歩道が整備されていて、とっても歩きやすいです。
インスタにあげるための橋の写真を撮ったらもう用はない、ではあまりにももったいない気がします。
それから、お土産の品も充実してますよ。
阿美族民俗中心
台湾の代表的な原住民、阿美族の文化や暮らしを体験できるところです。
ここに建てられている祭り屋や部屋は、日本統治時代に千々岩助太郎が調査の上作成した絵図が元になっています。
台湾は本当にいろんなところに日本人の足跡が残っています。良いか悪いかは別にして。
あと、敷地内では、工芸品作成の様子を見学できたり、それらの販売店があったり、その他文物の展示などもあります。
そしてそして、何と言ってもここに来たら、阿美族の音楽ショーを見なければ来る価値半減です。
原住民文化の話を交えながらの演奏は聞きごたえがあります。合奏に一体感があってかなり演奏技術は高いです。
もう一つ、逃してならないのが大砲の着火と号砲音体験です(これも音楽ショーの一部)。
原住民のお兄さんが大砲に火薬を詰めて(その辺の砂を詰めているようにしか見えない^^)、客の一人に着火をさせてくれます。
実は、車の運転手さんから「音が大きいからびっくりしないように」と言われていたにもかかわらず、その様子を動画に撮っていた手が、爆発音が鳴った途端にブレブレ^^
演奏の合間にMCのお姉さんが色々とお話をされるのですが、そんな中、「台湾には幾つの原住民がいるか知ってますか?」と観客に質問しました。
台湾のお客さんがみんな無反応だったので、私が「16(スーリョウ)」と答えました。
そしたら、MCのお姉さんが、「誰も答えられないのに日本人の観光客が正解を言いました」と言ってくれたので、すかさず立ち上がって、えっへんポーズをとったら、みなさんが拍手をしてくれました^^
- 開場時間:9:00〜17:00(水曜のみ閉場)
- 演奏時間:(平日)11:00・14:00、(日曜)午前は予約制・14:00・15:30
東河橋
東河橋は馬武窟溪という河に架かっている橋で、250mくらい離れて新旧と2つあります。そして、その東側はすぐ海です。
旧橋は日本統治時代、日本人技師によって1930に架けられた吊り橋で、元は「吉困橋」と呼ばれていました。
これが後台風で壊れてしまい、1953年に修復され現在に至っています。
旧東河橋から上流を見ると、河の中にたくさんの巨石が山から流れ落ちており、周囲の緑とよくマッチして美しい自然を作り上げています。
また下流を見ると、新橋の向こうに海が見え、それはそれでとても綺麗です。
東河橋から馬武窟溪を5km程溯ると登仙橋休憩区という猿の楽園があります。
みんな熱心にシャッターを切っているけど、猿は全く関知せずで、実にのんびりと生活しているみたいです。
なんていうか、観光客が群がるほどは来ないのが逆にいいのかもしれません。
東河包子
東河橋から1kmほど南に下ると東河包子という台湾まんじゅうの専門店があります。
肉餡や芋・豆のあんこを包んだ中華まんじゅうですね。
何故かぽつんとこんな場所にあって、しかも凄く美味しくくて超有名なんですね。それに安い。
実は、初代から親戚が暖簾分けで近隣に合わせて4店舗があります。みんな同じ味かどうかは知りません。
元々は食堂だったそうで、包子が評判になって専門店化したようです。
肉まんを食べるときはスープがこぼれないように注意が必要です。一食は百聞に如かずで、食べれば人気の秘密がわかります。
東海岸に行ったら忘れずに寄ってください。
水往上流
東河包子から16kmくらい南に下ったところにあるのが水往上流です。
水往上流、つまり水が低い方から高い方へ流れてるって場所で、確かに現地に行けばそう見えます。
「引力に反してこんなことがあるのか」ということで有名になりました。水路の側には「奇観」と彫られた石が。まぁ、当然錯覚なわけですが^^
上に流れる水路に沿って歩くと、上側にはお土産やさんが並んでいます。結構充実してます。
一応観光地ということで、結構いいムードにはなってますが、ここだけではちょっと弱いような気もします。
あくまでも東海岸観光の一つという位置付けで。
加路蘭休憩区
水往上流から10kmほど南下したところにあるのが加路蘭休憩区です。
綺麗に整備された海辺の公園で、いろんなオブジェが置かれています。そして、展望台や休憩施設もあります。
もとは志航基地空港(台東の空軍飛行場)建設の際に出る廃材廃土置き場だったのですが、後に大改修が行われ現在の美しい姿に生まれ変わりました。
太平洋が眼前に広がってね、青と緑のコントラストがとても美しく、ぼ〜っとしていたい、そんな気分になる場所です。
毎年手作り品のバザーや野外コンサートなんかも行われています。
小野柳
東海岸では一番南に位置する観光スポットです。
名称の由来は、台北の東側に女王頭岩で有名な野柳という観光名所がありますが、そことよく似ているため「小」野柳となったわけです。
サンドイッチ状の地層の柔らかい部分が長年の浸食作用で削られ、それに地殻変動が加わり、独特の景観を作るんですね。
こういう岩の入り組んだ場所で、好きな人は海の小動物を見つけたりするんですよね。
なかなか壮観な景色です。若い人たちは大きな岩の上を平気で歩いていて、ちょっと怖いです。奇岩好きには絶好のスポットです。
野柳に行ったことがあるなら、ここに来て比較してみるのもいいかも。
敷地内にある小野柳遊客中心に入れば、独特の地形ができるメカニズムが解説されていて面白いです。それに涼しい^^
ここは東海岸でも特に人気のスポットで観光客が多く、よく整備されていて設備も整っており土産物の品揃えも充実しています。
また、よく晴れた日には海の抜こうに同じ台東県の緑島も見えますよ。
最後に、ここ小野柳遊憩区にはかなり大きなキャンプ施設があります。きっと、季節になったらにぎわうんでしょうね。
富岡漁港
小野柳のすぐ南側に、緑島や蘭嶼島への定期船が出ている富岡漁港があります。昔は加路蘭港と呼んでいました。
朝8時過ぎに行けば港に上がった魚の観光漁市がたつので、その見学も楽しい。
島渡りの船は相当揺れるらしいです。物凄く船酔いするという話も聞いたことがあるので、乗る方は注意が必要です。
まとめ
台東県の東海岸にある観光スポットを巡るための交通情報と各スポットの説明をしました。
写真と文章で少しはイメージできましたでしょうか。そこに行く前に、何らかの情報を持っているのって結構重要です。
何の事前知識もなくポンとそこに立っても、感慨なんか湧きようがないわけでして。
そういう事を考えれば、こういった記事は意味を持つと思います。特に、今回紹介したエリアは、日本では情報がないので。
それともう一つ、記事の中で何回か説明してますが、日本語が通じないということですね。これを克服しなくてはいけません。
海外なので、台北とかハワイとか、ごく一部の地域を除いては通じなくて当たり前です。
日本語以外できないと困りますか? はい、困ります^^
でも、全く気にせずにどんどん出かけて有意義に過ごしている方も少なくありません。要は事前準備と、後は心の持ち方一つです。
戦前からの台湾人は基本的に親日です。それを信じて、後はGoogle翻訳を使いこなせば、極端に困ることはないでしょう。
さあ、行きましょう。東海岸はあなたを待ってますよ〜。
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