目 次
アミノ酸の正体は?
- スポーツ筋肉の増強
- 疲労や筋肉痛の解消
- ダイエット
- 美容
- 医療
様々な世界でアミノ酸はサプリメントや薬として大活躍です。健康食品の世界だけでも、いったいどれくらいの種類のアミノ酸サプリがあるのでしょうか? そして、どの広告でもすごい効果が謳われています。
なんか凄そうなアミノ酸。でも、イメージ湧かない。わかっているようで、わからないような・・ということで纏めたのがこの記事です。一緒に理解していきましょう。
さて、体を構成している物質をザクッと分けると、
- 水:60%
- タンパク質:20%
- 脂肪:15%
- その他:5%
と、実に半分以上が水だったのです。もっと固形物の割合が多いような気がしていたのですが、実は6割が水なんですね。
ということは固形物が残り40%になりますが、その内タンパク質は20%ですから、固形物の約半分を占めていることになります。
タンパク質は大事ですよ!
体の各部分、
- 皮膚・髪・爪
- 筋肉
- 骨
- 血液
- リンパ液
これらは全てタンパク質からできています。このように体の各所で必要に応じて作られるタンパク質の種類は実に約10万種類と言われています。
ところが、そんなに多くの種類があるタンパク質ですが全ては20種類のアミノ酸から出来ています。たった20種類です(地球上には500種類のアミノ酸が存在すると言われています)。
20種類のアミノ酸分子は数百或いは数千とつながって必要なタンパク質に再合成されます。というわけでアミノ酸抜きに体の組成を考えることはできないのです。
そしてアミノ酸は・・
- 体を作り
- 栄養になり
- 外敵から守り
とあらゆる場面で活躍しています。ですが、普通に生活し偏りのない食事をしていれば特に気にする必要もないし、不足することもありません。
であれば、どうしてスポーツや美容やダイエットなどに関して(医療は別として)こんなにアミノ酸関連商品がもてはやされ商売の対象になるのでしょうか? その辺りをもう少し深く考えていきましょう。
たんぱく質で摂取すべきかアミノ酸で摂取すべきか
一般的に私たちは食事によってタンパク質を摂っています。この場合、タンパク質はどのようにして体に吸収されるのでしょうか?
タンパク質を含む食物を摂ると
- 十二指腸で消化酵素の働きによりアミノ酸結合隊であるペプチドという状態になり
- さらに小腸で最小単位のアミノ酸に分解されて
- それから吸収される
それでは、タンパク質の代わりにアミノ酸を直接摂取すれば
- タンパク質の消化・分解過程が不要なので
- 消化器官に負担をかけずに素早く摂取できる
という違いがあります。これは相当に大きなメリットです。
ただ、アミノ酸直接摂取(=アミノ酸サプリを飲むこと)でタンパク質の代わりをさせると滅茶苦茶コストが高くつくので、偏りのない食事でとれるものをわざわざお金をかけてアミノ酸サプリとして摂るか?という話です。
また、天然食材から摂るタンパク質はその他栄養素を同時に摂ることになりますが、合成されたアミノ酸はまさにそれのみの摂取であると言えます。
一方、食品からタンパク質を摂ると消化吸収までに数時間かかる上にアミノ酸の種類と量的なバランスの問題が出てきます。最初からバランスのとれたアミノ酸サプリを摂取すればすばやく大きな効果が期待できます。
まとめると、アミノ酸サプリでの摂取はタンパク質を含む食品摂取と比べ
- 吸収が早い
- 消化器の負担が少ない
- アミノ酸バランスをコントロールできる
- アミノ酸のみが摂取できる
- 継続利用に掛かるコストが高い
ということになります。さてさて・・・
アミノ酸は合成できるものとできないものがある
タンパク質は20種類のアミノ酸から出来ているんでしたね。そのうち・・
- 9種類は体内合成ができず必須アミノ酸と呼ばれており
- 残りの11種類は体内合成可能な非必須アミノ酸となります
ですから、体内で作れない必須アミノ酸は毎日食事で摂取しなければなりません。
必須・非必須という名称の違いから優劣を感じるかもしれませんがそれは誤解です。どちらのアミノ酸も同等に重要です。っていうか、名称に違和感がありますね。
20種類のアミノ酸の内訳は下の通りです。
非必須アミノ酸
- アラニン 肝臓のエネルギー源
- グルタミン 腸・白血球のエネルギー源
- グルタミン酸 潰瘍治癒・アンモニア排出作用
- アルギニン 免疫力活性化・創傷治癒
- アスパラギン酸 アンモニア排出作用・疲労回復作用
- アスパラギン アスパラギン酸アミノフェラーゼでアスパラギン酸になる
- システイン 美白作用・抗酸化作用
- プロリン コラーゲンの主要成分・皮膚の保湿作用
- グリシン コラーゲン・抗酸化物質・エネルギー物質などの合成材料
- セリン 皮膚保湿因子成分・神経細胞原料
- チロシン 抗ストレス・鬱状態改善
必須アミノ酸
- バリン BCAAの一つで筋肉のエネルギー源
- ロイシン BCAAの一つで筋肉のエネルギー源
- イソロイシン BCAAの一つで筋肉のエネルギー源
- メチオニン 肝機能促進・肝臓保護・抗鬱作用
- フェニルアラニン 抗鬱作用・鎮痛作用
- トリプトファン 入眠効果・鎮痛効果
- ヒスチジン 成長促進作用・血管拡張作用
- スレオニン コラーゲン原料・脂肪肝予防作用
- リジン 疲労回復作用・肝機能向上作用
これら20種類のアミノ酸のうち体内生成できない必須アミノ酸を特に過不足なく摂取することが大切なわけです。そこで登場するのがアミノ酸スコアという概念です。
アミノ酸スコア
必須アミノ酸の理想的な量をアミノ酸パタンとして基準化されています。これに対して食品に含まれる必須アミノ酸のうち最も少ない必須アミノ酸の割合をアミノ酸スコアと言います。
必須アミノ酸の桶理論
体内にある9種類の必須アミノ酸はどれかが不足すると、他のアミノ酸はその値と同量以上の活用はされません。
→http://www.lbv.jp/aminoacid/essential/
タンパク質の合成はスコアの低いアミノ酸の量によって制限されます。ですから全ての必須アミノ酸が100になるように食材を組み合わせて食べることが大事です。単にタンパク質が多い食材というだけではダメなわけです。
単品でアミノ酸スコア100になる食品は肉や魚にいくつもあります。しかし、そういう食材に偏ると、
- 摂取すべき他の栄養素とのバランスの問題や
- 摂取総カロリーの問題など
が発生します。なので、総合バランスを考えて多くの種類の食材摂取が推奨されているわけです。
食品とアミノ酸スコア
リンク先の表を見ると食材とアミノ酸スコアの関係がよくわかります。
→http://www.chiffonya.com/shop/kouza/titokudata_6.htm
食品別のアミノ酸スコアを見ると野菜や穀物類は単品ではアミノ酸スコアが100になりません。どれもいずれかの種類のアミノ酸が不足しているのです。しかし、組み合わせて食べることで解決ができます。
大切なのは組み合わせです。例えば・・
- 大豆食品とお米の組み合わせでアミノ酸スコアは100になります。
- 大豆食品と小麦の組み合わせではアミノ酸スコアは100になりません
和食は栄養バランスがいいですね。
さて、体の源アミノ酸。当然、運動にも美容にもダイエットにも、何をするにせよ、必ずついてくるのです。次に、その辺を個別に説明していきます。
運動とアミノ酸
運動を継続していく上でアミノ酸は欠かせません。今やアミノ酸サプリと無関係なアスリートはいないでしょう。何と言っても
- 筋肉を増強する
- 良質のエネルギーを補給する
- 筋肉の修復と回復をする
そういう本質的な部分で欠かせないのです。しかもアミノ酸は体の構成物質であって薬ではありません。薬で無理に
- 筋力アップする
- 持久力をつける
- 疲労を感じなくする
こんなことをしていると
- 様々な後遺症が出る可能性がある
- 寿命が短くなる可能性がある
というような危険が付きまといます。国際競技大会になると必ず出てくる「ドーピング」がこれです。
以上のような理由で、上手にアミノ酸サプリを利用してスポーツする体の役に立てるわけです。そんなアミノ酸の中でも代表的なものは・・
プロテイン
まずはアミノ酸ではなく、アミノ酸分子でできている純タンパク質サプリメントつまりプロテインの利用についてです。
プロテインを摂取しているとそれだけで筋肉がつくと思っておられる方がいますが、それは間違いです。上記の通りプロテインは純タンパク質です。タンパク質をいくら摂ってもそれだけでは筋肉モリモリにはなりません。
トレーニングをしつつ必要なプロテインを摂ることで徐々に筋肉体質は作り上げられていくのです。
もちろん食事で摂るのが基本ですが、必要な摂取量を食事から全て摂ろうとすると、摂取カロリーが多くなりすぎたり吸収に時間がかかったりするのでプロテインの併用は非常に合理的なのです。
プロテインには
- 牛乳が原料のホエイプロテイン
- 大豆が原料のソイプロテイン
この2種があります。アミノ酸スコアにせよプロテインスコアにせよ、総じて動物性タンパク質の方が高いです。そこだけに注目すれば両方とも満点の食品は鶏卵です。
しかし、牛乳を飲めない私はソイプロテイン愛好者です(多分牛乳消化の酵素が少ない体質です)。もちろん他の食品の食べ合わせでアミノ酸スコアは常に100にします。
BCAA
アミノ酸の中でも特に必須アミノ酸の
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
の3種類を総合してBCAA(Branched Chain Amino Acids)と呼んでいます。
一般的に、食品中タンパク質の必須アミノ酸の半分はBCAAです。
激しい運動をするには、長時間運動を続けるには、たくさんのエネルギーが必要です。ところが運動をしていると、やがてエネルギーが不足してきます。
そこで体は筋肉のタンパク質に目をつけます。筋肉中の必須アミノ酸に占めるBCAAの量は約35%にもなります。エネルギーがなくては運動ができないので、筋肉のタンパク質を分解しできたBCAAを利用・消費し始めます。
その結果、筋肉は消費され減少し損傷を受けたりします。
ですから、運動をする前にBCAAを補給して血中や筋肉中の濃度を上げておけば、それが運動のエネルギーとなり、筋肉への悪影響を抑えることができるのです。
運動をしつつも筋肉を分解させないことが非常に重要です。
更に、運動後や就寝前に摂取することで、損傷した筋肉を修復し、筋肉疲労の回復にも寄与します。
BCAAを多く含む食品
鶏の胸肉・マグロ・カツオ
ということでプロテイン(タンパク質サプリメント)とBCAAは、運動を継続する上で必要な栄養素としてアスリートはよく併用しています。私もそうです。
ところでこれらとは別に、非必須アミノ酸の
- アルギニンや
- グルタミン酸も
アスリート関係のサプリとして話題になり商品化もされているのですが、その必要性はどうでしょうか?
アルギニンサプリ
アルギニンは非必須アミノ酸の一つです。
アルギニンには
- 成長ホルモンの分泌を促す作用
- 筋肉の疲労回復や修復作用
- 筋肉のタンパク質合成作用
などの優れたが作用があります。サプリメントの宣伝サイトに行くともっと多くの効能が夢のように書かれています。そして、まるでサプリでの摂取ありきのように。
しかし、それは違います。上記のように非必須アミノ酸です。つまり体内で合成が出来るのです。さらに、アルギニンを含む食品が普通にあるのですよ。
アルギニンを多く含む食品は
- 肉
- 牛乳
- 魚
- えび
- 大豆
など特別ではない、ごく普通の食材に含まれています。
ただ、激しい運動を継続している場合は不足する気がするのでサプリメントの活用に心が誘われることはあるでしょう。
グルタミン酸サプリ
グルタミン酸も非必須アミノ酸の一種です。
化合物のL-グルタミン酸ナトリウムは食べ物の旨み成分としても有名ですね。グルタミン酸にはやはりタンパク質合成を促進するとともに分解を抑える作用の他、アンモニアに作用する働きもあって・・
- 筋肉の修復作用
- 筋肉疲労除去作用
- 排尿促進とアンモニア排泄作用
- 脳の機能活性化作用
などの重要な働きをします。しかしアルギニンと同じでグルタミン酸は・・
- 体内で合成される
- 筋肉中にあるアミノ酸の半分以上を占めている
したがって、体内に十分にあります。またグルタミン酸を多く含む食品は・・
- 小麦
- 豚肉
- カツオ
- 大豆
などです。
アルギニンとグルタミン酸のサプリ
これらについてはキラ星のごとく情報が乱立しています。それらを信じて使うのも必ず悪いとは思いませんが、私は使いません。その理由は・・
- 実験における効果確認と健康な人体がサプリを飲んでの結果は同じではない
- にもかかわらず実験の結果を拡大解釈して広告している
- 健康な人体がサプリとして摂取しての効果が確認できていない
- 実質的効果が確認できないものを使うのはお金の無駄
- サプリが中性でない場合は消化器を痛める
さらに、海外の情報を色々読んでいると、タンパク質(プロテイン)の摂取をきちっとしていればBCAAさえ不要とする主張すらあります。広告に乗せられない慎重な判断が必要だと思います。
潤いの秘密とアミノ酸
若々しい肌や髪の毛とはどのような状態のことでしょうか。それはみずみずしく潤いのある状態を指します。逆に、きちっと保湿ができていないと、ガサガサやパサパサな状態になってしまいます。
では、肌や髪の毛はどのような仕組みで保湿状態を確保しているのでしょうか。
皮膚についてですが、
- 表皮
- 真皮
- 皮下組織
の3層構造をしていて、さらに表皮は
- 角質層
- 顆粒層
- 有棘層
- 基底層
の4層構造になっています。
角質層が持つ潤いの秘密
表皮を構成している物質のほとんどはケラチンからできている角化細胞で、表皮の一番底の基底層での細胞分裂で生まれます。
そして上へ上へと押しやられ、顆粒層直上で角化細胞は死にます。これが角質層を構成する角質細胞で、やがて垢となって離れていきます。この新陳代謝によって表皮の品質を保っていると言えます。
角質細胞は細胞膜が厚く、その内側で補強的役割をしている周辺帯と合わせて頑丈な構造になっており、これが10~20層(手や足の裏はもっと分厚い)に重なって角質層を形成しています。
角質細胞はこのように
- 頑丈な作りになっているだけでなく
- 刺激に対して変化しにくく極めて安定的な特質を持っている
ので外界に対する保護機能を果たせるわけです。
そして、角質細胞と角質細胞の間には細胞間脂質という物質がビッチリ詰まっています。この構造はブロックと接着剤のような関係で、
- 強力な保水機能や
- 強力なバリア機能
を発揮します。
細胞間脂質にはおなじみのセラミドが多く含まれています。セラミドは親水性があって、細胞間脂質は脂質と水のサンドイッチ構造となっています。
その角質細胞の層と細胞間脂質でできている角質層は表皮の一番外側で20ミクロンほどの厚さ(薄さ?)ですが、
- 体内の水分の過剰蒸発を防ぎ
- 紫外線を防ぎ
- 抗酸化作用も発揮している
極めて大事な部分です。
もし角質層が体の表面を覆ってなければ水分が蒸発して、人間は生きて行くことができません。逆に言えば、この角質層のおかげで乾燥した季節でも、お肌は柔らかく滑らかで潤っているわけです(皮膚が健康であれば)。
髪の毛も
髪の毛も主成分は皮膚と同じたんぱく質でできたケラチンです。爪と同じく角質が変化したものでもあります。
したがってたんぱく質の元であるアミノ酸の摂取が非常に有効です。
また、髪の毛の表面組織はキューティクルと呼ばれ、硬いうろこ状で何層にもなっています。このキューティクルがしっかりとしていることが髪の毛の保湿に極めて重要です。
キューティクルは外気と接しており傷つきやすいため、アミノ酸の摂取が欠かせません。特に毛染めはキューティクルのダメージが大きく、毛母細胞へのアミノ酸供給が欠かせません。
アミノ酸シャンプーの謎
「アミノ酸シャンプー」って単語をよくみますが、これってなんなのでしょうか。当然、成分にどれかのアミノ酸が含まれているのでしょうが、アミノ酸を直接頭皮に塗りつけてなんの効果があるのでしょうか。
髪にとって大切なことは
- 頭皮を清潔に保つこと
- 健康な毛母細胞
じゃないんですか。そのために食事に気を配ったりストレスを溜めないようにしたりするんですよね。
「アミノ酸シャンプー」の客観的で論理的な評価を見つけることができません。
では、この角質層の保水能力とアミノ酸の関わりはどうなっているのでしょうか?
天然保水因子
角質層には天然保水因子があり約40%がアミノ酸で約10%がアミノ酸からできるPCAです。このアミノ酸は非常に水と結合しやすいために、アミノ酸の周りに水が結合し(一次結合水)、更にその周りを水が結合したり取り巻いたりします(二次結合水)。
一方、角質層には結合しない自由水という名の水も存在します。
体の周りが乾燥してくると、一番先に自由水が失われ、次に二次結合水が失われますが、一次結合水は非常に失われにくい構造となっています。
以上から保水・保湿にとってアミノ酸が極めて重要な働きをしていることが理解できます。
ビタミンAが不足すると
皮膚が角質化してきてカサカサと荒れたり日々が割れたりします。βカロチンを多く含むほうれん草やニンジンを食べましょう。
さて、みずみずしく潤いがある状態とは、この角層の角層細胞と細胞間脂質のバランスが取れ、角層細胞に十分水分がある状態を指します。
高齢者の肌が乾燥しやすい理由
高齢になってくると、角化細胞が生まれ角質細胞となって最後は垢として剥がれて行くサイクルが遅くなってきます。とともに角質層を構成する細胞の層も厚くなりバリア機能が増します。
一方、下層からの水分が十分に補給されないことと表面の古くなった角質層中の天然保水因子の減少により水分不足となって皮膚が乾燥するのです。
美白とアミノ酸
美白にもアミノ酸は大いに関与しています。システインは必須アミノ酸メチオニンから作られ、下記の美白効果を備えています。
- メラニン色素の生成を抑制します
- メラニン色素が原因のシミ・クスミを無色化する効力があります。
- メラニン色素を体外に排除する働きがあります
その他、
- 代謝促進で疲労回復効果がある
- 解毒効果で飲みすぎに効く
- 髪を構成するケラチンの要素である
など、なかなか興味深いいくつも効用・必要性がありますね。こんなに素晴らしいのなら「どんどんサプリで摂らなくちゃ」というわけでもないので注意してください。
メラニン色素は体にとっては絶対に必要なものです。メラニン色素は
- 紫外線の組織破壊を防ぐ
- 組織の癌化を防ぐ
というような重要な役割を担っています。
通常、不要なメラニンは体外に排出されていくのですが、非常に長時間紫外線を浴び続けたり、ターンオーバー機能に異常が出たりするとシミとなって残ってしまうんですね。
ですから、シミ発生→即サプリ、ではなく生活環境や皮膚の状態チェックも大切です。
システインは食物から摂取でき体内でも合成されます。肉や魚にもたくさん含まれています。
もちろんシステイン・メチオニンともにサプリメントもありますが、多くの機能を兼ね備えているので、美白のためだけににサプリとして飲むのはちょっと怖い気がします。
またシステインの過剰摂取は
- 腹痛
- 嘔吐
- 抗紫外線能力の下落
メチオニンの過剰摂取は
- 低血圧
- めまい
- 嘔吐
といった副作用もあります。
ダイエットとアミノ酸
健康食品業界にとって「ダイエット」は主戦場です。もう、あ〜だこ〜だと宣伝のし放題です。「〜ダイエット」という複合単語を作るのが得意です。しかし・・
この世の中に「減量効果のある」食べ物や飲み物は存在しません。そんなものが本当にあるのであれば、反論しようのないエビデンスとともに説明してほしいです。もちろんできません。最低ここだけは押さえておいてください。
さて、減量するためには
摂取カロリー<消費カロリー
を実行します。しかし、対策なしにそれだけをすることは得策ではありません。その理由は、減量できたとしても燃えない体になってしまうからです。
燃えないからだ=エネルギーを消費しにくい体
何故そうなるのか? それは減量で脂肪は落ちるけれど筋肉も落ちてしまうからです。その結果、基礎代謝量も落ちてしまうという悪循環です。
これを断ち切るためには、筋肉量を減らさないとこが肝要です。その方法は・・
適度な運動+タンパク質の補給(プロテインやBCAA)
です。減量時に特に有効である理由は、タンパク質を食事として摂取すると、どうしても不要なカロリーや脂肪が同時摂取されてしまうからです。
ここで特に申し上げたことは「プロテイン・ダイエット」とかの名称でダイエット方法の一つになっているみたいですが根本的に発想が間違っています。「原理から考えればこういう方法になる」というだけの話です。
アミノ酸と医療
アミノ酸は下に列記したように医療現場でも非常に幅広く利用されています。アミノ酸はタンパク質の構成要素で、タンパク質は体を構成する固形物質の半分を占めると上記しましたが、まさに必要不可欠であることが再認識されます。
- 点滴栄養素としてのアミノ酸 総合栄養素の一つとして、また単体の点滴液として
- 免疫力向上(アルギニン・グルタミン)
- 医療中間体として(アルギニン)
- 肝不全や肝硬変の改善(BCAA)
- 骨密度低下防止(アスパラギン酸)
- 胃・十二指腸の抗潰瘍(グルタミン酸)
- 薬物中毒の解毒(メチオニン)
- アルコールの解毒・分解(L-システイン)
私たちでも特によく目にするのは点滴です。病院にお見舞いに行った時などに患者さんの点滴のシールをみると、アミノ酸は普通に入っています。体の源です。
アミノ酸サプリ
用途で使い分け
体を構成しているタンパク質は20種類のアミノ酸からできていることは記述の通りですが、体の各場所にはその場所に応じたアミノ酸の組み合わせ配合がされています。
ですからアミノ酸サプリを利用するときは、目的に応じた配合のサプリメントを利用するのが合理的です。
なんでもサプリに頼るのが良いとは考えていません。基本は食生活です。しかし、毎日のライフスタイルを考えて見て、もし不足する可能性があるならば、アプリで補充するのがいいと思うのです。
ここで、私が実際に一定の期間使用してみてその上で、「良いのではないか」と感じている商品をご紹介します。
大豆プロテイン(アメリカ産)
大豆プロテイン(アメリカ産)1kg ×3袋 【遺伝子組み換え材料不使用】飲みやすいソイプロテイン 新品価格 |
アミノ酸スコア的にはホエイプロテインがいいのかもしれませんが、既述のように私は飲めないのでソイプロテインです。この商品の推薦理由は、とにかく安いから、そして溶けやすくサラっとして飲みやすいからです。
私はAQUARIUSに溶かして飲んでますが、なんせ毎日のことですので、口に合うかどうかは大切なポイントです。
もう一つ大切な点は、これも何度も申し上げますが、自分の財布と相談して「高い」と感じる商品は長期間続ける事ができません。
MRM社 BCAA + G 1000
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上記のようにBCAAは
- 筋肉中のタンパク質の分解・消費を抑制する
- トリプトファンの輸送を抑えて疲労を軽減する
というような特徴があります。ダイエット中の人にも有効なのは上記の通りです。
MRM社 BCAA + G 1000が良い理由は主に二つあって、
- BCAAに含まれる3つのアミノ酸、バリン・ロイシン・イソロイシンの比率が1:2:1であるのを黄金比率と言いますが、「MRM社 BCAA + G 1000」は1.5:2.5:1とほぼその通りになっていること
- 販売価格が群を抜いて安いことです。すでに多くの人が愛用しており、安いからといって心配は不要です。というか国内製品は高すぎます。
上述の通り、もし経済的に許されるなら、運動している人にとっては相当強い味方になってくれるアミノ酸サプリです。派生商品が多くありますが、ここでオススメしているのは基本商品です。つまり下記を含有している商品です。
- BCAA
- グルタミン
- アルギニン
- その他アミノ酸
- ビタミンA・B1・B2・B6・D・E・ナイアシン・パントテン酸
過去数年にわたり使っていて、良い商品であると実感しています。特に実感が強いのは
- 筋肉痛に効果がある
- 疲労感が少なくなる
何年も使っていた実感なのでブラシーボということはないでしょう。が、しかし・・・高い。それだけが残念です。
アミノ酸サプリとしては疑問なもの
アミノ酸は水分以外の体の構成物質としては多くを占めており、その一つ一つの役割を確認すればするほど優れており、極端な話、全部の種類をサプリとして飲みたくなったりするかもしれません。
しかし、サプリ商品として大々的に宣伝されているからといって、即必要かどうかは微妙なものもあります。
例えばその代表例がコラーゲン或いはそれを構成するグリシン・アラニン・プロリンなどのアミノ酸サプリです。
問題は、
- 日常生活において不足するようなものなのか?
- 体内に入ったそれらのアミノ酸サプリはコラーゲンに再合成されるのか?
- コラーゲンを摂取したり塗ったりして、体の構成物質としてのコラーゲンになるのか?
ということです。さて、どうでしょうか? 答えは・・
- コラーゲンは日常の食事で不足するようなものではありません
- コラーゲンを食べても飲んでもアミノ酸に分解されてから吸収される。その分がコラーゲンに再合成されるわけではない
- アミノ酸としてのサプリを摂取しても2.の説明と同じことになる
- コラーゲンを塗ってもそれ自体は保湿効果があるので一時的に効果があると勘違いするが吸収されるわけではない。どんなに塗っても体の一部・構成要素にはならない
上記は事実ですが、体験的に否定するような方も多いような気がします。特に3.についてですが、最近はナノテクで小さな分子のコラーゲン商品が出てますが無意味です。
もし、外から塗って吸収されて皮膚の一部になるというような事があるなら、それは生きていく上で極めて危険な事です。
むしろお肌のことを気にするのであれば、気にすべき点はこちらの記事にあります。
アミノ酸サプリのコスト
すでに書いた通り自分でも経験している結構大きな問題があります。それは、どんな目的でどの種類のアミノ酸サプリを飲み続けるにせよ、コストの問題がネックになるんです。
例えば、結構長い間私が使っていたサプリでアミノバイタル・プロという有名な味の素のアミノ酸サプリがあります。これは運動とセットで毎日続けると本当に回復が実感できる素晴らしいサプリです。
しかし残念ながら継続使用するには・・・ご覧のように高いのです。
美容目的であれ健康僕的であれ、どっちにしても一時的な使用ではなく継続使用するものです。ですから単価の問題は結構切実です。
結局、自分の経済事情にあった継続方法を選択するしかありません。そういう意味でも、すぐに飛びついて、使用するサプリをコロコロ変えるのは好ましいとは言えないでしょう。
アミノ酸サプリの副作用
なんども申し上げますが、
- アミノ酸はタンパク質の構成要素
- タンパク質は人体の構成要素
- 不要なアミノ酸は体外排出する仕組みを体は持っている
ということで基本的には安心して摂取できます。
しかし、目的に応じて、特に不足する種類のアミノ酸を適度に摂取しないと、過剰な摂取は・・
- アミノ酸のバランスを崩してしまう
- 肝臓や腎臓に余分な負担を与えてしまう
どっちにしても過剰摂取で使いきれなくなってしまうと
- 分解排出か
- 別合成貯蔵になる
ので、体に負担がかかるし脂肪なんかで溜め込んだら本末転倒でしょう。この辺はよく理解して利用しなければならないと思います。
まとめ
人間の身体はまさにアミノ酸からできているといっても過言ではありません。それが体のそれぞれの場所で様々なタンパク質に再合成されて素晴らしい活躍をしています。
そのアミノ酸の大切な働きなどをもう一度おさらいをしますと・・
- タンパク質を含む食材は多いが、特に体内合成できない必須アミノ酸を食べ物で積極的に摂取していくことが大切
- アミノ酸スコアの高いタンパク質を摂ることが好バランスにつながる
- 体内に食物として入ったタンパク質はアミノ酸に分解されて吸収される。コラーゲンというタンパク質を食べてもコラーゲンが増えるわけではない理由がそこにある
- 吸収されたアミノ酸は体の各部分で必要に応じて必要な形のタンパク質に再合成される
特定のタンパク質やアミノ酸の効果が素晴らしいからと宣伝されても、だから即サプリメント摂取という発想は正しくはないのです。
それであれば、もっと食事のバランスを良くすることが大切です。その上で有効な活用を検討するのが良いと思うのです。
年齢とアミノ酸サプリとプロテイン利用
- 年齢とともにアミノ酸の吸収力が落ちてきます。
- 年齢とともにバランスの良い食生活に偏りが生じることがある
その結果、一日70〜80g必要なタンパク質が不足すると悪影響が出てきます。そういう時もサプリメントの併用は考慮の余地がありますね。
さて、最後に私ですが、今継続的に摂取しているのは
- 大豆プロテイン
- BCAA
- クエン酸
の3点です(クエン酸はアミノ酸ではありません)。色々と勉強し色々と試し、ここに落ち着いた理由は
- 運動継続に必要で且つどうしてもこれ以上は削れない
- これらであれば継続するコストに耐えられる
ということです。海外製品ばかりですが既に多くの方が利用しており不安はありません。それよりも安価であることが大事です。日本の製品は高すぎます。
別のアミノ酸サプリを利用したい誘惑はありますが、それは絶って、食事で総合調整しています。
あなたも上手にアミノ酸サプリを利用し、そして適度な運動を日常生活に取り入れて、健康で美しい体をキープしてください。
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