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義両親からの介護要請とそのプレッシャー
戦後、多くの人々が都会に移り住み、それに伴って核家族化が進みました。
しかし、未だに嫁が義両親の介護をすることが当然とされる環境も少なからず残っています。
- 我が家に嫁いできたのだから、義両親の考えを尊重するのが当たり前
- 家族だから助け合うのが当然
こういった、一方的で歪んだご都合主義的な考えが、嫁に義両親の介護を押し付けようとするプレッシャーを生んでいます。
このような状況に置かれた嫁にとって、そのプレッシャーは非常に大きな心理的負担となります。
また、無理な介護要求を安易に受け入れてしまうと、自身の人生が行き詰まる可能性もあるのです。
そこでこの記事では、このような災難をどのようにして切り抜けていくか、多角的に考察していきます。
法的根拠: 義両親の介護義務を断る正当な理由
結論から言いますと、あなたは義両親の介護を断れます。はっきりと拒否することができるのです。
なぜか? それは、日本が法治国家であり、法的な根拠があるからです。
したがって、当然ながら、嫁はこの直系血族には含まれないため、義両親を扶養する法的義務はありません。
よって、嫁が義両親の介護を拒否するのは正当な権利であり、これを根拠として義両親や夫からの無理な介護要求を断ることができるのです。
この問題で、特に悪質なケースは、義両親には介護が可能な兄弟姉妹や子供がいるにもかかわらず、彼らが介護を引き受けたくなくて、無理やり嫁に一方的に押し付けるケースです。
もし該当するならば、全力で拒否しなければなりませんし、そもそも、そのような思考の人々と一緒にいること自体、良いことは何もないので逃げるべきです。
とはいえ、このままでは大変なことになると血相を変えて腹をくくっても、それでも、この問題を法律論をもって中央突破は流石にきついです。
一つには、日本独特の同調圧力。
もう一つは、何と言っても敵地での孤軍状態です。
なので、策なしに体当たり的な行為は良い結果を生みません。
ではどうすれば危機を回避できるのか? これについて次の章で考えます。
現実的な対処法:義両親の介護を断る具体的な方法
そもそも夫が自分の家庭を第一に考える、つまり、妻を守る姿勢を貫くなら、妻は理不尽な要求に苦しむことはないのです。
しかし、実際には多くの場合、夫を含む義家族が、妻の知らないところで密かに介護についての話し合いを進め、妻には直前まで何も知らせないのです。
妻が状況を把握した時には、すでに話が進んでおり、介護の役割が既成事実化されてしまっているから悪質です。
夫は婚前の約束を守らない
こういう夫は、例え、婚前に「同居はしない」と約束していても反故にします。
問いただすと「やむを得ない」的な言い訳をされるでしょう。
言外に「やむを得ないからお前一人で背負ってくれ」ということで、つまり、知らぬ間に同居が決められ、挙げ句に介護丸投げまで決められているのです。
これ、妻に対しての決断ではないでしょう。家政婦か奴隷だと考えるからこそ出来る決断です。
これらの状況における立ち回り術
事前準備をする
義両親や夫が何かを計画している兆候が見られた場合、早めにその意図を確認し、情報収集を行います。
このような状況になるに至る日常の中で、自分を守るセンサーのスイッチが入ってなければおかしいです。
もし、ただただ心が廃れていくのに耐えることしかできないで、たまたまこの記事を見たなら、今からでも遅くないから動くのです。情報収集をするのです。
情報収集とは
いちばん大切な事は証拠を残すことです。これが情報収集活動の全てです。その方法とは?
- 日記:毎日日記を書いてください。特に義実家・夫の行動で辛かったことを詳しく書き記してください。
- 録音:ある程度の性能を持った小型ボイス・レコーダーで彼らの会話を録音してください。手元になければ、この際購入してください。彼らの見えない場所でスイッチをオンにしてポケットに忍ばせてください。何度か試しているとキレイにとるためのカンができてきます。
- 録画:録画も強力な証拠になります。これは撮影自体が感づかれやすく難しいかも知れません。しかし、諦めずにチャンスを待って、到来したらスマホの録画機能をオンにしてください。
- ボイスレコーダーで私のオススメはこれです。
味方を確保する
夫が理解を示さず妻が孤立している場合、話し合いの場に信頼できる味方を確保することが重要です。
例えば、家族や友人を同席させ、心理的な支えを確保し、義両親や夫の強硬な態度を和らげる効果が期待できます。
外部からのサポートを得ることで、話し合いが一方的に不利にならなくなる可能性が上がります。
味方につけておくと、特にパワーを発揮してくれるのが、夫の兄弟姉妹、義理のおじおば。
こういった人たちは、義両親や夫に、極論すれば、好き放題意見できるので、味方であれば本当に強く話し合えます。
そう考えると、こういう人たちとの日頃の付き合いが如何に大切かがよくわかりますね。
外部の介護サービスを提案する
義実家が妻に介護を押し付けようとしている状況では、外部の介護サービスを提案することは難しいかもしれません。
しかし、完全に否定するのではなく、適切なタイミングを見計らい、デイサービスやショートステイのような部分的な外部サービスを提案することは大切です。
難しいのは容易に想像がつくので、こういう時も、上記の義理縁者に協力をお願いできれば話が通りやすいです。
極端な状況を冷静に提示する
夫に対して、自分の健康や家庭全体の生活に支障が出るリスクを早期に冷静に説明します。
感情的にならず、具体的な事実をもとに、介護が家庭に与える悪影響を伝えます。
ここでも、先ほど述べた記録が大きな役割を果たしてくれる可能性があります。話し合う際には忘れずに録音を。
もし、夫が理解してくれず、ただただ義両親の願いを叶えたいマシーンになっているなら、根本的にアプローチを変える必要があります。
最終的な行動を準備する
これらの対策を試みた後でも、状況が改善しない場合、離婚を考える必要があります。
あなたと子どもたちの安心安全を確保することが最優先で、そのために努力した最終結果であると受け入れなければなりません。
こうなった場合は、一人では交渉できないので弁護士の力を借りることになります。
そこに至る道順などを次にご説明します。
孤立無援の状況での自己防衛: 自分を守るための戦略
誤解しないでいただきたいのですが、義家族との対立を煽っているわけじゃないですよ。
あくまでも、話し合いの余地がなく、一方的に無理難題を理不尽に押し付けられてきて、どうにもならない極限状態にとるべき思考や行動の話ですからね。
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にっちもさっちも行かなくなり、精神的・物理的に追い詰められたとき、最終的にあなたが取るべき自己防衛行動や手段を考える必要があります。
このセクションでは、絶望的な状況下で、いかにして自分を守るかに焦点を当てます。
いいですか、折れたらだめですよ。妥協したら終わりますよ。
あなたのご両親は、あなたを奴隷にするためにあなたをここまで育ててこられたんじゃないのですよ。
緊急時の避難計画
最悪の状況が訪れる前に、避難経路と避難先を明確にしておくことが重要です。
信頼できる友人や親戚に事前に相談し、緊急時にはすぐに避難できる場所を確保しておきましょう。
避難計画を具体的に立て、必要に応じて緊急時の脱出を迅速に実行できるよう、荷物の準備や移動手段の確認も欠かさず行ってください。
また、避難だけでなく、金融資産や重要な書類の保管場所を確保し、いつでもアクセスできるように準備を整えておくことが、自分の安全と生活を守るために不可欠です。
避難時に持って出るべき最低限のもの
- 現金
- 通帳・キャッシュカード・クレジットカード
- 自分と子供の保険証券
- 運転免許証・パスポート
- 健康保険証
- 印鑑
- 処方薬
- 子供に関する最低限のもの
法的手段の実行と安全確保
精神的に追い詰められ、物理的な危険が迫っていると感じた場合、弁護士の支援を受けて法的手段を講じることが必要です。
たとえば、保護命令を申請して義両親や夫からの接触を制限する、または緊急避難先の確保など、法的に認められた手段を活用しましょう。
このプロセスでは、これまで集めた証拠を弁護士に提出し、法的手続きを進めます。
特に、財産分与や子どもの親権など、家庭生活の再構築に関わる重要な決断に際しては、弁護士のアドバイスをもとに、最も有利な条件で交渉を進めることが求められます。
安全確保のための準備を整えた上で、あなたと子どもたちの未来を守るために、適切な行動を取る覚悟を持ちましょう。
難しく考える必要はない
弁護士関連はややこしく感じるかも知れません。しかし、心配は不要です。証拠を揃えて、弁護士に相談すれば、なすべき事やあなたに代わってやってくれることも詳しく説明してくれます。
なので、難しく考えて、それが行動を遅らせる原因になってはだめです。
弁護士関連でいちばん大切なこと
逆に、あなたが頑張ってやるべきは、良い弁護士を見つけることです。
一番は、信頼できる友人や勤め先の上司などの伝手です。
ネットで検索して、お近くの弁護士事務所に相談に行くのも手です。だいたい30分5000円くらいが相場ですが、必ず事前確認をしてください。
この場合、短時間なので必要最低限の話で済むように事前によくよく纏めておいてください。それをスマホのメモ機能に載せておいて見ながらお話をします。
もう一つの注意点は、任せるに足る人かどうかを見抜くことです。疑問な点があるなら迷わず別を当たりましょう。
もし、なにも頼るべき筋がない場合は、下に示す法テラスや弁護士会に相談してください。
- ※利用する場合は各サイトの記載事項をよく読んでからにしてください。
- ※利用する場合は、事前にまとめて、それを見ながら話をしてください。
弁護士は本当にピンキリなので、信頼できる人に依頼できるかどうかで、あなたの運命は大きく変わります。
支援ネットワークの構築
このような大変な事態において、孤軍奮闘するのは非常に危険です。
視野や判断力が低下し、情報収集能力も劣る可能性が高く、精神力が削られることも十分に考えられます。
こうした状況を避けるためには、ここに至るまでに述べたように、信頼できる援軍、すなわち友人や知人の助けを借りることが、自分を救う重要な鍵となります。
また、それ以外にも、信頼できる支援ネットワークも、ケース・バイ・ケースで活用したほうが良いでしょう。
弁護士だけでなく、カウンセラーや地元の支援団体とも連携を取り、自分が孤独ではないことを確認してください。
精神的なサポートを受けることで、困難な状況を乗り越える力を得ることができます。
各市町村役場のサービス
各市町村の役所でも、DVや家庭内の問題に関する相談を受け付けています。以下のような支援を提供していることが多いです。
ただ、サービスの内容や充実度は市町村によってバラツキがあり、これはしょうがないことです。
1. 福祉課・保健福祉センター
福祉課や保健福祉センターでは、DVや虐待、介護問題などに関する相談窓口を設けています。
家庭内の問題に関して幅広いサポートを提供しており、必要に応じて専門機関への紹介も行っています。
- 連絡先:お住まいの市町村の役所に直接電話するか、役所のウェブサイトで「福祉課」または「保健福祉センター」の連絡先を確認できます。
2. 市民相談窓口
各市町村の役所には、市民相談窓口があり、家庭内問題や法律問題についての相談を受け付けています。
専門の相談員が対応し、必要に応じて弁護士や福祉関係者に繋げてくれます。
- 連絡先:市町村の役所の代表番号に電話し、市民相談窓口に繋いでもらいます。
3. 地域包括支援センター
高齢者やその家族に対する支援を行う地域包括支援センターでは、介護問題や高齢者虐待に関する相談を受け付けています。
介護に関するトラブルやストレスの相談も対応しており、必要に応じて外部機関と連携して問題解決を図ります。
- 連絡先:お住まいの地域の市役所、町役場、または保健福祉センターに問い合わせることで、地域包括支援センターの連絡先を確認できます。
全国で利用可能な支援団体や窓口
女性相談センター(各都道府県に設置)
配偶者や家族からの暴力、虐待に対する相談ができます。
各都道府県に窓口が設置されており、電話や直接の相談が可能です。
- 連絡先:各都道府県のホームページや市区町村役場で確認できます。
民間のカウンセリングルーム
インターネットで地域名と「カウンセリング」「メンタルヘルス」と検索すると、多くの民間のカウンセリングルームが見つかります。
無料相談を行っているところもあります。
NPO法人や地域の支援団体
多くのNPO法人や地域団体が、DVや家庭内の問題に関する相談を受け付けています。
お住まいの地域の市区町村役場や、地域のコミュニティセンターで、具体的な団体の情報を得ることができます。
DV相談+(プラス)
24時間対応のDV相談窓口です。電話、チャット、メールでの相談が可能で、緊急時の支援も行っています。
- 連絡先:0120-279-889 または 公式サイト で詳細を確認。
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これらの連絡先を知っておくことで、読者が孤立無援の状況で適切な支援を得るための第一歩を踏み出すことができます。
まとめ
この記事は、妻たるあなたが義両親の介護を押し付けられた場合の対応策を、かなり詳しく述べてまいりました。
そもそも、あなたの夫がしっかりと、あなたを含めた家族を守ってくれるなら、ここに述べたようなことにはならないし、苦しまなくてもいいのです。
家族離散の危機も訪れないのです。
このことからも、あなたの夫の本質を見抜くことが何より大切だということがわかります。
盲目的に期待したり信頼することには何の意味もありません。
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さて、
義両親の介護を押し付けられそうになる状況は、感情的にも精神的にも大きな負担となり、時には家庭内で深刻な対立を引き起こすこともあります。
しかし、自分自身と家族の健康や幸福を守るためには、冷静に状況を見極め、適切な対応を取ることが不可欠です。
この記事で紹介したように、まずは情報収集を怠らず、自分の立場を明確にすることが大切です。
証拠を残し、信頼できる人々の助けを借りることで、孤立することなく自分を守る力を持つことができます。
また、外部の支援を活用し、必要に応じて法的手段を講じることも重要な選択肢です。
そして、最も大切なのは、自分自身の精神的・物理的な安全を最優先に考えることです。
義両親や夫との関係を円滑に保つことは重要ですが、それが自己犠牲を伴うものであってはなりません。
家庭内の問題に対しても、自分の意志と権利をしっかりと守り、必要な場合には適切な行動を取る勇気を持つことが求められます。
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最後に、どのような選択をするにしても、サポートを得ることが孤軍奮闘を避け、より良い結果に導くための鍵となります。
友人、家族、専門家の助けを借りながら、冷静に、そして強い意志を持って行動しましょう。
民法第877条には、「扶養義務者は直系血族および兄弟姉妹である」と記されており、また、同条第1項には「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と明確に記されています。